【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境が改善する下で、各種政策の効果もあって、全体として緩やかな回復が続きました。一方で、世界的な金融引締め等が続く中、海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクとなっており、また、物価上昇や金融資本市場の変動等の影響に十分注意する必要があり、依然として先行きは不透明な状況が続いております。当社グループが属する建設コンサルタント業界及び地質調査業界の経営環境は、老朽化インフラの維持・更新や防災・減災対策などを2021年度からの5年間で集中的に実施する「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」が政府より講じられております。また、2023年6月に改正国土強靱化基本法が成立し、7月には新たな国土強靱化基本計画が閣議決定されましたので、最終年度となる2025年度以降も堅調に推移していくものと考えられます。このような状況の下で、当社グループは、第1次中期経営計画(2021年7月から2024年6月まで)の2年目となる今期は、2023年7月1日付の大日本コンサルタント株式会社と株式会社ダイヤコンサルタントの合併に向けて、「業務遂行能力の向上による受注の拡大(シナジー効果の拡大)」と「当社グループの共通基盤整備」を重点課題として設定し、積極的に取り組んでまいりました。具体的には、両事業会社間の情報共有、技術研鑽、業務遂行の効率化を図ることで、調査・設計連携業務の受注拡大に向けた取り組みを実施するとともに、両事業会社のシステムや社内制度の統一に向けた検討を実施してまいりました。これらの結果、当連結会計年度における当社グループ全体の業績は、受注高が307億8千2百万円(前連結会計年度比97.7%)、受注残高は167億3千8百万円(同90.3%)、売上高は325億8千万円(同101.5%)となりました。利益面におきましては、営業利益は21億9千1百万円(同101.5%)に留まりましたが、経常利益は、補償手直しに関する保険金収入による営業外収益を計上したことから、23億5千3百万円(同106.8%)、最終の親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券売却による特別利益を計上したことから、17億5千6百万円(同116.7%)となりました。また、当社グループは継続的に企業価値の向上を図るため、株主資本利益率(ROE)10%以上を安定的に達成できることを目標に掲げており、当連結会計年度におきましては、株主資本利益率(ROE)は16.1%となり、目標を達成することができました。なお、当社グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。
② 財政状態の状況当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末と比べて14億3千9百万円増加し、210億2千5百万円となりました。主な内容は、現金及び預金が42億6千6百万円、受取手形及び売掛金が14億7百万円、契約資産が79億3千9百万円、有形固定資産が18億6千3百万円、退職給付に係る資産が32億1千5百万円であります。負債合計は、前連結会計年度末と比べて4億7千万円減少し、91億6千8百万円となりました。主な内容は、業務未払金が15億2千万円、契約負債が12億9百万円、長期借入金が8億8千2百万円、退職給付に係る負債が4億3百万円であります。純資産合計は、前連結会計年度末と比べて19億9百万円増加し、118億5千6百万円となりました。主な内容は、資本金及び資本剰余金が35億8千2百万円、利益剰余金が78億2千7百万円であります。これらの結果、当社グループの自己資本比率は56.3%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べて3億3千7百万円減少し、42億6千6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(営業活動におけるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金純額は、7億9千3百万円(前連結会計年度は獲得した資金6億8百万円)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益24億6千4百万円に、減価償却費4億4千1百万円、減損損失1千万円及びのれん償却額3千1百万円の非資金費用のほか、売上債権の増加額4億6千9百万円、契約資産の増加額2億9千6百万円、仕入債務の増加額1億5千万円、契約負債の減少額10億5千2百万円、法人税等の支払額8億7千6百万円、法人税等の還付額1億6千9百万円によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金純額は、3億4千7百万円(前連結会計年度は使用した資金9億7千8百万円)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出3億4千6百万円、有形固定資産の売却による収入3千3百万円、無形固定資産の取得による支出1億5千3百万円、投資有価証券の取得による支出1千4百万円、投資有価証券の売却による収入1億5千2百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出2千8百万円によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金純額は、7億8千8百万円(前連結会計年度は使用した資金6億6百万円)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2億1千4百万円、配当金の支払額5億5千6百万円によるものであります。当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。
④ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、単一の報告セグメントであるため、生産、受注及び販売の実績につきましては、業務別に記載しております。
イ.生産実績当社グループでは「生産実績」を定義することが困難なため、「生産実績」は記載しておりません。
ロ.受注実績当連結会計年度の受注状況を業務別に示すと、次のとおりであります。
業務別
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
建設コンサルタント業務
26,486,797
96.3
14,760,963
89.5
地質調査業務
4,295,398
106.9
1,977,361
97.2
合計
30,782,196
97.7
16,738,325
90.3
(注) 数量につきましては、業種の特殊性から把握が困難なため記載を省略しております。
ハ.販売実績当連結会計年度の販売実績を業務別に示すと、次のとおりであります。
業務別
売上高(千円)
前年同期比(%)
建設コンサルタント業務
28,227,005
102.6
地質調査業務
4,353,159
94.6
合計
32,580,164
101.5
(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度(自 2021年7月1日至 2022年6月30日)
当連結会計年度(自 2022年7月1日至 2023年6月30日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
国土交通省
11,670,003
36.3
10,456,848
32.1
(2) 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日における財政状態及び経営成績に影響を与えるような経営者の見積り及び予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、見積り及び予測を行っております。
② 経営成績等の状況の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」をご参照ください。
③ 財政状態の状況の分析「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」をご参照ください。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは、成長投資に必要な資金は、事業で生み出す営業キャッシュ・フロー及び手許流動性資金で賄うことを基本とし、それを超える投資規模の場合には、金融市場または資本市場から調達することも選択肢の一つとし、成長への機会損失とならないよう堅実かつ柔軟な資金調達を行う方針であります。また、業務の特性上、業務代金の回収時期が3月から5月に集中する傾向があるため、資金需要に応じて運転資金の一部を金融機関からの短期借入金で賄っております。当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について国内の公共事業を取り巻く環境は、2023年6月に改正国土強靱化基本法が成立し、7月には新たな国土強靱化基本計画が閣議決定されましたので、最終年度が2025年度である「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の終了後も堅調に推移するものと考えられ、今後においても一定の受注高、売上高を確保できるものと判断しております。このような環境のもと、2023年7月におけるグループ内の組織再編(完全子会社である大日本コンサルタント株式会社と株式会社ダイヤコンサルタントの合併)を踏まえて、中期経営計画を更新いたしました。新しい中期経営計画は、対象期間を2023年7月から2026年6月までの3年間とし、堅調な国内の公共事業において合併した両社が保有していた専門技術を融合させることによって、防災・減災関連及び地質リスクマネジメント関連業務を中心にシナジー効果による受注高と売上高の拡大を見込みます。また、2023年4月に閣議決定された「今後の原子力政策の方向性と行動指針」に沿った原子力発電所及び核燃料サイクル関連施設の地質・地盤調査、2022年12月に閣議決定された「防衛力整備計画」に沿った自衛隊施設(建物等)の耐震化・老朽化対策等の計画・設計を成長分野と位置付けて、経営資源を重点的に配分することによって受注高、売上高の拡大を見込みます。これらに加えて、脱炭素社会の実現に向けたエネルギー関連事業、包括管理等のインフラマネジメント事業を成長させるとともに、インフラの維持管理へのAIの活用、地質調査のDXなどの技術開発を推進し、当社グループの事業領域を広げて事業規模の拡大を図り、企業理念である「大地と空間、人と社会の可能性を引き出し、未来を拓く」の実現を目指します。
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