【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間(2023年4月1日から2023年6月30日まで)は、新型コロナウイルス感染症は5月から感染症法上の位置づけが変わり、その影響は縮小しつつありますが、ウクライナ情勢の長期化に伴うエネルギー資源や原材料価格の高騰、一向に歯止めがかからない円安、世界的な物価高騰など、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループにおいても、実店舗には一部客足は戻り始め、店舗売上が全体の売上の復調のきっかけを作ってはいるものの、国内外の物価高騰により引き続き消費マインドは冷え込んでおり、又、原価率を高止まりさせる損益圧迫要因が多く、全般的には厳しい経営環境となりました。
事業別では、アパレル事業は、新型コロナウイルス感染症の収束に伴い、今年は全国各地で様々なイベントが復活しつつあることなどから、浴衣などのイベント関連アイテムは復調の兆しはあり、又、円安に伴い海外売上は着実に伸びてきている一方で、国内では昨年来の急激な物価高に伴う消費マインドの冷え込み傾向は大きくは変わっていないことなどから、引き続き売上・損益ともに苦戦致しました。ナラカミーチェジャパン株式会社は、実店舗には客足は戻りつつありますが、引き続き物流費や仕入単価の高騰、円安などの損益圧迫要因のために減益となりました。
ジュエリー事業は、引き続き競合環境は厳しさを増しており、原材料単価の上昇にも翻弄されましたが、昨年来の段階的販売単価引き上げやカウンセリング接客力の向上などにより、客単価上昇が客数の伸び悩み分をカバー出来たことなどから増収となり、営業損益も改善致しました。
トイ事業は、引き続き国内小売りの不振などから売上は伸び悩み、損益はこれに加え急激な為替変動もあり減益に終わりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上収益は1,158百万円(前年同四半期比8.8%減少)、営業損失は66百万円(前年同四半期は営業損失8百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は81百万円(前年同四半期は親会社の所有者に帰属する四半期損失18百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次の通りであります。
(アパレル事業)
アパレル事業は、EC専業の当社及び実店舗とEC店舗を有する連結子会社であるナラカミーチェジャパン株式会社が担っている事業です。
当社は、引き続き販売価格の見直しやキャリー品の計画的消化、仕入の適正化などを進め、収益構造の改善を徹底してまいりましたが、当第1四半期連結累計期間は、不採算店舗の縮小の過程で、その減収分を自社サイトなどの主力強化店舗での増収分でカバーすることが出来ず、全体の売上水準を落としたため、粗利率は若干改善したものの営業損益は減益となりました。
ナラカミーチェジャパン株式会社については、全体的には実店舗に客足が戻りつつあり、6月に実施したプレセールが好調だったことなどから増収となりましたが、引き続きウクライナ情勢悪化による物流費高騰や円安、輸入元による値上げなどにより、原価率が昨年来高止まりしており、前年同四半期比増収は達成したものの、営業損益は減益を余儀なくされました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のアパレル事業の売上収益は706百万円(前年同四半期比8.4%減)、営業損失4百万円(前年同四半期は営業利益57百万円)となりました。
(ジュエリー事業)
ジュエリー事業は、連結子会社である株式会社トレセンテが行っている事業であり、主に婚約指輪・結婚指輪等のブライダルジュエリーを中心とする宝飾品の受注販売を行っております。ジュエリー事業は、昨年は年明けから発令されたまん延防止等重点措置が1月下旬以降の受注売上を直撃し、前第1四半期連結累計期間の売上は大きく伸び悩みましたが、当第1四半期連結累計期間は引き続き競合環境は悪化しながらも、昨年来の販売単価引き上げ及びカウンセリング接客力向上などにより、客単価上昇が客数の伸び悩みをカバーする形で増収となり、営業損益も改善致しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のジュエリー事業の売上収益は211百万円(前年同四半期比1.1%増)、営業損失27百万円(前年同四半期は営業損失30百万円)となりました。
(トイ事業)
トイ事業は、当社及び香港と中国の連結子会社が行っている事業であり、国内玩具メーカーや小売店に玩具や雑
貨を卸しております。引き続き新型コロナウイルス感染症の影響に加え、依然として少子化や消費者ニーズの多様化、中華圏における人件費高騰などの課題も抱えており、当第1四半期連結累計期間は前年同四半期の売上水準を確保出来ず、また、急激な為替変動などの影響により営業損益も減益となりました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間のトイ事業の売上収益は240百万円(前年同四半期比16.8%減)、営業損失2百万円(前年同四半期は営業利益0百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産
当第1四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて95百万円減少し、2,484百万円となりました。この主な要因は営業債権及びその他の債権が51百万円減少したこと等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における非流動資産は、前連結会計年度末に比べて14百万円減少し、486百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が15百万円減少したこと等によるものであります。
② 負債
当第1四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて46百万円減少し、2,158百万円となりました。この主な要因は、営業債務及びその他の債務が40百万円減少したこと等によるものであります。
当第1四半期連結会計期間末における非流動負債は、前連結会計年度末に比べて40百万円減少し、564百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が47百万円減少したこと等によるものであります。
③ 資本
当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて23百万円減少し248百万円となりました。この主な要因は資本金が19百万円、資本剰余金が19百万円それぞれ増加したものの、四半期包括利益を△61百万円計上したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第1四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて23百万円増加し、813百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は、41百万円(前年同四半期比27百万円増加)となりました。
これは主に、税引前四半期損失を82百万円計上したものの、売上債権が46百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、1百万円(前年同四半期は0百万円の資金獲得)となりました。
これは主に、無形資産の取得による支出が1百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、21百万円(前年同四半期比298百万円減少)となりました。
これは主に、リース負債の返済による支出が34百万円あったこと等によるものであります。