【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績に関する説明
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日)におけるわが国経済は、コロナ禍の終息に向けた動きが加速し、経済活動が正常化に向かう一方、物価高や世界的な金融引き締め政策の影響による経済の減速、円安の長期化等、先行き不透明な状況が続いております。
食品業界では原材料費の高騰等に伴う様々な商品の値上げ拡大による影響が大きく、節約志向が一段と強まりました。一方、外食業界におきましては、行動制限も緩和され回復傾向ではありますが、原材料やエネルギー価格の上昇、労働力不足による人件費上昇等、依然として経営環境は厳しいものとなっています。
このような状況のもと、当社グループは、商品、レストラン、ショップを通して「おいしさと健康」をお客様に提供し、ファンを基盤にした経営、マーケティングの強化、商品の強みを生かした価値訴求のさらなる追求を行ってまいりました。
商品事業では、流通顧客の課題解決に向けた提案力強化の営業改革に取り組んだことに加え、前期に行った価格改定の効果により増収となりました。店舗事業では、顧客満足を追求した施策や新規出店効果により大幅な増収となり、当第2四半期連結累計期間の売上高は、グループ全体で50億37百万円(前年同期比10.2%増)となりました。
利益面では、商品事業において原材料や資材価格等の高騰影響はあったものの、価格改定の効果や、利益構造改革により店舗事業が再黒字化を達成したこと等により営業利益は1億86百万円(前年同期は36百万円の損失)、経常利益は1億87百万円(前年同期は30百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純利益は74百万円(前年同期は81百万円の損失)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、前連結会計年度末より報告セグメントの変更を行っており、従来「食品事業」「レストラン事業」としていた報告セグメントの名称を「商品事業」「店舗事業」に変更しております。また、従来「食品事業」に含めていた「直販事業」は、変更後のセグメント区分において「店舗事業」に含めております。前年同期比較・分析については、変更後のセグメント区分に基づいております。
①商品事業
・ドレッシングカテゴリー
収益基盤のドレッシングカテゴリーでは、発売から42年の主力商品「ピエトロドレッシング和風しょうゆ」が、2023年5月初めに累計出荷本数3億本を達成したことを記念し、これまでの感謝を込め、お客様の願いを叶える「ありがとうチャレンジ」企画や様々な感謝イベントを実施しました。さらに、「野菜嫌いをナオソ。」をスローガンに掲げた『100万人へおいしさを届けるプロジェクト』を発足し、「ピエトロドレッシング和風しょうゆ」の使い切りサイズのサンプリングを通じて、これまで商品をご存じなかったお客様とのコミュニケーションを図り、野菜嫌いの克服をお手伝いする活動を始動いたしました。
また、新商品として「ピエトロドレッシング黄金しょうが」(秋冬限定)やリニューアル商品として、主役の『ごま』にこだわった「ピエトロドレッシング焙煎香りごま」を発売しました。
以上の取り組みに加え、前期に行った価格改定の効果もあり、ドレッシングカテゴリーは前年同期を上回る販売額となりました。
・パスタカテゴリー
第2の柱であるパスタカテゴリーでは、ボトル入りパスタソース「おうちパスタシリーズ」4種の個食パックアソートセットやお試し2種セットを発売し、新たな需要拡大を図るとともに、ごま醤油ガーリック、ペペロンチーノ、バジルを中心に営業活動を強化し、量販店への配荷を拡大いたしました。
また、手軽で本格的なレトルトパスタソース「洋麺屋ピエトロ」は“レストランの味をご家庭で”の強みを活かした提案やエリア広報、プロモーションの強化を行った結果、なす辛、絶望スパゲティが好調に推移いたしました。
プレミアムパスタ麺「AGNESI」は“ピエトロレストランで使用するプレミアムパスタ麺”として認知拡大を図ったことにより、家庭用、業務用ともに前年同期を大きく上回る販売額となりました。
しかしながら、新型コロナウイルス自宅療養者向け商品供給の反動が影響し、パスタカテゴリー全体での販売額は前年同期を下回る結果となりました。
・冷凍商品カテゴリー
成長事業である冷凍商品カテゴリーでは、シェフ自らが開発に携わり、レストランクオリティの味が家庭で簡単に楽しめる点を強みとし、冷凍パスタを中心にピザ、ドリア、グラタンなどの拡販強化を行ってまいりました。また“できたての美味しさ”を追求したプレミアム冷凍商品として、新たに開発した「〔冷凍パスタ〕洋麺屋ピエトロ お肉好きのあなたのためのボロネーゼ」をはじめ、冷凍グラタンや冷凍ピザ等のリニューアル商品を発売し、配荷の拡大に繋げました。
特に量販店向けの「洋麺屋ピエトロシリーズ(冷凍パスタ)」が好調に推移し、前年同期の販売額を上回りました。
・スープカテゴリー
素材や調理法にこだわった「PIETRO A DAY」ブランドとして育成中のスープカテゴリーは、通信販売をはじめ、店舗事業セグメントでもある直販店、レストラン店頭の物販商品として、販売を順調に伸ばしました。特に夏季は冷たく冷やして食べられる「国産じゃがいものヴィシソワーズ-生クリーム仕立て-」や「北海道産ピュアホワイトの白いコーンポタージュ」等が好調に推移いたしました。9月に数量・期間限定商品「小さい秋のSOUP マッシュルームとパルミジャーノのポタージュ」を発売する等、定番商品の他、季節・地域限定商品も取り揃えており、豊富なラインナップで選ぶ楽しさもご好評をいただいています。
・その他カテゴリー
フライドオニオン「PATFUTTE(パットフッテ)」シリーズは、レストランのテーブルに常備して自由にお試しいただける“テーブルマーケティング”により、レストラン店頭物販で好調が続く実績を基に量販店向けの配荷拡大に取り組んだ結果、流通商品としても順調に販売額を伸ばしました。
さらに通信販売では、自社ECサイトを、よりお客様が魅力的に感じていただけるようリニューアルを行うとともに、大手ECモールへの新規出店等も積極的に行い、特に冷凍商品・スープの両カテゴリーを中心にEC販売の強化を行ってまいりました。
利益面では、主原料価格の高騰の影響があったものの、価格改定の効果や製造原価低減に努めた結果、セグメント売上高は30億72百万円(前年同期比2.3%増)、セグメント利益は8億80百万円(前年同期比6.9%増)の増収増益となりました。
②店舗事業
・レストラン店舗
レストラン店舗では、味、雰囲気、サービスの総合点を磨き、顧客満足度向上を図ってまいりました。おいしさをさらに追求した高付加価値メニューや季節のフルーツを贅沢に使用したデザートの提供、ディナーメニューの強化、より質の高いサービスを追求するためのスタッフ研修のさらなる強化等の施策を行ったことにより、既存店の顧客単価、来客数ともに上昇いたしました。さらに、8月から9月にかけて期間限定で、人気メニューでもある「絶望スパゲティ」に最辛バージョンが登場する『絶望まつり』を開催し、辛いもの好きのお客様に楽しんでいただくと同時に、「洋麺屋ピエトロ」レトルトソースの販売拡大に繋げました。物販強化策としては、テイクアウトメニューの拡充、デリバリーへの対応、レストランでのテーブルマーケティング等に引き続き取り組んでまいりました。また商品事業とのシナジーが期待できる未出店エリアへの出店を積極的に行いました。これらの結果、レストラン店舗の販売額は前年同期を大きく上回りました。
・直販店舗
スープカテゴリーでもあるPIETRO A DAY ブランド等の直販店舗では、スープの試食や、カフェメニューを通じて、商品の美味しさをお客様に直接伝えるマーケティングや期間限定のPOP UP 店舗の出店も継続的に行いました。また季節やイベントに応じたギフト提案を行う等、認知拡大を図ったことにより、流通やオンラインでの販売にも繋げることができました。
また、当社の全商品シリーズが揃う初のオフィシャルショップを名古屋に新規出店いたしました。より商品の魅力や価値が伝わるような商品ディスプレイの強化を図り、お客様に手にとっていただきやすい売り場づくりを行ってまいりました。
店舗の新規出店につきましては以下のとおりです。
出店時期
店舗名
2023年4月
ピエトロ イオンモール新潟南店
2023年4月
ピエトロ イオンモール札幌発寒店
2023年5月
ピエトロ 東京ドームシティ ラクーア店
2023年6月
PIETRO MIOMIO 福岡大名ガーデンシティ店
2023年8月
ピエトロ OFFICIAL STORE 名古屋ラシック店
利益面におきましては、レストラン店舗の売上が好調だったことに加え、原材料や諸費用の価格上昇に伴うメニューの見直しや価格改定の効果、人員配置の効率化等に取り組んでまいりました。
以上の結果、セグメント売上高は18億83百万円(前年同期比26.5%増)、セグメント利益は34百万円(前年同期は87百万円の損失)と増収増益となり、再黒字化を達成いたしました。
③その他(本社ビル等の賃貸)事業
その他(本社ビル等の賃貸等)事業におきましては、セグメント売上高は82百万円(前年同期比3.0%増)セグメント利益は36百万円(前年同期比0.4%増)となりました。
(2) 財政状態に関する説明
当第2四半期連結会計期間末の資産につきましては、前連結会計年度末に比べ6億7百万円増加し94億39百万円となりました。これは主に現金及び預金が2億27百万円、売掛金が2億41百万円、有形固定資産が1億20百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
負債につきましては、前連結会計年度末に比べ6億25百万円増加し43億99百万円となりました。これは短期借入金が4億円、買掛金が1億6百万円、未払法人税等が94百万円、未払金が70百万円それぞれ増加する一方、長期借入金(1年内含む)が53百万円減少したこと等によるものであります。
純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ18百万円減少し50億39百万円となりました。これは譲渡制限付株式報酬制度導入に伴う自己株式の処分35百万円並びに為替換算調整勘定が12百万円増加した一方、前期決算の剰余金の配当1億45百万円及び親会社株主に帰属する四半期純利益74百万円の計上によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
単位:百万円
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
差額
営業活動によるキャッシュ・フロー
407
425
18
投資活動によるキャッシュ・フロー
△220
△360
△139
財務活動によるキャッシュ・フロー
△235
177
413
現金及び現金同等物に係る換算差額
45
15
△29
現金及び現金同等物の増減額
△3
258
261
現金及び現金同等物の期末残高
1,287
1,617
330
営業活動によるキャッシュ・フローは、4億25百万円の収入(前年同期は4億7百万円の収入)となりました。税金等調整前四半期純利益が1億79百万円であり、減価償却費2億15百万円の計上があったことと、売上債権が2億40百万円、仕入債務が1億5百万円、未払金が1億2百万円増加したこと等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3億60百万円の支出(前年同期は2億20百万円の支出)となりました。有形固定資産の取得による支出3億31百万円、長期前払費用の取得による支出26百万円がそれぞれあったこと等によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、1億77百万円の収入(前年同期は2億35百万円の支出)となりました。長期借入金の返済による支出53百万円、配当金の支払額1億45百万円がそれぞれあった一方、短期借入金の純増減額が4億円増加したこと等によるものです。
以上の結果、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は、16億17百万円となりました。
(4) 経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費は、販売費及び一般管理費に含まれており、その総額は48百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。