【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当社グループは「人にやさしく、環境にやさしく」をスローガンとする『Vision 2040』のもと、中期経営計画『New Global Plan-1(NGP-1)』(2021-2023年度)を推進してまいりました。
(経営成績の状況)当連結会計年度の売上高は、前期比15.0%増の186,792百万円となりました。部門別売上高では、フレーバー部門は、当社及びシンガポール子会社において飲料向け等が好調に推移した他、為替変動の影響を受け、前期比11.9%増の105,551百万円、フレグランス部門は、フランス子会社において香粧品向け等が好調に推移した他、為替変動の影響を受け、前期比16.3%増の56,393百万円、アロマイングリディエンツ部門は、スペシャリティ品等が好調に推移した他、為替変動の影響を受け、前期比4.9%増の11,910百万円、ファインケミカル部門は、医薬品中間体が伸長し、前期比67.8%増の11,510百万円となりました。その他不動産部門は、前期比1.4%減の1,426百万円となりました。利益面では、国内外において主力製品及び新規品の拡販に注力した他、原材料価格等の高騰に対する取組みとして価格転嫁等を進めてまいりましたが、営業利益は前期比32.5%減の5,947百万円、経常利益は前期比21.7%減の7,958百万円となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比17.0%減の7,393百万円となりました。セグメントにつきましては、日本は、当社のフレーバー部門及びファインケミカル部門が堅調に推移したことにより、売上高は71,514百万円(前期比5.9%増)となったものの、原料高騰の影響等もあり、営業利益は2,280百万円(前期比39.2%減)となりました。米州は、米国子会社において新規品の拡販など積極的な営業展開を図ったことにより、ファインケミカル部門等が好調に推移した他、為替変動の影響を受け、売上高は46,929百万円(前期比22.3%増)となったものの、米国子会社において原料高騰の影響等もあり、営業利益は674百万円(前期比71.4%減)となりました。欧州は、フランス子会社において香粧品向け等の拡販に注力したことにより、売上高は31,904百万円(前期比13.2%増)となったものの、エネルギーコスト増等の影響を受け、営業利益は821百万円(前期比3.7%減)となりました。アジアは、シンガポール子会社等において、既存取引先等への取引拡大に取り組んだ他、為替変動の影響を受け、売上高は36,444百万円(前期比28.5%増)となったものの、原料高騰の影響等もあり、営業利益は2,264百万円(前期比2.0%減)となりました。
(財政状態の状況)総資産は、前連結会計年度末と比較して15,237百万円増加し、212,079百万円となりました。主なものは、原材料及び貯蔵品の増加6,515百万円、売掛金の増加3,637百万円であります。負債は、前連結会計年度末と比較して3,579百万円増加し、90,125百万円となりました。主なものは、短期借入金の増加3,884百万円であります。純資産は、前連結会計年度末と比較して11,658百万円増加し、121,953百万円となりました。主なものは、利益剰余金の増加6,018百万円、為替換算調整勘定の増加5,991百万円であります。以上により、自己資本比率は55.2%から56.7%に増加いたしました。
② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より1,392百万円増加し(前期は2,697百万円の増加)、14,969百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動による資金の増加は、5,821百万円(前期は11,568百万円の増加)となりました。主なものは、棚卸資産の増加3,597百万円であった一方、税金等調整前当期純利益8,556百万円、減価償却費7,378百万円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動による資金の流出は、3,276百万円(前期は7,258百万円の流出)となりました。主なものは、有形固定資産の取得による支出5,014百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動による資金の流出は、2,039百万円(前期は2,364百万円の流出)となりました。主なものは、長期借入金による収入5,230百万円、短期借入金の増加3,424百万円であった一方、長期借入金の返済による支出8,124百万円、配当金の支払額1,372百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
日本
57,011
5.1
米州
37,767
18.8
欧州
33,853
19.3
アジア
35,261
27.3
合計
163,894
15.3
(注)金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。
b. 受注実績当社グループは、受注生産の規模は小さいため、受注実績は記載しておりません。
c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
日本
71,514
5.9
米州
46,929
22.3
欧州
31,904
13.2
アジア
36,444
28.5
合計
186,792
15.0
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等当社グループは、前連結会計年度より中期経営計画『New Global Plan-1(NGP-1)』(2021-2023年度)(以下『NGP-1』という。)に取り組んでおります。『NGP-1』においては、3つの基本方針、5つの柱、7つの重点課題を定め、連結売上高及び連結営業利益の数値目標を設定し、着実かつ確実な達成を目指しております。 『NGP-1』の2年目である当連結会計年度の売上高は、円安による為替変動の影響の他、営業基盤の拡大、値上げ交渉の成果もあり、前期比15.0%増(為替の影響を除くと前期比5.6%増)の186,792百万円となり、2期連続で過去最高を更新いたしました。フレーバー部門では、日本及びシンガポール子会社における飲料向け製品が好調に推移いたしました。フレグランス部門では、フランス子会社における香粧品向け製品が好調に推移いたしました。ファインケミカル部門では、医薬品中間体が伸長し増収となりました。利益面では、営業利益は前期比32.5%減(為替の影響を除くと前期比38.1%減)の5,947百万円となりました。好調な売上高の貢献はあったものの、ロシアのウクライナ侵攻等による物流の混乱や、原料価格・エネルギー価格の上昇、そして米国を中心とするインフレ等により経費が増加いたしました。親会社株主に帰属する当期純利益は、円安による外貨建て債権の為替差益等により、前期比17.0%減の7,393百万円となりました。セグメントにつきましては、日本では、主に当社のフレーバー部門において、伸長カテゴリーや新規得意先の開拓に焦点を当てて、着実な売上増を実現したことに加え、ファインケミカル部門において、医薬品中間体の新規商材の獲得及び供給可能数量の増加を実現したこと等により、増収となりました。米州では、米国子会社が新規品の拡販など積極的な営業展開を図ったことにより、ファインケミカル部門が好調に推移した他、マルチナショナル得意先に加えて、ローカル得意先の拡販も実現し、成長を維持いたしました。欧州では、フランス子会社がフレグランス部門において、香粧品向け等の拡販により好調に推移した他、ドイツ子会社がフレーバー部門において、アフリカ向けビジネスの拡大により増収となりました。アジアでは、シンガポール子会社がフレーバー部門において、飲料用香料等が好調に推移した他、フレグランス部門でもマルチナショナル・主要ローカル得意先への経営資源の集中により好調に推移いたしました。なお、当連結会計年度の期中平均為替レートは、1ドルは131円と前期比で21円の円安、1ユーロは138円と前期比で8円の円安で推移したため、海外売上高の押し上げ要因となっております。国内売上高は71,514百万円、海外売上高は115,277百万円、海外売上比率は62%となっております。
b.当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況)キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。
(資金需要)当社グループにおける主な資金需要は、設備投資資金、運転資金、借入の返済及び利息の支払、配当金の支払並びに法人税の支払であります。
(資金の源泉) 当社グループは、主として営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入等を資金の源泉としております。なお、当連結会計年度末における長期借入金等の年度別返済予定額は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 ⑤連結附属明細表 借入金等明細表」に記載のとおりであります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。