【経営者による財政状態,経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は,当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間の世界経済は,ロシア連邦によるウクライナ侵攻の長期化などの地政学リスクの高まり,世界的なインフレや金融引き締め政策の加速などが,経済情勢の下振れにつながっています。一方,わが国経済は,ウィズコロナの新たな段階への移行が進められ,社会経済活動との両立に向けて,緩やかに持ち直しているものの,世界経済の情勢を受け,急速な円安の進展による影響が顕在化しています。
当社グループの主力事業である民間向け航空エンジンは,北米を中心に航空業界の人手不足が深刻化しており,足許では当社の業績にもその影響が及んでいますが,全体としては,新型コロナウイルス感染症により落ち込んだ旅客需要の回復に伴って,スペアパーツ販売は堅調に推移しました。
また,車両過給機においては,中国での経済活動抑制や世界的な半導体不足による自動車会社の生産調整から回復してきています。
足許の原材料価格の高騰は,多くの事業の採算性に影響を及ぼしていますが,為替円安の効果に加えて,着実な請負金交渉や工事採算の改善活動などが,当社の業績に寄与しています。
このような事業環境下において,当社グループの当第2四半期連結累計期間の受注高は前年同期比26.4%増の6,428億円となり,売上収益についても,15.1%増の5,944億円となりました。
損益面では,営業利益は,前年同期に保有資産の売却益を計上したことによる減益の影響はあるものの,民間向け航空エンジンでスペアパーツ販売の増加や採算改善,並びに原子力関連機器の増収による増益に加え,為替の大幅な円安効果により,71億円増益の335億円となりました。税引前四半期利益は持分法投資損益の悪化はあったものの,為替差損益が好転したことなどにより増益幅が拡大し,129億円増益の395億円,親会社の所有者に帰属する四半期利益は,59億円増益の211億円となりました。
当第2四半期連結累計期間の報告セグメント別の状況は以下のとおりです。
(単位:億円)
報告セグメント
受注高
前第2四半期
当第2四半期
前年同期比
増減率
前第2
四半期
連結
累計期間
当第2
四半期
連結
累計期間
前年
同期比
増減率
(%)
連結累計期間
連結累計期間
(2021.4~2021.9)
(2022.4~2022.9)
(%)
売上収益
営業損益
売上収益
営業損益
売上収益
営業損益
資源・
エネルギー・
環境
1,471
2,109
43.4
1,597
80
1,645
100
3.0
25.2
社会基盤・海洋
877
555
△36.7
699
40
754
31
7.9
△22.5
産業システム・
汎用機械
1,795
2,236
24.6
1,759
55
2,002
53
13.8
△2.8
航空・宇宙・防衛
868
1,492
71.8
1,082
△123
1,509
188
39.4
-
報告セグメント 計
5,012
6,393
27.6
5,138
52
5,911
374
15.0
607.2
その他
248
255
2.6
245
14
220
1
△10.0
△88.1
調整額
△176
△220
-
△219
196
△188
△40
-
-
合計
5,083
6,428
26.4
5,165
263
5,944
335
15.1
27.1
(注)金額は単位未満を切捨て表示し,比率は四捨五入表示しています。
<資源・エネルギー・環境>
受注高は,東南アジアの子会社で増加しました。
売上収益は,原動機で減収となったものの,原子力などで増収となりました。
営業利益は,原動機で事業構造改革費用を計上したものの,原子力で工事が進捗したことにより増益となりました。
<社会基盤・海洋>
受注高は,橋梁・水門で減少しました。
売上収益は,シールドシステムや都市開発で減収となったものの,橋梁・水門で増収となりました。
営業利益は,橋梁・水門で増益となったものの,シールドシステムや都市開発での減収に伴い減益となりました。
<産業システム・汎用機械>
受注高は,車両過給機や回転機械で増加しました。
売上収益は,車両過給機や熱・表面処理で増収となりました。
営業利益は,回転機械や熱・表面処理で増益となったものの,物流・産業システムやパーキングでの好採算案件減少により減益となりました。
<航空・宇宙・防衛>
受注高は,民間向け航空エンジンなどで増加しました。
売上収益は,民間向け航空エンジンでの,エンジン本体・スペアパーツの販売増加に加え,為替が円安に推移したことにより増収となりました。
営業損益は,民間向け航空エンジンでの,スペアパーツの販売増,採算改善に加え,為替が円安に推移したことにより増益となりました。
(2)財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は1兆9,034億円となり,前連結会計年度末と比較して237億円増加しました。主な増加項目は,棚卸資産で546億円,契約資産で167億円,投資不動産で79億円,主な減少項目は,現金及び現金同等物で501億円,営業債権及びその他の債権で67億円です。
負債は1兆4,657億円となり,前連結会計年度末と比較して69億円減少しました。主な減少項目は,営業債務及びその他の債務で133億円です。
資本は4,377億円となり,前連結会計年度末と比較して306億円増加しました。これには,親会社の所有者に帰属する四半期利益211億円が含まれています。
以上の結果,親会社所有者帰属持分比率は,前連結会計年度末の20.3%から21.6%となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物の残高は,前連結会計年度末と比較して501億円減少し,953億円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは99億円の支出超過(前年同期は1億円の収入超過)となりました。これは,営業債権の回収が進む一方で,棚卸資産及び前払金や法人所得税等の支払いが増加したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは216億円の支出超過(前年同期は27億円の収入超過)となりました。これは,主に有形固定資産の取得による支出があったためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは193億円の支出超過(前年同期は438億円の支出超過)となりました。これは,社債の発行による収入があった一方で,配当金の支払いや借入金の返済による支出があったためです。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金・設備資金については,借入金や社債,コマーシャル・ペーパー及び自己資金により充当しています。当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高はリース負債を含めて5,076億円となり,前連結会計年度末と比較して20億円増加しました。これは,主として事業活動による運転資金の増加を外部借入で調達したことや社債を発行したことによるものです。
当第2四半期連結会計期間末の現金及び現金同等物については,前連結会計年度末と比較して501億円減少し,953億円となりました。これは,主として事業活動による運転資金の支出に充てたこと等によるものです。
資金の流動性については,主要銀行との間の当座貸越枠に加え,コミットメントライン契約やコマーシャル・ペーパーなど多様な調達手段を保有しており,上記現金及び現金同等物と合わせて引き続き十分な流動性を確保しています。
また,資金調達の多様性では,「脱CO₂の実現」の取組みの一環として,2022年6月に,トランジション・ボンド(以下「本社債」)を発行しました。本社債の発行によって調達した資金は,新たな成長事業の創出に向けた取組みに充当していきます。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は129億円です。なお,当第2四半期連結累計期間において,当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営方針,経営戦略,対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において,経営方針,経営戦略,対処すべき課題について重要な変更はありません。
ウィズコロナの新たな段階への移行が進み,社会経済活動との両立が強化されていく一方で,ロシア連邦によるウクライナ侵攻の長期化,米中の政治上の確執,世界的なインフレや金融引き締めなど,先行きが不透明な中で,欧米をはじめとする世界的な景気後退の懸念が高まっています。また,中長期的には環境,循環経済,人権の尊重等のサステナビリティ重視の潮流が進展することから,各国政府・企業の対応が注目されます。
これらの環境変化のスピードに対応すべく,当社グループは,収益基盤のさらなる強化とライフサイクルビジネスの拡大による成長軌道への回帰,持続可能な社会の実現に資する成長事業の創出を目的とする「プロジェクトChange」という取り組みを進めています。成長事業創出の取り組みとして,液体アンモニア100%燃焼が可能なガスタービンの開発に加え,マレーシア,インドネシアにおける火力発電用ボイラのアンモニア混焼に成功しました。
これらの取り組みを加速しつつ,不透明な事業環境の中でも,リスクへの対応シナリオを複数用意し,状況変化に対し適切な施策を機動的に実行することで,より強固な収益基盤を構築してまいります。
(注)数値表記について,億円表示は切捨て,その他は四捨五入表示しています。
