【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要
① 財政状態及び経営成績に関する説明
当事業年度におけるわが国経済は、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの継続、資源価格及び光熱費等の物価高騰による景気下振れが懸念され、今後の行く先の不透明な状況が続いております。一方、新型コロナウイルス感染症の経済活動への影響は、2023年5月8日から「5類」への移行に伴う社会活動の正常化により、当社を取り巻く事業環境も改善傾向にあります。
このような状況のなか、当社の主要事業ドメイン市場においても、航空、バス、鉄道など交通関連事業において回復傾向にあります。また、様々な業種業態において、DX(デジタルトランスフォーメーション)が積極推進されており、非対面サービスも増加、IT企業が果たすべき社会的役割も増してきております。
当社においても、「ペーパーレス化」「キャッシュレス化」をキーワードに、重点施策「電子決済時代への対応」「交通業界向けDX化/MaaS事業」などを推進、その文脈上にある生活密着フィンテック・プラットフォームを見据えた施策を行っており、会員管理のDX化ツール「ekaiin.com(e会員ドットコム)」)の利用拡大や電子請求書発行及び保存を行う新サービス「しまえーる」の提供など、「決済+αプラットフォーム」に注力しております。また、2023年3月には自治体向けに先進的なクラウドサービスを提供する株式会社HARPの一部株式を取得、自治体など向けの決済の全国展開を進めております。
交通関連事業では、2022年11月18日付「QRコードを活用したデジタル乗車券の開発着手について」で発表したとおり、関西を中心に岡山、静岡を含めた61の鉄道・バス事業者で構成される「スルッとKANSAI協議会」が2024年春にサービス開始予定のQRコードを活用したデジタル乗車券関連サービスのシステムパートナーとして、広域的なQRコード乗車券による非接触化とキャッシュレス化を推進することでICカード以外のデジタル化を目指しております。本プロジェクトへの参画を通じ当該協議会加盟事業者様との関係性を強化するとともに、関連する知見を蓄積し、交通事業者向けシンクライアントサービスを展開してまいります。
2023年7月にはスルッとKANSAI協議会加盟事業者様をはじめとして、関西・中国・四国・九州・沖縄も含めた西日本地区の事業者様及びお客様のサポートを強化するため、新たに大阪(梅田)に西日本支店を開設いたしました。
2016年以降「交通事業者向けオールインワンクラウドサービス」「電子マネー」など次世代向けプラットフォームの開発を推進してまいりましたが、今後はこれらソリューションの本格的な営業活動を行うフェーズに入ります。そのため西日本支店開設以外にも、2023年4月に東京本社を移転・拡張し、当社の営業体制は札幌、東京、大阪の3拠点体制となり、より地域に密着した本格的な営業活動を行ってまいります。
なお、本日(2023年8月14日)付で発表したとおり、当社は本日開催の取締役会において、上場市場を東京証券取引所のスタンダード市場を選択することとし、当社のリソースをこれら事業に集中させることにより企業価値の向上を図ることといたしました。
これらの活動の結果、当期の経営成績は、売上高9,424百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益939百万円(前年同期比27.7%増)、経常利益935百万円(前年同期比24.0%増)、当期純利益635百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は14,070百万円(前年同期比7.8%増)となりました。
当事業年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において営業活動により獲得した資金は1,114百万円(前年同期比66.1%減)となりました。主な増加要因は税引前当期純利益961百万円、減価償却費の計上404百万円、預り金の増加727百万円であり、主な減少要因は預け金の増加811百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において投資活動により獲得した資金は268百万円(前年同期は267百万の資金の支出)となりました。主な増加要因は有形固定資産の売却による収入251百万円、投資有価証券償還による収入200百万円であり、主な減少要因は有形固定資産の取得による支出103百万円、無形固定資産の取得による支出119百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において財務活動により支出した資金は360百万円(前年同期は390百万の資金の支出)となりました。主な減少要因は配当金の支払による支出266百万円、長期借入金の返済による支出100百万円であります。
③ 受注及び販売の状況
a. 受注状況
当事業年度の受注状況は、次のとおりであります。
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
73,032
139.1
31,895
8,114.9
(注)1.当社における受注の内容は、相手先からの受託開発であります。
2.金額は販売価格によっております。
b. 販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称
当事業年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
前年同期比(%)
決済・認証事業(千円)
9,424,198
105.3
(注)最近2事業年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前事業年度
(自 2021年7月1日
至 2022年6月30日)
当事業年度
(自 2022年7月1日
至 2023年6月30日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
アマゾンジャパン合同会社
2,594,155
29.0
2,397,340
25.4
(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づいて作成されております。この財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債及び収益・費用の計上に関連して、種々の見積りを行っております。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
詳細は、「 第5 経理の状況 1 財務諸表等(1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
② 経営成績の分析
当事業年度の経営成績は、売上高9,424百万円(前年同期比5.3%増)、営業利益939百万円(前年同期比27.7%増)、経常利益935百万円(前年同期比24.0%増)、当期純利益635百万円(前年同期比19.4%増)となりました。
③ 財政状態の分析
(資産)
当事業年度末の流動資産は18,756百万円(前年同期比11.2%増)となりました。主な内訳は現金及び預金14,070百万円、預け金3,449百万円、売掛金及び契約資産604百万円であります。現金及び預金には、回収代行業務に係る収納代行預り金が10,441百万円含まれておりますが、これは翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり、一時的に当社が分割管理により保管するものであります。また、固定資産は6,136百万円(前年同期比9.5%減)となりました。主な内訳は建物2,096百万円、土地1,602百万円、差入保証金1,455百万円、ソフトウエア443百万円であります。以上の結果、資産合計は24,892百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
(負債)
当事業年度末の流動負債は15,105百万円(前年同期比6.3%増)となりました。主な内訳は収納代行預り金10,441百万円、預り金3,584百万円であります。また、固定負債は1,959百万円(前年同期比3.3%減)となりました。主な内訳は長期借入金1,725百万円であります。以上の結果、負債合計は17,065百万円(前年同期比5.1%増)となりました。
(純資産)
当事業年度末の純資産は7,826百万円(前年同期比5.6%増)となりました。主な内訳は株主資本7,737百万円であります。
(参考)現金及び預金の純額(回収代行業務に関する預り金を相殺した、正味の現預金残高)
前事業年度
(2022年6月30日)
当事業年度
(2023年6月30日)
(A)現金及び預金(百万円)
13,129
14,070
(B)収納代行預り金(百万円)
10,170
10,441
(A)-(B)現金及び預金純額(百万円)
2,958
3,629
④ 資金の財源及び資金の流動性についての分析
a. キャッシュ・フロー
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析] (1) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資金需要
当事業年度における当社の主な資金需要は、サーバ設備やソフトウエアの取得による設備投資等であります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社におきましては、コンビニインフラへの依存、システムトラブル及び事務リスク、競合他社との競争激化、新サービスへの対応、新規事業への投資、知的財産権、個人情報の管理などが経営成績に重要な影響を与える要因と認識しております。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針について
キャッシュレス社会に向けた大きな時代の変革期が予測されております。当社はこの変革期を大きなビジネスチャンスに変えるべく、積極的な経営姿勢に転換しております。かつてコンビニ決済など斬新なアイディアで現在の地歩を確立したように、強い思いをもってチャレンジを続けてまいります。
当社の目指すサービスプラットホームは「ストック型」であり、一旦収益ラインを突破すると一気に拡大する可能性を秘めております。重要なことは、ビジネスボリューム拡大に伴う人件費増加を避けることで、そのために運用など後方処理自動化に相当額の投資を継続的に行っております。
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