【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行し規制緩和が進んだことにより、社会経済活動の正常化が進み、景気に持ち直しの動きが見られております。しかしながら、資源価格や原材料価格の高騰、さらには主要各国の金利政策に伴う為替相場の大幅な変動懸念など、景気の先行きは不透明な状況が続いております。
当社グループの主力市場であるパチンコ・パチスロ機市場は、スマートスロットの市場投入により、パチスロ機市場の回復傾向が鮮明になるなど、底堅く推移しているものと分析しております。
かかる環境の中で当社グループは、パチンコ・パチスロ機市場での安定収益確保に向けた取り組み、組み込み機器市場(注1)に向けたグラフィックスLSIの販売拡大、さらにはAI領域を中心とする新規事業の規模拡大に向けた取り組みに注力いたしました。また、新規事業の展開を加速させる観点から、アライアンスや出資の検討等を積極的に実施いたしました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の売上高は前年同四半期比1,049百万円増(同30.6%増)となる4,475百万円となりました。売上総利益は売上高の増収に伴い前年同四半期比361百万円増(同32.6%増)となる1,471百万円、売上総利益率は同0.5ポイント改善となる32.9%となっております。販売費及び一般管理費は、前年同四半期比72百万円減(同9.5%減)となる693百万円となりました。販売費及び一般管理費のうち研究開発費は、前年同四半期比117百万円減(同25.8%減)となる338百万円となっております。
以上により、営業利益は前年同四半期比434百万円増(同126.4%増)となる777百万円、経常利益は前年同四半期比449百万円増(同130.9%増)となる793百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は前年同四半期比288百万円増(同98.1%増)となる581百万円となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。また、下記セグメントのほか、各セグメントに配分していない全社費用が189百万円となっております。
① LSI開発販売関連
LSI開発販売関連は既存事業であるパチンコ・パチスロ機向け製品で構成されており、売上高は前年同四半期比1,033百万円増(同31.5%増)となる4,311百万円、セグメント利益は同440百万円増(同75.5%増)となる1,024百万円となりました。主力製品であるパチンコ・パチスロ機向けグラフィックスLSIは前年同四半期に対し8.3万個増となる19.0万個の販売となりましたが、メモリモジュール(注2)製品は前年同四半期を下回る販売となりました。なお、当第1四半期末の同セグメントの受注残高は22,437百万円となっておりますが、半導体の需給ひっ迫を背景に多くのメーカーにおいて部材を積極的に確保する動きを見せており、本受注残には来期以降の販売予定分が含まれております。
② 新規事業関連
新規事業関連は、組み込み機器向け製品に加え、AIやWeb3、ブロックチェーン領域を中心としたスタートアップ事業であり、AI領域での売上高を中心に、売上高は前年同四半期比16百万円増(同11.1%増)となる164百万円、セグメント損失は同19百万円減(前年同四半期は76百万円の損失)となる56百万円となりました。
(注1)「組み込み機器市場」とは、パチンコ・パチスロ機以外の組み込み機器の製造に係る市場として使用しております。組み込み機器とはコンピュータが内部に組み込まれており、そのコンピュータに特定のアプリケーションに特化した処理を行わせる電子装置を意味しております。医療機器や自動販売機、生活家電など多種多岐にわたる機器が組み込み機器に該当いたします。
(注2)「メモリモジュール」とは、パチンコ・パチスロ機の画像表示用基板に搭載される画像データを保持しておく部分の仕組みを意味しております。
財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末との比較で407百万円減少となる13,475百万円(前連結会計年度末比2.9%減)となりました。主な要因は、現金及び預金の減少(2,854百万円)に対し、売掛金及び契約資産の増加(859百万円)、有価証券の増加(300百万円)、商品及び製品の増加(1,060百万円)等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末との比較で177百万円減少となる2,009百万円(同8.1%減)となりました。主な要因は、未払法人税等の減少(61百万円)等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末との比較で229百万円減少となる11,466百万円(同2.0%減)となりました。主な要因は、利益剰余金の減少(266百万円)等によるものであります。
(2)経営方針、経営戦略等及び経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループが掲げております経営方針、経営戦略等につきましては、2023年6月23日に提出の前連結会計年度有価証券報告書「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の内容から重要な変更はありません。
また、経営者の問題意識と今後の方針につきましても、重要な変更はありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
なお、当社では会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めておりませんが、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値及び株主共同の利益に資する者であると同時に、当社の企業価値の源泉を理解し様々なステークホルダーとの間で円滑な関係を構築できる者が望ましいと考えております。
現時点におきまして「敵対的買収防衛策」を導入する計画はありませんが、株主の皆さまから負託された当然の責務として、企業価値及び株主共同の利益に資さない買収者に備えた適切な対応も必要であると考えております。「敵対的買収防衛策」につきましては、大株主の異動状況や社会的な動向も見極めつつ、弾力的な検討を進めてまいりたいと考えております。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の金額は338百万円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、2023年6月23日に提出の前連結会計年度有価証券報告書「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載の事項から重要な変更はありません。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末における資金は8,155百万円となっております。この資金は、当第1四半期連結会計期間末における四半期連結貸借対照表上の現金及び預金残高と償還期限3か月以内の合同運用による金銭信託であります。
当第1四半期連結会計期間末における資金残高は、機動的な経営活動及び積極的な研究開発活動を行うために当面必要と考えられる資金額として問題のない水準にあると分析しております。