【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度において、企業結合に係る暫定的な会計処理の確定を行っており、前連結会計年度との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による取得原価の当初配分額の重要な見直しが反映された後の金額によっております。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における我が国の経済情勢は、新型コロナウイルス感染症に伴う規制が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進み、景気回復の兆しがみられたものの、ウクライナ情勢の長期化等に伴う世界的な資源価格の高騰、急激な為替相場の変動による物価上昇等により、景気の先行きは依然として不透明な状況が続いております。
国内エネルギー市場においては、世界規模での脱炭素化の要請、自然災害の頻発化・激甚化に伴うエネルギー安定供給のためのインフラ強靭化の要請の高まりに加え、少子高齢化や人口減少による需要変化、コロナ禍における生活様式の変化等が生じ、当社グループを取り巻く経営環境は急速に変化しております。
このような状況下、エネルギー事業者は環境適合、安定供給、経済効率の観点から、サステナブルな社会に向けた低炭素化・脱炭素化、安全・安心な社会に向けたレジリエンス強化、安定供給継続・事業継続に向けた経営基盤の強化等を高度かつ迅速に進めることが必要と考えております。
当社グループの主力のエネルギー事業においては、堅実な事業基盤のもと、地域に根差したグループの総合力を活かし、地域の安定供給を担う主体として、有事にも対応可能な供給インフラの維持と整備を図るとともに、お客様のニーズの多様化、選択志向に合わせた様々な取り組みを行っております。当社の連結子会社である株式会社ミツウロコヴェッセルは、米国の国際NGO団体が認証するカーボンクレジットで、LPガスの採掘から燃焼に至るまでに発生するCO2をオフセット(相殺)する「カーボンニュートラルLPガス」の販売を開始いたしました。また、同社及び同じく当社の連結子会社であるミツウロコグリーンエネルギー株式会社は、経済産業省の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」に参画し、お客様の電気料金負担軽減に繋がるよう同事業の実施に最大限協力しております。
さらに、ミツウロコグループ全体の顧客体験価値(カスタマーエクスペリエンス、CX)を向上させるデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)の推進を目的に、eギフトプラットフォーム事業を展開する株式会社ギフティと、DX戦略推進パートナーシップを2022年5月31日に締結し、グループ内の複数ブランドで利用できる「共通eギフト」の販売を開始いたしました。グループ横断的視点でのマーケティングを推進し、ミツウロコグループが提供しているエネルギー、電力、フーズ、リビング&ウェルネス等の様々な分野のサービスや有形無形資産をデジタルによりエコシステム(経済圏)化することで、グループとしての総合的な競争力を高めてまいります。
当社は、多様なステークホルダーの皆様と新たな価値創造を継続し、持続可能な社会づくりに貢献するため、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から長期的な視野で当社グループの事業に鑑み、あらゆる社会課題の中から経営が優先的に取り組むべき課題を検討し、6つの重要課題(マテリアリティ:①環境への貢献②地域社会への貢献③コンプライアンスの徹底④安全及び災害対策の強化⑤健康経営⑥ダイバーシティの推進)を特定いたしました。
当社はこれからも、コーポレートガバナンスの高度化及びサステナビリティへの取り組みを推進し、持続的成長及び企業価値向上に努めてまいります。
グループ全体の業務効率化としては、グループのシェアードセンターであるミツウロコ事務センターにおいて、DXの概念のもと、RPA(Robotic Process Automation)による業務自動化によりグループ内の間接業務コストを削減するとともに、AI-OCRの活用により業務のペーパーレス化を進め、シェアードセンターのリモートワーク移行も実現しております。今後も最先端技術を取り入れた業務効率化ツールの利用を進め、更なるグループの生産性向上を目指してまいります。
当連結会計年度の業績としては、当社のコア事業の一つである電力事業において、電源調達先の分散化により高騰する卸電力市場からの調達率を抑えたこと、及び仕入価格上昇を受けて販売価格の改善と適正化を進めたこと、顧客数が増加したことにより、収益が増加しました。さらに、前第4四半期連結会計期間からグループ連結決算に加わったGeneral Storage Company Pte.Ltd.及び静岡ミツウロコフーズ株式会社の堅調な業績がグループ全体の業績へ貢献しました。これらの要因等を背景に、売上高は前期比29.5%増の3,237億円、営業利益は前期比1,402.9%増の123億17百万円、経常利益は前期比381.2%増の140億56百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比308.3%増の77億89百万円となりました。
各セグメントの状況は次のとおりです。
(エネルギー事業)
LPガス事業においては、飲食店をはじめとする需要の緩やかな回復基調により、業務用LPG販売数量は前期比103%と伸長しました。家庭用販売数量においては積極的な新規顧客獲得活動を行っているものの、前期と比較して巣ごもり需要の減少に加え、平均気温の上昇と価格高騰による節約志向の高まりにより、販売数量は前期比93%となりました。一方で、LPガス価格上昇に伴う販売価格の上昇によって、LPガス事業全体の売上高は増加しております。
石油事業においては、前年から引き続き家庭向け灯油配送単価の上昇によって売上総利益単価は前期比で増加しておりますが、LPガス同様に石油製品全般にわたる節約志向の高まりと気温上昇による需要減少により家庭向け灯油販売数量は前期比94%となっております。
住宅設備機器販売事業においては、CO2削減を目標とした給湯器のエコ化比率向上を積極的に行った結果、ハイブリッド給湯器(小売のみ)は前期比47台増の83台、高効率給湯器(小売のみ)は前期比1,127台増の2,729台の販売となり、石油給湯器からLPG給湯器への燃転(小売のみ)は427件の実績となりました。これらにより年間を通して約320tのCO2削減効果となり、住宅設備機器全体の売上高も前期比109%となりました。
また、前年から継続するエネルギー全般の仕入価格の上昇に対しては、販売価格への転嫁も進んだことにより、結果として売上高は前期比2.3%増の1,410億72百万円、営業利益は前期比2.1%減の27億33百万円となりました。
国内外において環境意識がより一層高まる中、脱炭素社会に向けてエネルギー事業の成長戦略を策定し高効率ガス機器の普及促進やエネファーム(燃料電池)の設置推進を行ってまいります。エネファームは一次エネルギーの使用量を削減することに加え、レジリエンス機能を搭載しており環境及び防災の観点から優れた機能を有しております。カーボンニュートラルの実現に向けて、脱炭素成長戦略を積極的に実行してまいります。
(電力事業)
小売電気事業においては、コスト削減の希求だけでなく、地球温暖化対策への機運の高まりによりお客様が「ミツウロコでんき」を選んでいただいたことで、電力契約数の増加に繋がりました。
一方で、2022年3月に政府は東京電力・東北電力管内に電力需給ひっ迫警報を発令し、解除後の7月から9月までは全国で7年ぶりとなる夏季節電要請、12月からは冬季節電要請の発出となり、2022年度全体を通して非常に厳しい電力需給となりました。また電源となる原油・LNG・石炭価格の高騰から日本電力卸売市場(以下、JEPX)における電力仕入調達価格は、年平均で高い水準で推移しました。電力事業においては、電源調達先の分散化を進展させ価格高騰の影響を低減するとともに、販売単価の改善にも取り組んでまいりました。
これらの要因により売上高は前期比67.1%増の1,571億81百万円、営業利益は100億37百万円(前期は13億43百万円の営業損失)となりました。
なお、経済産業省による「電気・ガス価格激変緩和対策事業」への参画に伴い、2023年1月~9月ご使用分(2月~10月検針分)までの電気・ガス料金において、国が定める値引き単価により、各使用量に応じた値引きを実施しております。お客様の電気料金負担軽減に繋がるよう、本事業の実施に最大限協力してまいります。
昨今の気候変動がもたらす影響が深刻さを増す中、CO2削減が大きな課題となっておりますが、電力の消費を減少又は増加させることにより電力の需要と供給のバランスをとるため、卸市場価格の高騰時又は系統信頼性の低下時において、電気料金価格の設定又はインセンティブの支払に応じて、需要家側が電力の使用を抑制するよう電力の消費パターンを変化させる仕組み「デマンドレスポンスサービス」の提供を、特別高圧・高圧のお客様を対象に進めております。
節電やピークシフト、省エネへの取り組みを通じて電力の安定性や経済的なエネルギー利用へ貢献し、脱炭素化社会に向けた再生可能エネルギー導入拡大に貢献し「豊かなくらしのにないて」として、多くのお客様へ電気をお届けするとともに、社会やお客様の暮らしに役立つサービスを提供できるよう取り組んでまいります。
(フーズ事業)
飲料水事業においては、2021年11月に当社グループに加わった静岡ミツウロコフーズ株式会社が業績に大きく貢献しました。これまで同社は清涼飲料水の生産に特化しておりましたが、ミネラルウォーター製造ラインを増設したことで、流通大手への提案メニューが拡大しました。受託開発したコーヒー飲料が大手コンビニエンスストアーにおいて好評を博したことや、独自開発の静岡県産茶葉100%使用緑茶とミネラルウォーターとのセット販売提案などが奏功し、清涼飲料水全体の販売数量増加に繋がりました。また、同社の所有する水源に対しては高い評価を得ており、ミネラルウォーター製品の増産が更なる受注に結び付くという好循環を生み出し、この結果、株式会社ミツウロコビバレッジの主力商品であるミネラルウォーターの販売数量も、前期比約117%と堅調に推移しました。
当事業においては、資源及びエネルギー価格の高騰、また円安に起因する主要原材料の大幅な値上がりと人件費の上昇が業績の下押し圧力となっておりましたが、販売拡大による効率化と製品価格の適正化により、業績は向上いたしました。
フード事業では、全国に店舗を展開しているベーカリーの「麻布十番モンタボー」において、外部ブランドとのコラボキャンペーンや首都圏での大規模食品イベントへ積極的に参加してまいりました。また、製パン技術を競うベーカリージャパンカップ2023では入賞者を出すなど、同社の技術水準の高さが証明されました。これからも製パン技術の向上によりお客様に喜んでいただける商品づくりと新商品の開発に注力することに加え、ブランド認知やブランド価値を高める試みを積み重ねることにより、お客様の来店数・EC販売サイトへの訪問数の増加に繋げてまいります。
カフェ事業を展開する元町珈琲は、麻布十番モンタボーとのコラボ商品を各シーズンに導入することで、来店客数が前期比約104%となり、業績を拡大しました。
株式会社ミツウロコプロビジョンズが展開するショップ及びレストランは、アフターコロナを見据え、店舗のリニューアルや新店開発、さらに新メニューの開発・投入に注力することで売上高は前期比約109%となりました。
ハンバーガーチェーンの「カールスジュニアジャパン」は、インバウンド需要の回復から来店客数が増加し、業績の改善が見られます。
フーズ事業全体の業績といたしましては、フード事業において新型コロナウイルス感染症による影響はあるものの、主に飲料水事業における供給能力の増強と販売の拡大により、売上高は前期比36.1%増の183億46百万円、営業利益は前期比310.3%増の5億24百万円となりました。
(リビング&ウェルネス事業)
不動産事業では、住宅を中心とした賃貸不動産が順調に稼働しており、安定した売上を確保しています。2022年9月に取得した賃貸マンション「プラシオ平尾」「ビューハイツ高山」「コスモリード国分寺」の3物件も問題なく稼働しており、また今期共用部及び一部居室のリノベーションを実施した「VIP仙台二日町」でも稼働率が向上したことにより、売上高は前期比12.2%増となりました。
既存物件も含めた全ての物件について安全を最優先とした修繕・更新を随時実施していくほか、時代の価値観に合った物件となるよう順次設備投資をしてまいります。特に脱炭素や省資源などのサステナビリティを重視し、使用電力の再生可能エネルギーへの切替えや節水設備の導入等を継続して進めてまいります。今後もポートフォリオの最適構成を意識しながら新規収益物件の取得や開発を積極的に取り組んでまいります。
ハマボールイアスビルでは、入館者数は順調に回復しており、とりわけ2023年3月は、ビル全体でコロナ禍以降最も多くのお客様に来館いただきました。また年末年始にはLINEを活用したレシート応募キャンペーンを実施しました。景品にスパ イアス入館ギフト、ハマボール1playペアギフト、当社グループECサイトsolemoで利用できるeGift商品券等を取り入れ、グループ内のシナジーも図りつつビル全体の販促活動を実施し、LINEの友だち数も増加しました。
ウェルネス・スポーツ事業では、スパ イアス、ハマボールともに入館者数・売上は順調に回復しており、前期比の売上はスパ120.8%、ハマボール138.2%となりました。新型コロナウイルス感染症の収束傾向や政府による行動制限解除を受け、レジャー・サービス業における個人消費の回復が見られます。
スパ イアスでは、2022年12月に受賞した「第17回ニフティ温泉年間ランキング2022全国総合3位」を記念したクーポンによる販促が好調で、入館者数が大幅に増加しました。スパ イアス公式アプリの新規登録者が約6,000名増加したことから、新規顧客獲得にも貢献したと考えられます。販促面では、2023年3月に、当社コンテンツ事業部との協業イベントとしてドラマ「信長未満」の舞台化の宣伝を兼ね、出演俳優らを迎えたトークショーと特別ロウリュウを開催し、衆目を集めました。また、地域の魅力発信及び経済の活性化を目的として、神奈川県に加え横浜市においてもふるさと納税の返礼品として「SPA EAS入館ギフト券」が選定されました。
ハマボールでは、2023年1月に健康ボウリング教室の第2回目を実施し、2022年度累計では95名の会員増員となりました。新型コロナウイルス感染症収束の兆しは一般利用をはじめ、法人予約の回復にも大きく影響し、コロナ禍以前に迫る勢いで売上を伸ばしております。また、スパ イアス同様、横浜市のふるさと納税の返礼品としてハマボール利用ギフト券が選定されました。
スポーツ事業では、新規事業として、国際特許技術「SwipeVideo(スワイプビデオ)」を活用した世界初のスポーツスタジオ「EIGHT ANGLE(エイトアングル)」を2023年4月12日に新たにオープンいたしました(東京・自由が丘)。「EIGHT ANGLE」では、お客様のゴルフスイングを360度全方向、8視点から撮影し、専任のコーチによる飛距離やスコアアップに繋がるフォーム指導を実施することが可能です。また、ゴルフレッスンだけでなく、野球、テニス、ダンスなど他の競技にも展開することで、さまざまなシーンにおける利用の裾野が広がり、オンライン・オフラインともに活用できるスポーツスタジオとして新たな価値の創出が期待できます。
ウェルネスラボでは、今年度のRain-Bowlingプロジェクトの総括として、2023年2月に横浜市立谷本小学校を再訪し、リユースコンテストで最優秀賞を受賞した4年生への表彰及び、生徒たちの総合学習(ボウリングピンのリユースも含めたSDGs学習)の報告会に参加しました。
上記の理由により、リビング&ウェルネス事業全体としては、売上高は前期比13.9%増の25億12百万円となったものの、上記の新規賃貸マンション3物件を取得したことに伴う費用が売上高に先行して発生したことにより、営業損失は38百万円(前期は3億24百万円の営業利益)となりました。
(海外事業)
2021年12月にミツウロコグループ傘下に加わったGeneral Storage Company Pte. Ltd.(以下、GSC社)他6社のレンタル収納事業の損益について、前第4四半期連結会計期間より連結財務諸表に取り込んでおります。当連結会計年度においては、売上高は前期比382.9%増の24億56百万円、営業利益は2億7百万円(前期は81百万円の営業損失)となりました。なお、当社と戦略的業務提携契約を締結しているSiamgas & Petrochemicals Public Company Limited (以下、サイアムガス社)は、原油価格高騰等の影響により業績は好調に推移しており、同社からの当連結会計年度の受取配当金は、前期比81.9%増の11億63百万円となり、営業外収益に計上しております。
(その他事業)
情報システム開発・販売事業においては、AI・IoTを活用したLPガス業務効率化ソリューション「SmartOWL(スマートオウル)」の各種サービスを展開しており、遠隔でLPガスメーターの情報を取得・提供するサービスに加え、日次指針を有効活用して最も効率の良い配送日を提示する配送効率化ソリューションを提供しております。この配送効率化ソリューションは株式会社ミツウロコクリエイティブソリューションズが4件の特許を取得し、1年間にわたる実証実験においては配送回数を29.1%削減、配送業務時間は30.9%削減を実現しており、多くの事業者の皆様から反響とお問い合わせをいただきました。また、信頼性向上や顧客密着度の高さ等を意識したLPガス販売管理システムである「COSMOSシリーズ」の拡販も行っております。
リース事業においては、株式会社ミツウロコリースが環境省によるESGリース促進事業における指定リース事業者に選定されております。ESG要素(環境、社会、ガバナンス)を考慮した取り組みを推進し、サプライチェーン全体での脱炭素化に貢献する中小企業のリース需要のサポートを行っております。
2020年度より新規事業としてスタートしたコンテンツ事業においては、テレビ番組や映画の共同制作、テレビドラマや演劇公演の企画等を行っております。株式会社テレビ神奈川等と共同で制作したテレビドラマ「信長未満」は、テレビ神奈川の番組としてTVer視聴回数最高を記録し、BS日テレで全国放送もされました。「信長未満」は舞台公演も行い、4日間の公演で4,000人を動員するヒットを記録いたしました。また、ミツウロコ完全オリジナルの配信ドラマ「この動画は再生できません」は、Amazonプライム等で300万再生を超えるヒット企画となり、順調に事業を拡大しております。
その他事業全体としては、コロナ禍におけるリース事業の売上総利益率の減少等により、売上高は前期比9.6%増の21億30百万円、営業利益は前期比69.3%減の14百万円となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、124億62百万円(前期は50億13百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益116億78百万円、減価償却費46億31百万円、減損損失22億97百万円、売上債権の増加額26億21百万円、法人税等の支払額22億11百万円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、79億32百万円(前期は84億17百万円の支出)となりました。これは主にリビング&ウェルネス事業における賃貸用の有形固定資産の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、54億59百万円(前期は7億59百万円の支出)となりました。これは主に賃貸用不動産取得のために長期借入れ及び社債の発行による資金調達を行ったことによるものです。
また、上記キャッシュ・フローに加えて、現金及び現金同等物に係る換算差額により1億93百万円増加した結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は、前連結会計年度末と比較して101億82百万円増加し、314億50百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
(イ)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前年同期比(%)
エネルギー事業
133
83.4
電力事業
3,248
123.2
フーズ事業
7,824
174.9
合 計
11,205
154.1
(注)エネルギー事業については㈱ミツウロコヴェッセルの煉炭生産実績、電力事業については風力発電会社等の電力生産実績、フーズ事業については㈱ミツウロコビバレッジの飲料水生産実績等であり、それぞれ実際生産金額によっております。
(ロ)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
仕入高(百万円)
前年同期比(%)
エネルギー事業
118,586
101.6
電力事業
140,648
155.3
フーズ事業
5,005
121.0
その他事業
585
105.7
合 計
264,826
124.9
(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(ハ)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
エネルギー事業
141,072
102.3
電力事業
157,181
167.1
フーズ事業
18,346
136.1
リビング&ウェルネス事業
2,512
113.9
海外事業
2,456
482.9
その他事業
2,130
109.6
合 計
323,700
129.5
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度の海外事業の販売実績について著しく増加しております。その内容は、「①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(イ)財政状態
(ⅰ)資産の部
当連結会計年度における資産の残高は、前連結会計年度末と比較して188億28百万円増加の1,739億99百万円となりました。
主な増減要因としては、長期運転資金の借入及び経常収支増加等による現金及び預金の増加110億36百万円、売上高の増加等に伴う売掛金の増加26億48百万円、賃貸用不動産取得等による建物及び構築物の増加12億48百万円並びに土地の増加22億円、株式の市場価格の下落に伴う投資有価証券の減少14億65百万円等によるものです。
(ⅱ)負債の部
当連結会計年度における負債の残高は、前連結会計年度末と比較して136億31百万円増加の811億15百万円となりました。
主な増減要因としては、課税所得増加による未払法人税等の増加24億86百万円、賃貸用不動産取得のための資金需要増加等による長期借入金の増加34億79百万円及び社債の増加46億98百万円、的山大島風力発電所等において認識した資産除去債務の増加17億84百万円等によるものです。
(ⅲ)純資産の部
当連結会計年度における純資産の残高は、前連結会計年度末と比較して51億96百万円増加の928億84百万円となりました。
主な増減要因としては、利益剰余金の増加57億10百万円、投資有価証券の評価額減少に伴うその他有価証券評価差額金の減少9億95百万円、為替相場の変動に伴う為替換算調整勘定の増加8億18百万円等によるものです。
(ロ)経営成績
当連結会計年度の売上高は前期比29.5%増の3,237億円、営業利益は前期比1,402.9%増の123億17百万円、経常利益は前期比381.2%増の140億56百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比308.3%増の77億89百万円となりました。
(ⅰ)売上高の状況
前連結会計年度と比べて736億66百万円増加(29.5%増加)の3,237億円となりました。
主として、電力事業における電力仕入調達価格の上昇とそれに伴う販売価格の上昇、及び顧客数の増加によるものです。また、エネルギー事業における燃料価格の上昇に伴う販売価格の上昇や、フーズ事業や海外事業における連結子会社の連結開始による影響等が、当連結会計年度の売上高の増加に寄与しております。
(ⅱ)営業利益の状況
前連結会計年度と比べて114億98百万円増加(1,402.9%増加)の123億27百万円となりました。
主として、電力事業において、電源調達先の分散化によりJEPXにおける価格高騰の影響を低減させたこと、及び販売単価の改善により、収益が大きく改善したことによるものです。また、フーズ事業や海外事業における連結子会社の連結開始による影響等が、当連結会計年度の営業利益の増加に寄与しております。
(ⅲ)経常利益の状況
経常利益は前連結会計年度に比べて111億35百万円増加(381.2%増加)の140億56百万円となりました。
営業利益が前連結会計年度と比べて114億98百万円増加したことを主因として、そのほか、サイアムガス社からの受取配当金5億23百万円の増加や、受取保険金の3億78百万円の減少、デリバティブ利益の51百万円の減少、社債発行費の82百万円の増加等が経常利益の主な増減要因となっております。
(ⅳ)親会社株主に帰属する当期純利益の状況
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べて58億81百万円増加(308.3%増加)の77億89百万円となりました。
主な増減要因として、経常利益が前連結会計年度と比べて111億35百万円増加した一方、投資有価証券売却益の7億44百万円の減少や、減損損失の21億50百万円の増加、また課税所得の増加に伴い法人税等が27億76百万円増加したためです。なお、減損損失の内訳については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結損益計算書関係)※5.減損損失」をご参照ください。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に確保するとともに、経済環境の急激な変化に耐えうる流動性を維持することを基本方針としております。
事業活動にかかる運転資金につきましては、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、それに加えて金融機関からの短期借入により流動性を保持しています。また、当社と連結子会社間では、CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)により資金融通を行うことで資金効率を高めております。
一方、設備資金等の長期資金につきましては、投資計画に基づき、市場金利動向や既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、金融機関からの長期借入により流動性を維持しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
なお、この連結財務諸表の作成にあたっては、決算日現在において過去の実績等を勘案し合理的に判断して見積りを行っておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
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