【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を第1四半期連結会計期間の期首から適用しております。この結果、前第3四半期連結累計期間と収益の会計処理が異なることから、以下の経営成績に関する説明において増減額及び前年同四半期比(%)を記載せず説明しております。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間(2022年3月1日~2022年11月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症は重症者数が減少に転じる等落ち着きを見せているものの、ウクライナ情勢も収束が見えない中、日米金利差を起因とした急激な円安、原材料やエネルギー価格及び物流コストの高騰を背景とした物価上昇が加速しており、個人所得の伸び悩みもあって消費マインドは慎重姿勢が強まっております。小売業界におきましても、高齢化・人口減少に加え消費者の節約志向も強まる中、他業態との販売競争も激化しており先行きは一層不透明感を増した期間となりました。このような状況の中で、当社グループは、主力事業であるホームセンター店舗、ペット専門店の営業において、”withコロナ”を前提とした環境変化に対応するため、引き続き新型コロナ感染症の防止策を徹底し、従業員とお客様の安全を確保したうえで、安心してお買い物いただける店舗環境作りに取組みました。加えて、昨今頻発する震災被害に対しても、地域のお客様の生活を支える「社会インフラ」として生活必需品の安定供給に継続して注力してまいりました。また「新たな生活様式」の定着化によるライフスタイルの変容、非接触志向のオンラインを活用した購買、キャッシュレス決済の進捗等消費者のデジタルシフトが加速する中で、商品ニーズ、消費行動の変化を迅速に捉え対応するとともに、「商品力の向上」として物価上昇時に相対的に優位性を有するPB商品の販売強化により、お客様にご支持いただける店舗づくりを進めております。新規出店につきましては、当第3四半期連結累計期間において、ダイユーエイトは、福島県にホームセンターを1店舗リプレイス、資材・工具金物専門店2号店として「エイトプロ郡山安積店」を開設いたしました。日敷は秋田県にホームセンターを1店舗開設いたしました。タイムは岡山県にホームセンターを1店舗開設いたしました。アミーゴは愛知県に2店舗(ペット専門店)を開設しております。ジョーカーは東京都に1店舗開設しましたが、スクラップ&ビルドにより1店舗退店しております。同様にホームセンターバローも愛知県にホームセンターを1店舗開設する一方で1店舗退店しております。これにより当第3四半期連結会計期間末の店舗数は289店舗となりました。これらの結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループ(当社及び連結子会社)の連結営業収益は、1千114億7千1百万円(前年同四半期1千178億2千6百万円)、連結営業利益は44億5千9百万円(前年同四半期57億2千5百万円)、連結経常利益は48億9百万円(前年同四半期61億3千9百万円)、親会社株主に帰属する四半期純利益は27億7千2百万円(前年同四半期38億8千1百万円)となりました。第1四半期連結会計期間の期首より収益認識会計基準等を適用しておりますが、その影響として、営業収益は68億2千4百万円減少、営業利益は5千9百万円増加、経常利益1千7百万円減少、親会社株主に帰属する四半期純利益は1千2百万円減少しております。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔ダイユーエイト〕ホームセンター事業は、既存店ベースで、客単価が前年同期比で4.0%増加しましたが、来店客数が前年同期比で3.3%減少したことにより、既存店売上高は0.5%の増加となりました。売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、期間を通して天候が安定せず寒暖差も大きな日が多かったことから季節商品の売り場作りが難しい期間となりました。春先は、品揃え強化に取組んできた植物・園芸商品が低温の影響で苦戦しましたが、気温上昇と共に需要が回復し、除草剤・肥料等の園芸・農業資材の売上が伸長いたしました。2022年3月16日に発生しました震度6弱の福島県沖地震の影響で補修・防災商品等の特需が発生し、作業資材・木材塗料等の売上が前年同期比で増加しております。夏場は天候に恵まれず、キャンプ用品等のアウトドア用品等を始めとして季節商品の売上が伸び悩みましたが、注力している切花は大きく売り上げを伸ばしたほか、除草剤・殺虫剤等も好調に推移しました。秋口は、比較的気温が高く降水日が少ない期間となり、ファンヒーター・こたつ等の冬物商品の出足が鈍い状況でした。一方で、酒類・菓子飲料の値上げ前の駆け込み需要が発生したほか、10月後半の気温低下で暖房用品や冬物ラグ等の秋冬インテリア商品の売上が回復しております。加えて例年より積雪が多い予想も相まって除雪用品等の作業資材は出足好調に推移いたしました。
EC部門につきましては、コロナ禍のもとで非接触志向の高まりから市場規模も拡大しているなかで、取扱い品目の増加と、さらなるユーザーサービス機能を拡充させるために即日発送可能商品数を大幅に増加させたことにより前年同期比で取扱高を大きく伸ばすことができました。利益面につきましては、PB商品の取扱いアイテム数の拡大と販売強化による収益率の改善に取組んでおり、今後さらなる商品開発のスピードを高めると共にオリジナル商品の拡大に重点的に取組んでまいります。販売費及び一般管理費につきましては、電気料・物流コストの高騰、キャッシュレス決済手数料の負担増加の影響により前年より増加しております。これらの結果、ダイユーエイトにおけるセグメント営業収益は347億9千万円(前年同四半期354億9千万円)、セグメント利益(営業利益)は14億2千1百万円(前年同四半期14億4千1百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響として、セグメント営業収益は15億2千7百万円減少し、セグメント営業利益は3百万円増加しております。
〔タイム〕ホームセンター事業は、既存店ベースで、客単価が前年同期比で2.3%増加しましたが、来店客数が前年同期比で5.8%減少したことにより、既存店売上高は3.6%減少となりました。売上高における既存店ベースでの商品別販売動向は、天候に左右されながらも、植物・用土・肥料・ガーデン用品を中心に一般園芸が伸長し、農業肥料・農業薬品・農業機材・収穫用品等の農業資材が好調に推移いたしました。また当第3四半期会計期間において、チラシによる価格訴求を強化したことにより、犬フード・犬用品・猫フードを中心にペット用品が好調に推移したほか、酒類については家飲み需要の定着化に加えて10月の値上げ前の駆け込み需要が発生したことから好調な結果となりました。その他、自転車におきましても、引き続き電動アシスト自転車が売上を牽引しております。一方で、原材料の高騰による商品の値上げの影響もあり、建築資材・作業資材・収納用品・床材・日用品・キッチン・器具・調理用品の売上は前年実績に届きませんでした。季節用品に関しましても、例年より気温が高いことから動き出しも鈍く、電気暖房・石油暖房・インテリア用品を中心に前年同期と比較して苦戦いたしました。販売費及び一般管理費につきましては、作業に応じた人員の配置、残業時間の削減を実施した他、間接部門の経費削減を行うことで必要コストの圧縮に継続して取組んでおります。これらの結果、タイムにおけるセグメント営業収益は122億9千1百万円(前年同四半期120億6千7百万円)、セグメント利益(営業利益)は5千8百万円(前年同四半期2億4千8百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響として、セグメント営業収益は7千4百万円減少し、セグメント営業利益は1千1百万円増加しております。
〔ホームセンターバロー〕ホームセンター事業は、既存店ベースの客単価が前年同期比で5.3%増加しましたが、来店客数が前年同期比で6.7%減少したことにより、既存店売上高は1.8%の減少となりました。商品別販売動向につきましては、春先は、花苗、野菜苗を中心に園芸関連が堅調に推移したほか、リフォーム、エクステリア関連は需要が戻る傾向が見られました。夏場は、梅雨明け後の7月週末に雨が集中したことや、前期のコロナ需要の反動から売上が落ち込みました。一方で、専門性強化に取り組んでいる農園芸機械・タイヤ販売・サービス・リフォーム・エクステリアは好調に推移しました。お盆は鮮度を重視して取組み強化した切花がお客様からご支持いただき前年を上回る売上となりました。秋口に入り、9月は台風の影響を受け売上を落としましたが、10月に「ホームセンターバロー誕生祭」販促を実施し、客数・売上高ともに回復いたしました。10・11月は降雨量少なく気温も暖かかったことから、インテリアなど冬物季節品の売れ行きは鈍化した一方で、園芸用品・農業資材など外回り品が好調に推移いたしました。資材・工具金物専門店「プロサイト」におきましては、SNS発信によりお客様とのつながりを高め、お客様の声から品揃えを強化する取組みを続けております。また、10月には愛知県名古屋市に、本館、資材館、タイヤ市場、ガソリンスタンドを併設し、延べ床面積が3,266坪の大型ホームセンター「ホームセンターバロー千音寺店」を開設しました。スーパーマーケットバロー、Vドラッグ、ペットワールドアミーゴと、バローグループ店舗でショッピングセンターを形成し、地域のお客様に新たなサービスと利便性を提供しております。販促面では、デジタル販促へのシフトを進めており、バローグループ「ルビット」アプリ販促、SNS販促を進め、新たなお客様との接点作りに取組んでおります。EC事業におきましては、アウトドア専門店「LINK」のオンラインショップを始め、オリジナル商品である「ロックターミガン」の販売や、アウトドアメーカー商品を幅広く取り扱っております。ペット事業におきましては、巣籠り需要の反動から減収となりましたが、PB商品の開発、販売に注力するとともに、トリミング・しつけなどサービス部門が堅調に推移しております。コスト面につきましては、水道光熱費の上昇、EC拡大による配送コスト増など増加要因はあるものの、全体で経費削減に取組み計画内での推移をしております。これらの結果、ホームセンターバローにおけるセグメント営業収益は427億6千3百万円(前年同四半期455億1千5百万円)、セグメント利益(営業利益)は16億6千6百万円(前年同四半期22億5千5百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響として、セグメント営業収益は22億9千1百万円減少し、セグメント営業利益は6千1百万円増加しております。
〔アミーゴ〕ペットショップアミーゴは、既存店ベースにおける前年同期比で、客単価が1.2%減少、来店客数も2.6%減少したことにより、既存店売上高は3.7%減少となりました。コロナ禍における様々な自粛や行動制限が縮小傾向となり顧客の動向には変化が見られました。2年間伸長したペット需要は落ち着き、生体の販売頭数の鈍化が見られ、売上高は前年を下回っております。その他のカテゴリーにおける当第3四半期連結累計期間の売上高における既存店ベースでの商品別販売動向につきましては、犬・猫のおやつ、プレミアムフード、小動物のフード等が好調に推移しております。また、外出・旅行等の需要拡大によりコロナ禍で著しく落ち込んでいたペットホテルサービスは回復しております。今期は、売上対策や什器レイアウトの変更、店舗設備の入替等既存店4店舗の改装を計画通り実施いたしました。また、11月には愛知県名古屋市に県内5店舗目となる「ペットワールドアミーゴ千音寺店」を新規出店しており、引き続き既存地域におけるドミナント化を積極的に進めてまいります。販売費及び一般管理費につきましては、売場改善を目的とした生体管理設備への投資、動物愛護法に対応する設備投資コストが増加傾向にありますが、健全な生体管理の維持を目的に必要不可欠な投資と位置づけ積極的に実施しております。また、著しい電気料の高騰がコストアップの大きな要因となっております。これらの結果、アミーゴにおけるセグメント営業収益は153億5千8百万円(前年同四半期180億4千1百万円)、セグメント利益(営業利益)は11億5千7百万円(前年同四半期14億9千9百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響として、セグメント営業収益は26億5千4百万円減少し、セグメント営業利益は1千6百万円減少しております。
〔その他〕セグメント営業収益は134億3千7百万円(前年同四半期115億7千2百万円)、セグメント利益(営業利益)は22億6千万円(前年同四半期11億1千6百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響として、セグメント営業収益は2億7千6百万円減少し、セグメント営業利益には影響しておりません。
(2)財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末の財政状態としましては、総資産が867億2千6百万円、負債が570億1千2百万円、純資産は297億1千3百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は32.9%となりました。