【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
1.経営成績等の概要
(1) 経営成績の分析当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限の解除により、個人消費の持ち直しの動きが続きました。しかし、ウクライナ情勢の影響による資源価格の上昇、円安の進行等により、依然として先行き不透明な厳しい経営環境にあります。当社が主力に展開している小売業界につきましては、経済の正常化により、実店舗を有する多くの業態において一部回復の兆しが見られ、またコロナ禍により加速したEC販売においても、引き続き堅調に推移しております。一方、資源・原材料価格の高騰や人手不足の深刻化、物価高による消費マインドの低迷等、小売業界を取り巻く環境は厳しさが増しております。また、インバウンド情勢は水際対策の緩和により、訪日外国人旅行者数の回復が続いておりますが、中国国内でのコロナ感染拡大等の影響により、中国からの観光客の回復は遅れている状況となっております。このような環境の中、当社グループにおいては、ミッションである「豊かで多様なライフスタイル“Global Life Style”の提案とその進化・創造の支援」の実現に向け、グループ各社の経営ミッションをより明確化しつつシナジーの最大化をはかるべく持株会社体制へ移行し、専門性の追求による事業基盤の強化ならびに、収益力を高めるためのコスト合理化に努めてまいりました。ギフト販売においては、新たな“お祝い”マーケットの拡大に向けて、従来取扱いのないカテゴリーのラインナップを強化しました。また、新たな消費需要の開拓に向けて、独自性、話題性の高い商品や売場展開を強化しております。インバウンド販売においては、訪日外国人旅行者数の増加を受けて、成田空港内の免税店舗を営業再開したほか、新たな取り組みとして、日本から中国に向けた日本食品の輸出を開始しております。以上の結果、当連結会計年度の連結業績は、アセット・サービス事業において不動産売却案件が生じたものの、海外事業において中国本土の「ゼロコロナ政策」による経済活動の制限を大きく受け、売上高は55,127百万円(前年同期比19.1%減)となりました。損益面は、継続して取り組んだ構造改革の効果がみられ採算が改善した結果、営業利益は49百万円(前年同期は2,846百万円の損失)となりました。経常利益は、貸倒引当金戻入額等が発生したことにより490百万円(前年同期は2,151百万円の損失)となりましたものの、店舗閉鎖に伴う減損損失等を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は69百万円(前年同期は7,110百万円の損失)となりました。なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照下さい。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当連結会計年度の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(リテール事業)主力のギフト販売では、お祝いマーケットや新たなギフト需要の拡大に向けて、従来取扱いのないカテゴリーやブランドの拡充、オリジナル商品の開発を強化しました。出産祝い市場に本格参入し、出産お祝いギフトカタログの「のびのびBaby」は、ママ・パパ・ベビーを笑顔にする可愛いデザインに、他社にはない幅広い価格帯、多彩な商品ラインナップにより、発売直後から好調なスタートを切っております。また、業界初となる希少和牛だけを取り揃えたカタログギフト「和牛苑」や、ウォルト・ディズニー・ジャパン社と協力し、日本全国にディズニーの魔法を届ける新プロジェクト「Share The Magic!」など、付加価値の高い商品やサービスの開発を進めてまいりました。さらに、実店舗とオンラインストアの連携を加速させ、ECサイトの強化をはかるとともに、業界初となるメタバースカタログも発行し、お客様に新たなギフト体験を提供しました。加えて、グリーン住宅ポイントのスポット案件の獲得により売上高は堅調に推移しました。その一方、採算の目途が立たないアジアコスメ専門店および一部のアジア食品専門店の閉店を行い、収益改善、コスト圧縮、リソースの効率化を進めました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は42,571百万円(前年同期比4.6%減)となりました。なお、前年の売上高については、前年4月に株式を譲渡しております靴事業と前年8月以降に閉店したインバウンド店舗の売上高が含まれておりますので、減収となっておりますが、前年に実施したインバウンド店舗閉店等の構造改革の効果に加え、販売商品のマージンミックス改善の効果や、物流費や販売管理費等の継続的なコスト管理の結果、損失額は大幅に改善し、セグメント利益は863百万円(前年同期は460百万円の損失)となりました。
(海外事業)海外事業では、中国大陸の「ゼロコロナ政策」による数か月におよぶロックダウンなどの影響で、小売店や飲食店の休業、物流網の遅延、寸断等、経済行動に大きな制限を受けました。またゼロコロナ政策の解除後は、徐々に経済活動が再開したものの、中国国内での新型コロナウイルスの感染急拡大による従業員の罹患等の影響で、店舗休業を余儀なくされたほか、物流機能も停滞しました。また越境ECにおいては、消費行動の変化等により取引額が減少しております。一方、新たなビジネス機会として、日本食品の輸出を開始し、事業拡大に向けて検討を進めております。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、8,165百万円(前年同期比57.8%減)となり、セグメント損失は187百万円(前年同期は363百万円の損失)となりました。
(アセット・サービス事業)アセット・サービス事業では、運営する商業施設およびグループ遊休不動産の有効的な活用に向けて取り組みを進めるとともに、一層のキャッシュ・フローの改善、コスト圧縮をはかる取り組みを推進しております。一方で、第1四半期連結会計期間にクロージングをむかえた不動産売却案件の影響により、増収増益となっております。インバウンド店舗においては、休業しておりました成田空港国際線第2ターミナル内の免税店を8月に営業再開し、国際線旅客数の増加に伴い、売上高も拡大傾向が続いております。また秋葉原本店においては、訪日観光客に向けて商品構成を変更し、一部売場にてテスト販売を開始いたしました。しかしながら、主要顧客である中国からの観光客の客足が遅れていることから、本格的なインバウンドの回復局面には至っておりません。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、4,390百万円(前年同期比4.6%増)となり、セグメント利益は388百万円(前年同期は831百万円の損失)となりました。
(2)財政状態の分析(資産)当連結会計年度末の総資産は、40,944百万円(前連結会計年度末46,720百万円)となりました。総資産の減少は、主に、受取手形及び売掛金が2,304百万円、流動資産その他が1,067百万円、関係会社出資金が2,103百万円それぞれ減少したことによるものです。
(負債)
負債合計は、20,617百万円(前連結会計年度末26,605百万円)となりました。負債の減少は、主に、支払手形及び買掛金が441百万円、短期借入金が832百万円、未払金が1,138百万円、未払法人税等が441百万円、流動負債その他が1,087百万円、資産除去債務が493百万円それぞれ減少したことによるものです。(純資産)純資産合計は、20,327百万円(前連結会計年度末20,115百万円)となりました。純資産の増加は、主に、その他の包括利益累計額合計が78百万円、会計方針の変更による累積的影響額が105百万円それぞれ増加したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの分析当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ564百万円減少し、9,681百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、2,075百万円の支出(前年同期は928百万円の収入)となりました。これは主に、減価償却費1,002百万円、売上債権の減少2,488百万円があったものの、貸倒引当金の減少462百万円、契約損失引当金の減少461百万円、資産除去債務戻入益356百万円、仕入債務の減少575百万円、前渡金の増加1,016百万円、契約負債の減少529百万円、未払金及び未払費用の減少1,490百万円、未払消費税等の減少444百万円があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、2,508百万円の収入(前年同期は1,213百万円の収入)となりました。これは主に、投資不動産の売却による収入1,000百万円、関係会社出資金の売却による収入1,800百万円があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、974百万円の支出(前年同期は4,202百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増減額の減少874百万円、リース債務の返済による支出91百万円があったことによるものです。
(4)生産、受注及び販売の状況
①生産実績該当事項はありません。
②受注状況該当事項はありません。
③仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
リテール事業
31,997
97.3
海外事業
6,011
40.5
アセット・サービス事業
1,198
103.9
合計
39,207
80.2
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
④販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
リテール事業
42,571
95.4
海外事業
8,165
42.2
アセット・サービス事業
4,390
104.6
合計
55,127
80.9
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容文中における将来に関する事項は、連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、将来に関する事項には、不確実性が内在しており、将来生じる実際の結果とは大きく異なる可能性がございます。(1)重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されており、重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しているとおりであります。この連結財務諸表の作成にあたっては一定の会計基準の範囲内で見積りがなされ、棚卸資産の評価、引当金の計上等の数値に反映されております。これらの見積りについては、必要に応じて見直しを行っておりますが、不確実性があるため、実際の結果が見積りと異なる場合があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析①売上高売上高は、前連結会計年度に比べて、13,022百万円減少し55,127百万円となりました。売上高の内訳の詳細については、「1.経営成績等の概要(1)経営成績の分析」をご参照ください。
②売上原価売上原価は、前期比12,014百万円減少の40,445百万円となりました。また、売上原価率は73.4%(前期比3.6ポイント減少)となりました。
③販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は、前期比3,904百万円減少の14,631百万円となりました。また、売上高に対する比率は、27.2%から26.5%へと0.7ポイント減少しました。
④損益の状況営業利益は、売上高の減収はあったものの、原価率や販売費及び一般管理費率の改善により、49百万円の営業利益(前年同期は2,846百万円の営業損失)となりました。経常利益は、貸倒引当金戻入額等が発生したことにより490百万円(前年同期は2,151百万円の損失)となりましたものの、店舗閉鎖に伴う減損損失等を特別損失として計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は69百万円(前年同期は7,110百万円の損失)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因当社グループが事業を展開していくうえで、経営成績に重要な影響を与える要因については、「2.事業等のリスク」に記載しておりますので、ご参照ください。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入のほか、人件費、店舗家賃および物流費などの営業費用によるものです。また、設備投資資金需要のうち主なものは、新規出店および既存店の改装などによる有形固定資産投資、敷金や保証金の差し入れ等によるものです。これらの資金需要は、主として営業活動によって得られた自己資金を充当し、必要に応じて借入金等による資金調達を実施する方針としております。当連結会計年度末においては、取引銀行2行と当座借越契約を締結しております。
