【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、令和5年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位
置づけが2類から5類へ変更され、社会経済活動は正常化に向けて動き出したことから、景気は緩やかな回復傾向
にあります。一方で、世界的なインフレ圧力下での主要各国の金融引締めによる景気の後退懸念や物価高騰による
消費者の節約志向の高まりなど先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは市場ニーズを先取りする高付加価値・高品質商品を提供する「暮らしと
社会の明日を紡ぐ企業」として、競争力の強化と収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は13,909百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益は489百万円
(前年同期比24.5%増)、経常利益は561百万円(前年同期比32.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は
305百万円(前年同期比44.1%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
[衣料事業]
衣料事業は、各種繊維を原料とする衣料用素材の製造・販売および制服の縫製加工、ニット製品の製造・販売を行っております。
コロナ禍からの経済活動の正常化に伴い、各部門とも順調に推移しております。
毛糸部門は、堅調に推移し増収となりましたが、残暑の影響で追加受注に若干の陰りがでてきております。
ユニフォーム部門のスクール制服向け素材は、業界全体としての生産平準化の流れの中で、発注の前倒しが定着、増収となりました。
官公庁制服向けは調達量増加により増収、一般企業向け制服素材は別注案件の獲得もあり、増収となりました。
テキスタイル部門は、需要回復の影響を受け、受注が好調、増収となりました。
毛糸製造販売を主体とする中国現地法人は、日本市場向けの受注回復により増収となりました。
この結果、売上高5,389百万円(前年同期比22.6%増)、営業利益310百万円(前年同期比118.0%増)となりました。
[インテリア産業資材事業]
インテリア産業資材事業は、自動車用内装材、住宅建材・排水処理資材・土木資材・緑化資材などさまざまな用途の産業用資材、インテリア関連製品、オレフィン系短繊維の製造および販売を行っております。
国内においては、新型コロナウイルスの影響が収まり、自動車産業は昨年後半より半導体不足も緩和され増産体制に入りました。
ポリプロファイバー部門は、自動車内装材用原綿も自動車販売数に合わせて増産、カーペット用原綿は展示会、イベント需要が増え増収となりましたが、電力、燃料等光熱費負担が増えました。
カーペット部門は、ホテル、オフィス、一般資材、ダストコントロール用途等すべての需要が戻り、原材料、燃料、副資材の値上の価格転嫁も進み増収増益となりました。
特殊繊維部門は、カーボン繊維が好調で増産体制に入りましたが、金属繊維がふるわず減収となりました。
自動車内装材部門は、半導体不足が落ち着き受注した商品の自動車生産台数も増え、原材料及びエネルギー代高騰の価格転嫁をできたことで増収増益となりました。
不織布部門は、土木、寝装、防草、緑化のすべてが順調に推移しましたが、急激な原材料、燃料、資材の値上がりを受け増収減益となりました。
自動車内装材製造販売の中国現地法人は、日系自動車会社が、EV車を生産する中国ローカル企業にシェアを奪われ生産が落ち込んでいる影響で、減産しておりましたが、中国ローカルEV車向けの受注を獲得できたことにより増収となりました。しかし、コスト改善が必要となっており効率的な生産方法を検討しております。
この結果、インテリア産業資材事業は、売上高5,421百万円(前年同期比20.3%増)、営業利益157百万円(前年同期比557.4%増)となりました。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業は、半導体・電子機器の製造および販売を行っております。
主力の電動工具向けコントローラーは、電動工具の売上は回復基調にありますが、得意先での在庫調整が続い
ており、本格的な受注回復は年末までかかる見込みです。
電子部品の販売においても、半導体製造装置用途にまとまった受注がありましたが、全体的に得意先は、在庫
過多の状況で販売は低迷しております。
この結果、売上高1,145百万円(前年同期比38.5%減)、営業損失20百万円(前年同期は営業利益70百万円)と
なりました。
[ファインケミカル事業]
ファインケミカル事業は、ヘルスケア関連薬品、電子材料用および工業用薬品の製造および販売を行っており
ます。
電子材料分野では、スマートフォンやパソコン向け機能性材料が世界的な在庫調整の影響で受注が低迷し減収
となりました。ヘルスケア分野もジェネリック医薬品向けの受注が大きく落ち込み減収となりました。
この結果、売上高843百万円(前年同期比9.7%減)、営業利益31百万円(前年同期比66.2%減)となりまし
た。
[不動産事業]
不動産事業は、主に郊外型ショッピングセンター・ロードサイド店舗・オフィスビルの賃貸などを行っており
ます。
一部のテナント撤退の影響を受けましたが、前年並みの売上となりました。しかしながら、販売費の増加によ
り減益となりました。
この結果、売上高679百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益395百万円(前年同期比3.1%減)となりまし
た。
[その他]
その他の事業は、自動車学校の運営、ヘルスケア商品の販売、洋菓子店の運営などを行っております。
自動車教習事業は、夏休みの大学生を対象に、近隣の大学を中心に営業活動を行いましたが、入校数が低迷し
減収となりました。
ヘルスケア事業は、化粧品、健康食品などを販売しております。
ムサシノ製薬は、主力のフタアミンクリームが、酷暑の影響で薬局への来店者が減少して売上が伸びませんで
したが、冬場に向けてキャンペーンを行っていくことで販売数を増やします。
なお、第2四半期会計期間よりムサシノ製薬株式会社の損益計算書を連結開始したことにより売上は増加しま
したが、連結開始時における会計処理により売上原価が増加したこともあり営業損失は拡大しました。
この結果、その他の事業全体の売上高は430百万円(前年同期比96.8%増)、営業損失82百万円(前年同期は営
業損失21百万円)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比3,898百万円増加し、36,809百万円となりまし
た。その主な要因は、電子記録債権および棚卸資産の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末比3,189百万円増加し、24,353百万円となりました。その主な要因は、短期借入金お
よび長期借入金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末比709百万円増加し、12,456百万円となりました。その主な要因は、その他有価証
券評価差額金、利益剰余金および為替換算調整勘定の増加によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は87百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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