【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容①経営成績当第3四半期連結累計期間における我が国経済は、コロナ禍で停滞が続いた社会・経済活動が正常化してきたことなどにより、内需を中心に持ち直しの動きが見られました。一方、住宅業界におきましては、2022年4~12月の新設住宅着工戸数が累計で659千戸(前年同期比1.0%減少)となりましたが、当社の事業にかかわる一戸建住宅の着工は資材価格や建築費の高騰などの影響もあり、分譲一戸建は110千戸(前年同期比1.7%増加)となったものの、持家は195千戸(前年同期比12.5%減少)にとどまりました。また、木材価格については「ウッドショック」と言われた上昇局面から脱したものの、エネルギー価格の高騰や為替動向などの影響も含め、依然として調整局面が続いております。このような環境の中、当社グループは、2021年5月12日に発表した中期経営計画に掲げた諸施策を実行するとともに、株式会社ヤマダホールディングスと住生活産業に係る包括的な取り組みを進めてまいりました。その結果、当社グループの当第3四半期連結累計期間における売上高は1,714億8百万円(前年同期比3.5%増加)、営業利益は26億88百万円(前年同期比60.4%減少)、経常利益は26億26百万円(前年同期比59.1%減少)、親会社株主に帰属する四半期純利益は20億1百万円(前年同期比28.3%減少)となりました。
②セグメントごとの経営成績
ア 建築資材事業中期経営計画に掲げた重点戦略に基づき、木材の利用促進や、省エネルギー建材・設備及びエネルギー関連商材の販売拡大に努めてまいりました。そして、首都圏物流体制の再構築及び強化を図るべく建設していた、当社グループにおける首都圏最大の物流センター「関東物流センター(埼玉県入間郡越生町)」が竣工し、運用を開始しました。当社は、木材流通をルーツとする企業として、国産材の利用拡大を図るべく、家一棟分の木材を国産材でコーディネートする「国産材プレミアムパッケージ」の提案・普及を通じて、木造住宅における国産材比率の向上に努めるとともに、非住宅分野を含めた内外装の木質化「WoWooD®」を推進しました。また、循環型の木材サプライチェーンの構築を目指し、徳島県において原木の生産・流通及び再造林の取り組みを開始しました。なお、木材価格については、前年の急激な上昇局面から調整局面に移行したことにより、利益率が低下しました。2025年の省エネ基準の適合義務化など、住宅の省エネ性能の見直しが加速する中、工務店様のZEHの取り組みを一気通貫でサポートする、ナイスサポートシステムのサービス「スマとく」を提供し、省エネルギー建材・設備及びエネルギー関連商材の販売が順調に推移しました。また、基礎資材や副資材、インテリア材など、住宅に関する多様な商品を展開するプライベートブランドの取り扱い商材を拡充しました。これらの結果、売上高は1,417億54百万円(前年同期比6.5%増加)となり、営業利益は37億31百万円(前年同期比51.9%減少)となりました。
イ 住宅事業中期経営計画に掲げた重点戦略に基づき、住宅ストックの活用及び既存住宅流通に係る事業等の強化・拡大を図るなど、持続的な成長につながる収益基盤の構築を進めるとともに、環境性とレジリエンス性の高い住まいと暮らし方の普及に努めてまいりました。一戸建住宅・マンションは、前年同期比で売上計上戸数が減少しましたが、第4四半期売上計上予定の免震マンション3棟(仙台、宇都宮、浜松)の契約が順調に推移しており、2024年3月期売上計上予定の物件の販売にも着手しています。引き続き免震マンションの普及に努めてまいります。管理その他に含まれる既存住宅流通に係る事業については、当社が従来から基盤を持つ「横浜・川崎」エリアを中心に、住まいに関するワンストップソリューションの提供に努めたことで、不動産仲介事業、中古マンション買取再販事業ともに、堅調に推移しました。これらの結果、売上高は220億26百万円(前年同期比11.3%減少)、営業損失は5億21百万円(前年同期は営業損失4億31百万円)となりました。
ウ その他の事業その他の事業には、ソフトウェア開発事業及びシステム提供事業、一般放送事業(有線テレビ放送事業)や電気通信事業等の生活関連サービス事業、建築工事事業等が含まれております。ナイスコンピュータシステム株式会社では、経営管理システム「木太郎」にクラウド版を追加した「木太郎6」の提供を開始しました。YOUテレビ株式会社では、FTTH(ファイバー・トゥ・ザ・ホーム)の敷設工事が終了したエリアにおいて新規加入営業の強化を図りました。これらの結果、売上高は76億28百万円(前年同期比2.2%減少)、営業利益は6億62百万円(前年同期比37.1%減少)となりました。
③セグメントごとの連結売上高及び連結営業利益
売上高
(単位:百万円)
セグメント
前第3四半期連結累計期間(自
2021年4月1日至
2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自
2022年4月1日至
2022年12月31日)
前年同期比(%)
建築資材
133,044
141,754
6.5
住宅
24,827
22,026
△11.3
その他
7,801
7,628
△2.2
合計
165,673
171,408
3.5
営業利益
(単位:百万円)
セグメント
前第3四半期連結累計期間(自
2021年4月1日至
2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自
2022年4月1日至
2022年12月31日)
前年同期比(%)
建築資材
7,753
3,731
△51.9
住宅
△431
△521
-
その他
1,054
662
△37.1
消去又は全社
△1,593
△1,184
-
合計
6,782
2,688
△60.4
(参考)財務指標
(単位:%)
前第3四半期連結累計期間(自
2021年4月1日至
2021年12月31日)
当第3四半期連結累計期間(自
2022年4月1日至
2022年12月31日)
売上高総利益率
16.4
13.2
売上高営業利益率
4.1
1.6
売上高経常利益率
3.9
1.5
自己資本比率
27.8
28.6
④財政状態総資産は、前連結会計年度末に比べ35億22百万円増加し、1,614億43百万円となりました。これは、有価証券が減少しましたが、棚卸資産が増加したことなどによるものです。また、関東物流センターの竣工や、YOUテレビ株式会社のFTTH化工事の進捗などにより有形固定資産も増加しております。負債は、前連結会計年度末に比べ26億73百万円増加し、1,120億51百万円となりました。これは、未払法人税等が減少しましたが、仕入債務及び借入金が増加したことなどによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ8億48百万円増加し、493億92百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上、配当金の支払い及び為替換算調整勘定の減少などによるものです。
⑤重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当第3四半期連結累計期間において、重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定に重要な変更はありません。
⑥資本の財源及び資金の流動性についての分析当第3四半期連結累計期間において、資本の財源及び資金の流動性の重要な変更はありません。
(2)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当第3四半期連結累計期間において、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の重要な変更及び新たに定めた経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針当第3四半期連結累計期間において重要な変更及び新たに定めた基本方針はありません。
(5)研究開発活動該当事項はありません。
(6)従業員数当第3四半期連結累計期間において、連結会社又は提出会社の従業員数の著しい増減はありません。
(7)仕入及び販売実績当第3四半期連結累計期間において、仕入実績及び販売実績の著しい増減はありません。
(8)主要な設備前連結会計年度末に計画中であった重要な設備の新設等について、当第3四半期連結累計期間に完了したものは、次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資額(百万円)
完了年月
提出会社
関東物流センター(埼玉県入間郡越生町)
建築資材
倉庫新設
895
2022年10月