【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、令和5年5月に新型コロナウイルス感染症の感染症法上の
位置づけが2類から5類へ変更され、社会経済活動は正常化に向けて動き出したことから、景気は緩やかな回復
傾向にあります。一方で、世界的なインフレ圧力下での主要各国の金融引締めによる景気の後退懸念など先行き
は依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループは市場ニーズを先取りする高付加価値・高品質商品を提供する「暮らし
と社会の明日を紡ぐ企業」として、競争力の強化と収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間の売上高は9,438百万円(前年同期比15.5%増)、営業利益は359百万円
(前年同期比70.6%増)、経常利益は382百万円(前年同期比55.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は
219百万円(前年同期比91.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
[衣料事業]
衣料事業は、各種繊維を原料とする衣料用素材の製造・販売および制服の縫製加工、ニット製品の製造・販売
を行っております。
コロナ禍からの経済活動の正常化に伴い、各部門とも順調に推移しております。
毛糸部門は、各アパレルの展示会も再開され、ニット糸の受注が回復し増収となりました。
ユニフォーム部門のスクール制服向け素材は、縫製加工の逼迫化懸念もあり、発注の前倒しが加速、増収とな
りました。
官公庁制服向けは調達量増加により増収、一般企業向け制服素材は別注案件の獲得もあり、増収となりまし
た。
テキスタイル部門は、需要回復の影響を受け、受注が好調、増収となりました。
毛糸製造販売を主体とする中国現地法人は、日本市場向けの受注回復により増収となりました。
この結果、売上高3,759百万円(前年同期比34.7%増)、営業利益243百万円(前年同期比184.0%増)となりま
した。
[インテリア産業資材事業]
インテリア産業資材事業は、自動車用内装材、住宅建材・排水処理資材・土木資材・緑化資材などさまざまな
用途の産業用資材、インテリア関連製品、オレフィン系短繊維の製造および販売を行っております。
国内においては、新型コロナウイルスの影響が収まり、自動車産業は昨年後半より半導体不足も緩和され増産
体制に入りました。
ポリプロファイバー部門は、自動車内装材用原綿を自動車販売台数に合わせて増産、カーペット用原綿は展示
会、イベント需要が増え増収となりましたが、電力、燃料等光熱費負担が増えました。
カーペット部門は、ホテル、オフィス、一般資材、ダストコントロール用途等すべての需要が戻りましたが、
急激な原材料、燃料、副資材の値上げにより増収減益となりました。
特殊繊維部門は、カーボン繊維が好調で増産体制に入りましたが、金属繊維がふるわず減収減益となりまし
た。
自動車内装材部門は、半導体不足が落ち着き自動車生産台数も増え、原材料及びエネルギー代高騰の価格転嫁
をできたことで増収増益となりました。
不織布部門は、土木、寝装、防草、緑化関連は順調に推移しましたが、急激な原材料、燃料、資材の値上がり
を受け減益となりました。
自動車内装材製造販売の中国現地法人は、主に日系自動車会社に販売してます。生産数量がようやく回復し増
産となりました。
この結果、売上高3,542百万円(前年同期比20.2%増)、営業利益83百万円(前年同期は営業利益0百万円)と
なりました。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業は、半導体・電子機器の製造および販売を行っております。
主力の電動工具向けコントローラーは、巣ごもり需要の反動とロシアによるウクライナ侵攻の長期化の影響に
より大幅な受注減となりました。得意先では、半導体不足を見込んで調達した部材の多くが在庫となっており、
在庫消化を優先しているため、新規案件の取組みも延期されています。
また電子部品の販売においても、新型コロナウイルス禍で好調であった、温水便座用途、医療機器用途の販売
が大きく落ち込み、本格的な受注回復は年末になる見通しです。
この結果、売上高826百万円(前年同期比33.9%減)、営業損失8百万円(前年同期は営業利益29百万円)とな
りました。
[ファインケミカル事業]
ファインケミカル事業は、ヘルスケア関連薬品、電子材料用および工業用薬品の製造および販売を行っており
ます。
電子材料分野では、スマートフォンやパソコン向け機能性材料が在庫調整の影響で低迷しましたが、半導体プ
ロセス材料の受注が堅調で増収となりました。ヘルスケア分野はジェネリック医薬品向けの受注が大きく落ち込
み減収減益となりました。
この結果、売上高602百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益31百万円(前年同期比32.8%減)となりまし
た。
[不動産事業]
不動産事業は、主に郊外型ショッピングセンター・ロードサイド店舗・オフィスビルの賃貸などを行ってお
ります。
一部テナント撤退の影響はありますが、光熱費の値上げの浸透により全体としては増収となりました。しかし
ながら販売費の増加により減益となりました。
この結果、売上高453百万円(前年同期比0.9%増)、営業利益263百万円(前年同期比4.4%減)となりまし
た。
[その他]
その他の事業は、自動車学校の運営、ヘルスケア商品の販売、洋菓子店の運営などを行っております。
自動車教習事業は、大学生をターゲットにした営業活動に注力しましたが、特に二輪車の入校状況が低調であ
ったため減収となりました。
ヘルスケア事業は、化粧品、健康食品などを販売しております。
当第2四半期会計期間よりムサシノ製薬株式会社の損益計算書を連結開始したことにより売上は増加しまし
たが、連結時価評価で棚卸資産が評価益となったものが売上計上されたことに伴い売上原価が増加し、営業損失
は拡大しました。
この結果、その他の事業全体の売上高は253百万円(前年同期比79.8%増)、営業損失37百万円(前年同期は
営業損失11百万円)となりました。
②財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比3,395百万円増加し、36,307百万円となりまし
た。その主な要因は、電子記録債権および受取手形及び売掛金、有形固定資産等の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末比2,994百万円増加し、24,158百万円となりました。その主な要因は、短期借入金
および長期借入金、支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末比401百万円増加し、12,148百万円となりました。その主な要因は、利益剰余金
およびその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比
べ47百万円増加し、1,724百万円(前年同期比10.1%増)となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前四半期純利益363百万円を計上しておりますが、主な増加要因としては非資金的支出費用である減
価償却費185百万円および仕入債務の増加304百万円、主な減少要因としては売上債権の増加1,940百万円および棚卸資産の増加186百万円等により、営業活動による資金は1,461百万円(前年同期比86.2%増)の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出404百万円および連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出179百万
円等により、投資活動による資金は678百万円(前年同期比6.9%減)の使用となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入れによる収入2,448百万円および長期借入金の返済による支出2,029百万円、短期借入金の純増加額
1,860百万円等により、財務活動による資金は2,178百万円(前年同期比103.9%増)の獲得となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(5)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は57百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
#C3204JP #トーア紡コーポレーション #繊維製品セクター