【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
(業績等の概要)
当期における我が国の経済状況は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が緩和され、経済社会活動の正常化が進むなかで、景気は緩やかに持ち直してきました。また、世界の経済状況においても景気の緩やかな持ち直しが続きました。一方で、円安の進行やウクライナ情勢の長期化及び中国経済の減速等の影響による物価上昇やサプライチェーンの停滞及び半導体不足等、景気の下振れリスクが懸念されました。このような状況のなか、当社グループは、2023年度(2024年3月期)を最終年度とする「中期経営計画2023」の達成に向けて、引き続き「①基盤分野の強化と成長分野の拡大」「②研究開発投資の拡大」「③持続的なESGの取り組み」を重点施策とし、全社を挙げて取り組んでまいりました。
当連結会計年度における当社グループの業績は、次表のとおりとなりました。海外事業において北米子会社が順調に推移したこと、PPP事業において株式会社みずむすびマネジメントみやぎが順調に推移したこと等により、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。また、受注が好調に推移し、受注高及び受注残高共に前期を上回りました。なお、経常利益には、円安影響による為替差益528百万円が含まれています。
2022年3月期(百万円)
2023年3月期(百万円)
増減(百万円)
増減率(%)
売上高
135,557
150,716
+15,158
+11.2
営業利益
8,146
8,688
+541
+6.7
経常利益
8,751
9,068
+317
+3.6
親会社株主に帰属する当期純利益
6,245
6,252
+7
+0.1
受注高
152,279
193,404
+41,124
+27.0
受注残高
186,029
228,717
+42,688
+22.9
(注)当連結会計年度より、ウォーターネクサスOSAKA株式会社を連結の範囲に含めております。
当社グループの事業は、「プラントエンジニアリング事業セグメント」に基盤分野であるEPC事業及び成長分野と位置付ける海外事業が区分され、また、「サービスソリューション事業セグメント」に基盤分野であるO&M事業及び成長分野と位置付けるPPP事業が区分されております。セグメント別の業績は次のとおりです。
(プラントエンジニアリング事業)プラントエンジニアリング事業における業績は、次表のとおりとなりました。EPC事業においては、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。海外事業においては、北米子会社の業績が好調に推移したこと等により売上高及び営業利益共に前期を上回りました。
2022年3月期(百万円)
2023年3月期(百万円)
増減(百万円)
増減率(%)
売上高
75,079
86,971
+11,891
+15.8
営業利益
2,103
4,002
+1,898
+90.2
受注高
89,095
94,898
+5,803
+6.5
受注残高
113,041
120,968
+7,927
+7.0
(サービスソリューション事業)サービスソリューション事業における業績は、次表のとおりとなりました。O&M事業においては、売上高及び営業利益共に前期を下回りました。PPP事業においては、株式会社みずむすびマネジメントみやぎが順調に推移したこと等により、売上高及び営業利益共に前期を上回りました。
2022年3月期(百万円)
2023年3月期(百万円)
増減(百万円)
増減率(%)
売上高
60,477
63,744
+3,267
+5.4
営業利益
6,042
4,686
△1,356
△22.4
受注高
63,184
98,505
+35,320
+55.9
受注残高
72,988
107,749
+34,761
+47.6
(受注及び販売の状況)
(1) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
受注高(百万円)
前年同期比(%)
受注残高(百万円)
前年同期比(%)
プラントエンジニアリング事業
94,898
106.5
120,968
107.0
サービスソリューション事業
98,505
155.9
107,749
147.6
合計
193,404
127.0
228,717
122.9
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2. 受注高のうち、官公庁からの受注が9割以上を占めております。
(2) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前年同期比(%)
プラントエンジニアリング事業
86,971
115.8
サービスソリューション事業
63,744
105.4
合計
150,716
111.2
(注) 1.セグメント間取引については相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(百万円)
割合(%)
販売高(百万円)
割合(%)
東京都
21,075
15.55
26,671
17.70
(財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析)
(1) 経営成績の分析当連結会計年度における当社グループの業績は、受注高は前連結会計年度に比べ27.0%増加の193,404百万円となり、売上高は前連結会計年度に比べ11.2%増収の150,716百万円となりました。なお、セグメント別の経営成績につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (業績等の概要)」に記載のとおりであります。売上原価は、前連結会計年度に比べ、12.5%増加の120,428百万円となりました。販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ6.2%増加の21,598百万円となりました。これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ6.7%増益の8,688百万円となりました。また、経常利益は前連結会計年度に比べ3.6%増益の9,068百万円となりました。特別損失の計上はありません。以上により、税金等調整前当期純利益は9,068百万円となり、前連結会計年度に比べ3.6%の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ0.1%増益の6,252百万円となりました。 (2) 財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9,630百万円増加し、142,695百万円となりました。流動資産は、現金及び預金が減少しましたが、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ3,702百万円増加し、112,642百万円となりました。固定資産は、投資有価証券並びにソフトウエア仮勘定が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ5,927百万円増加し、30,053百万円となりました。流動負債は、買掛金並びに短期借入金が増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ2,252百万円増加し、59,232百万円となりました。固定負債は、長期借入金が減少しましたが、PFI等プロジェクトファイナンス・ローンが増加したことなどから、前連結会計年度末に比べ286百万円増加し、16,823百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により、前連結会計年度末に比べ7,090百万円増加し、66,639百万円となりました。
(3) キャッシュ・フローの分析 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。主な資金需要は、運転資本、設備投資、研究開発、IT投資に対するものであり、それらの資金は主に営業キャッシュ・フローで充当しており、必要に応じて借入金による調達で対応しております。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は11,085百万円となり、前連結会計年度末に比べ、9,528百万円減少しました。当連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー) 税金等調整前当期純利益の計上による収入9,068百万円となりましたが、売上債権及び契約資産の増加による支出8,771百万円、棚卸資産の増加による支出1,588百万円、法人税等の支払による支出3,049百万円などにより、営業活動に伴う資金の減少は4,340百万円(前年同期比10,976百万円減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資有価証券の売却による収入1,719百万円となりましたが、有形固定資産の取得による支出1,034百万円、無形固定資産の取得による支出1,548百万円、投資有価証券の取得による支出5,794百万円などにより、投資活動に伴う資金の減少は6,452百万円(前年同期比2,606百万円減)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)配当金の支払による支出1,743百万円となりましたが、短期借入金の借入による収入2,321百万円などにより、財務活動に伴う資金の増加は717百万円(前年同期比1,345百万円増)となりました。
(参考) キャッシュ・フロー関連指標の推移
2020年3月期
2021年3月期
2022年3月期
2023年3月期
自己資本比率(%)
41.4
40.6
44.5
45.7
時価ベースの自己資本比率(%)
70.3
73.5
65.5
52.8
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)
355.6
112.2
187.0
―
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
18.5
67.7
41.8
―
自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。3.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。4.2023年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスであるため記載しておりません。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループは、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しているとおり、事業環境や国際情勢の変動、大規模災害・事故、法令規制・コンプライアンス、製品・サービスの品質等、様々なリスクが当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
(5) 重要な会計方針及び重要な会計上の見積り・当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、会計基準に基づいて見積りが行われており、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的に判断しております。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針の詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針や見積が連結財務諸表に影響を及ぼす可能性があると考えております。
・履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり認識する収益当社グループは、工事契約による請負、役務の提供(以下、工事契約等)については、一定の期間にわたり履行義務は充足されると判断し、履行義務の充足に係る進捗度を見積り、当該進捗度に基づき一定の期間にわたり収益を認識する方法(履行義務の充足に係る進捗度の見積りはコストに基づくインプット法)を適用しております。履行義務の充足に係る進捗度は案件の原価総額の見積りに対する連結会計年度末までの発生原価の割合に基づき算定しております。ただし、想定していなかった原価の発生等により進捗度が変動した場合は、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する収益及び費用の金額に影響を与える可能性があります。
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