【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
資産、負債及び純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末に比べ91億35百万円増加し、1,282億84百万円となりました。
(資産)
流動資産は、受取手形、売掛金及び契約資産が19億15百万円減少したものの、現金及び預金が81億26百万円、電子記録債権が23億97百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ96億94百万円増の919億60百万円となりました。固定資産は、有形固定資産が3億43百万円、投資有価証券が1億13百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ5億58百万円減の363億23百万円となりました。
(負債)
流動負債は、電子記録債務が2億87百万円減少したものの、未払法人税等が18億66百万円、支払手形及び買掛金が17億21百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ24億45百万円増の436億40百万円となりました。固定負債は、長期借入金が1億16百万円減少したものの、退職給付に係る負債が63百万円、その他が63百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ10百万円増の50億66百万円となりました。
(純資産)
純資産は、利益剰余金が62億46百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ66億80百万円増の795億77百万円となりました。
(2) 経営成績の分析
当該四半期期間の世界経済は、新型コロナウイルス感染症対策と社会経済活動の両立に向けて、生活の正常化が進む中、世界的なインフレや各国の金融引き締め政策の影響、地政学リスクによる原材料の高騰など、依然、厳しい状況でした。今年4月から6月までの実質国内総生産は、前四半期と比べた実質の伸び率が年率換算プラス2.2%であったものの、8月の実質国内総生産は前月比0.3%と鈍化傾向となっており、景況感の悪い中国や欧州の動向を注視することが必要な状況です。
このような事業環境の中、当社グループにおきましては、行動制限の緩やかな解除に伴い、建築・土木分野の需要が復調し、補修・改修・補強向け売上高が、ボンド、工事、両セグメントともに、好調に推移しました。一方で、急激な円安進行および、ウクライナ情勢影響により、原材料コストが大きく上昇、収益を圧迫しました。
その結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの経営成績は、売上高581億48百万円(前年同四半期比7.8%増)、営業利益28億86百万円(前年同四半期比15.8%減)、経常利益32億32百万円(前年同四半期比11.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、2021年8月24日公表の「固定資産の譲渡および特別利益の計上に関するお知らせ」のとおり固定資産売却益を計上したことから、70億30百万円(前年同四半期比195.2%増)となりました。
セグメントの概況は次のとおりであります。
(ボンド)
一般家庭用分野においては、ホームセンター向けやコンビニエンスストア向けは堅調で、前年同四半期並みとなりました。住関連分野においては、建築コストが上昇傾向となり新設住宅着工戸数の持ち直しの動きは鈍く、内装工事用や内装建材用接着剤の販売数量は減少しました。産業資材分野においては、紙関連用途の水性接着剤や自動車・電子部品等に使用される弾性接着剤の販売数量は増加しました。建築分野においては、建築補修用や建築用シーリング材の販売数量は増加し、土木分野においても、表面保護・剥落防止工法が好調に推移しました。
売上高は、製品販売価格の是正による効果もあり伸長しましたが、接着剤やシーリング材に使用される原材料価格が過去にない水準まで高騰し、経費削減や原価改善の取り組み、売価への反映を遂行したものの営業利益は減少となりました。
以上の結果、売上高は331億96百万円(前年同四半期比8.5%増)、営業利益は17億78百万円(前年同四半期比21.0%減)となりました。
(化成品)
売上高、利益ともに、仕入商材の価格改定による影響もあり、全体的に好調に推移しました。化学工業分野においては、樹脂原料や放熱材料の販売が好調に推移しました。自動車向けの商材は、半導体不足、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による中国・上海での長期間のロックダウン等で需要影響はあったものの、復調しています。また、電気機械向けは、部品供給不足が解消され需要回復し、堅調に推移しました。丸安産業㈱は、半導体製造に使用される商材およびコンデンサ用商材が引き続き好調に推移しました。
以上の結果、売上高は169億62百万円(前年同四半期比8.3%増)、営業利益は6億79百万円(前年同四半期比38.9%増)となりました。
(工事事業)
工事事業においては、公共事業を中心としたインフラおよびストック市場の補修・改修・補強工事の受注状況は引き続き堅調で、ボンドエンジニアリング㈱は計画どおりに進捗しました。その他の関係工事会社は、資材価格の高騰や大型工事案件を得られなかったこと等により、利益面は伸び悩みました。
以上の結果、売上高は78億97百万円(前年同四半期比4.3%増)、営業利益は4億53百万円(前年同四半期比28.6%減)となりました。
(その他)
その他は不動産賃貸業等となります。売上高は92百万円(前年同四半期比5.0%減)、営業損失は30百万円(前年同四半期は40百万円の営業利益)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の増加額は81億26百万円となりました(前年同四半期比64億40百万円増)。これは、営業活動によるキャッシュ・フローの増加額が32億72百万円(前年同四半期比10億97百万円減)、投資活動によるキャッシュ・フローの増加額が57億45百万円(前年同四半期は17億81百万円の減少)、財務活動によるキャッシュ・フローの減少額が10億19百万円(前年同四半期比40百万円増)となったことによるものです。
この結果、当第2四半期連結会計期間末における資金の残高は、336億41百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、32億72百万円(前年同四半期比10億97百万円減)となりました。これは、有形固定資産売却益が71億84百万円、法人税等の支払額が13億18百万円、棚卸資産の増加額が12億14百万円あったものの、税金等調整前四半期純利益が104億11百万円、仕入債務の増加額が12億50百万円、減価償却費が10億30百万円あったこと等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果得られた資金は、57億45百万円(前年同四半期は17億81百万円の使用)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出が6億56百万円あったものの、有形固定資産の売却による収入が64億70百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、10億19百万円(前年同四半期比40百万円増)となりました。これは、配当金の支払額が7億84百万円、長期借入金の返済による支出が1億45百万円あったこと等によるものです。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の課題について重要な変更および新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は8億35百万円になりました。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7)主要な設備
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設のうち、当第2四半期連結累計期間に完了したもの
は次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
投資金額
(百万円)
調達方法
完成年月
コニシ㈱
ボンドエンジニアリング㈱東京支店
(東京都江戸川区)
その他
建物
390
自己資金
2022年9月