【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
<経営成績等の状況の概要>
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
(経営成績の状況)
当事業年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症で抑制されていた経済活動の正常化が進んだものの、世界情勢の緊迫化と急激な為替レートの変動による資源高の影響を受けました。この結果、海外経済の減速と物価の上昇が発生し、景気は足踏み状態となりました。
情報サービス業界では、先端技術の活用で事業を変革するデジタルトランスフォーメーション(DX)を中核として、企業の戦略的なシステム投資が進められました。これにより、様々な分野でデジタル化のためのシステム開発需要が拡大いたしました。また、Eコマースの拡大や公共・金融分野におけるITシステムのモダナイゼーションの動きも活発化していることから、良好な受注環境が続きました。
一方、通信分野では、第5世代移動通信システム(5G)の普及が進むとともに、次の世代の通信規格に関する検討や、高速大容量かつ膨大な計算処理を実現する通信・情報処理基盤の構想が進展しておりますが、ソフトウェア開発需要の増加ペースは低調に推移いたしました。
このような事業環境の中、当社は開発体制の拡充を継続し、ソフトウェア開発事業の維持・拡大に努めてまいりました。
以上の結果、売上高は35,548百万円(前年同期比4.9%増)、営業利益は4,213百万円(前年同期比4.5%増)、経常利益は4,279百万円(前年同期比4.7%増)、当期純利益は2,918百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
次にセグメント別の概況をご報告いたします。なお、文中における金額につきましては、セグメント間の内部振替前の数値となります。
①ソフトウェア開発関連事業
ⅰ)通信システム
ネットワークマネジメント及びモバイルネットワーク関連の売り上げが減少したことにより、売上高は8,690百万円(前年同期比8.1%減)となりました。
イ)ノード
コアネットワーク(基幹通信網)関連の売り上げが増加したことにより、売上高は2,481百万円(前年同期比2.7%増)となりました。
ロ)モバイルネットワーク
業務用無線関連の売り上げが減少したことにより、売上高は2,090百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
ハ)ネットワークマネジメント
放送用通信ネットワーク及び固定通信ネットワーク関連の大型案件が収束段階となり売り上げが減少したことにより、売上高は4,118百万円(前年同期比10.6%減)となりました。
ⅱ)オープンシステム
流通・サービス及び金融関連の売り上げが増加したことにより、売上高は24,461百万円(前年同期比9.6%増)となりました。
イ)公共
エネルギー関連の売り上げが減少したことにより、売上高は5,402百万円(前年同期比5.4%減)となりました。
ロ)流通・サービス
Eコマース関連の売り上げが増加したことにより、売上高は10,398百万円(前年同期比12.5%増)となりました。
ハ)金融
決済システム関連の売り上げが増加したことにより、売上高は2,852百万円(前年同期比26.3%増)となりました。
ニ)情報通信
企業や消費者向けのサービス基盤関連の売り上げが増加したことにより、売上高は3,209百万円(前年同期比8.4%増)となりました。
ホ)その他
DX関連の売り上げが増加したことにより、売上高は2,597百万円(前年同期比21.1%増)となりました。
ⅲ)組み込みシステム
車載システム関連の売り上げが増加したことにより、売上高は1,142百万円(前年同期比1.6%増)となりました。
②その他
文教ソリューション関連の売り上げが増加したことにより、売上高は1,254百万円(前年同期比28.2%増)となりました。
(財政状態)
当事業年度末の資産は、前事業年度末に比べ1,342百万円増加し、48,166百万円となりました。負債は、前事業年度末に比べ310百万円減少し、8,391百万円となりました。純資産は、前事業年度末に比べ1,652百万円増加し、39,775百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前事業年度末に比べ341百万円増加し、当事業年度末には、22,542百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況及び主な増減要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,946百万円となり、前年同期比で16百万円増加いたしました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は1,341百万円となり、前年同期比で1,283百万円増加いたしました。これは、定期預金の預入による支出が1,000百万円増加したことが主な要因であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は1,263百万円となり、前年同期比で560百万円増加いたしました。これは、創立50周年記念配当の支払等による配当金の支払額が560百万円増加したことが主な要因であります。
(3)生産、受注及び販売の状況
①生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。
セグメント及び事業の区分
生産実績(千円)
増減率(%)
ノード
2,481,483
2.7
モバイルネットワーク
2,083,708
△ 14.4
ネットワークマネジメント
4,118,608
△ 10.6
通信システム
8,683,800
△ 8.2
公共
5,401,259
△ 5.5
流通・サービス
10,398,909
12.5
金融
2,852,489
26.3
情報通信
3,209,881
8.4
その他
2,597,899
21.1
オープンシステム
24,460,439
9.6
組み込みシステム
1,142,636
1.6
ソフトウェア開発関連事業
34,286,877
4.2
その他
1,254,372
27.7
合 計
35,541,249
4.9
(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値となります。
②受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。
セグメント及び事業の区分
受注高
(千円)
増減率
(%)
受注残高
(千円)
増減率
(%)
ノード
2,382,562
△ 8.9
643,990
△ 13.3
モバイルネットワーク
2,024,063
△ 16.1
277,654
△ 19.3
ネットワークマネジメント
4,003,355
△ 16.2
634,491
△ 15.4
通信システム
8,409,981
△ 14.2
1,556,136
△ 15.3
公共
5,654,578
0.7
1,336,917
23.2
流通・サービス
10,439,581
12.1
2,878,430
1.5
金融
2,985,827
26.1
549,163
32.1
情報通信
3,260,168
2.9
782,135
6.9
その他
2,539,424
9.9
490,671
△ 10.6
オープンシステム
24,879,579
9.3
6,037,318
7.4
組み込みシステム
1,201,186
8.3
193,315
43.4
ソフトウェア開発関連事業
34,490,747
2.4
7,786,770
2.6
その他
1,444,275
9.0
931,809
25.6
合 計
35,935,023
2.6
8,718,579
4.6
(注)金額は販売価格で表示しており、セグメント間の内部振替前の数値となります。
③販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメント及び事業の区分
販売実績(千円)
増減率(%)
ノード
2,481,684
2.7
モバイルネットワーク
2,090,274
△ 13.9
ネットワークマネジメント
4,118,608
△ 10.6
通信システム
8,690,567
△ 8.1
公共
5,402,465
△ 5.4
流通・サービス
10,398,306
12.5
金融
2,852,489
26.3
情報通信
3,209,881
8.4
その他
2,597,899
21.1
オープンシステム
24,461,042
9.6
組み込みシステム
1,142,636
1.6
ソフトウェア開発関連事業
34,294,247
4.3
その他
1,254,624
28.2
合 計
35,548,872
4.9
(注)1.金額はセグメント間の内部振替前の数値となります。
2.最近2事業年度の主な取引先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
取引先
前事業年度
当事業年度
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ
7,208,750
21.3
7,241,439
20.4
ヤフー株式会社
5,274,299
15.6
5,348,748
15.0
富士通株式会社
5,234,535
15.5
5,260,793
14.8
<経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容>
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2023年6月30日)現在において当社が判断したものであります。
(1)財政状態の分析
当事業年度末の資産は、前事業年度末に比べ1,342百万円増加し、48,166百万円(前年同期比2.9%増)となりました。流動資産は、現金及び預金が341百万円増加したものの、社債の償還等により有価証券が499百万円減少したことにより、前事業年度に比べ171百万円減少し32,832百万円となりました。固定資産は、社債の新規購入や定期預金の新規預入により、前事業年度に比べ1,513百万円増加し15,333百万円となりました。
負債は、前事業年度末に比べ310百万円減少し、8,391百万円(前年同期比3.6%減)となりました。
純資産は、前事業年度末に比べ1,652百万円増加し、39,775百万円(前年同期比4.3%増)となりました。「第5 経理の状況 1.財務諸表等」の「③株主資本等変動計算書」に記載のとおり、利益剰余金が1,655百万円増加したことが主な要因であります。自己資本比率は82.6%となりました。
(2)経営成績の分析
①売上高
当事業年度における売上高の概況は、「<経営成績等の状況の概要>(1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
②売上原価、販売費及び一般管理費
当事業年度の売上原価は27,076百万円(前年同期比5.4%増)となり、売上高に対する売上原価の割合は76.2%(前年同期比0.3ポイント増)となりました。
当事業年度の販売費及び一般管理費は4,258百万円(前年同期比2.7%増)、売上高に対する販売費及び一般管理費の割合は12.0%(前年同期比0.2ポイント減)となりました。販売費及び一般管理費の主な増加要因は、人材育成の推進に伴う研修費の増加及び創立50周年記念行事に伴う費用の発生等によるものであります。
③営業利益、経常利益、当期純利益
当事業年度の営業利益は4,213百万円(前年同期比4.5%増)、売上高営業利益率は11.9%(前年同期と同水準)、経常利益は4,279百万円(前年同期比4.7%増)、売上高経常利益率は12.0%(前年同期比0.1ポイント減)となりました。
当事業年度の当期純利益は2,918百万円(前年同期比4.7%増)、1株当たり当期純利益は207.91円となりました。なお、潜在株式が存在しませんので、1株当たり当期純利益の希薄化はありません。
(3)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの状況の分析については、「<経営成績等の状況の概要>(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の主な資金需要は、労務費、経費並びに販売費及び一般管理費等の運転資金となります。これらにつきましては、営業活動で得られる資金及び内部資金で手当てできると考えております。
資金の運用につきましては、資金の流動性確保を第一とし、一部については信用リスクや金利等を考慮し、元本割れのリスクが極めて低いと判断した金融商品で運用しております。
当事業年度における流動比率は471.3%となり、高い流動性を確保しております。
(4)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。この財務諸表の作成に際し、重要な会計方針及び過去の実績や現状に基づいた見積りによる判断を行っており、特に以下の項目については重点的な分析を行っております。
なお、実際の結果は、見積りによる不確実性のため異なる結果となる場合があります。
①収益の認識
当社はソフトウェア開発における契約のうち、当事業年度末までの進捗部分について進捗度を合理的に見積もることができる請負契約については、見積総原価に対する事業年度末までの発生原価の割合に基づき算出した進捗度に基づき、一定の期間にわたり収益を認識しております。収益総額、見積総原価及び決算日における進捗度について信頼性をもって見積もっておりますが、その見積りが変更された場合には、当事業年度においてその影響額を損益として処理することとなります。
また、当事業年度末時点で将来の損失が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能な案件について、翌事業年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金に計上しております。
なお、当事業年度末においては該当案件がないため、受注損失引当金の計上はありません。
②固定資産の減損
当社は固定資産の減損に係る会計基準において対象とされる固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しております。その資産を使用した営業活動から生じる損益等から減損の兆候があると判定された固定資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行います。
なお、当事業年度においては減損の兆候がある固定資産がないため、減損損失の計上はありません。
③繰延税金資産
当社は毎事業年度継続してタックススケジュールを見直し、将来年度の課税所得の見積りと将来減算一時差異の解消見込みを検討し、将来回収可能部分につき、資産計上しております。
なお、将来の課税所得の予測・仮定に変更が生じ、繰延税金資産の一部又は全部の回収ができないと判断した場合、繰延税金資産は減額され、税金費用が計上される可能性があります。
④退職給付債務
当社は退職給付債務の計算を外部機関に委託しており、従業員の残存勤務期間や退職率等の設定は直近の統計数値に基づいて算出しております。割引率や年金資産の期待運用収益率等の見積数値と実績が異なる場合、又は見積数値が変更された場合、その影響額は将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には、将来において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
割引率については、当事業年度末時点の社債の市場利回りで算出した0.9%を採用しております。
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