【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の業績は、売上高7,906百万円(前年度比20.3%増)、営業利益2,110百万円(前年度比492.7%増)、当期利益1,852百万円(前年度比129.1%増)となりました。なお、EBITDAは2,538百万円(前年度比235.9%増)となりました。※EBITDA=営業利益+減価償却費
財政状態については、次のとおりであります。当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,156百万円増加し、8,471百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ659百万円減少し、2,523百万円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ1,816百万円増加し、5,947百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べて998百万円増加し3,596百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、793百万円(前年度は678百万円の増加)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、291百万円(前年度は536百万円の使用)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、375百万円(前年度は307百万円の増加)となりました。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、ソーシャルメディアマーケティング支援事業のSNSマーケティング支援事業及びDaaS事業、Web3関連事業により構成されております。第23期有価証券報告書(事業年度2021年1月1日から2021年12月31日、2022年3月28日提出)記載のサービスの内容から、クロスバウンド事業を担う連結子会社の売却に伴う「クロスバウンド事業」の終了及び「Web3関連事業」を新設しております。経営方針、経営戦略については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針、(2)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略」をご参照ください。
(グループ全体の振り返り)当連結会計期間において、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が徐々に緩和され、国内外で景気持ち直しの傾向がみられたものの、ロシア・ウクライナを発端とする地政学リスクの顕在化や欧米の金利引き上げ、国内のインフレは継続しており、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。そのような環境において、当社は機動的な事業ポートフォリオの組み換えに取り組み、第4四半期においてクロスバウンド事業を担う連結子会社(株式会社トレンドExpress 現:株式会社NOVARCA)の売却を行い、既存のソーシャルメディアマーケティング支援事業や新規事業であるWeb3関連事業のさらなる事業成長に取り組んでおります。ソーシャルメディアマーケティング支援事業は、底堅い企業ニーズを背景に拡大する事業と位置付け、当社の強みであるSNS上のビッグデータの収集・分析・活用のワンストップ提供で顧客企業の支援に注力しております。一方で、インターネットはWeb2.0からWeb3へパラダイムシフトする変化のタイミングであると考えており、当社は既存のソーシャルメディアマーケティング支援事業の拡大に取り組むと同時に、新規事業として、先んじて2018年からWeb3の基盤となるブロックチェーン技術の調査・研究に取り組んでまいりました。このインターネットのパラダイムシフトを次のチャンスとするために、Web3関連への投資事業を立ち上げ、当事業を行う子会社として合同会社Nonagon Capital(以下、「Nonagon Capital」)を5月24日に設立しております。当社グループは、Nonagon Capitalの設立に伴い、当連結会計年度より、報告セグメントに、「Web3関連事業」を設けております。なお、クロスバウンド事業を担う連結子会社の売却に伴い、報告セグメントのソーシャルメディアマーケティング支援事業における「クロスバウンド事業」の記載は、当連結会計期間までとなります。
(事業別の振り返り)(ソーシャルメディアマーケティング支援事業)1)SNSマーケティング支援事業当事業は、主に日本国内向けのSNSマーケティング支援から成り立っており、その主なサービスは、SNS広告・SNS運用コンサルティングと、SNSの分析ツールである「クチコミ@係長」などであります。これらのサービスは、当社が保有する膨大なデータと、長年に亘り蓄積してきたSNS分析・運用ノウハウで、分析から施策立案、効果測定までを一気通貫でサポートするものです。当事業の売上高は2,066百万円(前年度比9.4%増)となりました。これは主に、拡大する事業と位置づけているビジネスである、SNS広告・SNS運用コンサルティングが引き続き好調だったことによるものであります。ウィズコロナにおける新しい生活様式の中で、SNSマーケティングの重要性が高まっていると同時に、順調に実績を積み上げている当社サービスへの顧客からの評価が高まっていることによるものと考えております。一方で、円安や原材料高の影響による顧客企業の販管費抑制が顕在化しており、不透明な事業環境に左右されない成長のために、顧客ポートフォリオの拡充や当社のSNSマーケティング支援事業とシナジーのあるマーケティング・広告サービスを提供する企業との業務提携といったサービスラインナップの拡充にも、引き続き、取り組んでおります。なお、SNS分析ツールについては、営業人員をSNS広告・SNS運用コンサルティングに集中しているため、前年同期と比較し減少となりました。
2)クロスバウンド事業当事業は、主にソーシャル・ビッグデータを活用した日本と中国をつなぐクロスバウンドの消費行動の分析と、これを強みとするプロモーション支援、越境ECサービスから成り立っております。当連結会計期間においては、中国国内の新型コロナウイルス感染症拡大による一部都市のロックダウンによる影響がみられたものの、徐々に影響が緩和され、売り上げが回復しております。また、独身の日(11月11日)にむけた売上増加もあり、当事業の売上高は3,673百万円(前年度比23.5%増)となりました。なお、クロスバウンド事業を担う連結子会社の売却に伴い、「クロスバウンド事業」の報告は、当連結会計期間までの記載となります。
3)DaaS事業当事業は、当社の米国子会社であるEffyis,Inc.の主にSNSデータアクセス権の販売から成り立っております。当事業の売上高は2,167百万円(前年度比26.9%増)となりました。これは、今期より取り組んでいるSNSデータアクセス権の価格改定による既存顧客の単価上昇と、DaaS事業は米国の子会社が行っており、円安による売上高増の効果によるものです。当社の米国子会社であるEffyis,Inc.は引き続き、世界中のソーシャル・ビッグデータを保有するメディアとの間で良好な関係を維持し、安定したデータ提供や新規メディアからのデータアクセス権の契約を獲得してまいります。
(Web3関連事業)当事業は、Web3に関連する事業を行うものです。5月24日に設立したNonagon CapitalによるWeb3分野への投資運用業がその主なものですが、当連結会計期間では事業の立上げと投資先の調査、選定が主な活動であったため、当事業の売上高は発生しておりません。Nonagon Capitalは、Web3分野での新事業創出のための知見を深めること及び投資収益・投資事業収益の獲得を主な目的とし、米国を中心に世界各国のWeb3に関連するスタートアップを対象に投資を行うことを予定しております。 なお、Web3関連市場のボラティリティが高まる中で、短期的な利益を追求するのではなく、長期的な視点を持ってP/LとB/Sへの影響を加味しながら投資を行うこととしており、投資回収期間についても5年程度を見込んでいることから、当連結会計期間の業績に与える影響は軽微となります。
セグメント別売上高
セグメント名
サービスの名称
当連結会計年度(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
売上高(千円)
前年度比(%)
ソーシャルメディアマーケティング支援事業
SNSマーケティング支援事業
2,066,210
109.4
SNS分析ツール
461,439
92.0
SNS広告・SNS運用コンサルティング
1,604,770
115.6
クロスバウンド事業
3,673,158
123.5
DaaS事業
2,167,370
126.9
小計
7,906,739
120.3
Web3関連事業
-
-
合計
7,906,739
120.3
以上の結果、当連結会計年度においては、売上高7,906百万円(前年度比20.3%増)、売上総利益2,160百万円(前年度比0.0%増)となりました。売上総利益が前年度と同様なのは、主に売上構成の変化による影響と売上高の増加に伴う広告媒体等に支払う原価の増加によるものです。売上構成の変化について、売上総利益率が他サービスと比べ低い越境ECプラットフォームサービス(クロスバウンド事業)の売上が増加し、連結売上高に占める比率が高まったためです。販売費及び一般管理費は1,968百万円(前年度比8.6%増)となりました。主な増減要因は、広告宣伝費などが減少した一方、支払手数料や旅費交通費、売上増に伴う業務委託費の増加などによるものです。その他の収益において、子会社株式売却に関して生じた利益を主として1,918百万円(前年度11百万円)を計上しております。これらのことから、営業利益は2,110百万円(前年度比492.7%増)となりました。金融収益は、為替差益の影響を主な要因として201百万円(前年度721百万円)となりました。金融費用は、有価証券の評価損を計上したことを主な要因に440百万円(前年度22百万円)となり、当期利益1,852百万円(前年度比129.1%増)となりました。この有価証券の評価損は、中長期的な事業の種まきのために、ブロックチェーン分野における世界規模の動向調査と人脈構築を目的としてブロックチェーンスタートアップに投資するファンドに出資しておりますが、こちらについて前連結会計年度末に比べ資産価値評価が下がったことによるものです。資産価値の評価に関しては、変動リスクを考慮し、適切な安全率をかけて評価しております。なおEBITDAは、2,538百万円(前年度比235.9%増)となりました。
(財政状態に関する分析)・資産の部流動資産は、前連結会計年度末に比べて864百万円増加し、4,309百万円となりました。これは主に、長期借入の実行や関係会社株式の売却などにより現金及び現金同等物が998百万円増加したことや未収法人所得税が283百万円増加した一方、売掛金の減少などにより営業債権及びその他の債権が242百万円減少したこと、連結子会社が除外されたことにより棚卸資産が139百万円減少したことなどによるものであります。非流動資産は、前連結会計年度末に比べて292百万円増加し、4,162百万円となりました。これは主に、ブロックチェーンファンドへの出資などによりその他の金融資産が676百万円増加した一方、連結子会社が除外されたことによりのれんが232百万円減少したこと、関係会社株式の売却により持分法で会計処理されている投資がなくなり164百万円減少したことなどによるものであります。以上により、当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,156百万円増加し、8,471百万円となりました。
・負債の部流動負債は、前連結会計年度末に比べて230百万円減少し、893百万円となりました。これは主に、借入の実行により借入金が72百万円増加した一方、賞与引当金や未払消費税の減少によりその他の流動負債が144百万円減少したこと、買掛金の減少により営業債務及びその他の債務が96百万円減少したこと、未払法人所得税が44百万円減少したこと、リース負債が16百万円減少したことによるものであります。非流動負債は、前連結会計年度末に比べて429百万円減少し、1,630百万円となりました。これは主に、借入金が290百万円減少したこと、事業譲受対価の支払によりその他の非流動負債が100百万円減少したこと、繰延税金負債が19百万円減少したこと、リース負債が19百万円減少したことによるものであります。以上により、当連結会計年度末における負債の合計は、前連結会計年度末に比べて659百万円減少し、2,523百万円となりました。
・資本の部資本合計は、前連結会計年度末に比べて1,816百万円増加し、5,947百万円となりました。これは主に、当期利益1,852百万円により、利益剰余金が1,818百万円増加したこと、有価証券の評価差額金や海外子会社の財務諸表の為替換算調整等によるその他の資本構成要素が262百万円増加した一方、非支配持分が264百万円減少したことによるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、793百万円(前期は678百万円の増加)となりました。この主な要因は、税引前利益1,875百万円と、非資金項目である、減価償却費及び償却費428百万円、金融費用440百万円、営業債務及びその他の債務の増加722百万円を調整したことにより資金が増加した一方、非資金項目である、関係会社株式売却益1,903百万円、棚卸資産の増加476百万円、その他の流動資産の増加330百万円を調整したことにより、資金が減少したことによるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、291百万円(前期は536百万円の使用)となりました。この主な要因は、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入347百万円、投資有価証券の売却による収入77百万円により資金が増加した一方、無形資産の取得による支出314百万円、事業譲受による支出158百万円、ブロックチェーンファンドへの出資金の払込による支出127百万円を行ったこと、投資有価証券の取得による支出62百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、375百万円(前期は307百万円の増加)となりました。この主な要因は、長期借入による収入700百万円、長期借入金の返済281百万円及びリース負債の返済43百万円を行ったことによるものであります。
b.資本の財源及び資金の流動性当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、運転資金及び設備投資資金(主にソフトウェア等)であり、運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であります。資金需要は手元資金で賄うことを基本としつつ、短期の運転資金の調達のために、必要に応じて変動金利の有利子負債による資金調達を実施しております。当連結会計年度末における借入金及びリース負債を含む有利子負債の残高は、1,353百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,596百万円となっております。
③ 重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、国際会計基準(IFRS)に基づいて作成されております。なお、個々の「重要な会計方針並びに重要な会計上の見積り」と「新型コロナウイルス感染症に伴う会計上の見積り」については、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断 5.追加情報」に記載のとおりであります。
④ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、売上高、売上成長率及び営業利益率を重視しております。当連結会計年度における売上高は7,906百万円、売上成長率は20.3%(前連結会計年度は49.8%)であります。営業利益率については、26.7%(前連結会計年度は5.4%)となりました。詳細につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(事業別の振り返り)」をご参照ください。
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