【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績の状況当連結会計年度の第3四半期連結累計期間においては、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻の継続とこれに対する各国制裁の影響、インフレ高進とそれに対する世界的な金融引き締め、中国経済の先行き不透明感など、世界経済への下押し圧力が拡大しました。新型コロナウイルス感染症は中国など一部を除き収束しつつあるものの、今後の景気後退懸念に注視していく必要があります。
米国では、FRBによる大幅な利上げが続いております。12月FOMCで示された最新見通しでは、2023年も0.75%分の利上げが想定されており、年前半は利上げが続くシナリオの蓋然性が高まっています。一方、2023年後半については、利下げへ転じるとの見方と、2023年中の利下げは難しいとの見方に割れています。住宅投資や設備投資を中心に減速感は強まっており、2023年中の景気後退局面入りが懸念される状況です。欧州では、ECBが物価安定を最優先課題とし、積極的な利上げで対応する方針を維持しており、2023年前半も利上げが続くことが予想されています。エネルギー関連については、EUが対露制裁を強化する一方、欧州地域におけるロシア産の原油及びガスへの依存度は大きいため、製造業を含めた幅広いバリューチェーンへの悪影響の拡大が懸念されています。中国は7-9月期の実質GDP成長率が前年比+3.9%となり、ロックダウンの影響から停滞していた4-6月期(+0.4%)から持ち直しました。一方、景気動向を把握する上で重要なPMIは50割れが続いていました。このような中、中国政府は12月7日にゼロ・コロナ政策の緩和を発表しました。足元では新規感染者数の急拡大により混乱が見られ、10-12月期の実質GDP成長率は前年比+2.9%と減速しましたが、感染者数の収束と共に、2023年見通しは今後上方修正される可能性があります。アジアでは、経済活動の再開に伴い、生産や輸出の回復が続いている一方、自国通貨安による輸入物価の上昇や米利上げに伴う資本流出への対応として各国中銀は2022年5月以降、順次利上げに転じており、2023年前半もこの動きは続くと予想されます。日本では、第2四半期(7-9月期)は輸入急増と在庫減により実質GDPが前期比マイナス成長となりましたが、設備投資は持ち直してきており、一定の底堅さが確認されます。一方、日銀は世界的な金融引き締めの中においても、従来の緩和的な金融政策を維持しておりますが、12月には長短金利操作での変動幅拡大という形で政策調整を実施し、ドル円は円安の流れに歯止めがかかっている状況です。しかしながら、日銀の金融緩和からの出口政策次第では、ドル円に大きな影響が生じる可能性があり、この点は引き続き注視する必要があります。
当第3四半期連結累計期間の当社グループの経営成績につきましては、次のとおりであります。
当第3四半期連結累計期間の収益は、石炭価格の上昇による金属・資源・リサイクルでの増収に加え、合成樹脂取引の増加による化学での増収、水産食品加工会社の取得によるリテール・コンシューマーサービスでの増収などにより、1兆9,253億23百万円と前年同期比24.3%の増収となりました。売上総利益は、石炭価格の上昇による金属・資源・リサイクルでの増益に加え、水産食品加工会社の取得によるリテール・コンシューマーサービスでの増益、合成樹脂取引の増加による化学での増益などにより、前年同期比727億60百万円増加の2,634億15百万円となりました。税引前四半期利益は、連結子会社の新規取得などによる販売費及び一般管理費の増加があったものの、売上総利益の増益などにより、前年同期比604億78百万円増加の1,454億53百万円となりました。四半期純利益は、税引前四半期利益1,454億53百万円から、法人所得税費用326億33百万円を控除した結果、前年同期比477億33百万円増加の1,128億20百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する四半期純利益は前年同期比467億8百万円増加し、1,087億31百万円となりました。四半期包括利益は、四半期純利益にFVTOCIの金融資産や在外営業活動体の換算差額などを計上した結果、前年同期比642億7百万円増加し、1,574億65百万円となりました。また、親会社の所有者に帰属する四半期包括利益は前年同期比614億92百万円増加し、1,504億5百万円となりました。
セグメントごとの経営成績を示すと、次のとおりであります。
当社グループは、2022年4月1日付にて「生活産業・アグリビジネス」、「リテール・コンシューマーサービス」を再編し、報告セグメントの区分方法を変更しております。
(以下「四半期純利益」は「親会社の所有者に帰属する四半期純利益」を指しております。)
(自動車)収益は、海外自動車事業での為替及び収益性良化などにより、2,264億73百万円と前年同期比25.8%の増収となりました。売上総利益の増益などにより、四半期純利益は、前年同期比10億29百万円増加し、68億85百万円となりました。
(航空産業・交通プロジェクト)収益は、航空機機体販売における減収などにより、517億77百万円と前年同期比9.9%の減収となりました。ビジネスジェットチャーター販売や船舶の堅調な推移による売上総利益の増益などにより、四半期純利益は、前年同期比20億25百万円増加し、43億60百万円となりました。
(インフラ・ヘルスケア)収益は、米国省エネルギーサービス事業の取得などにより、763億5百万円と前年同期比81.4%の増収となりました。売上総利益の増益に加え、LNG事業会社の増益による持分法による投資損益の増加や、海外通信タワー事業会社の一部売却によるその他の収益・費用の増加などにより、四半期純利益は、前年同期比93億59百万円増加し、121億57百万円となりました。
(金属・資源・リサイクル)収益は、石炭価格の上昇などにより、5,189億98百万円と前年同期比25.7%の増収となりました。売上総利益の増益などにより、四半期純利益は、前年同期比200億70百万円増加し、483億21百万円となりました。
(化学)収益は、合成樹脂取引の増加などにより、4,810億61百万円と前年同期比21.0%の増収となりました。売上総利益の増益などにより、四半期純利益は、前年同期比39億5百万円増加し、151億31百万円となりました。
(生活産業・アグリビジネス)収益は、木材や肥料価格の上昇などにより、2,726億29百万円と前年同期比26.2%の増収となりました。売上総利益の増益などにより、四半期純利益は、前年同期比8億75百万円増加し、74億38百万円となりました。
(リテール・コンシューマーサービス)収益は、水産食品加工会社の取得などにより、2,328億86百万円と前年同期比53.3%の増収となりました。売上総利益の増益に加え、リート資産運用会社の売却によるその他の収益・費用の増加などにより、四半期純利益は、前年同期比42億14百万円増加し、75億21百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況当第3四半期連結累計期間のキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローは1,279億94百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは462億66百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フローは1,323億78百万円の支出となりました。これに現金及び現金同等物に係る換算差額を調整した結果、当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は2,256億42百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間の営業活動による資金は、営業収入及び配当収入などにより1,279億94百万円の収入となりました。前年同期比では858億11百万円の収入増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間の投資活動による資金は、航空機関連取引やフィリピンオフィスビル開発事業への拠出などにより462億66百万円の支出となりました。前年同期比では579億37百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第3四半期連結累計期間の財務活動による資金は、借入金の返済及び配当金の支払いなどにより1,323億78百万円の支出となりました。前年同期比では1,386億92百万円の支出増加となりました。
(3) 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等
通期連結業績の見通し
当期の連結業績予想につきましては、2023年3月期第2四半期決算発表時に公表しました連結業績予想から修正しておりません。
現時点での通期業績見通しは、以下のとおりであります。
当期純利益(当社株主帰属) 1,100億円
上記見通しの前提条件として、第4四半期の為替レート(\/US$)は130円としておりますが、影響は軽微であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動特記事項はありません。
(5) 資本の財源と資金の流動性及び調達状況についての分析
① 財政状態当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、円安の影響に加え、営業債権及びその他の債権が航空機関連取引や石炭により増加したこと及び、棚卸資産が肥料や自動車により増加したことや、新規取得や持分法による投資損益の積み上げに伴う持分法で会計処理されている投資の増加などにより、前期末比1,938億86百万円増加の2兆8,555億66百万円となりました。負債合計は、円安の影響に加え、営業債務及びその他の債務が煙草や石炭が増加したことなどにより、前期末比670億20百万円増加の1兆9,648億22百万円となりました。資本のうち親会社の所有者に帰属する持分合計は、四半期純利益の積み上がりや、為替の変動によるその他の資本の構成要素の増加などにより、前期末比1,211億50百万円増加の8,491億62百万円となりました。この結果、当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は29.7%となりました。また、有利子負債総額から現金及び現金同等物、及び定期預金を差し引いたネット有利子負債は前期末比223億21百万円減少の7,479億70百万円となり、ネット有利子負債倍率は0.88倍となりました。
※ 自己資本比率及びネット有利子負債倍率の算出には、親会社の所有者に帰属する持分を使用しております。
また、有利子負債総額にはリース負債を含めておりません。
② 資金の流動性と資金調達について当社グループは、「中期経営計画2023」におきまして、従来と同様に資金調達構造の安定性維持・向上を財務戦略の基本方針とし、一定水準の長期調達比率の維持や、経済・金融環境の変化に備えた十分な手元流動性の確保により、安定した財務基盤の維持に努めており、当第3四半期連結会計期間末の流動比率は165.1%、長期調達比率は84.2%となっております。長期資金調達手段の1つである普通社債につきましては、当第3四半期連結累計期間は発行しておりませんが、引き続き金利や市場動向を注視し、適切なタイミング、コストでの起債を検討してまいります。また、資金調達の機動性及び流動性確保の補完機能を高めるため、円貨1,000億円(未使用)及び22.75億米ドル(10.79億米ドル使用)の長期コミットメントライン契約を有しております。
(6) 主要な設備当第3四半期連結累計期間において、インフラ・ヘルスケアセグメントに含まれる子会社が保有する土地等について、売却目的で保有する資産への振替を行っております。
※将来情報に関するご注意本資料に掲載されている業績見通し等の将来に関する記述は、当社が現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、業績を確約するものではありません。実際の業績等は、内外主要市場の経済環境、為替相場の変動など様々な要因により、大きく変動する可能性があります。重要な変更事象等が発生した場合は、適時開示等にてお知らせします。
