【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第1四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績に関する説明
① 経営成績に関する分析
当第1四半期累計期間(2023年7月1日から2023年9月30日まで)におけるわが国経済は、不安定な国際情勢、資源価格及び光熱費等の物価高騰による景気下振れが懸念され、行く先不透明な状況が続いております。一方、新型コロナウイルス感染症の経済活動への影響は、2023年5月8日から「5類」への移行に伴う社会活動の正常化により、当社を取り巻く事業環境も改善傾向にあります。
このような状況のなか、当社の主要事業ドメイン市場においても、航空、バス、鉄道など交通関連事業においては回復傾向にあります。また、様々な業種業態において、DX(デジタルトランスフォーメーション)が積極推進されており、非対面サービスも増加、ITが果たすべき社会的役割も増してきております。
当社においても、「ペーパーレス化」「キャッシュレス化」をキーワードに、重点施策「電子決済時代への対応」「交通業界向けIT化プロジェクト/MaaS事業」などを推進、その文脈上にある生活密着フィンテック・プラットフォームを見据えた施策を行っており、会員管理のDX化ツール「ekaiin.com(e会員ドットコム)」の利用拡大や電子請求書発行及び保存を行う新サービス「しまえーる」の提供など、「決済+αプラットフォーム」に注力しております。
2016年以降「交通事業者向けオールインワンクラウドサービス」「電子マネー」など次世代向けプラットフォームの開発を推進してまいりましたが、今後はこれらソリューションの本格的な営業活動を行うフェーズに入っております。そのため、当社の営業体制は札幌、東京、大阪の3拠点体制として、より地域に密着した本格的な営業活動を推進しております。
これらの結果、当第1四半期累計期間の経営成績は、売上高2,315百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益261百万円(前年同期比11.4%増)、経常利益261百万円(前年同期比15.2%増)、四半期純利益178百万円(前年同期比18.1%減)となりました。
なお、当社は事業活動の社会的意義の向上、会社企業価値の拡大を目指すためには、東京証券取引所のプライム市場維持のためにリソースを投入するより、限られた経営資源を事業の進展と拡大に集中することの方がより企業価値の向上に寄与できると判断し、2023年10月20日よりスタンダード市場に移行いたしました。
② 当社を取り巻く環境変化と対応戦略
当社が事業ドメインとするオンライン決済市場については今後も一定の伸長を見込んでおりますが、電子決済拡大による決済自体のコモディティ化が進むとみており、決済+αの具体的な形として、事業者側のDX化を支援するクラウドサービスの拡充に尽力しております。
A.ペーパーレス化・キャッシュレス化における“スマホ決済”「支払秘書」・電子マネー対応
決済を銀行口座と連携するスマホで行う「支払秘書」は、8電力会社に導入済、また公金支払いでも提携銀行が多い地域を中心に「支払秘書」で支払える案件が増加しているほか、当社が提供するクラウドサービスである下記B項記載の「バスもり!」、「アルタイルトリプルスター」及び「ekaiin.com」とのシームレスな連携を中心とした展開を行うとともに、電子マネーを自社のサービスに組み込む流れが今後出てくると予測し、組み込み型電子マネーの開発を進めております。今後は交通事業者向けのクラウドサービスと連携させたトータルサービスへ進化させるべく、営業活動を行ってまいります。
B.交通事業者向けIT(DX)化プロジェクトを積極推進中
2016年8月に開始したスマホ電子チケットアプリ「バスもり!」は、1回券、回数券、定期券、フリーパス、企画券など電子化券種を拡大し、バス・鉄道の取り扱い路線は628を超えております。コロナ禍を経て、非対面で購入できるスマホ定期やスマホ回数券は拡大しております。また、2017年から開発してきたオールインワンの交通事業者向けクラウドサービス「アルタイルトリプルスター」は、乗物やイベントの在庫・時刻表管理、チケット予約・購入・発券・認証、そして売上情報の集計と精算処理に至るまでの一連の業務の自動化を実現できるトータルクラウドサービスで、全国各地のMaaS基盤として継続的な利用をいただいております。複数事業者が共同提供するMaaSにおいて、多大な労力を要する精算業務に関する十分な知識と経験を当社が持っていることは大きなアドバンテージです。また2022年11月に発表したとおり、この基盤を有効活用しIC以外のデジタル化を目的としたスルッとKANSAI様の大規模プロジェクトのシステム開発パートナーとして選定され、緊密な連携の中でローンチに向けて尽力しております。
C.ウェルネットの“主力決済商材”「マルチペイメントサービス」「送金サービス」の現況
非対面決済用プラットホームである「マルチペイメントサービス・送金サービス」は引き続き伸長するポテンシャルがあると見込んでおります。当社は、30年以上にわたり様々な事業者に決済サービスを採用いただいておりますが、今後も事業者・コンシューマ双方の利便性向上に資する決済ゲートウェイの拡充を目指します。当社は決済+αのサービス開発を推進してまいりますが、その際決済基盤を持っている当社は大きなアドバンテージを持っていると考えております。
2022年9月には当社が新たに開発したスマホバーコード決済「stanp」がファミリーマートの全国の店舗で採用され、利用者はスマートフォンに表示されるバーコードを店頭レジで直接読み取るのみでリアルタイム支払いができるようになりました。今後、ファミリーマート以外のコンビニでの採用に向け、積極的に営業活動を進めてまいります。
D.地域貢献活動
当社のビジネスである「IT利活用・DX化」そのものが、環境に優しいビジネスモデルへの転換を支援するものであり、ビジネス拡充自体が地球環境保全に資するものと認識しております。
地域社会への貢献として、北海道の工業高等専門学校に通う経済面で苦労する学生向けに設立した“ウェルネット奨学金”により多くの学生を支援しております。2022年度までの累計で768名に対して約86百万円の奨学金を支給しており、ここ3年間は経済的困窮による退学者0に直接的に貢献しております。本活動は今後も継続してまいります。
さらに、地元のスポーツ振興に寄与することを目的とし、北海道オール・オリンピアンズが推進する「スクラム札幌」構想へ参画、男子1000メートルの日本記録を持ち、オリンピック出場が期待されるスピードスケートの山田将矢選手と2022年4月にスポンサー契約を締結、2023年4月からは当社社員として活動しております。今後は「ekaiin.com」をスポーツ選手の支援にも積極活用し、当社のITサービスによるスポーツ振興を支援する方針であります。
また、2021年に竣工し、運用開始した札幌本社新社屋は、働く環境や従業員の健康に配慮したオフィス設計を行っており、2022年9月に「WELL認証」最高ランク「プラチナ」を取得いたしました。「WELL認証」は2014年に米国で始まったビルやオフィスなどの空間を人間の健康の視点で評価・認証する先進的な取り組みであります。現在のところ、日本国内で「プラチナ」ランクを取得した企業は建築関連の企業がほとんどであり、フィンテック系企業として初、北海道内で初の取得です。さらに、札幌本社は2023年8月に創意と工夫を凝らしたオフィスを表彰する制度である「第36回日経ニューオフィス賞」を受賞いたしました。これらの取り組みは、人的資本である従業員への投資であり、ひいては生産性向上、働き方改革など企業価値向上につながると考えております。
E.収益予想と株主還元
収益予想につきましては、2023年8月14日付の「2023年6月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」に記載の「2024年6月期の業績予想」で公表いたしました収益予想から変更ありません。なお、配当性向については50%以上とする予定です。
(2) 財政状態に関する説明
当第1四半期会計期間末における総資産は23,312百万円となりました。流動資産は17,777百万円であり、主な内訳は現金及び預金12,975百万円であります。現金及び預金には回収代行業務に係る収納代行預り金が9,137百万円含まれておりますが、これは翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり、一時的に当社が保管するものであります。固定資産は5,534百万円であり、内訳は有形固定資産3,864百万円、無形固定資産401百万円、投資その他の資産1,269百万円であります。
一方、負債合計は15,621百万円となりました。主な内訳は収納代行預り金9,137百万円であります。
純資産合計は7,690百万円となりました。主な内訳は株主資本7,599百万円であります。
(参考)現金及び預金の純額(回収代行業務に関する預り金を相殺した、正味の現預金残高)
前事業年度末
(2023年6月30日)
当第1四半期会計期間末
(2023年9月30日)
(A)現金及び預金(百万円)
14,070
12,975
(B)収納代行預り金(百万円)
10,441
9,137
(A)-(B)現金及び預金純額(百万円)
3,629
3,838
(3) 業績予想などの将来予測情報に関する説明
2024年6月期の業績予想につきましては、2023年8月14日付の「2023年6月期 決算短信〔日本基準〕(非連結)」で公表いたしました業績予想から変更ありません。
(4) 研究開発活動
当第1四半期累計期間における研究開発費の総額は12百万円であります。
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