【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営成績の分析当第3四半期連結累計期間(2022年4月~12月)の日本経済は、コロナ禍からの経済回復が徐々に進み、個人消費に持ち直しの動きが見られました。しかし、原油をはじめとした資源価格の高騰によるインフレ懸念など、経済への不安要因は残っています。こうした状況のなかで、当社グループは、放送を軸に配信とアニメの3事業の相乗効果を発揮させてコンテンツの価値を最大化する「トライブリッド」を戦略の中心に据え、「全コンテンツ・全配信」を実施しています。当第3四半期においては、放送から得られる収益は昨年同期の水準を保ちつつ、コンテンツの2次利用から得られる収益を大きく伸ばすことが出来ました。売上高は前年同期比0.8%増の110,764百万円、営業費用は、配信コストや人件費の増加等により0.4%増の102,626百万円となりました。売上高の伸びが僅かに大きかったことが寄与し、営業利益は6.3%増の8,138百万円、経常利益も3.5%増の8,397百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は1.4%増の5,380百万円となりました。今後につきましては、国内外の不確実な状態が続く中、独自のコンテンツ作りを通じて放送事業の収益をできる限り確保しつつ、アニメの海外輸出を一段と進めてまいります。中国市場に加え、東南アジアや欧米への輸出も加速する所存です。また、ドラマにつきましてもアジア地域での展開を加速させ、テレビ東京グループの総力を結集して業績向上を目指してまいります。セグメントごとの業績は以下のとおりです。
[地上波放送事業]地上波放送事業は㈱テレビ東京単体の事業となっております。①放送事業(地上波放送、番組販売)放送事業収入(売上高)の合計は4.7%減の59,215百万円となりました。番組提供のスポンサーから得られるタイム収入のうち、系列局を通じた全国放送(ネット部門)は、10月以降の番組編成の改編によりアニメ番組が減少するなどベースダウンとなったことに加え、PTセールスと呼ばれる単発型の広告出稿が振るわなかったため減収となりましたが、首都圏放送(ローカル部門)においてミニ番組のセールスが好調に推移するなどベースアップに成功しました。これにより、ネットとローカルを合わせたレギュラー全体では前年並みの収入となりました。レギュラー以外の特別番組(特番)部門においては、「世界卓球」や「テレ東音楽祭」、年末セールスなどが好調に推移したものの、昨年の「東京オリンピック」及び「東京パラリンピック」の影響が大きく、減収となりました。この結果、タイム収入全体では7.8%減の33,038百万円となりました。スポット収入は、円安・原材料高騰などの影響を受け『自動車・関連品』『食品』『化粧品・トイレタリー』などの広告主からの出稿が不調でした。さらに、個人視聴率の低下傾向が重しとなり、東京地区の広告市場は前年同期比マイナス3.7%と厳しい状況でした。プラス要因として、好調なヒューマンリソース系やスタートアップ企業への営業活動による出稿増加や、夏頃にはコロナによる行動制限もなくなったことから『交通・レジャー』に動きがみられたこと、前年「東京オリンピック」によってスポットが減少したことの反動増などもありましたが、スポット収入は1.7%減の21,312百万円となりました。地方放送局などへの番組販売では、コンテンツの再評価と積極的なプロモーションが奏功し、当社のレギュラー番組売上のベースアップに成功しました。また、前年同期に東京オリンピック・パラリンピックを編成した地方放送局が今期は通常編成に戻したことで高まった当社番組へのニーズを的確にとらえることが出来ました。番組別では「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」「タクシー運転手さん 一番うまい店に連れてって!」などが売上を伸ばし、また、特番セールスも好調に推移しました。以上の結果、番組販売収入は4.0%増の3,311百万円となりました。コストの面では、番組制作費を中心に費用が減少しました。前年同期に開催された東京オリンピック・パラリンピック制作費の反動減が主な要因です。この結果、放送事業の費用は5.7%減の47,271百万円となりました。前年同期比では売上、費用の双方とも減少しましたが、コロナの沈静化につれて事業活動が正常化しつつあり、費用減少の影響は薄まりました。以上の結果、放送事業の利益は1.0%減の11,944百万円となりました。②ライツ事業(アニメ、配信ビジネス、イベントなど)㈱テレビ東京が持つコンテンツを活用し、放送による広告以外に収入を上げている事業を「ライツ事業」と呼んでいます。海外向けの番組販売、ゲーム化による権利、㈱日本経済新聞社や㈱TBSホールディングスなどと合弁で設立した㈱プレミアム・プラットフォーム・ジャパン(PPJ)が運営する「Paravi」などインターネットを通じた課金型配信プラットフォーム、広告付き動画配信プラットフォーム向けのコンテンツ供給、イベントなどから得られる収入を指しています。当第3四半期のライツ事業収入(売上高)の合計は25.6%増の24,018百万円となりました。この主軸であるアニメ部門は、BLEACHの新シリーズが、中国や欧米での配信が好調となったほか、全世界でのゲーム化権や欧米での商品化により売上を伸ばしました。また、北米におけるNARUTOの商品化権許諾、中国企業に対する配信など海外展開が好調に推移したことに加え、遊戯王シリーズのSNSゲームが国内、海外とも好調となりました。この結果、アニメ部門全体の収入は25.2%増の15,437百万円になりました。ドラマやドキュメンタリーなどの放送番組や放送以外の独自コンテンツを課金プラットフォームなどに販売する配信ビジネス部門は、国内配信権販売において、「孤独のグルメ SEASON10」等の新作ドラマが好調だったほか、Paraviでの見逃し配信の増加や過去作品の配信プラットフォームへの販売が好調となりました。さらにテレ東BIZの会員数も順調に伸びて売上に貢献しました。映画は「劇場版 きのう何食べた?」や「おそ松さん」「死刑にいたる病」の収益化により増収となりました。この結果、配信ビジネス収入は24.9%増の7,466百万円となりました。イベント部門については、フィギュアスケートの国際大会として「ジャパンオープン」を3年ぶりに実施したほか、新規の食フェス「食べ東グルメパーク」や放送15周年を記念した「モヤさまドイヒー展」など、放送と連動したオフラインでのイベントを積極的に開催しました。この結果、イベント収入は37.4%増の1,114百万円となりました。ライツ事業の全体の費用は増加しております。これは積極的な広告宣伝活動や、配信コストの増加などによるものです。結果として、売上増が費用増を上回ったことで、ライツ事業の利益は29.5%増の10,110百万円となりました。③その他費用(共通・間接費)放送事業、ライツ事業に共通する人件費や販管費などの共通・間接費は、全社を挙げて「全コンテンツ・全配信」を推し進めたことや、新型コロナ対策を進めたこともあり、8.1%増の15,797百万円となりました。
以上を総合すると、放送事業とライツ事業を併せた地上波放送事業(㈱テレビ東京単体)の決算は、売上高で2.4%増の83,234百万円となりました。また、両事業の利益合計から共通・間接費を差し引いた営業利益は19.2%増の6,257百万円、経常利益は36.2%増の9,365百万円、税引前四半期純利益は36.4%増の9,337百万円となっております。
※前期まで「共通・間接費」に含まれていた費用の一部を、当期より実態に合わせて事業別の費用に振り分けて計上しており、前年同期についても組み替えております。
[放送周辺事業]放送周辺事業は㈱テレビ東京ホールディングス及び㈱テレビ東京の子会社のうち、テレビ通販やEC事業、音楽出版、CS有料放送チャンネル、番組制作・販売や放送運営などを手掛ける会社で構成されております。通信販売関連は、主力の「テレビ東京ショッピング」、「虎ノ門市場」で減収となりました。行動制限解除に伴うコロナ特需の反動減が顕著になりました。また、天候不順の影響もあり季節商品の売上も不調でした。これにより㈱テレビ東京ダイレクトの売上高は前年同期比5.7%減の8,867百万円となりました。音楽出版関連は、「新世紀エヴァンゲリオン」「牙狼〈GARO〉」「SPY×FAMILY」のテーマ曲などの国内印税収入が売上に貢献するとともに、ヨーロッパ地域、北米地域での「NARUTO」「FAIRY TAIL」「ワンパンマン」等のアニメ関連のBGMや一般楽曲等の海外印税収入が好調に推移しました。これにより㈱テレビ東京ミュージックの売上は前年同期比11.4%増の2,624百万円となりました。CS放送アニメ専門チャンネル「AT-X」を手掛ける㈱エー・ティー・エックスでは、前年好調だったライツ売上は、引き続き「東京リベンジャーズ」「Re:ゼロから始める異世界生活」「オーバーロード」などが好調に推移しましたが、全体では前年同期の水準まで届きませんでした。また、「AT-X」の加入者数の減少傾向は緩やかになりつつも依然として前年と比較すると減少しているため、放送売上も減収となりました。これにより同社の売上高は前年同期比5.1%減の2,556百万円となりました。番組制作関連は、新規のドラマ制作や番組制作、イベント受注等が増加したことにより増収となりました。以上の結果、放送周辺事業全体の売上高は3.7%増の28,610百万円、営業利益は15.8%減の2,304百万円となりました。
[BS放送事業]BS放送事業は㈱BSテレビ東京が手掛ける事業を指しております。①放送事業(BS放送)放送収入のうちタイム収入は、単発通販のセールスや年末年始の特番セールスが好調となり売上を伸ばしましたが、好調だった前年同期を超えることは出来ませんでした。スポット収入に関しても、10月から12月は通販スポンサーだけではなく一般スポンサーのセールスが好調となるなど、良い兆候も見られましたが、第2四半期までの減収をカバーすることは出来ませんでした。以上の結果、放送収入は前年同期を下回りました。②ライツ事業(コンテンツ、イベント他)ライツ事業では、ドラマ等オリジナル番組の配信プラットフォームなどへの番組販売や映画事業が堅調でした。③営業費用営業費用は、ライツ事業の好調に伴う費用の増加や、番組改編によりレギュラー制作費が増加したことなどから、前年同期比3.6%増の11,058百万円となりました。
以上の結果、BS放送事業(㈱BSテレビ東京)の売上高は1.3%減の12,771百万円、営業利益は24.5%減の 1,712百万円となりました。
[コミュニケーション事業]コミュニケーション事業とは、㈱テレビ東京コミュニケーションズが手掛ける事業を指しております。YouTubeなどの動画広告事業が好調に推移したことに加えて、動画配信運用におけるリアルタイム配信対応等により受託売上が増加し、前年同期を上回りました。また、経済コンテンツの配分収入の増加、システム開発受託事業も増収となりました。以上の結果、コミュニケーション事業の売上高は7.4%増の3,697百万円、営業利益は11.7%増の309百万円となりました。
(2) 財政状態の分析
(資産)流動資産は82,457百万円、前連結会計年度末に比べて2,232百万円増加しております。主に、現金及び預金が2,139百万円減少した一方で、商品、未収還付法人税等、その他がそれぞれ、892百万円、2,066百万円、1,688百万円増加したことによるものです。固定資産は53,086百万円、前連結会計年度末に比べて765百万円減少しております。有形固定資産が1,257百万円減少した一方で、無形固定資産ののれんが413百万円増加したことが主な要因です。
(負債)流動負債は37,577百万円、前連結会計年度末に比べて2,259百万円減少しております。主に、未払費用が1,385百万円増加した一方で、賞与引当金、未払法人税等、その他がそれぞれ、1,261百万円、1,158百万円、1,786百万円減少したことによるものです。固定負債は5,391百万円、前連結会計年度末に比べて988百万円増加しております。主に、長期借入金が742百万円増加したことが主な要因です。
(純資産)純資産は92,575百万円、前連結会計年度末に比べて2,738百万円増加しております。主に利益剰余金が3,719百万円増加した一方で、資本剰余金、その他有価証券評価差額金がそれぞれ、428百万円、584百万円減少したことによるものです。
(3) 研究開発活動当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は137百万円であります。なお、当第3四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
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