【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大による影響が続く中、社会経済活動の正常化に向けて動き出した一方で、ロシアのウクライナ侵攻を受けたエネルギー価格の高騰に加え、急激な円安によって物価が上昇するなど、先行きは不透明感を増しております。
このような状況のもと、当社グループは市場ニーズを先取りする高付加価値・高品質商品を提供する「暮らしと社会の明日を紡ぐ企業」として、競争力の強化と収益性の向上に取り組んでまいりました。
この結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は12,589百万円(前年同期比11.4%増)、営業利益は393百万円(前年同期比39.9%増)、経常利益は425百万円(前年同期比40.3%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は211百万円(前年同期比49.8%増)となりました。
セグメント別の経営成績は次のとおりであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較について
は、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
[衣料事業]
衣料事業は、各種繊維を原料とする衣料用素材の製造・販売および制服の縫製加工、ニット製品の製造・販売を行っております。
新型コロナウイルスの影響により冷え込んでいた一般衣料の市況は、ウィズコロナ期に入り回復基調が続いております。
毛糸部門は、織糸の需要が国内産地で回復し増収となりました。
ユニフォーム部門のスクール制服向け素材およびニット製品は、学生服メーカーの来春入学者向け商品の生産が旺盛なため、素材の受注が好調に推移し増収となりました。官公庁制服向けは、調達数量減少の影響を受け減収となりました。一般企業向け制服素材は、需要回復の兆しが見え増収となりました。
テキスタイル部門は、主要取引先の在庫調整が解消されたことで、夏物素材の受注が順調に推移し増収となりました。
毛糸製造販売を主体とする中国現地法人は、日本市場向けの受注が回復したため増収となりました。
この結果、売上高4,396百万円(前年同期比18.7%増)、営業利益142百万円(前年同期比104.2%増)となりました。
[インテリア産業資材事業]
インテリア産業資材事業は、自動車用内装材、住宅建材・排水処理資材・土木資材・緑化資材などさまざまな用途の産業用資材、インテリア関連製品、オレフィン系短繊維の製造および販売を行っております。
国内においては、新型コロナウイルスの影響が少し収まりつつありながらも、自動車産業は半導体・部品不足などによって自動車の生産が減少し、大きな影響が出ております。
ポリプロファイバー部門は、自動車内装材用原綿が自動車減産により引き続き減産傾向にありますが、カーペット用原綿は展示会が規模を縮小しながらも開催されており、増収増益となりました。
カーペット部門は、一般資材、ダストコントロール用途の需要が戻り始めましたがホテル、オフィス用途の生産量が減り、加えて急激な原材料、燃料、副資材の値上げにより減収減益となりました。
特殊繊維部門は、金属繊維が自動車の生産台数減少の影響で減産となりましたが、カーボン繊維は建設機械向けが活況となり微増収となりました。
自動車内装材部門は、半導体・部品不足の影響が色濃く出ており減収減益となりました。
不織布部門は、土木、寝装関連は前年並みに推移しました。防草、緑化関連は順調に推移しましたが、急激な原材料、燃料、資材の値上がりを受け増収減益となりました。
自動車内装材製造販売の中国現地法人は、半導体不足と上海ロックダウンの影響を受けて大きく生産効率を落としており、減収減益となりました。
この結果、インテリア産業資材事業は、売上高4,505百万円(前年同期比6.4%増)、営業利益24百万円(前年同期比69.6%減)となりました。
[エレクトロニクス事業]
エレクトロニクス事業は、半導体・電子機器の製造および販売を行っております。
主力の電動工具向けコントローラーは、ウクライナ侵攻の長期化でロシア向け輸出が停止している影響を受け
受注が減少しましたが、売上は受注残の解消が順調に進んだことにより堅調に推移しました。
また、電子部品においても半導体製造装置や衛生用品向けの受注が好調に推移しました。
この結果、売上高1,861百万円(前年同期比7.7%増)、営業利益70百万円(前年同期比66.8%増)となり
ました。
[ファインケミカル事業]
ファインケミカル事業は、ヘルスケア関連薬品、電子材料用および工業用薬品の製造および販売を行っており
ます。
電子材料分野はIT関連機器向けや半導体プロセス材料の受注増で増収となりました。ヘルスケア分野はジェ
ネリック医薬品向けの需要が堅調に推移し増収となりました。
この結果、売上高934百万円(前年同期比29.8%増)、営業利益92百万円(前年同期比232.8%増)となりまし
た。
[不動産事業]
不動産事業は、主に郊外型ショッピングセンター・ロードサイド店舗・オフィスビルの賃貸などを行っており
ます。
ショッピングセンターへ新規テナントが入居したことに加え、新たな事務所賃貸も寄与し増収となりました
が、光熱費の高騰により減益となりました。
この結果、売上高673百万円(前年同期比1.1%増)、営業利益407百万円(前年同期比0.9%減)となりまし
た。
[その他]
その他の事業は、自動車学校の運営、ヘルスケア商品の販売、洋菓子店の運営などを行っております。また、
海外においては、カンボジアで衣料品生地の検品、補修事業を行っております。
自動車教習事業は、二輪車とフォークリフトは好調に推移しましたが、主力の普通車の入校生数が伸び悩み減
収となりました。
ヘルスケア事業は、化粧品、健康食品などを販売しております。
スキンケア化粧品と健康食品の自社ブランド商品(ONU)を立ち上げて販売を開始しましたが、中国景気の
停滞や新型コロナウイルスの影響で、予定していた海外免税店での化粧品販売の延期もあり売上が低調に推移しました。
また、ECサイトを中心に販売しているホームウェアは低調でしたが、洋菓子店、カンボジア現地法人は堅調
に推移しております。
この結果、その他の事業全体の売上高は218百万円(前年同期比11.6%減)、営業損失21百万円(前年同期は
営業損失23百万円)となりました。
②財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比2,657百万円増加し、34,145百万円となりまし
た。その主な要因は、電子記録債権および棚卸資産の増加によるものであります。
負債は、前連結会計年度末比2,241百万円増加し、22,361百万円となりました。その主な要因は、短期借入金お
よび支払手形及び買掛金の増加によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末比415百万円増加し、11,784百万円となりました。その主な要因は、為替換算調整
勘定および利益剰余金の増加によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更は
ありません。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変
更及び新たに生じた課題はありません。
(4)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の
分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費は88百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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