【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年12月31日)においては、長期化するロシア・ウクライナ戦争やそれに伴う燃料・資源価格の高騰に加え、世界的なインフレの加速や各国の金融引き締め政策などにより、景気の先行きは不透明感が一層強まっています。当社グループの主力事業を取り巻く環境は、無機化学事業においては、酸化チタンの自動車向け販売が低調であった他、海外向け販売がアジアでの市況軟化の影響を受けましたが、機能性材料では電子部品用材料が堅調に推移しました。有機化学事業においては、主力の農薬について、殺菌剤を中心に、国内外で販売が増加しました。この結果、当第3四半期連結累計期間の連結業績は、売上高941億円(前年同期比152億円増)、営業利益38億円(前年同期比21億円減)、経常利益55億円(前年同期比5億円減)、親会社株主に帰属する四半期純利益30億円(前年同期比17億円減)となりました。
事業の種類別セグメントの状況は次のとおりであります。
(無機化学事業)
酸化チタンは、半導体などの部材不足による自動車生産調整に加え、輸出では中国での景気悪化による需要減退などがありましたが、価格改定の浸透や為替相場が円安で推移したことにより、売上高は360億円(前年同期比18億円増)となりました。機能性材料は、電子部品用材料の車載用の販売が堅調だったことなどにより、売上高は114億円(前年同期比13億円増)となりました。損益面では原燃料価格の高騰を受け、販売価格への転嫁に取り組んだものの、それを大幅に上回るコスト上昇により、減益となりました。この結果、無機化学事業の売上高は474億円(前年同期比32億円増)、営業利益は12億円(前年同期比34億円減)となりました。
(有機化学事業)農薬は、米州については、ブラジルで旺盛な穀物生産を背景に殺菌剤などの販売が好調だった他、北米では除草剤の販売が大きく増加しました。欧州では、流通在庫の調整などにより殺虫剤の販売が低迷したものの、殺菌剤が大きく売上を伸ばし、増収となりました。アジア地域では、拡販活動が順調に進んだことなどで、殺菌剤の販売が好調に推移し、増収となりました。国内販売も殺菌剤や殺虫剤などの販売が堅調だったことなどにより、増収となりました。農薬以外では、動物用医薬品などのヘルスケア事業の売上高が前年同期を上回りました。この結果、有機化学事業の売上高は446億円(前年同期比121億円増)、営業利益は47億円(前年同期比20億円増)となりました。
(その他の事業)売上高は20億円(前年同期比1億円減)、営業利益は1億円(前年同期比2億円減)となりました。
(2) 財政状態の分析当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて133億円増加し1,991億円となりました。流動資産は、142億円増加し1,356億円となりました。これは、棚卸資産が167億円、流動資産のその他が31億円、受取手形、売掛金及び契約資産が17億円それぞれ増加しましたが、現金及び預金が73億円減少したことなどによるものです。固定資産は、8億円減少し634億円となりました。これは、無形固定資産が4億円増加しましたが、有形固定資産が11億円減少したことなどによるものです。負債については、前連結会計年度末に比べて102億円増加し1,041億円となりました。これは、支払手形及び買掛金が95億円、長短借入金・社債が14億円増加したことなどによるものです。純資産については、前連結会計年度末と比べて31億円増加し949億円となりました。これは、利益剰余金や為替換算調整勘定が増加したことなどによるものです。
(3) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は7,032百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。