【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)における当社グループの事業環境は、ウクライナ情勢の長期化などに関連した世界各地でのエネルギー価格の高騰、世界的な物価上昇、円安のさらなる進行など、先行きを見通すことが困難な厳しい事業環境となりましたが、セパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷数量は、前期並みに推移しました。
このような状況の下、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上収益5,736億99百万円(前年同期比 28.2%増加)、コア営業利益561億85百万円(同 12.7%増加)、営業利益538億72百万円(同 8.2%増加)、親会社の所有者に帰属する四半期利益351億49百万円(同 2.5%増加)となりました。
為替の影響については、期中平均レートが前年同期に比べ、米ドルで110円10銭から135円30銭へと25円20銭(同 22.9%増加)の円安、ユーロで131円16銭から139円14銭へと7円98銭(同 6.1%増加)の円安、豪ドルで82円33銭から93円51銭へと11円18銭(同 13.6%増加)の円安となるなど、売上収益は全体で約397億円、コア営業利益は全体で約52億円多く表示されています。
なお、コア営業利益は営業利益から非経常的な要因により発生した損益(事業撤退や縮小から生じる損失等)を除いて算出しております。
セグメント業績は、次のとおりです。
なお、セグメント利益はコア営業利益で表示しております。
① 日本ガス事業
産業ガス関連の売上収益は、主力製品であるセパレートガス及びLPガスにおいて出荷数量は減少したものの、コスト上昇に伴う販売価格の上昇により増収となりました。また、エレクトロニクス関連での電子材料ガスの販売は堅調で増収となりました。機器・工事では産業ガス関連、エレクトロニクス関連共に、前期に比べ増収となりました。一方で、エネルギー価格やインフレの影響に伴う製造コスト及び物流費等の上昇が続いており、販売価格の上昇との間に時間差があることからセグメント利益は減少しました。
以上の結果、日本ガス事業の売上収益は、1,944億6百万円(前年同期比 12.2%増加)、セグメント利益は、127億21百万円(同 9.1%減少)となりました。
② 米国ガス事業
産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの出荷数量・売上収益共に前期並みとなりましたが、その他のバルク製品は販売が好調でした。また、炭酸ガスについては特にドライアイスの販売が好調でした。機器・工事では、溶接・溶断関連機材が前期に比べ大幅に増収となりました。また、エレクトロニクス関連の販売も堅調でした。
以上の結果、米国ガス事業の売上収益は、1,459億61百万円(前年同期比 35.9%増加)、セグメント利益は、160億72百万円(同 14.0%増加)となりました。加えて、円安の影響で売上収益及びセグメント利益は多く表示されています。
③ 欧州ガス事業
主力製品であるセパレートガスは出荷数量においては概ね前年並みとなりましたが、急激なエネルギー価格等のコスト上昇を価格上昇でカバーできており、これを反映して売上収益は大幅に増加しました。そのほかの事業についても堅調に推移しました。
以上の結果、欧州ガス事業の売上収益は、1,363億8百万円(前年同期比 43.6%増加)、セグメント利益は、159億8百万円(同 25.1%増加)となりました。加えて、円安の影響で売上収益及びセグメント利益は多く表示されています。
④ アジア・オセアニアガス事業
産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの出荷数量は低調だったものの、売上収益はパッケージガス、オンサイトが好調に推移したことなどにより、増収となりました。主に豪州地域での販売が多くを占めるLPガスでは、引き続き仕入れ価格の上昇による販売単価の上昇と堅調な販売数量の推移により増収となりました。エレクトロニクス関連では、ガス・機器ともに好調に推移し、増収となりました。
以上の結果、アジア・オセアニアガス事業の売上収益は、818億3百万円(前年同期比 38.8%増加)、セグメント利益は、89億43百万円(同 34.6%増加)となりました。加えて、円安の影響で売上収益及びセグメント利益は多く表示されています。
⑤ サーモス事業
サーモス事業は日本では新年度以降、外出等の制限の緩和からケータイマグやスポーツボトルが堅調だったほか、フライパンなどの新製品も好調に推移し、売上収益は大幅な増収となりました。海外での売上収益も概ね好調に推移しました。
以上の結果、サーモス事業の売上収益は、151億69百万円(前年同期比 17.9%増加)、セグメント利益は、33億9百万円(同 11.0%増加)となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の資産合計は2兆1,556億91百万円で、前連結会計年度末比で1,786億65百万円の増加となっております。為替の影響については、前連結会計年度末に比べ期末日レートが米ドルで22円42銭の円安、ユーロで5円62銭の円安となるなど、約1,374億円多く表示されております。
〔資産〕
流動資産は、その他の金融資産や棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末比で750億10百万円増加し、4,975億3百万円となっております。
非流動資産は、有形固定資産やのれんの増加等により、前連結会計年度末比で1,036億55百万円増加し、1兆6,581億88百万円となっております。
〔負債〕
流動負債は、社債及び借入金やその他の金融負債の増加等により、前連結会計年度末比で939億8百万円増加し、4,255億4百万円となっております。
非流動負債は、繰延税金負債の増加や社債及び借入金の減少等により、前連結会計年度末比で28億87百万円増加し、9,871億80百万円となっております。
〔資本〕
資本は、在外営業活動体の換算差額や親会社の所有者に帰属する四半期利益の計上による増加等により、前連結会計年度末比で818億69百万円増加し、7,430億6百万円となっております。
なお、親会社所有者帰属持分比率は33.0%で前連結会計年度末に比べ1.2ポイント高くなっております。
(3)キャッシュ・フローの分析
〔営業活動によるキャッシュ・フロー〕
税引前四半期利益、減価償却費及び償却費、棚卸資産の増減額等により、営業活動によるキャッシュ・フローは721億22百万円の収入(前年同期比 8.2%増加)となりました。
〔投資活動によるキャッシュ・フロー〕
有形固定資産の取得による支出等により、投資活動によるキャッシュ・フローは422億52百万円の支出(前年同期比 41.4%増加)となりました。
〔財務活動によるキャッシュ・フロー〕
長期借入金の返済による支出、短期借入金の純増減額、配当金の支払額等により、財務活動によるキャッシュ・フローは254億48百万円の支出(前年同期比 40.8%減少)となりました。
これらの結果に、為替換算差額等を加えた当第2四半期連結累計期間の現金及び現金同等物の四半期末残高は、1,010億15百万円となりました。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、18億24百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。