【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年9月30日まで) は、ウクライナ戦争の長期化に伴うエネルギー資源や物流コストの高止まり、円安進行、世界的な物価の高止まり等に加え、夏場は猛暑、秋口は逆に気温の高止まり等、依然として経営圧迫要因の多い経営環境が続きました。
当社グループにおいても、新型コロナウイルス感染症の5類への移行やインバウンドの復活等もあり、実店舗には一部客足は戻りつつありましたが、猛暑に伴う一部外出自粛の動きや、秋口の気温の高止まりによる秋冬物の立ち上がりに苦戦する等により、全般的に売上にブレーキがかかる結果となりました。損益についても、対米ドル為替レートが7月中旬に一旦1ドル140円を切ったものの、その後再び1ドル150円目前まで円安が進行したことや、原材料価格の高騰、売上不振に伴う値引き販売比率の上昇等により原価率は再び悪化し、損益を直撃しました。
事業別では、アパレル事業は、円安に伴い海外売上は着実に伸びている一方で、国内では、新型コロナウイルス感染症収束に伴い各地で様々なイベントが復活したものの、今年は例年以上の猛暑や、その後の秋口の気温の高止まりに翻弄されました。7月・8月は特に実店舗を持つナラカミーチェジャパン株式会社は、年齢層の高いお客様を中心に外出自粛が広がり、9月は気温が高止まりしたことで秋冬物の立ち上げに苦戦し売上は伸び悩みました。損益についても、引き続き物流費や仕入単価の高騰、円安等の損益圧迫要因のために減益となりました。
ジュエリー事業は、引き続き競合環境は厳しく、又、原材料価格高騰に伴い再び販売価格の引き上げを余儀なくされたこと等から、特に5月から7月までは客数が伸び悩んで受注は苦戦し、損益も円安やプラチナ等の原材料価格高騰分を値上げ分がカバーし切れずに減益となりました。
トイ事業は、国内メーカーからの注文も順調に入り、売上は堅調に推移し現地会計基準ベースでの営業損益は黒字でしたが、急激に円安が進行したことに伴う為替差損の計上により、営業損益は赤字となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上収益は2,247百万円(前年同四半期比14.1%減少)、営業損失は224百万円(前年同四半期は営業損失40百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は263百万円(前年同四半期は親会社の所有者に帰属する四半期損失52百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次の通りであります。
(アパレル事業)
アパレル事業は、EC専業の当社及び実店舗とEC店舗を有する連結子会社であるナラカミーチェジャパン株式会社が担っている事業です。
当社は、引き続き販売価格の見直しやキャリー品の計画的消化、仕入の適正化等を進め、収益構造の改善を徹底してまいりましたが、当第2四半期連結累計期間は、不採算店舗の縮小の過程での減収分を主力強化店舗での増収分でカバーすることが出来なかったことに加え、秋口の気温の高止まりにより秋冬物商品の立ち上げに苦戦し、前年同期比減収減益となりました。
ナラカミーチェジャパン株式会社については、新型コロナ感染症収束やインバウンド復活等で全体的には実店舗に客足が戻り、前年同期比増収とはなりましたが、夏場は猛暑により年齢層の高いお客様を中心に外出自粛が広がり、売上頭打ちの要因となりました。損益については、引き続き物流費高騰や円安、商品原価値上げに加え、セール期の値引き販売比率の上昇等で粗利率が悪化し、減益を余儀なくされました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のアパレル事業の売上収益は1,379百万円(前年同四半期比8.7%減)、営業損失112百万円(前年同四半期は営業利益31百万円)となりました。
(ジュエリー事業)
ジュエリー事業は、連結子会社である株式会社トレセンテが行っている事業であり、主に婚約指輪・結婚指輪等のブライダルジュエリーを中心とする宝飾品の受注販売を行っております。ジュエリー事業は、引き続き競合環境が厳しく、当第2四半期連結累計期間の売上に繋がる5月~7月の受注が落ち込み苦戦しました。販売単価の引き上げにより客単価は上昇したものの客数が伸び悩み、ホームページのビジュアル刷新やプロモーション等による集客施策の強化ではカバーしきれず、同連結累計期間 は前年同期比減収となりました。また、損益については、プラチナ等の原材料価格高騰や円安等が原価を圧迫し、販売価格引き上げでは吸収しきれずに前年同期比減益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のジュエリー事業の売上収益は419百万円(前年同四半期比5.0%減)、営業損失48百万円(前年同四半期は営業損失25百万円)となりました。
(トイ事業)
トイ事業は、当社及び香港と中国の連結子会社が行っている事業であり、国内玩具メーカーや小売店に玩具や雑
貨を卸しております。業界全体では、引き続き少子化や消費者ニーズの多様化、中華圏における人件費高騰等の課題は抱えているものの、当第2四半期連結累計期間は国内メーカーからの注文も順調に入り、売上は堅調に推移し現地会計基準ベースでの営業損益は黒字でしたが、急激に円安が進行したことに伴う為替差損の計上により、営業損益は赤字となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のトイ事業の売上収益は448百万円(前年同四半期比32.5%減)、営業損失2百万円(前年同四半期は営業利益7百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて186百万円減少し、2,393百万円となりました。この主な要因は営業債権及びその他の債権が79百万円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における非流動資産は、前連結会計年度末に比べて41百万円減少し、459百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が46百万円減少したこと等によるものであります。
② 負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて59百万円増加し、2,263百万円となりました。この主な要因は、営業債務及びその他の債務が42百万円増加したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における非流動負債は、前連結会計年度末に比べて96百万円減少し、508百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が102百万円減少したこと等によるものであります。
③ 資本
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて190百万円減少し81百万円となりました。この主な要因は資本金が21百万円、資本剰余金が21百万円それぞれ増加したものの、四半期包括利益を△233百万円計上したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて7百万円減少し、782百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、63百万円(前年同四半期使用した資金は34百万円)となりました。
これは主に、税引前四半期損失を265百万円計上したものの、売上債権が104百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、2百万円(前年同四半期比4百万円減少)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出が2百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、75百万円(前年同四半期比284百万円減少)となりました。
これは主に、株式発行による収入が38百万円あったものの、リース負債の返済による支出が69百万円あったこと等によるものであります。