【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営成績の分析当第3四半期連結累計期間におきましては、新型コロナウイルス感染対策に伴う入国制限や移動制限の緩和等により、経済活動は徐々に再開の動きがみられました。一方、資源価格や原材料費の高騰、急激な円安の進行等により、依然として国内外における経済の先行きは不透明な状況が続いております。このような厳しい状況ではありますが、当社グループは国境や言語に捉われず多様なライフスタイルを提案することをミッションに掲げ、日本とアジアの架け橋として、価値ある商品・サービスを相互に届けるべく事業展開を行ってまいりました。当第3四半期連結累計期間の業績は、アセット・サービス事業において不動産売却案件が生じたものの、海外事業において中国上海のロックダウンによる経済活動の制限を大きく受け、売上高37,874百万円(前年同期比21.3%減)となりました。また、損益面では昨年より継続して取り組んだ構造改革の効果がみられ利益率は改善したものの、営業損失609百万円(前年同期は2,291百万円の損失)、経常損失288百万円(前年同期は1,831百万円の損失)、親会社株主に帰属する四半期純損失は219百万円(前年同期は3,230百万円の損失)となりました。なお、会計方針の変更として、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。詳細については、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更等)」をご参照下さい。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(リテール事業)リテール事業ではコロナ禍を機に贈答スタイルが多様化し、帰省代替需要や身近な人への贈り物機会が増加傾向にあります。こうした変化に対応し、よりお客様の需要にお応えできるよう、魅力的な商品やサービス、コンテンツの開発に取り組んでおります。また、お客様との新たなタッチポイントとして、メタバースを積極的に活用し、付加価値の高い体験の提供に努めてまいりました。ギフト販売における中元需要向けの販売については、大手メーカーの垣根を超えたコラボレーションにより健康を軸とした食品ギフトを独自展開したほか、オリジナル商品や販路限定商品の取り扱いを強化いたしました。加盟店向けの販売に加えてEC販売についても前年を上回って好調に推移し、婚礼や仏事の返礼ギフトの需要も底堅い状況が継続しております。加えて、第1四半期連結会計期間におけるポイント交換などのスポット案件の獲得もあり、売上高は好調に推移いたしました。また、本格参入した出産お祝い市場に向けたカタログギフトに関しては商品カテゴリーの拡充だけでなく、高価格帯コースを設け連名での贈り物に利用して頂けるなど、多様なギフトニーズへの対応を可能とし、新規顧客層開拓に向けた取り組みを進めております。一方、直営店事業については、遅れておりました店舗の冷凍冷蔵庫の設備導入が完了いたしまして、商品カテゴリーの拡充を強化し、サービス向上に努めてまいります。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は28,352百万円(前年同期比6.1%減)となりました。なお、前年の売上高については、前年4月に株式を譲渡しております靴事業と前年8月以降に閉店したインバウンド店舗の売上高が含まれておりますので、減収となっておりますが、前年に実施したインバウンド店舗閉店等の構造改革の効果に加え、販売商品のマージンミックス改善の効果や、物流費や販売管理費等の継続的なコスト管理の結果、損失額は大幅に改善し、セグメント利益は109百万円(前年同期は803百万円の損失)となりました。
(海外事業)海外事業では、当第3四半期連結会計期間において、中国国内の経済活動制限も徐々に回復基調にありますが、ゼロコロナ政策は継続されており、第2四半期連結累計期間までの経済活動制限による、飲食店の休業、物流網の遅延や寸断等の影響が大きく、さらに、主要な販売先に対する与信管理の強化施策も継続していることから、減収減益となりました。新たな収益改善の取り組みとして、日本からナショナルブランド食品を供給し中国子会社の販売網を使い販売を展開するなどの検討をはじめました。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、6,328百万円(前年同期比57.2%減)となり、セグメント損失は137百万円(前年同期は208百万円の利益)となりました。
(アセット・サービス事業)アセット・サービス事業では、運営する商業施設の効率化に向けて継続的な取り組みを進めるとともに、一層のキャッシュ・フローの改善、コスト圧縮を図る取り組みを推進しております。一方で、成約が遅れておりました不動産売却案件が、第1四半期連結会計期間においてクロージングをむかえたことにより、増収増益となっております。また、新型コロナウイルス感染症の入国制限の緩和により航空需要及び国内外の往来が増えることが見込まれると判断し、空港店舗の営業を再開いたしました。お客様のニーズにお応えできる商品の拡充に向け取り組んでまいります。以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は、3,193百万円(前年同期比0.9%増)となり、セグメント利益は190百万円(前年同期は663百万円の損失)となりました。
(2)財政状態の分析(資産)当第3四半期連結会計期間末の総資産は、36,976百万円(前連結会計年度末46,720百万円)となりました。総資産の減少は、主に、現金及び預金が1,774百万円、受取手形及び売掛金が6,377百万円、投資その他の資産が588百万円減少したことによるものです。
(負債)負債合計は、16,879百万円(前連結会計年度末26,605百万円)となりました。負債の減少は、主に、支払手形及び買掛金が4,144百万円、短期借入金532百万円、流動負債その他が3,176百万円、資産除去債務が457百万円減少したことによるものです。(純資産)純資産合計は、20,097百万円(前連結会計年度末20,115百万円)となりました。純資産の減少は、主に、親会社株主に帰属する四半期純損失219百万円を計上したことによるものです。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」中の「優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」の記載について重要な変更はありません。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の「重要な会計方針及び見積り」の記載について重要な変更はありません。