【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日(2022年9月30日)現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであるが、予測しえない経済状況の変化等さまざまな要因があるため、その結果について、当社が保証するものではない。
(1) 財政状態の状況当社グループの資産合計は、受取手形・完成工事未収入金等が減少したものの現金預金や建設仮勘定の増加などにより、前連結会計年度末に比べ69億円増加し、4,742億円となった。負債合計は、工事未払金等が減少したものの借入金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ74億円増加し、3,149億円となった。なお、有利子負債残高については、前連結会計年度末に比べ181億円増加し、1,106億円となった。純資産合計は、配当金の支払による利益剰余金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ5億円減少し、1,593億円となった。
(2) 経営成績の状況
①事業全体の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の長期化に、ロシアのウクライナ侵略、世界的な物価高騰などが加わり、先行き不透明な状況が続いている。一方、わが国をはじめ世界の主要国では行動規制が緩和され、経済の再生・成長に舵が切られ、景気に持ち直しの動きが見られた。なおも、欧米の金利引き上げなどの影響による急激な円安の進行や各種物価高騰などにより、わが国経済は引き続き先行き不透明な状況が続くものと見込まれる。 建設業においても、燃料やエネルギー、建設資材の高騰など、工事原価の上昇に直面している。しかしながら、政府は現下の経済情勢に対応するため物価高騰に対する「総合経済対策」として、大型補正予算が編成される見込みである。これにより国内の公共投資は底堅く高水準で推移する見込みであり、民間設備投資も堅調な企業業績などを背景に持ち直しが期待される。こうした中、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高2,277億円(前年同四半期比8.3%増)、営業利益67億円(同43.6%減)、経常利益70億円(同39.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益48億円(同42.7%減)となった。売上高は、国内および海外にて大型工事が進捗したことにより前年同四半期に比べ175億円の増加となった。その一方で、国内土木と海外において売上総利益が減少したことにより、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する四半期純利益は、いずれも大きく減益となった。
②セグメント情報に記載された区分ごとの状況(セグメント利益は四半期連結損益計算書の営業利益ベース)(国内土木事業)売上高は866億円と前年同四半期比2.4%の増加となったが、前年同期に高採算工事が完成した影響により利益率が低下したこと、船舶の稼働が低下したことなどにより、セグメント利益は55億円と同40.1%の減少となった。当社個別の受注高については、国内最大規模となる大型港湾工事などの受注により、前年同四半期より491億円増加し、1,286億円となった。(国内建築事業) 売上高は728億円と前年同四半期比10.8%増加し、増収に伴いセグメント利益は10億円と同255.1%の増加となった。 当社個別の受注高については、国内最大規模となる再開発事業などの受注により、前年同四半期より461億円増加し、1,215億円となった。
(海外建設事業)売上高は643億円と前年同四半期比15.0%増加したが、為替の影響に加え、燃料や資材、労務費の高騰により工事原価が増加したこと、および船舶の稼働が低下した影響でセグメント損失は1億円(前年同四半期は20億円のセグメント利益)となった。当社個別の受注高については、シンガポールで大型建築工事を受注したことにより、前年同四半期より770億円増加し、871億円となった。(その他)売上高は40億円と前年同四半期比1.4%増加し、セグメント利益は2億円と同49.3%の減少となった。
(3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益が69億円となったものの、仕入債務の減少などにより、39億円の支出超過(前年同四半期は21億円の支出超過)となった。投資活動によるキャッシュ・フローは、橋梁や洋上風力関連の仮設鋼構造物等の製作を行う室蘭製作所新工場の建設や作業船の維持更新等の設備投資などにより、80億円の支出超過(前年同四半期は43億円の支出超過)となった。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の増加などにより、103億円の収入超過(前年同四半期は26億円の収入超過)となった。これらにより、当第2四半期連結会計期間末における「現金及び現金同等物」は前連結会計年度末に比べ、24億円増加し、459億円となった。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更および新たに生じた課題はない。
(5) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間における研究開発費は、12億円であった。
なお、当第2四半期連結累計期間において、研究開発活動に重要な変更はない。