【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第1四半期連結累計期間においては、ロシア・ウクライナ戦争の長期化や世界的なインフレ及び資源価格の高止まり、各国の金融引き締め政策などにより、景気の先行き不透明な状況が続きました。このような情勢の下、当社では、無機化学事業においては、酸化チタンの建築用途向けやアジア向け販売が低迷し、機能性材料も電子部品用材料の販売が積層セラミックコンデンサ(MLCC)業界の在庫調整の影響で減少しました。有機化学事業においては、主力の農薬について、欧州の殺虫剤を中心に海外販売が増加した他、国内販売も堅調に推移しました。 この結果、売上高は376億円(前年同期比42億円増)、営業利益は32億円(前年同期比5億円増)、経常利益は為替差益を計上するなどで58億円(前年同期比13億円増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は49億円(前年同期比15億円増)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(無機化学事業)酸化チタンは、自動車向けは需要回復の兆しが見え始めたものの、建築用途向けなどの需要が低調であったことに加え、アジア市況の低迷などにより販売数量が減少しました。その一方で、前期に実施した価格改定の寄与や、為替が円安基調で推移したことなどから、売上高は132億円(前年同期比13億円増)となりました。機能性材料は、電子部品用材料の車載用と通信向けともに、MLCCメーカーの過剰在庫解消策の影響などにより販売が減少し、売上高は35億円(前年同期比7億円減)となりました。 損益面では前期からの原燃料価格高止まりによるコスト高の継続などにより、減益となりました。 この結果、無機化学事業の売上高は167億円(前年同期比6億円増)、営業利益は13億円(前年同期比6億円減)となりました。
(有機化学事業)農薬は、海外販売について、米州では、北米での除草剤や殺虫剤などの販売が堅調だった一方で、ブラジルでは在庫調整の影響により殺菌剤の販売が減少しました。欧州では、アフリカでの害虫発生などにより殺虫剤の需要が拡大したことで増収となりました。アジアでは、殺菌剤の需要が拡大したことなどで、増収となりました。国内販売についても殺菌剤が堅調だったことなどで、前年同期を上回りました。 農薬以外では、動物用医薬品や医薬品原末などのヘルスケア事業の売上高が前年同期並みとなりました。 損益面では、原料価格などが高価格帯で推移し、コスト高が継続したものの、農薬の国内外での販売増加や為替が円安基調で推移したことなどにより、増益となりました。 この結果、有機化学事業の売上高は202億円(前年同期比36億円増)、営業利益は27億円(前年同期比12億円増)となりました。
(その他の事業)売上高は6億円(前年同期並み)、営業損失は6千万円(前年同期並み)となりました。
(2) 財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて119億円増加し2,138億円となりました。資産の内、流動資産は110億円増加し1,485億円となりました。これは、現金及び預金が24億円、受取手形、売掛金及び契約資産が49億円、電子記録債権が7億円、棚卸資産が35億円増加したことなどによるものです。固定資産は前連結会計年度末に比べて9億円増加し653億円となりました。これは、無形固定資産が6億円、投資有価証券が7億円増加しましたが、有形固定資産が10億円減少したことなどによるものです。
負債については、前連結会計年度末に比べて80億円増加し1,124億円となりました。これは、長短借入金・社債が50億円、支払手形及び買掛金が14億円増加したことなどによるものです。 純資産については、前連結会計年度末に比べて39億円増加し1,013億円となりました。これは利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は2,476百万円であります。なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。