【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間(2022年4月1日から2022年9月30日まで)は、年明けに発生した新型コロナウイルス感染第6波が6月にようやく落ち着いた後、3年ぶりの行動制限のない夏休みに、帰省や旅行などで人の移動が活発化したことなどで第7波が発生、お盆明けには国内新規感染者数が過去最大の26万人を超えました。実店舗への客足については第1四半期からの回復基調は変わらなかったものの、この新規感染者急増により、7月下旬から1ヶ月程度は一時的な影響を少なからず受けることとなりました。又、昨年来懸案のドル円相場は、3月の120円台突入後は6月に130円台が定着し、その後も円安傾向は加速、9月末には145円目前まで円安が進み、今後更なる仕入価格の上昇が懸念されます。
このような環境下、アパレル事業は、長引くウクライナ情勢悪化などで物流コストは高止まりし、また、9月の気温が例年に比べ暖かく推移したため、秋冬物の立ち上がりは若干苦戦しましたが、第1四半期に実施済の価格改定が着実に粗利率の底支えとなり、引き続き実店舗が売上を牽引したため、営業黒字を確保することができました。
ジュエリー事業は、婚姻件数はようやく下げ止まったものの、コロナ禍前の水準には戻り切らない中、同業他社との競争は更に激化しましたが、コンテンツ拡充の集客施策などにより増収を達成しました。損益については、円安などによる原材料価格高騰の影響もあり、前年同期比減益となりました。
トイ事業は、コロナ禍に加えて 少子化・円安等の厳しい経営環境の中で、グループ内の新事業に伴う受注増加により、増収増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間の経営成績につきましては、売上収益は2,616百万円(前年同四半期比11.8%増加)、営業損失は40百万円(前年同四半期は営業損失84百万円)、親会社の所有者に帰属する四半期損失は52百万円(前年同四半期は親会社の所有者に帰属する四半期損失104百万円)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。なお、第1四半期連結会計期間より、各セグメントの業績をより適切に評価するために、全社費用の配賦方法を変更し、合理的な基準に基づき各報告セグメントへ配賦しております。下記につきましては、当該変更を反映した数値にて記載しております。
(アパレル事業)
アパレル事業は、当社及び連結子会社であるナラカミーチェジャパン株式会社が行っている事業です。当社は、過剰仕入による過剰在庫とその後の投げ売りという、損益悪化の主因となっていた過去の悪循環を断ち切り、期初より、仕入の適正化に努め、又、キャリー品消化についても割引率を計画的に徐々に引き上げる施策などにより、前年同期比粗利率を改善させながら販売数の増加も同時に実現しました。9月は例年より気温が高止まりしたため秋冬物の立ち上がりは若干苦戦しましたが、ブーツなどの売れ筋商品は値上げしたにも拘わらず順調な売れ行きで、期間を通してプロパー比率を引き上げながら前年同期比損益を大幅に改善しました。
ナラカミーチェジャパン株式会社については、期初より実店舗への客足は徐々に戻り始めており、店舗売上は期間を通して前年同期比増収を実現しました。しかしながら一方で、相対的に原価率の低いキャリー品の割引販売に頼って売上を作ってきたEC部門は、昨年から全体の在庫消化が進んだことで売上が計画通り作れなくなり、更に、今期品の在庫も比較的好調な実店舗に寄せられたことで更に苦戦を強いられました。9月からは、システム改修により実店舗とECの在庫連携が可能となり、EC部門は過去のキャリー品に頼らずに売上を作れるよう、本来のEC独自の販促に本格的に取り組み始めております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のアパレル事業の売上収益は1,509百万円(前年同四半期比0.5%減)、営業利益31百万円(前年同四半期は営業損失13百万円)となりました。
(ジュエリー事業)
ジュエリー事業は、連結子会社である株式会社トレセンテが行っている事業であり、主に婚約指輪・結婚指輪等のブライダルジュエリーを中心とする宝飾品の受注販売を行っております。第1四半期は、年明けに発出された、まん延防止等重点措置により、4~5月の売上収益に直結する前第4四半期の受注売上が落ち込んだことに伴い苦戦しました。3月のまん延防止等重点措置解除により3月以降の受注売上が回復したため、6月から売上収益は徐々に回復し始め、自社メディアでのコンテンツ拡充に重点を置いた集客施策に注力したことなどにより、第2四半期は前年同期比増収となりました。損益については、円安やウクライナ情勢悪化に伴う原材料価格高騰分を、計画的な値上げにより吸収しきれずに、前年同期比減益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のジュエリー事業の売上収益は441百万円(前年同四半期比4.9%増)、営業損失25百万円(前年同四半期は営業損失4百万円)となりました。
(トイ事業)
トイ事業は、国内需要が徐々に回復してきていることや、グループ内の新事業に伴う受注も増えたことにより、増収増益となりました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のトイ事業の売上収益は665百万円(前年同四半期比65.2%増)、営業利益7百万円(前年同四半期は営業損失2百万円)となりました。
(その他)
その他の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、物流管理業務、EC事業推進支援等のコンサルティング業務を行っております。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響により経営資源をアパレル事業に集中させたため、コンサルティング事業を一時的に休止しております。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間のその他の売上収益は-百万円(前年同四半期は-百万円)、営業利益は-百万円(前年同四半期は営業利益1百万円)となりました。
(2)財政状態の分析
① 資産
当第2四半期連結会計期間末における流動資産は、前連結会計年度末に比べて196百万円減少し、2,648百万円となりました。この主な要因は現金及び預金が395百万円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における非流動資産は、前連結会計年度末に比べて154百万円増加し、553百万円となりました。この主な要因は、有形固定資産が162百万円増加したこと等によるものであります。
② 負債
当第2四半期連結会計期間末における流動負債は、前連結会計年度末に比べて116百万円減少し、2,168百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が238百万円減少したこと等によるものであります。
当第2四半期連結会計期間末における非流動負債は、前連結会計年度末に比べて42百万円増加し、729百万円となりました。この主な要因は、有利子負債が39百万円増加したこと等によるものであります。
③ 資本
当第2四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて32百万円増加し303百万円となりました。この主な要因は四半期包括利益を△20百万円計上したものの、資本金が26百万円、資本剰余金が26百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末に比べて401百万円減少し、691百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、34百万円(前年同四半期比13百万円減少)となりました。
これは主に、仕入債務が204百万円増加したものの、棚卸資産が155百万円、売上債権が88百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、7百万円(前年同四半期比16百万円減少)となりました。
これは主に、差入保証金の回収による収入が5百万円あったものの、無形資産の取得による支出が5百万円、有形固定資産の取得による支出が4百万円あったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、360百万円(前年同四半期比28百万円増加)となりました。
これは主に、株式の発行による収入が48百万円あったものの、短期借入金の純減額が270百万円あったこと等によるものであります。