【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。 (1) 財政状態及び経営成績の状況当第2四半期連結累計期間におけるわが国経済は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う制約が緩和され、訪日観光客の増加による消費の回復が見られるなど、経済活動の正常化が進んでおります。しかしながら、急激な円安の進行、原材料や半導体の供給不足・価格高騰などが続いており、依然として先行き不透明な状況にあります。世界経済におきましては、行動制限の緩和により、米国を中心に景気は持ち直しつつあります。一方で、ロシア・ウクライナ情勢の緊迫化を背景に、世界的な原材料や半導体の供給不足・価格高騰及び物流の混乱が続いております。加えて、パレスチナ・イスラエルにおいても情勢が緊迫化しており、世界経済への影響が懸念されております。当社を取り巻く業界におきましては、家電分野では、付加価値の高いミラーレスカメラが好調で、当社ではタイや中国でデジタルカメラ部品の受注が増加を続けております。自動車関連部品では、半導体不足等を背景とした得意先の生産調整による減産が落ち着き、需要・受注は増加傾向にあります。前期に好調だったプリンター部品におきましては、世界的な需要の減少に伴い、得意先からの受注が減少に転じております。電子ペン部品では、アフターコロナにおけるテレワークや在宅勤務の定着を背景に、需要の増加が続いております。医療機器関連では、高齢化社会を背景とした医療ニーズの高まりに伴い需要は拡大傾向にあり、得意先から安定的に受注を獲得しております。このような経済環境の中、プラスチック成形事業を中心に新型コロナウイルスの感染拡大による影響が薄れ、得意先からの受注が増加し、売上高は増加いたしました。また、固定費をはじめとした経費削減に努めたことにより、営業利益及び経常利益は増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益におきましては、法人税等が1億8千3百万円増加したものの、前年度に計上した過年度決算訂正関連費用2億5千3百万円が無くなったため、増益となりました。その結果、当第2四半期連結累計期間における業績は、売上高は134億2千9百万円と前年同四半期と比べ5億6千7百万円(4.4%)の増収、営業利益は10億7千4百万円と前年同四半期と比べ4億7千1百万円(78.2%)の増益、経常利益は14億5千8百万円と前年同四半期と比べ4億5百万円(38.5%)の増益、親会社株主に帰属する四半期純利益は10億7千8百万円と前年同四半期と比べ4億2千4百万円(65.0%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。① プラスチック成形事業当セグメントにおきましては、プリンター部品の受注は減少したものの、デジタルカメラ部品や自動車関連部品、電子ペン部品を中心とした得意先からの受注増加及び固定費をはじめとした経費削減に努めたことにより、増収・増益となりました。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて128億5千7百万円と前年同四半期と比べ6億1千7百万円(5.0%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は10億9千2百万円と前年同四半期と比べ5億4千3百万円(99.2%)の増益となりました。
② 精密プレス部品事業当セグメントにおきましては、電子ペン部品や医療機器部品の売上高は堅調に推移しております。デジタルカメラ部品では、半導体不足を背景とした減産により受注は伸び悩みましたが、当期中の回復を見込んでおります。自動車関連部品においては、受注回復に時間を要しており、低調が続いております。また、原材料の値上げにより付加価値の圧迫が続いておりますが、価格転嫁に向けた交渉が進んでおります。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて4億6千4百万円と前年同四半期と比べ0百万円(0.1%)の増収となりましたが、セグメント損失(営業損失)は2千9百万円(前年同四半期はセグメント損失(営業損失)3百万円)となりました。③ プリント基板事業当セグメントにおきましては、設計部門では、米中貿易摩擦の影響などを受け得意先からの受注が減少しており、前期に好調だった設計業務の売上高は減収傾向にあります。検査部門におきましても、得意先からの受注減少に伴い減収となりました。その結果、当第2四半期連結累計期間において、売上高はセグメント間の内部売上高を含めて1億4千8百万円と前年同四半期と比べ4千4百万円(22.9%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は1千2百万円と前年同四半期と比べ4千5百万円(79.2%)の減益となりました。
当第2四半期連結会計期間末の財政状態は、流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ15億1千1百万円増加し、195億8百万円となりました。現金及び預金が8億5千7百万円、受取手形及び売掛金が6億1千1百万円、原材料及び貯蔵品が3億2千3百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ11億8千3百万円増加し、91億2千6百万円となりました。有形固定資産が11億6百万円増加したことなどが主な要因です。この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べ26億9千4百万円増加し、286億3千4百万円となりました。また、流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ3億6千3百万円増加し、80億1千万円となりました。電子記録債務が5億4千3百万円、1年内返済予定の長期借入金が1億4百万円、賞与引当金が1億5千9百万円それぞれ増加し、短期借入金が4億7千7百万円減少したことなどが主な要因です。固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ5億3千7百万円増加し、26億8百万円となりました。長期借入金が4億3千7百万円増加したことなどが主な要因です。この結果、負債の部は、前連結会計年度末に比べ9億円増加し、106億1千8百万円となりました。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ17億9千3百万円増加し、180億1千5百万円となりました。利益剰余金が6億1千3百万円、為替換算調整勘定が10億3百万円それぞれ増加したことなどが主な要因です。
(2) キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物は、90億9千8百万円となり、前年同四半期と比べ25億7千万円(39.4%)増加いたしました。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における営業活動によるキャッシュ・フローにつきましては、税金等調整前四半期純利益14億6千9百万円、非資金費用である減価償却費7億2千5百万円、仕入債務の増加額3億3千6百万円及び売上債権の増加額2億7千9百万円などにより、営業活動全体として22億2千1百万円の収入となり、前年同四半期と比べ収入が15億3千3百万円(223.1%)の増加となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における投資活動によるキャッシュ・フローにつきましては、定期預金の預入による支出3億1千6百万円、有形固定資産の取得による支出14億8千8百万円及び定期預金の払戻による収入5億3千1百万円などにより、投資活動全体として13億3百万円の支出となり、前年同四半期と比べ支出が5億4千6百万円(72.2%)の増加となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)当第2四半期連結累計期間における財務活動によるキャッシュ・フローにつきましては、短期借入金の純減額5億3百万円、長期借入金の返済による支出5億5千8百万円、配当金の支払額4億6千5百万円及び長期借入れによる収入11億円などにより、財務活動全体として4億5千4百万円の支出となり、前年同四半期と比べ支出が4億3百万円(47.0%)の減少となりました。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。なお、経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、特に定めておりません。
(4) 研究開発活動当社グループにおけるセグメント別の研究開発活動は、プラスチック成形事業における当社が所有する金型の設計・加工、プラスチックの成形・組立・加飾の技術開発であります。当社グループにおきましては、案件ごとに個別プロジェクトを発足し、各部署が連携して技術開発を進めております。プロジェクトの体系では、独立した組織ではなく、費用区分が困難なため、研究開発費としての算出をしておりません。
(5) 生産、受注及び販売の実績当社の売上高は新型コロナウイルスの感染拡大に伴う制約の緩和を背景とした受注の回復及び増加に伴い、当第2四半期連結累計期間における売上高は前年同期比4.4%の増収となりました。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し当社グループの取り扱い品目は、デジタルカメラ、ビデオカメラ、カーナビゲーション、電子ペン部品等であり、個人消費の動向をはじめ全般的な景気動向が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループ内の取引は、基本的に米ドルによる取引であるため為替の動向次第では当社グループの業績に影響を与える可能性があります。新型コロナウイルスの感染拡大による影響につきましては、当第2四半期連結累計期間においては先進国を中心とした経済活動の正常化を背景に、得意先からの受注は回復傾向にあり、売上高は増加いたしました。今後は感染拡大による影響が薄れ、受注の回復に伴い売上高や在庫が増加していくものと考えられます。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループでは、各部署からの最新の情報等を入手し、今後の事業展開の判断材料となるよう毎週取締役及び各部署長による会議を開催しております。また、経営環境の変化に速やかに対応できるよう、主要な部署に取締役を配置しております。今後におきましても、得意先の要求に対して、高技術化、スピード化で対応できるよう、当社グループ全体で機敏な営業展開に努めるとともに、積極的に新規分野への進出を視野に入れ事業活動を展開してまいります。特に、主力のデジタル家電機器関連、自動車関連部品を中心とした受注及び収益力の拡大を図り、更なる新事業を開拓するため、設備投資等による新技術の開発や業務の効率化を図ります。また、製造のグローバル化に対応するため海外企業間の直接取引を拡大し、連結業績の向上に努めてまいります。