【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)経営成績等の状況当第2四半期連結累計期間のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に係る行動制限の解除により、経済活動の正常化に向けた動きが進み、個人消費やインバウンド需要の回復、設備投資に持ち直しの動きが見られるなど、全体としては緩やかな回復基調で推移しました。一方、米国経済は堅調に推移しているものの、ウクライナ情勢の長期化や米中関係の地政学的リスクの高まり、世界的な金融引締め等を背景に海外景気の減速による下振れが懸念される中、原材料価格やエネルギーコストの上昇、急激な為替相場の変動等の影響により、依然として先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境としては、亜鉛及びロジウムの相場は下落基調で推移し、前年同期に比べ平均価格は下落しました。また、為替相場は前年同期に比べ円安が進行しました。機能材料部門は、在庫調整の長期化を背景に電子部品需要の回復が遅れていることから、主要製品の販売量は減少しました。モビリティ部門は、半導体不足の緩和により自動車市場が回復していることから、排ガス浄化触媒や自動車用サイドドアラッチの販売量は増加しました。
当社グループは、パーパスを基軸とした全社ビジョン(2030年のありたい姿)である「マテリアルの知恵で“未来”に貢献する、事業創発カンパニー。」を実現するため、2022年を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「22中計」をスタートさせております。「22中計」の2年目となる2023年度も厳しい経営環境ではありますが、全社ビジョン実現に向けた戦略は変更せず、引き続き各部門において「経済的価値」と「社会的価値」を両立した統合思考経営を実践することで、持続的な企業価値向上の仕組みを構築し、成長し続けるための重点施策に取り組んでおります。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ302億円(8.8%)減少の3,121億円となりました。営業利益は前年同期に比べ、円安の進行による好転要因があったものの、非鉄金属相場の変動に伴う在庫要因の影響に加え、機能材料部門の販売量の減少やエネルギーコスト上昇の影響等により、186億円(80.0%)減少の46億円となりました。経常利益は前年同期に比べ、営業利益が186億円減少したこと、及び受取配当金が60億円増加したものの、為替差益が36億円減少したこと等により、171億円(50.4%)減少の168億円となりました。特別損益においては、債務保証損失引当金繰入額25億円、固定資産除却損12億円等を計上しました。加えて、税金費用及び非支配株主に帰属する四半期純利益を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に比べ197億円(70.8%)減少の81億円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 機能材料セグメント当部門の売上高は前年同期に比べ、キャリア付極薄銅箔をはじめ主要製品の販売量が減少したこと等から、59億円(9.1%)減少の597億円となりました。経常利益は前年同期に比べ、主要製品の販売量が減少したこと等から、49億円(40.2%)減少の73億円となりました。
② 金属セグメント当部門の売上高は前年同期に比べ、円安が進行したものの、亜鉛のLME(ロンドン金属取引所)の平均価格が下落したこと等から、201億円(14.9%)減少の1,146億円となりました。経常利益は前年同期に比べ、円安の影響や日韓共同製錬株式会社からの受取配当金66億円の増益要因があったものの、亜鉛のLME価格下落に伴う在庫要因の影響に加え、亜鉛製錬設備の大規模定期修繕工事やエネルギーコスト上昇の影響等により、60億円(45.2%)減少の73億円となりました。
③ モビリティセグメント当部門の売上高は前年同期に比べ、排ガス浄化触媒や自動車用サイドドアラッチの販売量が増加したこと等から、35億円(3.2%)増加の1,126億円となりました。経常利益は前年同期に比べ、主要製品の販売量が増加したものの、排ガス浄化触媒の主要原料であるロジウム等の貴金属価格下落や為替差益が減少した影響等により、36億円(49.0%)減少の38億円となりました。
④ その他の事業セグメント当部門の売上高は前年同期に比べ、亜鉛のLME価格下落の影響等により、110億円(17.4%)減少の526億円となりました。経常利益は前年同期に比べ、製品の販売価格が改善したこと等により、5億円(239.0%)増加の8億円となりました。
主要な品目等の生産実績の当連結会計年度の推移は、次のとおりであります。
セグメント
品目
単位
第1
第2
第3
第4
累計
四半期
四半期
四半期
四半期
機能材料
銅箔
生産量
千t
3
4
―
―
8
金属
亜鉛
生産量
千t
44
59
―
―
103
鉛
生産量
千t
15
17
―
―
33
モビリティ
自動車部品
生産金額
億円
199
213
―
―
413
* 亜鉛:共同製錬については当社シェア分
(2)財政状態の状況資産合計は、受取手形、売掛金及び契約資産60億円、現金及び預金35億円等の増加があったものの、流動資産のその他59億円等の減少により、前連結会計年度末に比べ14億円減少の6,304億円となりました。負債合計は、固定負債の引当金28億円等の増加があったものの、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパー残高129億円等の減少により、前連結会計年度末に比べ90億円減少の3,614億円となりました。純資産合計は、親会社株主に帰属する四半期純利益81億円、為替換算調整勘定76億円等の増加に加え、剰余金の配当79億円、繰延ヘッジ損益14億円の減少等があり、前連結会計年度末に比べ76億円増加の2,690億円となりました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末に比べ1.3ポイント上昇の41.4%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益113億円、減価償却費169億円、棚卸資産の減少108億円等の増加要因に対し、仕入債務の減少73億円等の減少要因を差し引いた結果、前年同期に比べ281億円収入増加の426億円の収入となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出143億円等の減少要因を差し引いた結果、前年同期に比べ42億円支出増加の169億円の支出となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、長・短借入金及びコマーシャル・ペーパーの減少150億円及び配当金の支払額79億円等から、前年同期に比べ218億円支出増加の236億円の支出となりました。以上の結果、為替換算差額を含めた現金及び現金同等物の当第2四半期末残高は、前連結会計年度末に比べ6億円減少の303億円となりました。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について、重要な変更はありません。また、新たに生じた事業上及び財務上の重要な対処すべき課題はありません。
(5)目標とする経営指標2024年3月期(2023年4月1日~2024年3月31日)の業績予想につきましては、当第2四半期連結累計期間の実績及び事業環境等の変動要因を勘案の上、見直しております。
(金額:億円)
2023年11月10日公表値(A)(注)
2023年8月8日公表値(B)
増減(A)-(B)
2023年5月10日公表値
売上高
6,300
6,050
250
6,450
営業利益
210
110
100
200
経常利益
330
200
130
200
親会社株主に帰属する当期純利益
180
95
85
100
前提諸元
2023年11月10日公表値(A)(注)
2023年8月8日公表値(B)
増減(A)-(B)
2023年5月10日公表値
亜鉛LME価格($/t)
2,442
2,435
7
3,000
鉛LME価格($/t)
2,122
2,105
17
2,100
銅LME価格(¢/lb)
381
374
7
400
ロジウム価格($/oz)
4,786
4,760
26
8,000
為替(円/US$)
143
139
4
130
(注) 上記の業績予想につきましては、2023年11月10日現在において入手可能な情報及び仮定の条件に基づき算出したものであり、今後様々な要因により実際の業績が記載の予想数値と異なる場合があります。2023年8月8日の公表値に対しましては、機能材料セグメントの主要製品の販売量が減少する見込みであるものの、為替が円安で推移していることによる金属セグメントの収益改善及び在庫要因の好転、モビリティセグメントの貴金属価格変動による影響も改善する見込みであること等により、営業利益は増加する見込みであります。加えて、為替が円安で推移していることによる営業外為替差益の増加等により、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益は増加する見込みであります。業績予想の詳細につきましては、当社コーポレートサイト(https://www.mitsui-kinzoku.com/)のIR・投資家情報に、2023年11月10日付で掲載されております「2024年3月期第2四半期決算説明資料」をご参照下さい。
(6)研究開発活動当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、5,864百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
