【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1)財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、国や地域による違いはあるものの、総じてコロナ禍による落ち込みから回復を続けておりますが、急速な円安等による資源価格の上昇、世界的なインフレの進行、中国での新型コロナウイルス対策による都市封鎖、ロシアによるウクライナへの侵攻等、世界経済の先行きに不透明感が高まっております。
当社グループを取り巻く事業環境においては、PC、通信関連向け製品の出荷が市況の悪化により低調に推移しました。一方、東南アジアでの自動二輪車や自動車向け製品の出荷は、世界的な半導体不足による自動車の減産の影響はあるものの、好調に推移しました。
このような状況のもと、当社グループの当第2四半期連結累計期間の経営成績は、売上高は23,313百万円と前年同四半期比253百万円(1.1%増)の増収、営業利益は原材料価格の高騰などにより1,069百万円と前年同四半期比680百万円(38.9%減)の減益、経常利益は1,740百万円と前年同四半期比194百万円(10.0%減)の減益、親会社株主に帰属する四半期純利益は特別損失や法人税等の減少により1,367百万円と前年同四半期比231百万円(20.3%増)の増益となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりであります。
(電子・機能製品)
当該事業の主な取扱製品は、ファインケミカル製品や医薬品原薬・中間体などの機能化学品、粘・接着剤などの機能樹脂、半導体用金型クリーニング材やセラミック基板などの電子素材であります。
機能化学品は、半導体関連向けが好調に推移したものの、医農薬中間体が低調となり、前年同四半期比減収減益となりました。機能樹脂は、光学関連分野向け粘・接着剤の需要が低調となり、原材料価格の上昇の影響もあり、前年同四半期比減収減益となりました。電子素材は、カーエレクトロニクス向け、半導体用金型クリーニング材が好調に推移し、前年同四半期比増収増益となりました。
以上により、当セグメントの売上高は9,849百万円と前年同四半期比248百万円(2.5%減)の減収、セグメント利益は1,105百万円と前年同四半期比332百万円(23.1%減)の減益となりました。
(フィルム・シート製品)
当該事業の主な取扱製品は、フィルム、ステッカー、再帰反射シートなどであります。
フィルムは、自動車向けや看板向けなどの国内需要の回復が遅れ、前年同四半期比減収減益となりました。ステッカーは、コロナ禍からの回復基調に伴い、東南アジアでの自動二輪車や自動車向けが好調に推移し、前年同四半期比増収増益となりました。再帰反射シートは、円安による売上増の効果はあるものの、欧州でのインフレ、中国での新型コロナウイルス対策及び物流の混乱が長期化した影響によりナンバープレート向けが低調に推移し、前年同四半期比増収減益となりました。
以上により、当セグメントの売上高は8,852百万円と前年同四半期比900百万円(11.3%増)の増収、セグメント利益は292百万円と前年同四半期比232百万円(44.4%減)の減益となりました。
(建材関連)
当該事業の主な取扱製品は、ビル・住宅用アルミ建材や内装建材用プラスチック押出製品などでありますが、ビル用アルミ建材の売上は堅調であるものの、戸建て住宅用アルミ建材の売上の回復が鈍いことなどもあり、当セグメントの売上高は3,884百万円と前年同四半期比154百万円(4.1%増)の増収、セグメント利益はアルミ地金価格の上昇による影響などもあり41百万円と前年同四半期比108百万円(72.7%減)の減益となりました。
(エンジニアリング)
当該事業の主な内容は、鉄鋼・化学・電力・環境分野の産業プラントの設計・施工・設備などでありますが、国内向け工事案件の完工が減少したことなどにより、当セグメントの売上高は1,646百万円と前年同四半期比435百万円(20.9%減)の減収、セグメント損失は104百万円(前年同四半期は25百万円のセグメント利益)となりました。
また、当第2四半期連結会計期間末における財政状態は、次のとおりであります。
(資産の部)
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前期末比1,542百万円増加し、66,088百万円となりました。
このうち、流動資産は、原材料価格の上昇による棚卸資産の増加などにより、前期末比510百万円増加し、37,099百万円となりました。固定資産は、有形固定資産の取得などにより、前期末比1,032百万円増加し、28,989百万円となりました。
(負債の部)
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前期末比1,890百万円減少し、30,606百万円となりました。
このうち、流動負債は、納税による未払法人税等の減少などにより、前期末比235百万円減少し、18,355百万円となりました。固定負債は、長期借入金の返済などにより、前期末比1,654百万円減少し、12,250百万円となりました。
なお、当第2四半期連結会計期間末の有利子負債残高は、前期末比1,516百万円減少し、12,454百万円となりました。
(純資産の部)
当第2四半期連結会計期間末の純資産は、前期末比3,432百万円増加し、35,482百万円となりました。
このうち、株主資本は、剰余金の配当による減少はあったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上などにより、前期末比1,103百万円増加し、24,649百万円となりました。その他の包括利益累計額は、円安に伴う為替換算調整勘定の増加などにより、前期末比2,200百万円増加し、8,973百万円となりました。
なお、自己資本比率は前連結会計年度末の47.0%から3.9ポイント上昇し、50.9%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローは2,453百万円の収入、投資活動によるキャッシュ・フローは1,540百万円の支出となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動と投資活動による各キャッシュ・フローの合計)は912百万円の収入となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは1,887百万円の支出となりました。この結果、現金及び現金同等物の四半期末残高は前連結会計年度末比147百万円増加して10,986百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
売上債権の減少による運転収支の改善などにより、前年同四半期比645百万円収入が増加しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出が増加したことなどにより、前年同四半期比715百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
長期借入金の調達を行わなかったことなどにより、1,887百万円の支出(前年同四半期は2,724百万円の収入)となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は1,048百万円であります。
なお、新製品・新事業の創出を加速させるため、2022年4月1日付で、研究開発センターの組織体制を製品別チーム編成から開発ステップ別のチーム編成に変更しております。
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