【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響から緩やかに回復する状況にありました。先行きにつきましては、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続くことが期待されますが、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要があります。
このような状況の中、当社グループは「Smiles for All.すべては、笑顔のために。」という企業スローガンの下で「食を通じて社会に貢献する」「お客様に安全で安心な食品とサービスを提供する」ことを責務と考え取り組むとともに、厳しい販売競争に対応するため、より一層のコスト削減並びに積極的な営業活動を推進してまいりました。
この結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は111,181百万円(前年同四半期比7.8%増)、営業利益は13,190百万円(前年同四半期比23.0%増)、経常利益は15,277百万円(前年同四半期比34.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は11,023百万円(前年同四半期比27.5%増)となりました。
なお、当第1四半期連結累計期間末の為替換算レートは、144.99円/米ドル(前第1四半期連結累計期間末は、136.64円/米ドル)であります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 水産食品事業
水産食品事業は、行動制限がなくなり人流が回復してきたことから、コンビニエンスストア、スーパーマーケットの惣菜・おにぎり向けや外食向け商品の需要が高まり、好調に推移いたしました。また、前浜の水揚げが好調となり取扱量が増加いたしました。その結果、売上高は7,556百万円(前年同四半期比2.8%増)、セグメント利益は133百万円(前年同四半期比13.0%増)となりました。
② 海外即席麺事業
海外即席麺事業は、米国では一部得意先の在庫調整による影響で受注数量が減少したものの、メキシコでは主力商品のカップ麺、袋麺ともに好調に推移したこと、および2022年10月に米国、メキシコで実施した価格改定による販売単価の上昇により増収となりました。その結果、売上高は47,468百万円(前年同四半期比14.2%増)、セグメント利益は、原材料費の増加や人件費の増加等による製造コストの上昇を売上高の増加等によりカバーし、9,195百万円(前年同四半期比44.0%増)となりました。
③ 国内即席麺事業
国内即席麺事業は、製造コストが上昇する中、安全・安心で高品質な商品を安定的に供給するため、前年度に続き6月に価格改定を実施いたしました。そのような中、カップ麺では主力商品の「赤いきつねうどん」「緑のたぬき天そば」「麺づくり」シリーズ等の拡売に努めました。一方、価格改定の影響もあり主力商品が苦戦する中で、「ごつ盛り」シリーズ等のオープンプライス商品が全体を牽引し増収となりました。袋麺では前年度に発売した「マルちゃんZUBAAAN!」シリーズが目標に届かず減収となりました。その結果、売上高は21,989百万円(前年同四半期比1.5%増)、セグメント利益は、販売促進費や広告宣伝費等の減少はありましたが、減価償却費の増加等により1,086百万円(前年同四半期比14.7%減)となりました。
④ 低温食品事業
低温食品事業は、原材料費や製造経費等が上昇する中、安全・安心で高品質な商品を安定的に供給するため、生麺・チルド商品・冷凍麺・一部冷凍食品の価格改定を4月に実施いたしました。そのような中、生麺では「マルちゃん焼そば3人前」シリーズ、「マルちゃんの冷し生ラーメン3人前」シリーズ等の主力商品を中心に拡売に努めました。冷凍食品では産業給食や行楽・観光需要の回復や惣菜ルートの開拓により業務用商品が伸長いたしました。その結果、売上高は14,326百万円(前年同四半期比6.5%増)、セグメント利益は、原材料費や製造経費の増加はあったものの、価格改定効果と売上の拡大により1,959百万円(前年同四半期比6.1%増)となりました。
⑤ 加工食品事業
加工食品事業は、製造コストが上昇する中、安全・安心な商品を安定的に供給するため、4月に価格改定を実施し、改定後の需要底上げに努めております。米飯商品では改定後も需要の高い状況が続いており、無菌米飯、レトルト米飯ともに好調に推移したことで増収となりました。フリーズドライ商品では改定後に販売が落ち込み、減収となりました。その結果、売上高は4,492百万円(前年同四半期比2.2%増)、セグメント損失は、価格改定効果はあったものの、一時的な補修費等の増加の影響により21百万円(前年同四半期はセグメント利益228百万円)となりました。
⑥ 冷蔵事業
冷蔵事業は、新型コロナウイルス感染症での行動制限が緩和され、保管品の取扱いが回復傾向になるとともに、配送品等の取扱いも増加いたしました。また、冷蔵倉庫の料金改定にも努めたことにより増収となりました。その結果、売上高は5,963百万円(前年同四半期比3.7%増)、セグメント利益は、商品の取扱い増加や冷蔵倉庫料金の価格改定による増収はあったものの、人件費や補修費等の増加の影響により648百万円(前年同四半期比5.8%減)となりました。
⑦ その他
その他は、主に弁当・惣菜事業であります。売上高は9,384百万円(前年同四半期比4.6%増)、セグメント利益は225百万円(前年同四半期比35.7%減)となりました。
当第1四半期連結会計期間末の当社グループの総資産は515,898百万円で、前連結会計年度末に比べ18,815百万円(3.8%)増加しました。当第1四半期連結会計期間末における資産、負債及び純資産の状況は次のとおりであります。
① 流動資産
流動資産は、前連結会計年度末に比べ20,020百万円(7.0%)増加し、305,097百万円となりました。これは主に、有価証券が18,000百万円、商品及び製品が3,421百万円増加したことによるものであります。
② 固定資産
固定資産は、前連結会計年度末に比べ1,205百万円(0.6%)減少し、210,800百万円となりました。これは主に、建設仮勘定が1,956百万円、投資有価証券が2,531百万円増加しましたが、長期預金が7,000百万円減少したことによるものであります。
③ 流動負債
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,957百万円(3.0%)減少し、62,691百万円となりました。これは主に、未払法人税等が1,677百万円増加しましたが、未払費用が3,548百万円減少したことによるものであります。
④ 固定負債
固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,439百万円(5.2%)増加し、29,123百万円となりました。これは主に、繰延税金負債が1,462百万円増加したことによるものであります。
⑤ 純資産
純資産は、前連結会計年度末に比べ19,332百万円(4.8%)増加し、424,083百万円となりました。これは主に、利益剰余金が4,896百万円、為替換算調整勘定が12,505百万円増加したことによるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は453百万円であります。
(6)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設について、当第1四半期連結累計期間において重要な変更はありません。なお、新たに決定した重要な設備の新設計画は次のとおりであります。
会社名
事業所名
(所在地)
セグメント
の名称
設備の内容
投資予定額
資金調達
方法
着手年月
完成予定
年月
完成後の
増加能力
総額
(千米ドル)
既支払額
(千米ドル)
マルチャン,INC.
ラグナ工場
(米国カリフォルニア州)
海外即席麺事業
カップ麺等
製造設備
217,552
-
自己資金
2023年
7月
2027年
3月
生産能力67%増