【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における国内外の景気は、ウクライナ情勢、原材料価格の高騰、半導体等の部品調達難等、先行き不透明な状況が継続した一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と経済活動の両立が進み、緩やかな回復傾向で推移しました。
当社グループが主に関連する塗料業界におきましては、日本塗料工業会の集計によりますと、2022年度の出荷数量では前期比3.7%減の153万トン、出荷金額では前期比7.7%増の7,087億円となりました。
このような経営環境の下で当社グループは、マーケティング活動を強化し、当社グループのコア事業である塗料関連事業と電気・電子部品事業のシナジーを高め、ものづくり現場のデジタル化、グローバル化を推進しました。また、お取引先様の課題解決に的を絞り、新型コロナウイルス感染症拡大の収束後の世界にも通用する価値を提供して、新たな需要を創造していくとともに、事業活動を通じてSDGs等の社会課題の解決に貢献してまいりました。なお、これらの事業を展開する上で、収益体質を強化することに努めてまいりました。
その結果、財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。
a.財政状態(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、前連結会計年度末の26,951百万円に比べ2,706百万円(10.0%)増加し、29,657百万円となりました。その主な内訳は、売掛金が1,671百万円、電子記録債権が216百万円、棚卸資産が833百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、前連結会計年度末の14,695百万円に比べ1,116百万円(7.6%)増加し、15,812百万円となりました。その主な内訳は、建物及び構築物(純額)が274百万円、ソフトウエアが350百万円、投資有価証券が1,020百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、前連結会計年度末の18,472百万円に比べ3,506百万円(19.0%)増加し、21,978百万円となりました。その主な内訳は、支払手形及び買掛金が1,382百万円、電子記録債務が847百万円、1年内返済予定の長期借入金が1,150百万円それぞれ増加したことによるものであります。
(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、前連結会計年度末の5,082百万円に比べ908百万円(17.9%)減少し、4,173百万円となりました。その主な内訳は、長期借入金が1,150百万円減少し、繰延税金負債が290百万円増加したことによるものであります。
(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末の18,091百万円に比べ1,226百万円(6.8%)増加し、19,318百万円となりました。その主な内訳は、利益剰余金が456百万円、その他有価証券評価差額金が655百万円それぞれ増加したことによるものであります。
b.経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高は64,329百万円(前連結会計年度比13.0%増)、営業利益は691百万円(前連結会計年度比201.7%増)、経常利益は983百万円(前連結会計年度比96.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は650百万円(前連結会計年度比149.0%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(塗料関連事業)塗料関連事業では、主たるお客様である自動車メーカーの生産台数が、前連結会計年度と比較して回復したこと及び環境対応商品の拡販、化成品の加工販売による売上高の増加に加えて、仕入価格の上昇について販売価格への転嫁が進んだこと等により売上高、セグメント利益ともに増加しました。その結果、塗料関連事業の業績は、売上高は前連結会計年度比10.6%増の46,393百万円、セグメント利益は前連結会計年度比17.4%増の1,917百万円となりました。
(電気・電子部品事業)電気・電子部品事業では、車載向けセンサーの新規獲得による売上高の増加に加えて、仕入価格の上昇について販売価格への転嫁が進んだこと、為替の影響等により売上高、セグメント利益ともに増加しました。その結果、電気・電子部品事業の業績は、売上高は前連結会計年度比19.5%増の17,935百万円、セグメント利益は前連結会計年度比124.8%増の517百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、4,360百万円と前連結会計年度末と比べ56百万円(1.3%)の減少となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、563百万円の収入となりました。これは主に、仕入債務の増加額2,185百万円及び税金等調整前当期純利益980百万円の収入、売上債権の増加額1,751百万円の支出によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、319百万円の支出となりました。これは主に、固定資産の取得による支出339百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、332百万円の支出となりました。これは主に、短期借入金の純減少額79百万円、配当金の支払193百万円によるものであります。
③仕入、受注及び販売の実績a.仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
塗料関連事業
40,024
110.6
電気・電子部品事業
17,375
121.4
合計
57,400
113.7
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.金額は、仕入価格によっております。
b.受注実績受注と販売との差異は僅少であるため、受注高の記載は省略しております。
c.販売実績当連結会計年度における商品販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
塗料関連事業
46,393
110.6
電気・電子部品事業
17,935
119.5
合計
64,329
113.0
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において当社グループが判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり、経営者によって一定の会計基準の範囲内で見積りを行い、その結果を資産・負債や収益・費用の数値に反映しておりますが、実際の結果はこの見積りと異なる場合があります。重要な会計方針及び見積りの内容は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等(注記事項)(連結財務諸表作成の基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (注記事項) (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績は、売上高は64,329百万円(前連結会計年度比13.0%増)、営業利益は691百万円(前連結会計年度比201.7%増)、経常利益は983百万円(前連結会計年度比96.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は650百万円(前連結会計年度比149.0%増)となりました。
a.売上高及び売上総利益主たるお客様である自動車メーカーの生産台数が、前連結会計年度と比較して回復したこと及び環境対応商品の拡販、化成品の加工販売、車載向けセンサーの新規獲得による売上高の増加に加えて、仕入価格の上昇について販売価格への転嫁が進んだこと等により売上高、売上総利益ともに増加しました。その結果、売上高は64,329百万円(前連結会計年度比13.0%増)、売上総利益は8,089百万円(前連結会計年度比13.6%増)となりました。
b.販売費及び一般管理費、営業利益販売費及び一般管理費は、7,398百万円(前連結会計年度比7.4%増)となりました。これは主に、売上高が増加したことに伴い、営業活動に必要な旅費交通費や物流費が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は691百万円(前連結会計年度比201.7%増)となりました。
c.営業外収益、営業外費用及び経常利益営業外収益につきましては、受取配当金や関連会社にかかる持分法による投資利益等の増加により、358百万円(前連結会計年度比9.0%増)となりました。営業外費用につきましては、支払利息等の増加により66百万円(前連結会計年度比17.5%増)となりました。その結果、経常利益は983百万円(前連結会計年度比96.1%増)となりました。
d.親会社株主に帰属する当期純利益税金等調整前当期純利益が980百万円(前連結会計年度比120.1%増)となり、法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は650百万円(前連結会計年度比149.0%増)となりました。
e.キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析)「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの運転資金需要は、商品仕入の他、人件費、物流費等の販売費及び一般管理費が主なものであります。また、設備資金需要は、塗装技術開発機能の強化、営業所の維持管理・保守などを目的とした設備投資が主なものであります。今後、グローバルな事業展開の継続にあたり、成長市場への進出、事業拡大のための投資を行っていく予定であります。当社グループは、事業活動のための適切な資金の調達及び適切な流動性を安定的に確保することを基本方針としております。短期的な運転資金の需要に対しては、主に自己資金やシンジケートローンによるコミットメントライン等により、また長期的な運転資金の需要に対しては、必要に応じて金融機関からの長期借入を行っております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3.事業等のリスク」に記載のとおりであります。
④経営戦略の現状と見通し中期経営計画につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。2024年3月期の連結業績予想につきましては、売上高は67,000百万円(当連結会計年度比4.2%増)、営業利益は1,000百万円(当連結会計年度比44.6%増)、経常利益は1,200百万円(当連結会計年度比22.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は800百万円(当連結会計年度比23.0%増)を見込んでおります。
⑤経営者の問題意識と今後の方針経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。