【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は52,042,226千円となり、前連結会計年度末に比べ27,037,203千円増加いたしました。これは主にタワー事業における鉄塔の取得に伴い、建物及び構築物が14,548,552千円増加したこと、鉄塔の取得を目的とした新規借入に伴い、現金及び預金が9,412,515千円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は39,148,623千円となり、前連結会計年度末に比べ29,363,593千円増加いたしました。これは主にタワー事業における鉄塔の取得に伴い、未払金が6,476,575千円増加したこと、鉄塔の取得を目的とした新規借入に伴い、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が21,866,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は12,893,602千円となり、前連結会計年度末に比べ2,326,389千円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失の計上に伴い、利益剰余金が1,602,810千円減少したこと、新規借入に係る支払金利の変動リスクに対するヘッジ取引を目的とした金利スワップの時価評価に伴い、繰延ヘッジ損益が882,298千円減少したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は24.8%(前連結会計年度末は60.9%)となりました。
② 経営成績の状況
国内通信市場においては、各携帯キャリアの5Gサービスの開始、政府による地方の通信インフラ整備の支援、サステナビリティへの関心の高まり等を背景にインフラシェアリングの需要が拡大しております。当連結会計年度においては、国内IBS事業において、主に導入物件数の拡大が寄与し、増収となりました。具体的には、4G IBSにおいて、60物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は351件となり、また4G IBSの新たな取り組みとして、携帯キャリアが個別に導入した設備の更改に際し、当社の屋内インフラシェアリングを活用する「4G IBS(リプレース)」の取り組みを開始し、既設物件15件への導入を実施しました。更に、5G IBSにおいては、53物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は63件となりました。
海外IBS事業を展開するベトナムにおいては、主にTHIEN VIET COMPANY LIMITEDより取得したIBS資産の業績貢献と円安の進行による為替換算の影響により増収となりました。なお、当連結会計年度における累計導入済み物件数は234件となりました。
タワー事業においては、前連結会計年度に株式会社NTTドコモと締結した最大6,002本の通信鉄塔のカーブアウトに係る基本契約に基づき、当連結会計年度において、株式会社NTTドコモの通信鉄塔を中心に合計835本(累計)の移管を完了し、収益貢献が始まったことから、増収となりました。さらに、株式会社NTTドコモからの通信鉄塔のカーブアウトに関する資金調達の推進、タワー事業の本格稼働をはじめとする事業拡大に向けた人材採用、本社オフィスの移転、5Gミリ波対応共用無線機の開発の推進等を行った結果、販売費および一般管理費及び営業外費用が増加しました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は5,228,928千円(前連結会計年度比24.0%増)、営業利益は117,065千円(前連結会計年度比79.1%減)、経常損失は1,238,652千円(前連結会計年度は555,603千円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は、主に西新宿エリアで実証事業を進行中のデジタルポール資産につき減損損失を計上したこと等により、1,602,810千円(前連結会計年度は644,386千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ9,228,867千円増加し、23,603,980千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は1,445,187千円(前連結会計年度比25.9%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失の計上1,456,102千円、減価償却費の計上1,532,024千円、財務活動によるキャッシュ・フローに係る支払手数料1,415,141千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は12,715,324千円(同434.5%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出12,732,072千円、定期預金の預入による支出842,036千円、定期預金の払戻による収入689,347千円、補助金の受取額150,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は20,445,472千円(同201.5%)となりました。これは主に、長期借入れによる収入21,926,000千円、支払手数料の支払額による支出1,245,106千円、リース債務の返済による支出233,619千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社グループは通信インフラシェアリング事業の単一セグメントであるため、事業別に記載しております。
事業の名称
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
前年同期比(%)
国内IBS事業 (千円)
3,896,076
115.2
海外IBS事業 (千円)
864,052
151.8
タワー事業 (千円)
330,453
592.6
ソリューション事業 (千円)
138,345
65.9
合計 (千円)
5,228,928
124.0
(注)1.当連結会計年度において、タワー事業の販売実績に著しい変動がありました。これは当連結会計年度において、株式会社NTTドコモの通信鉄塔を中心に合計835本(累計)の移管を完了し、収益貢献が始まったことによるものであります。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 2021年4月1日
至 2022年3月31日)
当連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
株式会社NTTドコモ
931,354
22.1
1,366,432
26.1
ソフトバンク株式会社
1,088,564
25.8
1,217,849
23.3
KDDI株式会社
910,243
21.6
1,112,915
21.3
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積特有の不確実性が存在するため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
a.売上高
当連結会計年度における売上高は5,228,928千円(前年同期比24.0%増)となりました。これは主に、国内IBS事業において営業活動の強化に努めた結果、4G IBSにおいて60物件への新規導入が完了し、累計導入済み物件数は351件となったこと、タワー事業において株式会社NTTドコモの通信鉄塔を中心に合計835本(累計)の移管を完了し、収益貢献が始まったことによるものであります。
b.売上原価、売上総利益
当連結会計年度における売上原価は2,678,709千円(前年同期比30.6%増)となりました。これは主に、国内IBS事業において運用物件に係る減価償却費及び運用保守費が増加したこと、タワー事業において通信鉄塔に係る減価償却費及び土地賃借料が増加したことによるものであります。この結果、売上総利益は2,550,219千円(前年同期比17.8%増)となりました。
c.販売費及び一般管理費、営業損益
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は2,433,153千円(前年同期比51.6%増)となりました。これは主に、事業拡大に伴う人員の増加により人件費が増加したこと、タワー事業に係るファイナンス関連の支払報酬料が増加したことによるものであります。この結果、営業利益は117,065千円(前年同期比79.1%減)となりました。
d.営業外収益、営業外費用、経常損益
当連結会計年度において、営業外収益は主に為替差益の計上等により98,141千円(前年同期比99.9%増)、営業外費用は主にタワー事業に係る鉄塔取得を目的とした新規借入れによる支払手数料の計上等により1,453,860千円(前年同期は53,947千円)発生しております。この結果、経常損失は1,238,652千円(前連結会計年度は555,603千円の経常利益)となりました。
e.特別損益、法人税等、親会社株主に帰属する当期純損益
当連結会計年度において、工事負担金等受入額の計上により特別利益が19,474千円、減損損失及び工事負担金等圧縮損の計上により特別損失が236,924千円発生しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純損失は1,602,810千円(前連結会計年度は644,386千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。
f.EBITDA
当連結会計年度において、EBITDAは1,688,351千円(前年同期比0.5%減)となりました。これは主に、国内IBS事業の導入済み物件数の増加による売上高の増加、事業拡大に伴う人件費の増加、タワー事業におけるファイナンス関連の支払報酬料の増加によるものであります。
③財政状態の分析
当連結会計年度における財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態の状況」をご参照ください。
④経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」をご参照ください。
これらのリスクに対して継続的にモニタリングを行って現状把握に努めるとともに、平時から対応策を検討し、リスクの最小化・分散化を図っていきます。
⑤資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資本の財源
当社グループの資金使途は、主に通信インフラシェアリング事業の設備導入に係る設備投資並びに販売費及び一般管理費等の営業活動に必要な運転資金であります。これらの資金需要に対する資金財源は、手持資金、営業キャッシュ・フロー及び金融機関からの借入、増資等により必要とする資金を調達しております。また、当連結会計年度において、株式会社NTTドコモが保有する通信鉄塔最大6,002本の取得実行に伴い、新たに設立したSPC(特別目的会社)である合同会社JTOWER Infrastrucuture、合同会社JTOWER Infrastrucuture2を活用したファイナンスストラクチャーにより、金融機関等からの借入などの資金調達を行っております。
b.資金の流動性に関する分析
月次での資金計画などにより資金管理に努めており、また、限度借入契約等により、必要に応じて資金調達ができる体制を整えることで十分な流動性を確保しております。
⑥経営戦略の現状と見通し
経営戦略の現状と見通しについては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
⑦経営者の問題意識と今後の方針について
当社グループは、企業ビジョン「日本から、世界最先端のインフラシェアリングを。」のもと、従来は携帯キャリア各社単独で行われてきた携帯基地局関連インフラに係る装置、アンテナ、工事、構築物等の設備投資を当社で一本化し、各社へシェアリングする事業を国内外で展開しております。これは、世界でも高い品質を誇る日本の通信業界で培ってきた技術、サービス品質、ビジネスモデルをさらに磨き上げ、世界最先端のインフラシェアリングの提供を目指していく決意を意味しております。
当社グループがこの企業ビジョンの下、長期的な競争力を維持し持続的な成長を図るためには、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の様々な課題に対して、経営者が常に事業環境の変化に関する情報の入手及び分析を行い、最善の経営方針を立案していく必要があると認識しております。
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