【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況当社グループでは、全社ミッションである「世界で認められる日本のおいしさとおもてなしを確立する」の実現を目指し、「Challenge & Support」をスローガンに、中期経営計画(2022-2024)を4月より開始いたしました。当第2四半期連結累計期間において、基幹事業である国内モスバーガー事業では、お客様との接点の量と質を徹底的に強化するため、多様な立地に適応するモスバーガー店舗の多業態化とともに、お客様の購買層に合わせたメニュー開発、マーケティング展開を推進しております。しかしながら、2022年3月末にまん延防止等重点措置が全面解除され、景気の持ち直しの動きがみられたものの、ウクライナ情勢の長期化や世界的な原材料費の高騰や急速な円安による調達費用の上昇、物流費の高騰など、大幅なコスト増に直面しております。これに対応する形で、7月13日から全国のモスバーガー店舗において商品価格の改定を行いました。
これらの結果、当第2四半期連結累計期間の連結業績は、売上高が414億57百万円(前年同四半期比7.6%増)、営業利益8億59百万円(同59.3%減)、経常利益9億85百万円(同53.9%減)となり、最終損益は主に新型コロナウイルス感染症に係る助成金収入3億50百万円、減損損失59百万円、税金費用5億19百万円等を計上した結果、親会社株主に帰属する四半期純利益7億55百万円(同61.7%減)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
<国内モスバーガー事業>国内モスバーガー事業においては、主として、以下の施策を展開いたしました。
① 商品施策当期は、お客様それぞれにあった、モスらしいワクワクする感動体験を提供することを新商品キャンペーンの方針として取り組んでおります。定番商品とそのアレンジ品を対象とすることで、キャンペーン期間後もその定番商品を購入していただく機会が増えております。また、セット販売でお買い求めしやすい価格で提供することでご注文がさらに増え、店舗においての販売効率も向上しております。 当第2四半期連結会計期間においては、7月に当社の看板商品「モスバーガー」をアレンジした、雪を連想させるような真っ白なソースをたっぷりかけた「白いモスバーガー」を販売いたしました。また、「白いモスバーガー」の販売に合わせ、白いチーズソースが溶け出したようなデザインを施し、店舗をまるごと白く装飾した「白モス 恵比寿東店」を期間限定でオープンいたしました。9月には昨年7年ぶりに復活し高い評価をいただいた“フォカッチャ”をボリュームアップして販売いたしました。「バーベキューフォカッチャ」とともに販売した、秋の風物詩「月見」をイメージした商品「月見フォカッチャ」は、月見商戦などの話題により好調な販売となり、販売を一時休止させていただくほど大変ご好評をいただきました。さらに、週末のちょっとリッチな“おうち朝ごはん”におすすめな商品として「1分あれば生まれかわるクロワッサン」を販売いたしました。今後もテイクアウト需要の高まりを受けて、おうちでも楽しめる物品販売を強化し、お客様の新たなニーズの創出・拡大を図ってまいります。
② 多様化するニーズへの対応全国一律、画一的ではなく、商圏や立地、客層、多様化するお客様の利用動機に合わせて商品やサービス、店舗形態を変えていく取り組みを推進しております。住宅街、繁華街においてはカフェメニューやデザートを豊富にそろえたカフェ需要対応の「モスバーガー&カフェ」への改装を推進し、9月末までに53店舗となりました。今後も引き続き、事業環境の変化に柔軟に対応できる体制を目指してまいります。
③ マーケティング施策新規顧客の獲得と来店頻度の向上を図るため、あらかじめ購入層を設定し、顧客属性にあったさまざまな施策を展開しております。特にオウンドメディアやSNSなどのデジタルメディアを活用し、比較的来店頻度の低い若年層や30代から40代のファミリー層を中心に、ご来店いただく機会が増えました。現在、ツイッターのフォロワー数は155万人を超え、WEB会員数は510万人、スマホアプリは580万ダウンロードとなっております(9月末時点)。当第2四半期連結会計期間においては、9月にメタバース上の“月面空間”にモスバーガー初の仮想店舗「モスバーガー ON THE MOON」をオープンし、「月見フォカッチャ」などを製造できる体験会を実施いたしました。今後もデジタルを活用したマーケティングコミュニケーションの推進に取り組み、マスメディアとの相乗効果を図ってまいります。また、新ストアキャラクター「トラベリンモス」を導入し、お子様向けセットのおもちゃや公式サイトのお子様向けコンテンツ、モスカードなどで展開しております。さらに、ファンベースマーケティングの一環として、オリジナルグッズなどで多くのファンから親しまれているキャラクター「ポムポムプリン」とコラボレーションすることで、ご家族連れのお客様のご利用につながりました。④ 新たな事業展開 当社ではご家庭や職場などでもお楽しみいただける物販商品など、モスブランドを活用した事業展開によって、収益源の多様化に取り組んでおります。7月にはジャパンフリトレー株式会社とのコラボレーション商品「肉厚チップス モスチキン味」を販売いたしました。新たに開設したECサイト「モス オンラインショップ ~Life with MOS~」では、「お手本は自然、選ぶのはあなた。」をコンセプトに、フード・アパレル・生活雑貨・限定コラボ商品などをラインアップしております。フードではモスバーガー店舗でご提供している商品を自宅でも電子レンジで簡単に調理してお楽しみいただける商品を中心に取りそろえ、生活雑貨では、森林整備で出た間伐材を使用し、和紙をすいて作った布を使用した手ぬぐいを販売するなど、自然と環境を意識した商品を販売しております。今後も引き続き、モスバーガーならではの食へのこだわりや商品開発力を活かして、これまで以上に幅広い商品の開発や販路の拡大を進めてまいります。
国内モスバーガー事業の店舗数につきましては、当第2四半期連結累計期間においては出店14店舗に対し閉店は6店舗で、当第2四半期末の店舗数は1,259店舗(前連結会計年度末比8店舗増)となりました。以上の事業活動の結果、国内モスバーガー事業の売上高は328億98百万円(前年同四半期比4.7%増)となりましたが、営業利益については原材料費の高騰や急速な円安による調達費用の上昇で原価率が増加したことなどにより18億33百万円(前年同四半期比38.8%減)となりました。
<海外事業>海外事業においては、今年に入り新型コロナウイルスの変異株がアジア地域で流行し、厳しい状況が続いております。その後、徐々に外食に対する規制が緩和された地域もありますが、完全に消費意欲が回復したとは言えない状況です。また、台湾にある連結子会社の魔術食品工業においては、海外店舗の主要食材を製造しておりますが、原材料価格の高騰により調達費用が上昇しており、業績に影響を与えております。海外事業における、国・地域ごとの事業状況は以下の通りであります。なお、海外事業に属する関係会社の当第2四半期連結会計期間は2022年4月から6月であるため、同期間の情報を記載しております。
① 台湾新型コロナウイルス感染症に係る政府の規制も緩和され、店舗も通常営業に戻りました。しかし、お客様の感染予防意識により、店内飲食を控える傾向にあり、宅配比率も高い数値で推移するなど、依然として新型コロナウイルス感染症の影響が続いております。販売促進施策としてスーパー大麦「バーリーマックス」を使用した商品の訴求に加え、端午節に合わせた蒟蒻ドリンクプロモーションを店舗とECサイトにて実施し、売上確保に努めております。
② シンガポール、香港シンガポールでは4月の新型コロナウイルス感染症の対策緩和措置により、入場規制や座席の規制がなくなり、より多くのお客様が訪れるようになりました。また、5月よりサンリオキャラクターとコラボレーションしたプロモーションを実施、オリジナルグッズの販売や店内装飾といった施策など、話題性アップの効果もあり5月、6月は売上が前年を大きく上回りました。香港では4月末より新型コロナウイルス感染症による飲食店規制が大幅に緩和され、マーケットは回復傾向となり、4月より実施したジャパンフェスティバル第2弾の効果により、5月、6月と既存店売上高が前年を上回りました。
③ インドネシア、オーストラリア、中国、韓国インドネシアとオーストラリアでは各国の現地に根差した店舗フォーマットを確立するため、国ごとにマーケットニーズを調査し、様々な施策のテスト・検証・改善に取り組んでおります。韓国は4月よりシンガポールと同様にサンリオキャラクターとコラボレーションしたプロモ―ションを実施したことに加え、新型コロナウイルス感染症の影響が低かったことで売上も伸長し、既存店売上高が前年を上回りました。
④ タイ、フィリピン、ベトナムタイにおいてもシンガポール、韓国と同様に5月よりサンリオキャラクターとコラボレーションしたプロモーションを実施したことで、売上を伸ばすことができ、既存店売上高が前年を上回りました。フィリピンでは、6月より入国時の隔離がさらに緩和され、商業施設の集客が増えたことにより、売上が回復傾向にあります。ベトナムでの1号店出店については新型コロナウイルス感染症の影響により遅れが生じております。引き続き開業に向けた準備と調整を進めてまいります。
海外事業の店舗数(2022年6月末時点)につきましては、台湾300店舗(前連結会計年度末(2021年12月末)比2店舗減)、シンガポール51店舗(同3店舗減)、香港41店舗(同2店舗増)、タイ23店舗(同2店舗増)、インドネシア2店舗(同増減なし)、中国(福建省・江蘇省・上海市)7店舗(1店舗減)、オーストラリア4店舗(同増減なし)、韓国14店舗(同増減なし)、フィリピン6店舗(同増減なし)となり、海外全体の当第2四半期末の店舗数は448店舗(同2店舗減)となりました。以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は72億38百万円(前年同四半期比20.0%増)、営業損失は93百万円(前年同四半期は営業利益1億62百万円)となりました。
<その他飲食事業>その他飲食事業は、まん延防止等重点措置が全面解除されたことにより、対前年比は回復傾向にあるものの、新型コロナウイルス感染症発生前までの回復には至っておりません。引き続き、商品力の強化、サービス品質の向上、テイクアウトやデリバリーの拡大を図り、収益力の改善を進めております。
各業態の当第2四半期末の店舗数は、「マザーリーフ」事業合計で14店舗、株式会社ダスキンとのコラボレーションショップ「モスド」事業1店舗、「モスプレミアム」事業2店舗、「ミアクッチーナ」事業2店舗、「カフェ 山と海と太陽」事業1店舗、「あえん」事業5店舗、「シェフズブイ」事業1店舗となり、その他飲食事業の合計で26店舗(前連結会計年度末比増減なし)となりました。以上の事業活動の結果、その他飲食事業の売上高は8億73百万円(前年同四半期比32.8%増)、営業損失は1億13百万円(前年同四半期比90百万円の損失減)となりました。
<その他の事業>連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生、株式会社モスクレジットは金融・保険・設備レンタル、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシングなどにより、主に国内モスバーガー事業やその他飲食事業を支援しております。これらによるその他の事業の売上高は4億47百万円(前年同四半期比5.7%増)、営業利益は3億35百万円(前年同四半期比160.3%増)となりました。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態につきましては、以下のとおりであります。(資産)当第2四半期連結会計期間末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ17億36百万円増加し、713億39百万円となりました。流動資産は前連結会計年度末に比べ13億39百万円増加し、固定資産は3億96百万円増加しております。流動資産が増加した主な理由は、季節変動により棚卸資産が増加したことによるものであります。固定資産が増加した主な理由は、出店等により有形固定資産が増加したことによるものであります。
(負債)当第2四半期連結会計期間末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ5億50百万円増加し、215億77百万円となりました。この増加の主な理由は、未払法人税等が減少した一方で、売上原価および棚卸資産の増加に伴って仕入債務が増加したことによるものであります。(純資産)当第2四半期連結会計期間末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ11億85百万円増加し、497億61百万円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末69.4%から当第2四半期連結会計期間末は69.4%と横ばいとなっております。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー7億74百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△5億64百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー△11億15百万円等により、前連結会計年度末に比べ6億47百万円減少し、190億99百万円(前連結会計年度比3.3%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)主として、税金等調整前四半期純利益の減少、棚卸資産の増加および法人税等の支払額の増加ならびに助成金の受取額の減少により資金が減少したため、前年同四半期比43億58百万円減の7億74百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)主として、投資有価証券の売却及び償還による収入の増加により資金が増加した一方で、定期預金の払戻による収入および貸付金の回収による収入の減少ならびに投資有価証券の取得による支出の増加により資金が減少したため、前年同四半期比8億73百万円減の△5億64百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)主として、短期借入金の純増減額の増加により資金が増加したため、前年同四半期比10億円増の△11億15百万円となりました。
(3) 研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は4百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4) 生産、受注及び販売の実績当第2四半期連結累計期間において、海外事業及びその他飲食事業の仕入実績及びその他飲食事業の販売実績が著しく増加しております。これらの増加の主な理由は、海外事業は、前第2四半期連結累計期間における、新型コロナウイルス感染症による観光客の減少や、各国政府の指示による、休業及び飲食時の人数規制等の影響によるものであります。その他飲食事業は、前第2四半期連結累計期間における、新型コロナウイルス感染症による緊急事態措置もしくはまん延防止等重点措置に基づく、休業及び営業時間短縮等の影響によるものであります。この結果、海外事業の仕入実績は23億46百万円(前年同四半期比34.4%増)、その他飲食事業の仕入実績は2億85百万円(前年同四半期比38.4%増)、その他飲食事業の販売実績は8億73百万円(前年同四半期比32.8%増)となりました。
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