【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
当社グループは、国内外の事業環境が大きく複雑に変化するなか、新価値創造による強い企業成長を目指すため2019年度から2023年度までの5ヵ年の中期経営計画「Unique 2023 ~エバラらしさの追究~」を推進しております。基本戦略を「コア事業による収益強化と戦略事業の基盤確立」「“エバラらしく&面白い”ブランドへの成長」と定め、企業成長に向けたチャレンジを継続し、エバラの独自性、面白さに磨きをかけて、当社グループの根幹を支えるコア事業の収益拡大を図ってまいります。また、将来の成長ドライバーとなる戦略事業を推進し、国内外で新たな需要、市場を開拓することで、事業規模の拡大とエバラブランドの育成を図ってまいります。
当第3四半期連結累計期間(2022年4月1日~2022年12月31日)における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による影響が継続するなか、各種政策の効果もあり、持ち直しの動きがみられるものの、原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等、景気の下振れリスクもあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。食品業界におきましては、原材料価格や資源価格高騰に伴う食料品の相次ぐ値上げにより、消費者の節約志向は一層強まっております。
このような環境の下、当第3四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、343億53百万円(前年同期比0.5%減)となりました。
食品事業は、業務用商品が引き続き外食店の来店客数が回復基調であったことに加え、中食向けに展開した商品が好調に推移したことにより、前年同期の売上を上回りました。一方、その他事業が前期における事業譲渡の影響を受けたことにより、グループ全体の売上高は前年同期比減収での着地となりました。利益面につきましては、売上高の減少や原材料価格及び資源価格高騰に伴う売上原価の上昇もあり、営業利益は32億58百万円(前年同期比7.9%減)となりました。経常利益につきましては、34億43百万円(前年同期比8.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は、23億73百万円(前年同期比13.8%減)となりました。
セグメントごとの売上高は、次のとおりであります。
<食品事業>
食品事業の売上高は288億46百万円(前年同期比0.7%増)となりました。
(家庭用商品)前年同期比 減収
・肉まわり調味料群は、精肉価格高騰や一部商品の価格改定による影響もあり、前年同期の売上を下回りました。
・鍋物調味料群は、デザインリニューアルを行った『プチッと鍋』が「寄せ鍋」や「キムチ鍋」といった主軸商品の店舗導入率を高めたことにより、前年同期の売上を上回りました。また、2022年8月に発売した焼肉と鍋料理のそれぞれのうまみが楽しめる『フライパンで焼肉鍋』がメディア露出と合わせた戦略的な販売活動を実行したことにより、売上伸長に貢献しております。
・野菜まわり調味料群は、第3四半期(10~12月)における野菜価格の高騰もあり、前年同期の売上を下回りました。
・その他群は、『プチッとうどん』に加え、『横濱舶来亭カレーフレーク』が堅調に推移した結果、前年同期の売上を上回りました。
(業務用商品)前年同期比 増収
・外食店の来店客数が引き続き回復基調で推移したことが、各商品群の売上伸長に寄与しました。
・『ヤンニョムチキンのたれ』(肉まわり調味料群)等、外食及び中食向けに展開した商品も好調に推移しました。
・海外事業は中国市場がゼロコロナ政策の影響を受けるも、東南アジア市場等、他の販売拠点で新規顧客の開拓等が進んだほか、為替の影響もあり堅調に推移しました。
<物流事業>
既存顧客の輸送需要及び保管需要に対応し、取引拡大に努めた結果、物流事業の売上高は50億86百万円(前年同期比2.5%増)となりました。
<その他事業>
広告宣伝事業が顧客ニーズに適合した企画提案等により既存顧客との深耕を進め、取引拡大に努めるも、人材派遣事業部門の構造改革の一環として事業の一部を前期に譲渡した影響等もあり、その他事業の売上高は4億20百万円(前年同期比54.5%減)となりました。
財政状態の状況は、次のとおりであります。
(資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の総資産額につきましては、前連結会計年度末に比べ34億35百万円増加(前期比8.3%増)し、447億40百万円となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金の減少があるものの、受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ37億41百万円増加(前期比13.4%増)し、317億25百万円となりました。
固定資産につきましては、有形固定資産が1億79百万円減少(前期比2.0%減)し、無形固定資産は8百万円減少(前期比2.9%減)しました。また、投資その他の資産が1億19百万円減少(前期比2.9%減)したことで、固定資産は、前連結会計年度末に比べ3億6百万円減少(前期比2.3%減)して、130億14百万円となりました。
(負債の部)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計額につきましては、前連結会計年度末に比べ14億45百万円増加(前期比11.8%増)し、136億67百万円となりました。
流動負債につきましては、未払金の減少があるものの、支払手形及び買掛金、流動負債その他の増加等により、前連結会計年度末に比べ12億84百万円増加(前期比15.7%増)し、94億78百万円となりました。
固定負債につきましては、退職給付に係る負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ1億60百万円増加(前期比4.0%増)し、41億88百万円となりました。
(純資産の部)
当第3四半期連結会計期間末の純資産額につきましては、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ19億89百万円増加(前期比6.8%増)し、310億72百万円となりました。当第3四半期連結会計期間末の自己資本比率は69.5%(前期末は70.4%)、1株当たり純資産額は3,164円18銭(前期末は2,951円22銭)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ21億92百万円減少し、135億72百万円となりました。
当第3四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、18億円(前年同四半期は17億80百万円の使用)となりました。これは主に、税金等調整前四半期純利益において34億39百万円獲得、仕入債務の増加額10億46百万円により増加したものの、売上債権の増加額60億28百万円により減少したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、8億52百万円(前年同四半期は12億40百万円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出9億7百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果獲得した資金は、3億95百万円(前年同四半期は15億86百万円の使用)となりました。これは主に、配当金の支払額4億1百万円により減少したものの、自己株式取得のための預け金の減少額8億20百万円により増加したものであります。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、7億3百万円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。