【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当第2四半期会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)経営成績に関する説明
① 経営成績に関する分析
当第2四半期累計期間(2022年7月1日から2022年12月31日まで)におけるわが国経済は、ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの継続、資源価格及び光熱費等の物価高騰のなか、新型コロナウイルス感染症の影響による落ち込みから緩やかな回復傾向が見られており、政府より2023年5月に季節性インフルエンザと同等の「5類」へ引き下げる方針も示されたことから、今後の経済活動の回復にも明るい兆しが見え始めております。
このような状況のなか、当社の主要事業ドメイン市場においても、航空、バス、鉄道など交通関連事業においては回復傾向が見えてまいりました。また、様々な業種業態において、DX(デジタルトランスフォーメーション)が積極推進されており、非対面・非接触サービスも増加し、ITが果たすべき社会的役割も増してきております。
当社においても、「ペーパーレス化」「キャッシュレス化」をキーワードに、重点施策「電子決済時代への対応」「交通業界向けIT化プロジェクト/MaaS事業」などを推進、その文脈上にある生活密着フィンテック・プラットフォームを見据えた施策を行っており、会員管理のDX化を促進するサービス「ekaiin.com(e会員ドットコム)」)も順調に利用が拡大するなど「決済+αプラットフォーム」に注力してまいりました。
2022年11月18日に発表した「QRコードを活用したデジタル乗車券の開発着手について」のとおり、関西を中心に岡山、静岡を含めた61の鉄道・バス事業者で構成される「スルッとKANSAI協議会」が2024年春にサービス開始予定のQRコードを活用したデジタル乗車券関連サービスのシステムパートナーとして当社が選定されました。2022年11月の札幌本社での調印式をうけ、新たに「大阪イノベーションラボ」を開設し、協働開発作業を本格化させ、広域的なQRコード乗車券による非接触化とキャッシュレス化を推進することで利便性の高いサービスの実現を目指しております。当社は本プロジェクトへの参画を通じて当該協議会加盟事業者様との関係性を強化するとともに、関連する知見を蓄積し、交通事業者向けシンクライアントサービスを大きく拡充させてまいります。
これらの結果、当第2四半期累計期間の経営成績は、売上高4,920百万円(前年同期比10.5%増)、営業利益562百万円(前年同期比46.2%増)、経常利益561百万円(前年同期比45.3%増)、当第2四半期純利益444百万円(前年同期比57.6%増)となり、前年同期に比べて増収増益となりました。
② 当社を取り巻く環境変化と対応戦略
当社が事業ドメインとするオンライン決済市場については今後も一定の伸長を見込んでおりますが、電子決済拡大による決済自体のコモディティ化が進むとみており、決済+αの具体的な形として、事業者側のDX化を支援するクラウドサービスの拡充に尽力しております。
A.ペーパーレス化・キャッシュレス化における“スマホ決済”「支払秘書」
決済を銀行口座と連携するスマホで行う「支払秘書」は、8電力会社に導入済、また公金支払いでも提携銀行が多い地域を中心に「支払秘書」で支払える案件が増加しているほか、当社が提供するクラウドサービスである下記B項記載の“バスもり!””アルタイルトリプルスター”及び、ekaiin.comとのシームレスな連携を中心とした展開を行うとともに、組み込み型電子マネーの開発を進めております。
請求の電子化と様々な費用の決済を「支払秘書」とクレジットカードで行える会員管理サービス「ekaiin.com(e会員ドットコム)」においては従来の用途に加え、公益社団法人の講習会受付業務と商品販売、令和4年度札幌市飲食店の未来応援クラウドファンディングの支援金募集、日本作曲家協会創立65周年記念事業「全国歌謡選手権大会」の募集など幅広い分野に採用が広がってまいりました。今後も提供分野拡大と共に実績分野の水平展開に力を入れてまいります。
一方、提携銀行は三井住友銀行、ゆうちょ銀行など36行と提携いたしましたが、一連の不正使用発生によるセキュリティ対策を完了後の再開作業を進めており、2023年1月31日現在、利用可能銀行数は24行まで回復、新規を含め継続的な増加努力を行ってまいります。
B.バスIT化プロジェクトを積極推進
2016年8月に開始したスマホ電子チケットアプリ“バスもり!”は、1回券、回数券、定期券、フリーパス、企画券など電子化券種を拡大し、バス・鉄道の取り扱い路線は510を超えております。コロナ禍で非対面で購入できるスマホ定期やスマホ回数券は拡大しております。また、2017年から開発してきたオールインワンの交通事業者向けクラウドサービス「アルタイルトリプルスター」は、乗物やイベントの在庫・時刻表管理、チケット予約・購入・発券・認証、そして売上情報の集計と精算処理に至るまでの一連の業務の自動化を実現できるトータルクラウドサービスです。特に複数事業者が共同提供するMaaSにおいて、多大な労力を要する精算業務に関する十分な知識と経験を当社が持っていることは大きなアドバンテージです。
MaaS領域においては、次のとおり導入実績が拡大してまいりました。
2020年1月 函館市「DohNa!!(ドーナ!!)」
2021年10月 「仙台MaaS」
2022年1月 北海道オホーツクエリア「OkhoNavi(オホナビ)」
2022年2月 「JAL MaaS」
2022年5月 北海道「ぐるっと北海道・公共交通利用促進キャンペーン」
2022年6月 「熊本都市圏パークアンドライド社会実験定期券及び回数券」
2022年9月 「仙台MaaS」における仙台市交通局の地下鉄一日乗車券(QR付き電子チケット)
当社が展開するサービスは、クラウドの本筋であるシステムコストの変動費化を実現しているため、いわゆる実証実験期間終了後も継続して使われている持続可能なスキームであることが大きな特徴です。
C.ウェルネットの“主力商材”「マルチペイメントサービス」の現況
非対面決済において「マルチペイメントサービス」は引き続き伸長するポテンシャルがあると見込んでおります。当社は、30年以上にわたり様々な事業者に決済サービスを採用いただいておりますが、今後も事業者・コンシューマ双方の利便性向上に資する決済ゲートウェイの拡充を目指します。当社は決済+αのサービス開発を推進してまいりますが、その際決済基盤を持っている当社は大きなアドバンテージを持っていると考えております。
2022年9月には当社が新たに開発したスマホバーコード決済「stanp」がファミリーマートの全国の店舗で採用され、利用者が当社の「マルチペイメントサービス」を利用する際に、スマートフォンに表示されるバーコードを店頭レジで直接読み取ることにより、マルチコピー機を介さずにリアルタイムに支払いが完了できるようになりました。今後、ファミリーマート以外のコンビニでの採用に向け、積極的に営業活動を進めてまいります。
D.地域貢献活動・SDGs
当社のビジネスである「IT利活用・DX化」そのものが、環境に優しいビジネスモデルへの転換を支援するものであり、ビジネス拡充自体が地球環境保全に資するものと認識しております。
地域社会への貢献として、北海道の工業高等専門学校に通う経済面で苦労する学生向けに設立した“ウェルネット奨学金”により多くの学生を支援しております。2021年度までの累計で610名に対して約72百万円の奨学金を支給しており、支援を受けた学生から多数の感謝のお手紙をいただき、従業員のモチベーション向上にもつながっております。新型コロナウイルス感染症により2021年度も多くの学生が影響を受けましたが、この支援の効果もあり北海道の4高専においては昨年に引き続き経済的な困窮を理由に退学した学生0を達成したとのご報告をいただきました。この活動は今後も継続してまいります。
さらに、地元のスポーツ振興に寄与することを目的とし、北海道・札幌市などと連携して2030年の札幌オリンピック・パラリンピック招致を目指す北海道オール・オリンピアンズが推進する「スクラム札幌」構想へ参画、男子1000メートルの日本記録を持ち、オリンピック出場が期待されるスピードスケートの山田将矢選手とスポンサー契約を締結、支援しております。今後はekaiin.comをスポーツ選手の支援にも積極活用し、当社のサービスによるスポーツ支援を拡大する方針であります。
また、2021年に竣工し、運用開始した札幌本社新社屋は、働く環境や従業員の健康に配慮したオフィス設計を行っており、2022年9月に「WELL認証」最高ランク「プラチナ」を取得いたしました。「WELL認証」は2014年に米国で始まったビルやオフィスなどの空間を人間の健康の視点で評価・認証する先進的な取り組みであります。この取り組みは、人的資本である従業員への投資であり、ひいては生産性向上、働き方改革、SDGs達成への寄与など企業価値向上につながると考えております。現在のところ、日本国内で「プラチナ」ランクを取得した企業は建築関連の企業がほとんどであり、フィンテック系企業として初、北海道内で初の取得です。
E.収益予想と株主還元
収益予想につきましては、2022年9月6日付の「業績予想及び配当予想の公表に関するお知らせ」で公表いたしました業績予想に記載のとおりであります。なお、株主様への配慮として、配当性向については50%以上とする予定です。
(2)財政状態に関する説明
① 資産、負債、及び純資産の状況
当第2四半期会計期間末における総資産は28,872百万円となりました。流動資産は22,673百万円であり、主な内訳は現金及び預金18,611百万円であります。現金及び預金には回収代行業務に係る収納代行預り金が15,090百万円含まれておりますが、これは翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり、一時的に当社が保管するものであります。固定資産は6,198百万円であり、内訳は有形固定資産3,882百万円、無形固定資産487百万円、投資その他の資産1,828百万円であります。
一方、負債合計は21,249百万円となりました。主な内訳は収納代行預り金15,090百万円であります。
純資産合計は7,623百万円となりました。主な内訳は株主資本7,547百万円であります。
(参考)現金及び預金の純額(回収代行業務に関する預り金を相殺した、正味の現預金残高)
前事業年度末
(2022年6月30日)
当第2四半期会計期間末
(2022年12月31日)
(A)現金及び預金(百万円)
13,129
18,611
(B)収納代行預り金(百万円)
10,170
15,090
(A)-(B)現金及び預金純額(百万円)
2,958
3,520
② キャッシュ・フローの状況
当第2四半期累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金という)の残高は18,611百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は5,403百万円となりました。主な増加要因は収納代行預り金の増加4,920百万円でありますが、収納代行預り金は翌月の所定期日には事業者に送金されるものであり、一時的に当社が保管するものであります。収納代行預り金の増加分を除いたその他の営業活動により獲得した資金は483百万円であり、主な増加要因は税引前四半期純利益650百万円の計上によるものであります。
(参考)収納代行預り金の増減を調整した営業活動によるキャッシュ・フロー
当第2四半期累計期間
(自 2022年7月1日
至 2022年12月31日)
(A)営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)
5,403
(B)収納代行預り金の増減(△は減少)(百万円)
4,920
(A)-(B)調整後の営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)
483
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により増加した資金は444百万円となりました。主な増加要因は有形固定資産の売却による収入251百万円、投資有価証券の償還による収入200百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により減少した資金は285百万円となりました。主な減少要因は配当金の支払額266百万円であります。
(3)研究開発活動
当第2四半期累計期間における研究開発費の総額は7百万円であります。
(4)業績予想などの将来予測情報に関する説明
2023年6月期の業績予想につきましては、2022年9月6日付の「業績予想及び配当予想の公表に関するお知らせ」で公表いたしました業績予想から変更ありません。
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