【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、原材料価格及びエネルギー価格の高騰や為替相場の急激な変動などの影響を受けながらも、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に和らぎ社会経済活動の正常化が進むもとで、緩やかな持ち直しの動きがみられました。一方、海外経済は、一部の国・地域で新型コロナ感染症の影響や急激な物価上昇などにより弱い動きが見られましたが、全体としては回復基調が続きました。先行きにつきましては、欧米各国での金融引締めや世界的な物価上昇の長期化などにより、海外経済は景気減速への懸念が強まっており、国内、海外経済ともに不透明な状況が続くと見込まれます。このような状況の下、当社グループは、中期経営計画(2022年度~2026年度)において基本方針として掲げる『お客様満足度日本一』を目指し、各種施策に取り組んでまいりました。当社は、2022年8月29日付「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」のとおり、当社従業員(2022 年9月28日付懲戒解雇処分)が不適切な支出を行っていたことに加え、当社取引先からバックリベートを受領していた事実が判明いたしました。この事態に至ったことを重く受け止め、また再発防止を徹底するため、特別調査委員会による調査結果や提言を踏まえ再発防止策を策定し、着実に実行しております。また、全社的なガバナンスの強化に全力を尽くしております。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
イ 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ38億5千万円増加し、307億6千万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ28億5千2百万円増加し、204億6千万円となりました。当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億9千7百万円増加し、103億円となりました。
ロ 経営成績当連結会計年度の経営成績は、売上高546億1千4百万円(前年同期比22.4%増)、営業利益17億3千6百万円(前年同期比554.8%増)、経常利益17億5千9百万円(前年同期比615.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益10億1千3百万円(前年同期比22.2%減)となりました。セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。(国内事業)国内事業につきましては、今年度の基本方針である「業界No.1のクオリティに挑み続け、200店舗体制の成功を勝ち取る」に基づき、新規出店の継続と営業力の強化、商品・サービスのクオリティの更なる向上、季節・催事に合わせた期間限定商品の積極的な投入と販促・訴求等に注力してまいりました。また、原材料価格及びエネルギーコスト高騰の影響を受け「1皿110円(税込)80品以上」のラインナップは変えずに、一部商品の価格改定を実施致しました。店舗展開につきましては、16店舗を出店し、13店舗を退店したことにより、国内の総店舗数は183店舗となりました。この結果、国内事業の経営成績は、規制緩和や営業施策の効果、店舗数の増加等により売上高は前年を上回った一方、原材料や水道光熱費等のコスト上昇の影響を強く受けたことで、売上高467億9千8百万円(前年同期比21.0%増)となりましたが、セグメント損失は5千4百万円(前年同期はセグメント損失8億2千5百万円)となりました。
(海外事業)海外事業につきましては、フランチャイズ店舗の営業力強化のため、海外渡航の制限が緩和された国や地域に積極的に赴き、現地にて営業面でのアドバイスや市場調査を行ってまいりました。海外の店舗展開につきましては、21店舗を出店する一方で4店舗を退店したことにより、総店舗数231店舗となりました。この結果、海外事業の経営成績は、売上高は、78億1千5百万円(前年同期比31.5%増)、セグメント利益は15億8千万円(前年同期比56.3%増)となりました。なお、売上高は子会社の売上、フランチャイズ先への食材等売却売上、フランチャイズ先からのロイヤリティ収入(売上高の一定率等)等であります。
② キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億9千2百万円増加し、当連結会計年度末には76億8千8百万円となりました。また、フリー・キャッシュフローは前連結会計年度21億7千6百万円から当連結会計年度24億8千8百万円に改善が進み、財務活動によるキャッシュ・フロー△18億6千3百万円を賄える結果となりました。しかしながら時短協力金による助成金収入の受取額4億8千7百万円及び銀行からの長期借入による収入5億円の影響が大きく、営業活動によるキャッシュ・フロー獲得を高める必要があります。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、46億7千6百万円(前年同期は40億2千6百万円)となりました。これは主に、助成金収入及び受取保険金等の特別利益を含む税金等調整前当期純利益の計上15億6千1百万円、減価償却費の計上20億1千万円があったこと等によるものであります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、21億8千7百万円(前年同期は18億5千万円)となりました。これは主に、店舗の新設等による固定資産の取得及び保証金の差入による支出24億2千1百万円があった一方で、約定による差入保証金の回収3億8百万円があったこと等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、18億6千3百万円(前年同期は5億9百万円)となりました。これは主に、今後の出店に向けての長期借入れによる収入5億円があった一方で、長期借入の返済10億5千1百万円、リース債務の返済11億7千8百万円を行ったこと等によるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績当社グループは、最終消費者へ直接販売するレストラン関連事業を行っておりますので、生産及び受注の実績は記載しておりません。販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
金額(千円)
構成比(%)
国内事業
46,798,958
85.7
海外事業
7,815,140
14.3
合計
54,614,098
100.0
(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。
イ 財政状態の分析当社グループの当連結会計年度末の総資産は前連結会計年度末に比べ38億5千万円増加し、307億6千万円となりました。当社グループの当連結会計年度末の資産、負債及び純資産の状況は、次のとおりであります。(資産)資産合計は、前連結会計年度末に比べ38億5千万円増加し、307億6千万円となりました。これは主に、米国子会社において使用権資産(有形固定資産の「その他」)の増加13億9千8百万円、現金及び預金の増加6億9千2百万円、売掛金の増加6億6千1百万円があったこと等によるものであります。(負債)負債合計は、前連結会計年度末に比べ28億5千2百万円増加し、204億6千万円となりました。これは主に、リース債務の増加17億5千5百万円、買掛金の増加8億1千9百万円、があった一方で長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少5億3千3百万円があったこと等によるものであります。(純資産)純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億9千7百万円増加し、103億円となりました。これは主に配当金の支払1億3千2百万円を、おこなった一方で親会社株主に帰属する当期純利益の計上10億1千3百万円があったこと等によるものであります。この結果、自己資本比率は1.1ポイント減少し、33.5%となりました。
ロ 経営成績の分析当連結会計年度の経営成績はコロナの影響が当初の想定以上に緩和された結果、売上高及び各段階利益は通期業績予想を上回る結果となりましたが、原材料価格及びエネルギーコスト上昇の影響を強く受けております。売上高及び各段階利益の状況は、次のとおりであります。(売上高)国内外における新型コロナの規制緩和や、継続的な新規出店の増収効果及び海外事業セグメントの為替の影響により当連結会計年度の売上高は546億1千4百万円(前年同期比22.4%増)となりました。(営業利益及び経常利益)売上原価率は原材料価格の高騰により前連結会計年度と比べ0.6%上昇し43.1%となりました。また、水道光熱費はエネルギー価格高騰の影響を前連結会計年度と比べ5億2千6百万円の増加となりましたが、販売費及び一般管理費の売上対構成比率は売上高の回復傾向が強まったこと等により前連結会計年度と比べ3.2%減少し53.7%となり当連結会計年度の営業利益は17億3千6百万円(前年同期比554.8%増)、経常利益は17億5千9百万円(前年同期比615.3%増)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)助成金収入及び受取保険金等の特別利益5億3千7百万円の計上があった一方で、減損損失及び特別調査費用等の特別損失7億3千6百万円があったことにより当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は10億1千3百万円となりました。なお、特別調査費用の詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 (連結損益計算書関係)」をご参照ください。
ハ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
ニ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。
ホ セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度のセグメントごとの財政状態及び経営成績は、次のとおりであります。(国内事業)国内事業につきましては、コロナの規制緩和や新規出店による店舗数の増加及び一部商品の価格改定を実施致したことにより、売上高は、467億9千8百万円(前年同期比21.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ32億5千5百万円(前年同期比14.2%増)増加し、261億4千9百万円となりました。これらは、売上高の増加に伴う人件費の増加及びエネルギー価格や原材料価格の上昇があったこと等によるものであります。この結果、セグメント損失は5千4百万円(前年同期はセグメント損失8億2千5百万円)となりました。セグメント資産は、前連結会計年度に比べ12億5千9百万円増加し、224億1千8百万円となりました。これは主に、売上高増加等による現金及び預金の増加5億2千5百万円、店舗数増加等による有形固定資産の増加5億4千4百万円があったこと等によるものであります。(海外事業)海外事業につきましては、国内事業同様にコロナの規制緩和や米国子会社の業績回復及び為替の影響を受けて売上高は、78億1千5百万円(前年同期比31.5%増)となりました。販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ8億1千3百万円(前年同期比31.6%増)増加し、33億8千8百万円となりました。これは主に、国内事業同様に米国子会社売上高の増加に伴う人件費の増加及びエネルギー価格や原材料価格の上昇があったこと等によるものであります。セグメント利益は、15億8千万円となりました。セグメント資産は、前連結会計年度に比べ23億2千8百万円増加し、47億7千2百万円となりました。これは主に、米国子会社において会計基準の変更に伴う使用権資産(有形固定資産の「その他」)の増加13億9千8百万円があったこと等によるものであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
イ キャッシュ・フロー当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億9千2百万円増加し、当連結会計年度末には76億8千8百万円となりました。詳細は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フロー」をご参照ください。
ロ 契約債務2023年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(千円)
契約債務
合計
1年以内
1年超3年以内
3年超5年以内
5年超
長期借入金(1年内返済予定含む)
4,463,413
1,228,016
2,456,032
779,365
-
リース債務(1年内返済予定含む)
7,914,204
1,356,938
1,841,111
1,072,392
3,643,762
ハ 財務政策当社グループは、資金運用については短期的な預金等に限定し、調達については銀行借入による方針であります。借入金のうち短期借入金(当座借越)は、主に営業取引に係る資金調達であり、長期借入金(原則として5年以内)及びファイナンス・リース取引に係るリース債務は、主に設備投資に係る資金調達であります。借入金は原則として固定金利で調達しております。また、営業債務や借入金等は、流動性リスクに晒されておりますが、当社グループでは、各社が月次に資金繰計画を作成するなどの方法により管理しております。2023年3月31日現在、長期借入金(1年内返済予定を含む)の残高は44億6千3百万円、リース債務(1年内返済予定を含む)の残高は79億1千4百万円であります。
③ 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりまして、将来事象の結果に依存するため確定できない金額について、仮定の適切性、情報の適切性及び金額の妥当性に留意しながら会計上の見積りを行っております。実際の結果は、特有の不確実性があるため、見積りと異なる場合があります。なお、詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。