【経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は,当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)業績の状況
当第1四半期連結累計期間の世界経済は,世界的なインフレや金融引き締めなどにより,停滞感が強まっています。また,中国経済は,ゼロコロナ政策解除後の景気回復の勢いが失われつつあります。わが国経済については,雇用・所得環境が改善する中で,世界的なインフレの影響は受けつつも,景気は緩やかに回復しています。
当社グループの主力事業である民間向け航空エンジンは,旅客需要の回復に伴って,スペアパーツ販売が堅調に推移しました。旅客需要の回復に伴う航空業界の人手不足とサプライチェーンの不安定な状態は継続しており,完全な回復まではもう少し時間を要する見込みですが,今後の増産に向け,部品在庫確保の取り組みなどを進めています。
また,継続して影響が生じている資機材価格の高騰に対しては,販売価格への反映の成果が一定程度現れていますが,環境の変化に機動的に対応できるコスト構造強化についても取り組みを加速していきます。
なお,成長事業である航空エンジンや育成事業におけるアンモニアバリューチェーン事業等に係る研究開発は順調に進捗し,成果獲得に向けた取り組みが進んでいます。
このような事業環境下において,当社グループの当第1四半期連結累計期間の受注高は前年同期比32.4%増の3,154億円となり,売上収益については,12.9%増の2,984億円となりました。
損益面では,営業利益は,原子力機器の減収による減益のほか,研究開発費や人件費の増加などがあったものの,民間向け航空エンジンでスペアパーツ販売の増加や,車両過給機の増収による増益に加え,為替円安の効果もあり,13億円増益の89億円となりました。税引前四半期利益は,為替円安の影響が前四半期に比べて縮小したこともあり,41億円減益の127億円,親会社の所有者に帰属する四半期利益は,28億円減益の56億円です。
当第1四半期連結累計期間の報告セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
報告セグメント
受注高
前第1四半期
当第1四半期
前年同期比
増減率
前第1
四半期
連結
累計期間
当第1
四半期
連結
累計期間
前年
同期比
増減率
(%)
連結累計期間
連結累計期間
(2022.4~2022.6)
(2023.4~2023.6)
(%)
売上収益
営業
損益
売上収益
営業
損益
売上収益
営業
損益
資源・
エネルギー・
環境
490
917
87.1
772
35
851
1
10.1
△96.6
社会基盤
216
330
52.4
351
21
340
△12
△3.2
-
産業システム・
汎用機械
1,066
1,140
6.9
927
22
1,002
25
8.0
10.6
航空・宇宙・防衛
592
743
25.6
574
17
782
93
36.3
451.1
報告セグメント 計
2,365
3,131
32.4
2,625
97
2,975
108
13.3
11.1
その他
129
146
12.9
99
△1
97
0
△1.3
-
調整額
△112
△123
-
△81
△19
△88
△19
-
-
合計
2,382
3,154
32.4
2,642
75
2,984
89
12.9
18.2
(注)金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。
<資源・エネルギー・環境>
受注高は,原子力で減少したものの,東南アジアでの大型発電所プロジェクトの受注があったことに加えカーボンソリューションで増加しました。
売上収益は,原子力で減収となったものの,東南アジアの大型発電所プロジェクトで増収となりました。
営業利益は,原子力の工事量減少により減益となりました。
<社会基盤>
受注高は,橋梁・水門やシールドシステムで増加しました。
売上収益は,シールドシステムで減収となりました。
営業損益は,橋梁・水門での原価先行算入の影響やシールドシステムの減収により減益となりました。
<産業システム・汎用機械>
受注高は,熱・表面処理や運搬機械で減少したものの,車両過給機やパーキングで増加しました。
売上収益は,車両過給機や回転機械で増収となりました。
営業利益は,車両過給機の増収や,運搬機械の採算改善により増益となりました。
<航空・宇宙・防衛>
受注高は,民間向け航空エンジンなどで増加しました。
売上収益は,民間向け航空エンジンでの,スペアパーツの販売増加に加え,為替が円安に推移したことにより増収となりました。
営業利益は,研究費などの販管費が増加したものの,民間向け航空エンジンでのスペアパーツの増収や採算改善に加え,為替が円安に推移したことにより増益となりました。
(2)財政状態の分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は1兆9,888億円となり,前連結会計年度末と比較して469億円増加しました。主な増加項目は,棚卸資産で512億円,契約資産で73億円,主な減少項目は,現金及び現金同等物で160億円,営業債権及びその他の債権で115億円です。
負債は1兆5,220億円となり,前連結会計年度末と比較して362億円増加しました。主な増加項目は,社債及び借入金(流動)で694億円,主な減少項目は,営業債務及びその他の債務で290億円です。
資本は4,668億円となり,前連結会計年度末と比較して106億円増加しました。これには,親会社の所有者に帰属する四半期利益56億円が含まれています。
以上の結果,親会社所有者帰属持分比率は,前連結会計年度末の22.2%から変動はありませんでした。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は,前連結会計年度末と比較して160億円減少し,1,086億円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは595億円の支出超過(前年同期は53億円の支出超過)となりました。これは,棚卸資産及び前払金が増加したためです。民間向け航空エンジンの増産に向けた取り組みの中で運転資本が増加しています。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは138億円の支出超過(前年同期は106億円の支出超過)となりました。これは,有形固定資産の取得による支出があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは554億円の収入超過(前年同期は305億円の支出超過)となりました。これは,コマーシャル・ペーパーの発行による収入があったためです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当第1四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース負債を含めて5,887億円となり,前連結会計年度末と比較して692億円増加しました。これは,主として事業活動による運転資金の増加を外部で調達したことやコマーシャル・ペーパーを発行したことによるものです。
当第1四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物については,前連結会計年度末と比較して160億円減少し,1,086億円となりました。これは,主として事業活動による運転資金の支出に充てたこと等によるものです。
資金の流動性については,主要銀行との間の当座貸越枠に加え,コミットメントライン契約やコマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段を保有しており,上記現金及び現金同等物と合わせて引き続き十分な流動性を確保しています。
また,資金調達の多様性では,サステナブルファイナンスの活用を進めています。当社はESGを価値観の基軸においた経営をファイナンス面からも進め,持続可能な社会を実現すべく,適切な資金調達と事業展開を行なっていきます。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は70億円です。なお,当第1四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産,受注及び販売の実績
a.生産実績
当第1四半期連結累計期間における生産実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
資源・エネルギー・環境
99,120
15.3
社会基盤
38,059
0.8
産業システム・汎用機械
102,092
6.8
航空・宇宙・防衛
102,200
60.2
報告セグメント 計
341,471
20.6
その他
5,537
△35.1
合計
347,008
19.0
(注)1 金額は販売価格によっており,セグメント間の取引を相殺消去しています。
2 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
b.受注状況
当第1四半期連結累計期間における受注状況をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
セグメントの名称
受注高
(百万円)
前年同期比(%)
期末受注残高
(百万円)
前期末比(%)
資源・エネルギー・環境
91,702
87.1
575,970
1.8
社会基盤
33,030
52.4
216,179
△1.0
産業システム・汎用機械
114,029
6.9
213,540
6.2
航空・宇宙・防衛
74,398
25.6
289,917
△1.2
報告セグメント 計
313,159
32.4
1,295,606
1.3
その他
14,638
12.9
23,705
13.5
調整額
△12,313
-
-
-
合計
315,484
32.4
1,319,311
1.5
(注)1 各セグメントの受注高は,セグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。
2 各セグメントの受注残高は,セグメント間の取引を相殺消去しています。
3 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
c.販売実績
当第1四半期連結累計期間における販売実績をセグメントごとに示すと,次のとおりです。
セグメントの名称
金額(百万円)
前年同期比(%)
資源・エネルギー・環境
85,124
10.1
社会基盤
34,003
△3.2
産業システム・汎用機械
100,213
8.0
航空・宇宙・防衛
78,227
36.3
報告セグメント 計
297,567
13.3
その他
9,779
△1.3
調整額
△8,889
-
合計
298,457
12.9
(注)1 販売実績は売上高をもって示します。
2 金額はセグメント間の取引を含んでおり,調整額でセグメント間取引の合計額を消去しています。
3 金額及び比率は単位未満を四捨五入表示しています。
(7)経営方針,経営戦略,対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において,経営方針,経営戦略,対処すべき課題について重要な変更はありません。
世界的なインフレや金融引き締めにより,欧米をはじめとする世界的な景気後退の懸念が高まっています。資源・材料価格や輸送費の高騰は落ち着いてきたものの,インフレの鈍化ペースは遅く,高金利の継続による下振れには引き続き注意する必要があります。中国経済についても,これまでのような成長への期待は薄れつつあります。わが国経済は,雇用・所得環境が改善する中で,緩やかに回復していくことが期待されます。
当社グループは,2023年度を初年度とする3か年の中期経営方針「グループ経営方針2023」に基づく取り組みを進めています。劇的な環境変化へ対応し,持続的な高成長を実現する事業へ変革するため,当社の成長をけん引する航空エンジン・ロケット分野の成長事業と,将来の事業の柱として期待されるクリーンエネルギー分野の育成事業へ,経営資源を大胆にシフトし,投資を実行していきます。中核事業である資源エネルギー・環境,社会基盤,産業システム・汎用機械の各分野では,引き続き事業ポートフォリオの変革を通して継続的な成長シナリオを描き,投資に必要なキャッシュを創出していきます。また,それらを実現するために必要な変革人財の育成・獲得や,デジタル基盤の高度化を進め,企業文化,企業体質の変革を進めていきます。
民間向け航空エンジンにおいて当社が参画するPW1100G-JMエンジンプログラムにて,お客さまへの出荷済エンジンの一部部品に追加検査が必要となる事象が発生しました。当社としては,プログラムに参画するパートナー会社と連携して本件に適切に対応していくとともに,今後発生する影響を最小限にするべく取り組んでいきます。
本件の対応も含め,お客さまの運航をよりスムーズにするため,最大限の支援をしていきます。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。
