【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による行動制限が解除され、経済活動の正常化が進む中において、9月の日銀短観にて発表された業況判断指数(DI)は、大企業製造業においては部材供給制約の緩和などを受けて2四半期連続で改善しました。大企業非製造業においてもインバウンド需要等を背景に宿泊・飲食サービスが回復したほか、消費関連業種の景況感は改善を見せております。先行きの経済は、設備投資、サービス分野のリバウンド需要を中心に緩やかな回復が続く見通しですが、ウクライナ情勢の長期化に起因した原材料価格の高止まりやエネルギー価格の高騰、円安ドル高による輸入インフレの長期化により下振れするリスクも含んでおります。一方、世界経済は、米国では雇用情勢が好調に推移する中において9月の米国供給管理協会(ISM)景況感指数は製造業においては部材のリードタイムの改善など供給制約は緩和しているものの、巣ごもり需要の終息や金融引き締めなどを受けた財需要の低迷を反映し、企業マインドは低迷する一方、非製造業は底堅さを維持しております。中国では不動産開発投資やインフラ投資の低迷などが重しとなり、景気は減速傾向にあります。先行きは米国においては金融環境の引き締めが、製造業を中心に下押しするものの、良好な雇用情勢や実質賃金の上昇が個人消費の下支えとなることで、プラス成長を維持すると予測され、中国においては景気失速を回避するため、さらなる政策金利の引き下げ、不動産購入の規制緩和などを実施する見込みですが、その効果は限定的にとどまると予測されます。証券市場においては、取引所株価指数証拠金取引(くりっく株365)は、割安株を中心に買いが集まり堅調な推移となりました。その後も新型コロナウイルスの第5類移行に伴い需要拡大期待が材料となり上昇、海外投資家の買い意欲の高まりも株価を押し上げました。6月に入ると、米国の債務上限問題が決着して投資家心理が改善したことや、日銀金融政策決定会合で金融緩和の維持を決めたことから円安ドル高が進行して輸出関連株を中心に上昇、約33年ぶりに33,000円台を回復しました。7月は修正場面から一時32,000円を割り込みましたが、円安ドル高を背景に反発場面となりました。8月に入ると、米国の追加利上げ警戒感や、中国の軟調な経済指標が圧迫要因となり31,000円台前半となり、後半は米国での金融引き締め警戒感が後退したことから9月前半にかけて値を戻し、再び33,000円台を回復しました。しかし上値の重い展開から利益確定の売りが誘われ、32,000円を割り込んで取引を終えました。商品市場においては、原油は石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなど非加盟産油国でつくるOPECプラスが、昨年10月に合意した日量200万バレルの協調減産維持を再確認したほか、サウジアラビアなど8ヶ国が自主的な生産削減を明らかにしたことからNY原油が急伸、国内市場も67,000円台後半まで上昇しました。その後は米国で金融システムを巡る不安を背景にエネルギー需要減退懸念が強まり、5月の祝日取引中には57,000円台を割り込むなど値動きの荒い展開となりました。6月に入ると、OPECプラスが現行の協調減産の枠組みを2024年末まで延長することで合意し、さらにサウジアラビアが単独で追加減産を表明したことなどから65,000円台を回復、7月にはロシアも原油輸出の削減を表明したことなどを背景に70,000円台に至りました。その後は中国主要経済指標が弱めの内容となったことや、米国で堅調な内容の経済指標の発表が続き、利上げ長期化による需要の減退懸念から保ち合いとなりましたが、9月に入るとサウジアラビアが自主減産を12月末まで3ヶ月延長すると発表、ロシアも原油輸出の削減を年末まで延長すると表明したことから80,000円台まで上昇しました。金はインフレ懸念を背景にNY金市場が2,000ドル台へ到達、国内市場も追随して上昇し、8,870円に至りました。5月に入ると、米国雇用統計で失業率が改善、非農業部門就業者数も市場予想を上回るなど労働市場の根強さを示唆したことから、利上げ観測が台頭して NY金市場は2,000ドルを割り込みましたが、円安ドル高基調が下支えとなり高値圏での推移となりました。その後、6月の米国連邦公開市場委員会(FOMC)では11会合ぶりに政策金利を据え置いたために金市場には買いが入り、国内市場は一時8,900円台に至りました。7月に入り、NY金市場は堅調に推移したものの、急激な円高ドル安を背景に一時8,700円を割り込みましたが、月末には日銀の臨時オペにより円安ドル高が進み、8月初めには9,000円台の高値となりました。その後は修正場面を経て再度上昇、9月のFOMCでは予想通り政策金利が据え置かれたことや、欧州中央銀行(ECB)の利上げ打ち止め観測を背景に9,233円と過去最高値を更新しました。トウモロコシは3月末に米国農務省より発表された作付け意向面積と四半期在庫共に事前予想通りとなったことから相場への影響は軽微なものとなり、42,000円を挟んだ小動きとなりました。6月に入り、米国の穀物地帯で作付けが順調に進んでいたことや、ブラジルで生産高が過去最高になるとの見方で売り圧力が強まり急落、一時40,000円を割り込みました。しかし、米国で2011年以来の観測となる熱波が到来し穀物の生育にダメージを与えるとの見方から急伸、46,770円の高値を付けました。7月に入ると一転、降雨予報を受けて38,000円台前半まで急落する天候相場特有の動きとなりました。その後は修正場面から40,000円台を回復しましたが、授粉期を終えて材料難の中、狭いレンジの動きに終始しました。為替市場においては、植田日銀総裁が就任後初の記者会見で、現行の緩和政策を当面維持する方針を示したことから、日米の金融政策の方向性の違いが意識され、円安ドル高基調となりました。その後も米国長期金利が上昇したことから日米金利差の拡大を意識した円売り・ドル買いが優勢となり円安ドル高が進行、6月のFOMCでは、市場予想通り政策金利は据え置かれましたが、年内にあと2回の利上げが示唆されたことや、日銀金融政策決定会合で金融政策が据え置かれたことから、月末には145円台まで円安ドル高が進行しました。7月に入ると、米国での経済指標がインフレ率の鈍化を示した為、利上げ打ち止め観測が広がり、一時137円台前半へとドルが急落しました。その後は修正場面に入り140円台を回復、堅調な米経済指標を背景として徐々に円安ドル高が進行し、9月のFOMCでは、政策金利を据え置いた一方で来年の金利見通しを引き上げたことから、150円の大台を試す展開となりました。当第2四半期連結会計期間の資産総額は80,422百万円、負債総額は69,052百万円、純資産は11,370百万円となっております。当第2四半期連結会計期間の資産総額80,422百万円は、前連結会計年度末70,773百万円に比べて9,649百万円増加しております。この内訳は、流動資産が8,225百万円、固定資産が1,424百万円それぞれ増加したものであり、主に「保管有価証券」が5,307百万円、「委託者先物取引差金」が1,978百万円、流動資産の「その他」が1,169百万円及び投資その他の資産の「その他」が1,450百万円増加したことによるものであります。なお、流動資産の「その他」の主な内訳は、未収先物取引差金(受託)1,153百万円、投資その他の資産の「その他」の主な内訳は、投資有価証券449百万円及び長期差入保証金962百万円がそれぞれ増加となっております。当第2四半期連結会計期間の負債総額69,052百万円は、前連結会計年度末59,916百万円に比べて9,136百万円増加しております。この内訳は、流動負債が8,975百万円、固定負債が157百万円それぞれ増加したものであり、主に「預り証拠金」が2,801百万円、「預り証拠金代用有価証券」が5,307百万円及び「金融商品取引保証金」が1,365百万円増加したことによるものであります。当第2四半期連結会計期間の純資産11,370百万円は、前連結会計年度末10,857百万円に比べて513百万円増加しております。この内訳は、株主資本が222百万円増加、その他の包括利益累計額が290百万円それぞれ増加したことによるものであります。なお、当第2四半期連結会計期間の自己資本比率は14.1%(前連結会計年度末は15.3%)となっております。このような環境のもとで、当社グループの当第2四半期連結累計期間の商品デリバティブ取引の総売買高559千枚(前年同期比10.2%減)及び金融商品取引の総売買高1,494千枚(前年同期比18.4%減)となり、受入手数料3,265百万円(前年同期比0.8%増)、トレーディング損益6百万円の損失(前年同期は95百万円の損失)となりました。以上の結果、当第2四半期連結累計期間の業績は営業収益3,288百万円(前年同期比3.7%増)、純営業収益3,280百万円(前年同期比3.8%増)、経常利益817百万円(前年同期比39.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益524百万円(前年同期比54.1%増)となりました。今後の安定的な収益拡大に向け、商品デリバティブ取引、取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」及び取引所為替証拠金取引「Yutaka24」を3本柱とし、特に取引所株価指数証拠金取引「ゆたかCFD」等の金融商品取引は急成長の途にあり、引き続き大きく成長させるよう注力してまいります。また、中期経営計画に基づき、早期の東京証券取引所会員資格取得を目指し、既存の経営資源・知的財産の更なる充実を図るとともに、有価証券等取扱いのための資源配分を進め、2023年度から2025年度までを計画期間としております。なお、後記「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項の(セグメント情報等)」に掲記したとおり、当社グループの事業セグメントは、主として商品デリバティブ取引の受託及び自己売買、並びに金融商品取引の受託及び自己売買の商品デリバティブ取引業等の単一セグメントであり重要性が乏しいため、セグメント情報の記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同四半期連結累計期間に比べて9百万円の減少となり、5,093百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動による資金の使用は、505百万円(前年同期は925百万円の取得)となりました。これは、「預り証拠金」の増加及び「金融商品取引保証金」の増加による資金の収入があったものの、「委託者先物取引差金(借方)」の増加及び「その他」による資金の支出等によるものであります。「その他」の主な内訳は、未収委託者差金、長期差入保証金の増加及び未払委託者差金の減少であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動による資金の使用は、90百万円(前年同期は9百万円の取得)となりました。これは、投資有価証券の売却による収入等があったものの、有形固定資産、無形固定資産及び投資有価証券の取得による資金の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動による資金の使用は、308百万円(前年同期は911百万円の使用)となりました。これは、主に配当金の支払によるものであります。
(3) 商品デリバティブ取引業等
① 当第2四半期連結累計期間における商品デリバティブ取引業等の営業収益は次のとおりであります。
(受入手数料)(単位:千円)
区分
金額
前年同四半期増減比(%)
取引名及び市場名
商品デリバティブ取引
現物先物取引
農産物市場
2,725
△67.6
貴金属市場
2,416,851
0.3
ゴム市場
3,786
△29.1
エネルギー市場
-
△100.0
中京石油市場
187
30.5
小計
2,423,549
△0.0
現金決済先物取引
貴金属市場
25,637
△29.8
エネルギー市場
35,236
8.1
商品指数市場
85
13.3
小計
60,959
△11.9
国内市場計
2,484,509
△0.4
海外市場計
9,629
△32.0
商品デリバティブ取引計
2,494,138
△0.6
金融商品取引
取引所株価指数証拠金取引
623,812
4.7
取引所為替証拠金取引
116,977
13.9
株価指数先物取引
29,313
△5.1
証券媒介取引
343
△11.7
国内市場計
770,447
5.6
海外市場計
476
△60.8
金融商品取引計
770,924
5.4
合計
3,265,062
0.8
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(トレーディング損益)(単位:千円)
区分
金額
前年同四半期増減比(%)
取引名及び市場名
商品デリバティブ取引
現物先物取引
農産物市場
-
-
貴金属市場
△31,978
-
ゴム市場
-
△100.0
小計
△31,978
-
現金決済先物取引
貴金属市場
-
-
エネルギー市場
30,101
512.2
商品指数市場
-
-
小計
30,101
512.2
国内市場計
△1,876
-
海外市場計
-
-
商品デリバティブ取引計
△1,876
-
金融商品取引
取引所株価指数証拠金取引
△8,533
-
取引所為替証拠金取引
△3,048
-
国内市場計
△11,582
-
海外市場計
-
-
金融商品取引計
△11,582
-
商品売買損益
貴金属等現物売買取引
6,560
13.6
商品売買損益計
6,560
13.6
合計
△6,897
-
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
② 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等の売買高に関して当第2四半期連結累計期間中の状況は次のとおりであります。
(売買高の状況)(単位:枚)
区分
委託
自己
合計
取引名及び市場名
前年同四半期増減比(%)
前年同四半期増減比(%)
前年同四半期増減比(%)
商品デリバティブ取引
現物先物取引
農産物市場
2,481
△69.9
-
-
2,481
△69.9
貴金属市場
348,705
1.3
18,779
△63.1
367,484
△7.0
ゴム市場
5,731
△9.2
-
△100.0
5,731
△13.1
エネルギー市場
-
△100.0
-
-
-
△100.0
中京石油市場
426
30.7
-
-
426
30.7
小計
357,343
△0.6
18,779
△63.3
376,122
△8.4
現金決済先物取引
貴金属市場
19,859
△31.4
-
△100.0
19,859
△31.5
エネルギー市場
133,820
△1.7
1,630
10.1
135,450
△1.6
商品指数市場
17
13.3
-
-
17
13.3
小計
153,696
△6.9
1,630
8.4
155,326
△6.8
国内市場計
511,039
△2.6
20,409
△61.3
531,448
△7.9
海外市場計
27,782
△38.6
-
-
27,782
△38.6
商品デリバティブ取引計
538,821
△5.4
20,409
△61.3
559,230
△10.2
金融商品取引
取引所株価指数証拠金取引
1,206,477
△22.8
2,640
△86.6
1,209,117
△23.6
取引所為替証拠金取引等
255,384
45.2
19,402
△67.7
274,786
16.5
株価指数先物取引
5,413
△3.8
-
-
5,413
△3.8
国内市場計
1,467,274
△15.9
22,042
△72.4
1,489,316
△18.3
海外市場計
5,064
△34.2
-
-
5,064
△34.2
金融商品取引計
1,472,338
△15.9
22,042
△72.4
1,494,380
△18.4
合計
2,011,159
△13.4
42,451
△67.9
2,053,610
△16.3
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
③ 当社及び当社の関係会社の商品デリバティブ取引業等に関する売買高のうち、当第2四半期連結累計期間末において反対売買等により決済されていない建玉の状況は、次のとおりであります。
(未決済建玉の状況)(単位:枚)
区分
委託
自己
合計
取引名及び市場名
前年同四半期増減比(%)
前年同四半期増減比(%)
前年同四半期増減比(%)
商品デリバティブ取引
現物先物取引
農産物市場
1,290
△43.5
-
-
1,290
△43.5
貴金属市場
31,455
13.8
73
△60.5
31,528
13.3
ゴム市場
258
△40.7
-
-
258
△40.7
エネルギー市場
-
-
-
-
-
-
中京石油市場
-
△100.0
-
-
-
△100.0
小計
33,003
8.7
73
△60.5
33,076
8.3
現金決済先物取引
貴金属市場
10,318
△12.6
-
-
10,318
△12.6
エネルギー市場
16,037
7.9
46
475.0
16,083
8.2
商品指数市場
5
-
-
-
5
-
小計
26,360
△1.1
46
475.0
26,406
△1.0
国内市場計
59,363
4.1
119
△38.3
59,482
4.0
海外市場計
1,451
△21.4
-
-
1,451
△21.4
商品デリバティブ取引計
60,814
3.3
119
△38.3
60,933
3.2
金融商品取引
取引所株価指数証拠金取引
54,410
△41.6
245
116.8
54,655
△41.5
取引所為替証拠金取引等
29,250
△6.3
450
76.5
29,700
△5.6
株価指数先物取引
1,191
71.1
-
-
1,191
71.1
国内市場計
84,851
△32.2
695
88.9
85,546
△31.8
海外市場計
148
68.2
-
-
148
68.2
金融商品取引計
84,999
△32.1
695
88.9
85,694
△31.8
合計
145,813
△20.8
814
45.1
146,627
△20.6
(注) 商品デリバティブ取引には、金融商品取引法及び商品先物取引法に基づく取引を含めて記載しております。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題当第2四半期連結累計期間において、重要な変更はありません。
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