【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績及び財政状態の状況
当第3四半期連結累計期間の世界経済につきましては、地政学リスクの高まりに伴う資源・エネルギー価格の高騰及び諸物価の上昇、欧米諸国を中心とした政策金利の引き上げや急激な為替変動、新型コロナウイルス感染症に伴う一部地域でのサプライチェーンへの影響等、注視すべき状況が継続しました。
一方、当社グループの参画しておりますエレクトロニクス産業におきましては、情報通信技術の拡充に伴うデータ社会への移行や脱炭素社会への取り組みを背景に、半導体の重要性が高まっており、半導体製造装置市場は中長期的な成長が見込まれております。
このような状況のもと、当社グループの当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高1兆6,507億2千9百万円(前年同期比14.7%増)、営業利益4,649億3千6百万円(前年同期比8.0%増)、経常利益4,702億2千9百万円(前年同期比8.5%増)、また、親会社株主に帰属する四半期純利益は3,529億2千万円(前年同期比13.8%増)となりました。
当第3四半期連結累計期間のセグメントの経営成績は、次のとおりであります。
なお、セグメント利益は、四半期連結損益計算書の税金等調整前四半期純利益に対応しております。
① 半導体製造装置
ロジック/ファウンドリ向け半導体に対する設備投資は、社会のデジタル化を背景に、最先端から成熟世代まで幅広い範囲で投資がおこなわれました。NANDフラッシュメモリ向け設備投資は、高積層化に伴う需要を背景に高い水準で推移しましたが、当年度の後半に入り、DRAM向け設備投資と同様に、在庫調整に伴う投資の延期がありました。
このような状況のもと、当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は1兆6,118億8千6百万円(前年同期比15.6%増)、セグメント利益は5,217億1千2百万円(前年同期比9.5%増)となりました。
② FPD(フラットパネルディスプレイ)製造装置
テレビ用大型液晶パネル向け設備投資が一巡したことにより、FPD TFTアレイ向け製造装置市場全体としては減速傾向となりました。一方、中小型有機ELパネル向け設備投資については、最終製品に搭載されるディスプレイが液晶から有機ELへと転換されることに伴う投資が継続しました。
このような状況のもと、当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は387億3千4百万円(前年同期比12.6%減)、セグメント利益は10億5千6百万円(前年同期比63.3%減)となりました。
③ その他
当セグメントの当第3四半期連結累計期間の売上高は258億1千1百万円(前年同期比24.7%増)、セグメント利益は8億7千2百万円(前年同期比51.4%増)となりました。
また、当第3四半期連結会計期間末の財政状態の状況は以下のとおりとなりました。
当第3四半期連結会計期間末の流動資産は、前連結会計年度末に比べ1,858億6百万円増加し、1兆5,945億9百万円となりました。主な内容は、棚卸資産の増加1,582億1千7百万円、現金及び預金の増加981億8千1百万円、有価証券に含まれる短期投資の減少819億9千9百万円によるものであります。 有形固定資産は、前連結会計年度末から231億1千6百万円増加し、2,461億9千4百万円となりました。 無形固定資産は、前連結会計年度末から49億4千7百万円増加し、274億8千7百万円となりました。 投資その他の資産は、前連結会計年度末から155億6千7百万円減少し、2,245億6千7百万円となりました。 これらの結果、総資産は、前連結会計年度末から1,983億2百万円増加し、2兆927億6千万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,084億6百万円増加し、5,769億8千5百万円となりました。主として、前受金の増加1,715億4千2百万円、未払法人税等の減少532億3千4百万円によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ25億4千6百万円増加し、813億7千6百万円となりました。
純資産は、前連結会計年度末に比べ873億4千9百万円増加し、1兆4,343億9千8百万円となりました。主として、親会社株主に帰属する四半期純利益3,529億2千万円を計上したことによる増加、前期の期末配当及び当期の中間配当2,529億8千8百万円の実施による減少、その他有価証券評価差額金の減少273億2千8百万円によるものであります。この結果、自己資本比率は68.0%となりました。
(2) 研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は、1,374億2千7百万円(前年同期比20.4%増)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(3) 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、市場の変化に柔軟に対応して生産活動を行っており、生産の実績は販売の実績と傾向が類似しているため、記載を省略しております。受注の実績については、短期の受注動向が顧客の投資動向により大きく変動する傾向にあり、中長期の会社業績を予測するための指標として必ずしも適切ではないため、記載しておりません。
また、販売の実績については「第2 事業の状況 2 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績及び財政状態の状況」における各セグメントの業績に関連付けて説明しております。