【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
イ.経営成績当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染の第7波が収束し、全国旅行支援やイベント割といった国内向けの支援に加え、国際的な人の往来再開に向けた措置が実施され、ウィズコロナの新たな段階に向けた取り組みが進められました。これに伴い、人流の回復が見られ、宿泊、外食、レジャー費用などの支出が増加するなど、景気は緩やかに持ち直す傾向が続いています。一方で、ウクライナ情勢の長期化と円安の影響により、原材料やエネルギーは価格高騰が継続しており、今後の景気下振れリスクへの注意が必要な状況にあります。 食品業界においては、新型コロナウイルス感染症の影響による内食や中食の需要が継続しており、これら需要は引き続き堅調に推移しています。また、外食需要についても行動制限がとられなかったことから、引き続き回復傾向となりましたが、消費者の行動自粛が特に夜間の客足に影響している状況です。また、原材料費、エネルギー費、人件費等の高騰に価格改定が追いついておらず、企業業績への影響も見られています。 このような環境のなか、当社グループでは、2025年3月期までの新3ヵ年中期経営計画に基づき、「価値創造の加速」を経営ビジョンとして、(1)安全・安心の向上、(2)国内事業(調味料、機能性)の強化、(3)海外展開の加速、(4)新たな事業分野の創出の4つの基本戦略へ経営資源を投入しております。また、当社では「資本効率の追求」を重要な経営課題と捉え、キャッシュアロケーションとして3ヵ年を通じて人財・設備への投資:35億円、株主還元:20億円、新規事業分野:5億円への投資を実施することなどで企業価値の向上を図ってまいります。なお、第1四半期連結累計期間においては、株主還元策の一環として自己株式の市場買付を行い、185,000株(株式の取得価額の総額:1億80百万円)の取得を実施しました。連結売上高につきましては、調味料及び機能食品の販売は減少したものの水産物の販売が伸長したことから、97億43百万円(前年同期比4億30百万円、4.6%増)となりました。利益面につきましては、製造コスト上昇に伴う販売価格の改定や生産性改善への取組みを行っているものの、足元の更なる原材料価格、燃料動力費の上昇に伴い採算性が悪化したほか、販売費及び一般管理費においても積極的な事業展開を見据えた人材確保に伴う人件費の増加、コロナ禍で削減していた広告宣伝費及び旅費交通費の増加、先行投資としての試験研究費の増加等の影響もあり、連結営業利益は2億99百万円(同2億66百万円、47.0%減)となりました。また、連結経常利益は、3億41百万円(同2億88百万円、45.8%減)となったほか、特別利益の投資有価証券売却益が前年同期比4億71百万円減少したこと等により親会社株主に帰属する四半期純利益は2億1百万円(同5億56百万円、73.5%減)となりました。
セグメント別の業績は以下の通りです。
(調味料)調味料は、主に加工食品メーカー向けの液体調味料や粉体調味料の製造販売及び各種香辛料の製造販売に関するセグメントです。市場伸長が高い昆布・エビ調味料の販売強化や販売価格の改定に取り組み、液体調味料の販売は伸長した一方、粉体調味料の販売が減少しました。その結果、調味料セグメントの売上高は、49億59百万円(前年同期比2百万円、0.0%減)となりました。セグメント利益は、販売費及び一般管理費が増加したほか売上構成の変化や原材料価格等の上昇により3億72百万円(同87百万円、19.0%減)となりました。(機能食品)機能食品は、機能性食品素材及び機能食品の製造販売に関するセグメントです。機能食品は主力商品の苦戦が続いており売上高が減少したほか、機能性食品素材は注力素材のアンセリンが堅調に推移したものの他の製品群の販売が低下しとことにより売上高が減少しました。その結果、機能食品セグメントの売上高は、20億41百万円(同49百万円、2.4%減)となりました。セグメント利益は、売上高の減少や原材料価格等の上昇により採算性が悪化したほか、販売費及び一般管理費の増加により、3億71百万円(同1億82百万円、33.0%減)となりました。
(水産物)水産物は、主に冷凍鮪の原料販売及び加工製品の製造販売に関するセグメントです。継続する原料価格の上昇に伴う販売価格の改定による影響により製品販売は伸び悩みましたが、海外仕入による商品販売や本鮪等の原料販売が伸長したほか、台湾・香港向け海外販売が増加したことにより売上高は増加しました。その結果、水産物セグメントの売上高は、19億67百万円(同4億90百万円、33.2%増)となりました。セグメント利益は、販売関係の増収及び製造経費や運賃・倉敷料等販売経費の削減等により、55百万円(同15百万円、37.3%増)となりました。(その他)その他は、化粧品通信販売及びその他商品の販売に関するセグメントです。その他商品の販売が減少し、その他セグメントの売上高は、7億74百万円(同8百万円、1.1%減)となりました。セグメント利益は、売上構成の変化や販売費及び一般管理費の増加により23百万円(同13百万円、36.0%減)となりました。
ロ.財政状態当第3四半期連結会計期間末における総資産の総額は、前連結会計年度末に比べ5億70百万円減少し、214億8百万円となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金が6億63百万円、商品及び製品が3億9百万円、原材料及び貯蔵品が97百万円増加した一方、現金及び預金が17億26百万円減少したこと等により5億64百万円減少し、142億90百万円となりました。固定資産は、保有株式の時価の上昇により投資有価証券が78百万円増加した一方、期中の減価償却が設備投資を上回り有形固定資産が75百万円減少したこと等により5百万円減少し、71億18百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金が5億2百万円増加した一方、短期借入金が3億90百万円、未払法人税等が3億76百万円減少したこと等により4億19百万円減少し、19億55百万円となりました。固定負債は、繰延税金負債が34百万円増加したこと等により39百万円増加し、3億8百万円となりました。純資産は、その他有価証券評価差額金が73百万円増加した一方、自己株式取得により自己株式が1億75百万円、利益剰余金が82百万円減少したことにより1億90百万円減少し、191億44百万円となりました。この結果、自己資本比率は89.4%となりました。
(2) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について、重要な変更はありません。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題については重要な変更はありません。
(4) 会社支配に関する基本方針 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの会社の支配に関する基本方針については重要な変更はありません。
(5) 研究開発活動 当第3四半期連結累計期間における当社グループ全体の研究開発活動の金額は、161百万円であります。 なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。