【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年3月1日~2023年8月31日)におけるわが国経済は、政府による新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行の発表とともに各種行動制限が解除されたことで、人流も回復し経済活動の正常化への動きが見られました。しかしながら、為替や長期化するウクライナ情勢の影響で資源、エネルギー価格が高止まりし、電力をはじめとして物価高が継続するなど国内景気の見通しは依然として不透明な状況が継続しております。流通小売業におきましては、業界の垣根を越えた同質化競争、出店競争、コスト高の影響など企業収益の確保が困難な経営環境が続く中で、当社グループが主に事業展開するホームセンター業界は、物価高の影響を受けて総じて消費マインドは低く、消費者の節約志向が根強い状況でさらには感染症対策商品や巣ごもり需要が落ち込んだことも相まって売上指数が前年を下回る状況が継続しております。このような状況下で、当社グループは「Challenge3000」営業収益3,000億円、経常利益率5%をグループ目標として掲げ、中期成長戦略として中核事業であるホームセンター事業を中心に収益基盤を強化するために、PB商品の開発に重点的に取組んで参りました。また、各種専門店(ペット専門店、工具資材のプロショップ)の新規出店を積極的に推進するとともに、収益力の高い既存店の全面改装、部門改装を順次実施し、植物・園芸、アウトドア、ペット、自転車などの専門カテゴリーの品揃えの拡充、農機具・工具等の修理サービスやペットしつけ教室の開催など、付加価値サービスを提供することでお客様の目的来店性を高め地域一番店づくりに注力して参りました。当第2四半期連結累計期間における新規出店としましては、ホームセンターを1店舗、ペット専門店4店舗、プロショップ1店舗の合計6店舗新たに開設し、ホームセンター1店舗、オフィス用品専門店1店舗、ペット専門店1店舗をそれぞれ閉店しております。これにより当第2四半期連結会計期間末の店舗数は293店舗となりました。これらの結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の連結営業収益は、757億6百万円(前年同期比0.9%増)、連結営業利益は25億2千万円(前年同期比27.9%減)、連結経常利益は27億9千3百万円(前年同期比25.0%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は17億8千7百万円(前年同期比15.3%減)となりました。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔ダイユーエイト〕ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で6.0%減少し、客単価が前年同期比で2.8%増加したことにより既存店売上高は3.4%の減少となりました。売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、期初は好天に恵まれたこともあってホームセンターの主力部門である園芸、植物、農業資材が好調に推移し、当第2四半期を通してペット用品、日用品は順調に売上を伸ばすことが出来ました。一方、前年は2022年3月に福島県沖地震の被害があった影響により、コーキング剤やセメント、合板などの補修資材、工具などの特需があったことで、当期はその反動減の影響が大きく、前年同期比で売上高が減少しております。また、7、8月は猛暑により扇風機やエアコンなどの季節商品が一時的に伸長したものの、園芸用品、木材塗料や作業資材など外で作業する商品の販売不振により前年同期比で既存店売上高は減収という結果となりました。EC部門につきましては、コロナ禍を経て主要な購買チャネルとしてユーザーの日常ライフスタイルに定着しており、EC取扱高も年々伸長の一途をたどっているなかで、取扱い品目の増加、即日発送対応といった体制構築のコスト負担はあったものの、更なるユーザーサービスの向上に努めたこともあって前年同期比で売上高が増加しております。
利益面につきましては、成長戦略の商品力の強化として取組んでいるホームセンターのPB商品について、円安が常態化する為替相場の影響で海外開発商品の調達原価の負担が上昇しているものの、取扱高が増加したこともあって商品荒利益率改善に寄与しておりますが、第2四半期は相対的に日用品等の売上構成比が増加したこともあって利益率は横ばいの結果となっております。コスト面につきましては、資源価格の高騰や国内物価の上昇の影響で、水道光熱費が増加していること、また、キャッシュレス決済手数料、ECサイト販売手数料等のコスト負担増加の影響で販売費及び一般管理費が前年同期比で増加しております。これらの結果、ダイユーエイトにおけるセグメント営業収益は230億8千8百万円(前年同期比2.8%減)、セグメント利益(営業利益)は6億4千3百万円(前年同期比45.1%減)となりました。
〔タイム〕ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.6%の減少、客単価が前年同期比で4.3%増加したことにより既存店売上高は1.5%減少いたしました。売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、犬・猫フード、用品等が販売政策及び値上の影響により好調に推移しております。タイムの主要な出店エリアである中四国エリアは当期5月末に梅雨入りし、6月も前年比で降水量が多かったことで雨具・長靴等の作業衣料が好調であったほか、7月以降は猛暑日が続いたことで日用品・家庭用品・インテリア部門の季節商品が好調に推移いたしました。一方、春先の最需要期での天候不順や夏の異常気象により、植物・園芸用品・農業資材関連商品の売上が低迷いたしました。また、前期はコロナ禍での在宅勤務や外出自粛により、収納用品・床材等の売上増加、住まいのメンテナンス需要により木材・塗料等のDIY商品等が好調に推移しておりましたが、当期は一連の巣ごもり需要が落ち込んだ影響もあって第2四半期全体を通じて前年同期比で減収という結果となりました。このような状況の中で、更なる集客力の向上を図り、家族で楽しく過ごせる地域密着型ホームセンターへ進化すべく、アプリ会員特典の強化、デジタルサイネージの効果的運用、d払いキャンペーンを行っており幅広い年齢層のお客様から支持されるサービスを実施いたしました。また、話題商品の品揃え、テーマ性のある売場づくりによる需要創造など、お客様に新たな発見をして頂ける提案を継続して実施しております。販売費及び一般管理費につきましては、備品消耗品や水道光熱費の節約奨励や、作業計画に合わせた綿密な人員配置を行うことで残業時間の削減を行う等、効率を上げることで必要コストの圧縮に取組んで参りました。これらの結果、タイムにおけるセグメント営業収益は84億5千万円(前年同期比1.4%増)、セグメント利益(営業利益)は5千3百万円(前年同期比42.5%減)となりました。
〔ホームセンターバロー〕ホームセンター事業は既存店ベースで、客数が前年同期比で5.7%減少、客単価が前年同期比で5.2%増加したことにより既存店売上高は0.7%の減少となりました。売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、第2四半期を通してコロナ禍後のお客様の行動様式の変化、原価高騰による値上げへの対応によりマスクなどの生活衛生関連商品やペット生体の売上高が前年同期比で落ち込みました。また猛暑により7月は冷風家電・作業衣料・インテリア・殺虫剤など季節商品が好調に推移いたしましたが、ゲリラ豪雨や8月まで長引く暑さなどの気候変動により、植物、園芸関連商品や建築資材商品の売れ行きは低迷しております。対応としては7月から各品種の消耗品にて「地域最安」商品の展開やまとめ売りなど、買上点数を1点多く買って頂けるよう提案を実施して参りました。リフォーム需要は第1四半期に引き続き、前期を大きく上回る売上となっております。また、高まる防犯関連商品対応として、特に空き巣への対策を重点に企画展開し、水害・雷・渇水などの防災対策商品についても同様にカテゴリーを越えた企画展開でホームセンターとしての提案を実施して参りました。販売促進におきましては、紙チラシからSNSへの拡大を行なっており店舗のイベント情報、お値打ち商品の紹介、節電や暮らしを改善する商品提案など各店で情報発信に取り組んでおります。EC事業におきましては、期首から継続して売上高が前年比20%増で推移しております。翌日配送の在庫商品の選定や売価設定の自動化などの業務効率改善により売上高、営業利益ともに増加しております。ペット事業におきましては、継続してPB商品の開発を進めておりPB商品販売比率を高めて参りました。店舗では推奨販売を行い、実際に使って頂くことでお客様に納得してご購入頂けるよう取り組んで参りました。トリミング・しつけ・動物病院などサービス部門につきましても引き続きお客様から多くのご要望を頂いております。コスト面につきましては、水道光熱費の上昇やキャッシュレス比率増加に伴う手数料負担の増加はありますが、全社で経費削減に取組むことで計画数値内で推移しております。これらの結果、ホームセンターバローにおけるセグメント営業収益は291億4千6百万円(前年同期比2.1%増)、セグメント利益(営業利益)は10億4千5百万円(前年同期比20.5%減)となりました。
〔アミーゴ〕ペットワールドアミーゴは既存店ベースで、客数が前年同期比で6.0%減少、客単価が前年同期比で4.7%増加したことにより既存店売上高は1.6%減少となりました。当第2四半期連結累計期間における商品別販売動向につきましては、コロナ禍における急激なペット需要がピークアウトしたことで、特に生体の販売数減少が顕著であったほか、ペットケージやサークルなどの関連用品の販売数も同様に前年比で減少している状況であります。生体以外のペットシーツなどの消耗品、犬、猫おやつ、プレミアムフードは堅調に推移いたしました。売上対策としては、什器レイアウトの変更、店舗設備の入替や活性化を目的として既存店3店舗の改装を実施いたしました。また、ペット文化・市場拡大の推進と成長戦略の柱としての新規出店としましては、群馬県初出店となる「ペットワールドアミーゴ前橋店」を出店しております。コスト面につきましては、キャッシュレス決済手数料の増加、水道光熱費の増加などコスト負担が増加しておりますが、第2四半期全体を通して継続的に各種コスト削減に取組んでおります。これらの結果、アミーゴにおけるセグメント営業収益は106億9千7百万円(前年同期比4.3%増)、セグメント利益(営業利益)は6億3千万円(前年同期比22.7%減)となりました。
〔その他〕セグメント営業収益は92億9千1百万円(前年同期比4.6%減)、セグメント利益(営業利益)は18億5千2百万円(前年同期比16.1%減)となりました。
(2)財政状態の分析当第2四半期連結会計期間末の財政状態としましては、総資産が847億4千4百万円、負債が537億6千万円、純資産は309億8千3百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は35.1%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億4百万円増加し、38億5千3百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は25億4千9百万円(前年同四半期は38億6千5百万円の資金の獲得)となりました。この主な要因は、税金等調整前四半期純利益27億8千9百万円、減価償却費15億7百万円、仕入債務の増加5億3百万円等により資金が得られましたが、売上債権の増加4億2千7百万円、棚卸資産の増加5億9百万円、法人税等の支払額11億2千3百万円等に資金が使用されたことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は19億4千4百万円(前年同四半期は22億5千7百万円の資金の使用)となりました。この主な要因は、定期預金の払い戻しによる収入2億5千万円、敷金及び保証金の回収による収入1億1千8百万円により資金が得られた一方、有形固定資産の取得による支出15億8千3百万円、無形固定資産の取得による支出2億5千1百万円、定期預金の預入による支出2億5千万円、敷金及び保証金の差入による支出2億3千1百万円等に資金が使用されたことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は1億円(前年同四半期は9億9千4百万円の資金の使用)となりました。この主な要因は、短期借入金の増加19億3千1百万円、長期借入れによる収入15億円により資金が得られた一方、長期借入金の返済による支出25億4千9百万円、リース債務の返済による支出4億4百万円、配当金の支払額5億7千万円等により資金が使用されたことによるものです。