【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年1月1日~2022年12月31日)における世界経済は、社会経済活動の制限緩和が進展したことにより景気はゆるやかに回復する一方、長期化するウクライナ情勢等による原材料価格・エネルギー価格の高騰、中国でのゼロコロナ政策転換の影響、世界的なインフレに伴う金融引き締めや急激な為替変動等、今後の不透明感が増す状況となりました。
他方、光学薄膜装置分野の世界市場においては、スマートフォンの機能高度化、IoT分野(車載、AR/VR、医療、光通信)における応用範囲拡大、さらにはセンシング技術を中心に半導体光学融合の動きが進み、事業機会は拡大を続けております。
このような状況の下、受注高はスマートフォンカメラモジュール、自動車、AR/VR向けが好調に推移し、前年同期比で増加いたしました。
分野別売上高では、中国での都市封鎖影響があったものの、スマートフォンカメラモジュール、自動車、AR/VR、光通信向け装置販売が好調であったことにより、前年同期比で増収となりました。
利益面では、利益率の高い新型ALD成膜装置の売上高が著増し、収益の柱の一つに成長するとともに、利益面で大きく貢献しました。また、部品価格や物流コスト上昇等の影響はあったものの、調達コスト削減や作業効率改善等の原価改善活動の取り組みにより、営業利益は前年同期比で増益となりました。
円安による為替差益計上や持分法適用会社の出資金売却益計上等により、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比で増益となりました。
その結果、受注高は43,124百万円(前年同期比21.7%増)、売上高は34,304百万円(前年同期比11.0%増)、営業利益は7,448百万円(前年同期比6.0%増)、経常利益は8,762百万円(前年同期比10.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は6,889百万円(前年同期比8.8%増)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の流動資産は、65,401百万円と前連結会計年度末と比べ12,255百万円の増加となりました。増
加した要因は、原材料及び貯蔵品や仕掛品が増加したことなどによるものです。
固定資産は、17,514百万円と前連結会計年度末と比べ5,985百万円の増加となりました。増加した要因は、土地
や建物及び構築物が増加したことなどによるものです。
(負債)
流動負債は、28,400百万円と前連結会計年度末と比べ11,343百万円の増加となりました。増加した要因は、契約
負債(前連結会計年度末は前受金)が増加したことなどによるものです。
固定負債は、2,357百万円と前連結会計年度末と比べ822百万円の増加となりました。増加した要因は、繰延税金
負債が増加したことなどによるものです。
(純資産)
純資産は、52,158百万円と前連結会計年度末と比べ6,074百万円の増加となりました。増加した要因は、利益剰
余金が増加したことなどによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、34,922百万円となり、前連結会計年
度末に比べ2,649百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加1,808百万円や契約負債の増加9,410百万円などにより、
8,560百万円の収入となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産による支出4,379百万円などにより、4,395百万円の支出と
なりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払額2,163百万円などにより、2,172百万円の支出となりまし
た。
④ 生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
成膜装置事業
21,194,717
133.0
(注)金額は製造原価によっております。
(ロ)受注実績
当連結会計年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
成膜装置事業
43,124,497
121.7
36,946,626
131.4
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは成膜装置事業の単一セグメントであります。
セグメントの名称
売上高(千円)
前年同期比(%)
成膜装置事業
34,304,362
111.0
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年1月1日
至 2021年12月31日)
当連結会計年度
(自 2022年1月1日
至 2022年12月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
Apple Inc.グループ
3,182,051
10.3
2,158,794
6.3
Zhejiang Sunny Optics Co., Ltd.
1,651,439
5.3
8,225,327
24.0
2.「Apple Inc.グループ」の販売高は、Apple Inc.とその関係会社に対する販売価格をすべて合算した金額を記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
(売上高)
売上高は、スマートフォンカメラモジュール高機能化を支えるALD装置販売や自動車の車載カメラ向け装置等の売上が好調に推移したことにより、前連結会計年度に比べ11.0%増加の34,304百万円となりました。その内、ALD装置や新型スパッタ装置等の売上高は9,485百万円でした。
(営業利益)
売上原価は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ10.6%増加し、19,356百万円となりました。調達コスト削減や作業効率改善等の原価改善活動の取り組み、利益率の高い新型装置販売が堅調であったことによる原価率改善等により、売上原価率は0.2ポイント減少し、56.4%となりました。
販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ17.8%増加し、7,498百万円となりました。
以上の結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6.0%増加し、7,448百万円となりました。
(経常利益)
営業外損益は、為替差益477百万円やデリバティブ評価益222百万円等があったことにより、経常利益は前連結会計年度に比べ10.9%増加し、8,762百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、出資金売却益662百万円等があったことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8.8%増加し、6,889百万円となりました。
今後の見通しにつきましては、長期化するウクライナ情勢等による原材料価格・エネルギー価格の高騰、世界的
なインフレに伴う金融引き締め等、世界経済は不透明な状況にあります。そのような状況の中、光学薄膜市場は、
新技術を取り入れた最終製品の進化は著しく、より高度な光学薄膜技術を反映した光学薄膜装置需要は拡大を継続
し、とりわけ半導体光学融合関連市場は加速する一方、競争環境も一層厳しくなることが予想されます。
最終製品の動向は、以下のように見込んでおります。
自動車は、ADAS(先進運転支援システム)の高度化・普及に伴い、各種センシング技術が進化しております。
AED(衝突被害軽減ブレーキ)の義務化に伴い、フロントセンシングカメラが搭載され、さらなる高解像度化のた
めの複眼化、高機能化といった成膜需要の拡大を見込んでおります。さらに車両周辺の障害物検知の向上から車載
カメラの搭載率上昇やLiDAR技術の高解像度化が進むものと思われます。また、車内表示デバイスのディスプレイ
化は増加しており、ディスプレイの視認性向上に伴う成膜需要、ヘッドアップディスプレイの搭載率上昇や表示領
域の拡大による成膜需要が期待されます。
AR/VRは、ARスマートグラスやヘッドマウントディスプレイ等、ディスプレイの高解像度化や広視野角等の表示
機能の性能向上による成膜需要の拡大が期待されます。
スマートフォンは、ユーザーの買い替えサイクルが長期化する傾向にある中、市場自体が成熟局面に入っていま
す。一方、リアカメラの多眼化は主流となっており、一部ハイエンドモデルでは超望遠カメラを搭載したクアッド
タイプといったさらなる多眼化、SNS普及に伴い動画撮影機能の強化や暗所での撮影や動画の画質向上等の高機能
化が見られる等、カメラモジュールの高画質化や高感度化といった高機能化ニーズは継続すると見込まれます。
これらの最終製品市場動向を確実に捉え、市場ニーズ・顧客ニーズを新型成膜装置に反映するために、最先端分
野への研究開発投資を積極的に行います。注力施策として、光馳半導体技術(上海)有限公司の量産体制確立、本
邦新規購入施設稼働による研究開発機能の強化、半導体光学融合関連で外部技術企業との連携による事業基盤の飛
躍的拡充を通じ、さらなる成長を図ってまいります。
これらの状況をふまえ、2023年12月期の連結業績見通しにつきましては、売上高35,500百万円(前年同期比
3.5%増)、営業利益8,600百万円(前年同期比15.5%増)、経常利益8,600百万円(前年同期比1.9%減)、親会社
株主に帰属する当期純利益6,200百万円(前年同期比10.0%減)を予想しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資や事業拡大を図るためのM&A等の投資であります。
運転資金については、自己資金の活用を行い、流動性が不足する見込みの場合は、短期長期ともに金融機関からの借入を基本としております。
また、原材料価格高騰や地政学リスクの高まり等により先行き不透明な中、不測の事態に備えるため、十分な手元流動性を確保するとともに、当座貸越枠を設定し、適時に必要資金を確保する体制としております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表作成には、資産、負債、収益及び費用の測定等に経営者の見積り及び仮定を含んでおります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
