【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態
<資 産>
当第3四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ552百万円増加し、47,392百万円となりました。これは主に、商品及び製品の増加によるものです。固定資産は、前連結会計年度末に比べ897百万円増加し、34,040百万円となりました。これは主に、製造子会社の設備投資に伴う建設仮勘定の増加によるものです。
この結果、資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,450百万円増加し、81,433百万円となりました。
<負 債>
当第3四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ515百万円増加し、29,869百万円となりました。これは主に、仕入債務の増加によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べ37百万円増加し、12,381百万円となりました。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べ553百万円増加し、42,251百万円となりました。
<純資産>
当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ896百万円増加し、39,182百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上により利益剰余金が増加したことによるものです。
②経営成績
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、経済活動の正常化に向けた動きが活発となり個人消費の持ち直しが見られたものの、地政学リスクの高まりによるサプライチェーンの混乱や物価上昇によるインフレ懸念など、先行き不透明な経営環境が続いております。
当社グループの事業と関連性の深い建設業界では、非住宅投資で回復の動きが続くものの、資材価格の高止まりによる建設コストの増加により、民間住宅需要の減少が続いております。
このような状況の下、当社グループは長期ビジョン<TOLI VISION 2030>の実現に向けた中期経営計画『SHINKA Plus ONE』において、A.コア事業の強靭化、B.伸びしろ事業の成長拡大、C.第5事業の創造、D.グループ横断機能の強化、E.成長を支える経営基盤の構築、の5つの重点戦略を推進しております。当期においては、昨年来の数次にわたる原材料コストの上昇に対応すべく、タイルカーペット用ナイロン原糸の内製化やリサイクル原材料使用比率の向上をはじめとした製造原価低減に注力すると共に、5月の第2次、9月には第3次となる販売価格改定の浸透を図り、収益改善に努めました。
これらの結果、当第3四半期連結累計期間における連結業績は、売上高67,429百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益1,424百万円(前年同期比676.9%増)、経常利益1,494百万円(前年同期比178.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益897百万円(前年同期
同四半期純損失11百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。なお、セグメント間の取引を含めて表示しております。
<プロダクト事業>
プロダクト事業におきましては、今年度発売の新商品を中心とした販促活動と販売価格改定に注力したことにより売上高は伸長しました。利益面では、様々な製造原価低減への取り組みに努めたことに加え、5月以降の販売価格改定による効果が寄与しましたが、原材料価格の高止まりが続く中、後追いの価格転嫁による収益改善は一定程度にとどまりました。
ビニル系床材では、7月に発売したビニル床タイル「タイルコレクション」が好調に推移し、主力商品の「ロイヤルシリーズ」及び当社独自の技術を活かした単層ビニル床タイル「LCT(Luxury Calcium carbonate Tile)」・「VCT(Vinyl Composition Tile)」シリーズが伸長しました。また、4月に発売した新・第3の床材「タフテックタイル」は、複層ビニル床タイルの進化が評価され2022年度グッドデザイン賞を受賞するなど、ビニル系床材は好調に推移しました。
カーペットでは、6月に発売した「TOLI完全循環型リサイクルシステム」による環境配慮型タイルカーペット「GA-3600 サスティブバック」を中心に、環境対応ニーズの高まるオフィス市場への販促活動に注力いたしました。新築・リニューアルを含めたタイルカーペット全体の販売数量は弱含みで推移しましたが、販売価格改定効果により売上高は前年を上回りました。
壁装材では、7月発売の汎用タイプビニル壁紙「VS」が好調に推移したことに加え、10月発売の素材の表現を追求した不燃化粧仕上げ材「リアルデコ」の販促活動に注力したことにより壁装材は好調に推移しました。また、販売価格改定の浸透が進んだことにより、売上高は前年を大きく上回る結果となりました。カーテンでは、10月発売の各種施設向け「コントラクトカーテン」において、回復基調の医療福祉市場を中心とした販促活動に注力したことにより好調な滑り出しとなりましたが、カーテン全体の売上高は前年を下回る結果となりました。
これらの結果、プロダクト事業では、売上高は40,991百万円(前年同期比9.5%増)、セグメント利益は880百万円(前年同期比275.9%増)となりました。
<インテリア卸及び工事事業>
インテリア卸及び工事事業では、インテリア関連商材の仕入れコストの上昇が続く中、販売価格への転嫁に加え、地域に密着したきめ細かいサービスの向上に努めたことにより、事業全体は順調に推移しました。また、東璃(上海)貿易有限公司では、中国国内のゼロコロナ政策による行動制限の影響により売上高は伸び悩みましたが、同社の第3四半期累計期間(2022年1月~9月)の業績は底堅く推移しております。
これらの結果、インテリア卸及び工事事業の売上高は44,375百万円(前年同期比5.8%増)、セグメント利益は814百万円(前年同期比69.0%増)となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(3)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、477百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。