【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営成績の状況当第2四半期連結累計期間(2023年1月1日~2023年6月30日)におけるわが国経済は、新型コロナウイルスについて行動制限が緩和され、5類感染症に変更されたことにより経済活動の正常化が進み、外食や旅行などの回復により個人消費が持ち直すとともに、インバウンド需要も回復してまいりました。当業界におきましては、物価の上昇が続き、お客様の節約志向や低価格志向が一段と強まる中で販売競争が激化するとともに、主原料の小麦粉や油脂、卵など原材料価格の上昇に加え、エネルギーコストの増加もあり厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、人流の回復に伴い、おにぎりやサンドイッチ、焼き立てパンなどの需要が回復してまいりましたが、光熱費などの店舗コストが増加する厳しい経営環境となりました。このような情勢下にありまして、当社グループは、「いのちの道」の教えに従い、すべての仕事を種蒔きの仕事から開始する営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、主力製品の品質向上をはかるとともに、2極化・3極化戦略によって低価格帯製品や値頃感のある製品の品揃えを充実し、女性製品開発担当者による高付加価値製品の開発に取り組むなど、変化するお客様のニーズに対応した隙のない製品対応を推進し、新しい価値と新しい需要の創造に取り組んでまいりました。また、本年3月31日付で、㈱神戸屋から包装パン事業の子会社㈱YKベーキングカンパニーの発行済株式全部を譲り受け、新経営体制の下でヤマザキの技術を最大限活用した製品の品質改善に取り組みました。デイリーヤマザキやヴィ・ド・フランスなど小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにより日次管理・週次管理の経営手法を徹底し、日々の仕事の精度向上につとめるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携し、ヤマザキの技術を最大限活用した、競争力のある商品開発を推進するなど業績回復をめざしました。また、新型コロナウイルスの感染対策が事業者等の判断に委ねられる中で、当社グループは、緊急事態においてパン、和菓子、洋菓子類を緊急食糧として社会に提供するという新しいヤマザキの精神に従い、製品の安定供給を確保するため、全従業員に対して検温を実施し、37.2℃以上の発熱がある者、また発熱がない場合でも新型コロナウイルス独特の自覚症状がある者を自宅待機とし、この自宅待機者数とPCR検査陽性者数を日々管理しました。また、マスクの着用や手指の消毒など日常の感染防止対策を徹底し、従業員5人以上の会食の原則禁止や感染の恐れの高い遊興施設の利用禁止など、公衆衛生上の遵守事項を徹底するとともに、職場の感染防止対策として、炭酸ガス濃度測定器によって、常時職場内の換気をしながら炭酸ガス濃度を700ppm以下に保つなど、社会的使命の達成に全力を挙げて取り組んでまいりました。当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、売上高は5,639億44百万円(対前年同期比106.8%)、営業利益は206億10百万円(対前年同期比143.3%)、経常利益は227億56百万円(対前年同期比133.0%)、親会社株主に帰属する四半期純利益は140億55百万円(対前年同期比155.8%)となり、山崎製パン単体の食パンや菓子パンが好調に推移したことに加え、連結子会社の業績が改善したこともあり、増収増益となりました。
セグメントの業績は以下のとおりであります。
セグメントの名称
区分
前第2四半期連結累計期間(自 2022年1月1日
至 2022年6月30日)
当第2四半期連結累計期間(自 2023年1月1日
至 2023年6月30日)
前年同期差(百万円
前年同期比(%)
金額(百万円)
金額(百万円)
食品事業
食パン
51,692
53,463
1,770
103.4
菓子パン
187,083
204,168
17,085
109.1
和菓子
34,138
35,093
955
102.8
洋菓子
71,751
75,274
3,522
104.9
調理パン・米飯類
69,753
74,208
4,454
106.4
製菓・米菓・その他商品類
77,533
82,804
5,270
106.8
食品事業計
491,953
525,013
33,059
106.7
流通事業
29,995
32,200
2,205
107.4
その他事業
6,303
6,730
426
106.8
合計
528,252
563,944
35,692
106.8
<食品事業>食品事業の主要製品別の売上状況は次のとおりであります。①食パン部門(売上高534億63百万円、対前年同期比103.4%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が好調に推移するとともに、「モーニングスター」や「スイートブレッド」などの低価格帯食パンが大きく伸長しました。さらに、食べきりサイズのハーフサイズ食パンの伸長やサンドイッチ用食パンの回復もあり、前年同期の売上を上回りました。②菓子パン部門(売上高2,041億68百万円、対前年同期比109.1%)
菓子パンは、「コッペパン」や「まるごとソーセージ」、ヤマザキ菓子パンなど主力菓子パンが大きく伸長し、薄皮シリーズなどのミニパンが好調に推移するとともに、新製品の「生ドーナツ」シリーズの寄与に加え低価格帯の「ドーナツステーション」の伸長もありドーナツが大きく伸長するなど、前年同期の売上を大きく上回りました。③和菓子部門(売上高350億93百万円、対前年同期比102.8%)
和菓子は、主力の串団子や大福が伸長するとともに、ホットケーキが好調に推移し、チルド製品の「クリームたっぷり生どら焼」の伸長や和洋折衷の新製品「やわらか生大福」が寄与するなど、前年同期の売上を上回りました。④洋菓子部門(売上高752億74百万円、対前年同期比104.9%)
洋菓子は、主力の2個入り生ケーキや「プレミアムスイーツ」が好調に推移するとともに、コンビニエンスストアチェーン対応製品が伸長し、前年同期の売上を上回りました。⑤調理パン・米飯類部門(売上高742億8百万円、対前年同期比106.4%)
調理パン・米飯類は、おにぎりが伸長するとともに、サンドイッチや調理麺が好調に推移し、前年同期の売上を上回りました。⑥製菓・米菓・その他商品類部門(売上高828億4百万円、対前年同期比106.8%)
製菓・米菓・その他商品類は、㈱東ハトの「ポテコ」が伸長するとともに、ヤマザキビスケット㈱の「チップスター」の売上が回復し、㈱不二家の「ホームパイ チョコだらけ」が好調に推移するなど、前年同期の売上を上回りました。
以上の結果、食品事業の売上高は5,250億13百万円(対前年同期比106.7%)、営業利益は201億70百万円(対前年同期比137.1%)となりました。
<流通事業>
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携し、「ランチパック 大盛り」シリーズやデイリーホット商品など、ヤマザキの技術を最大限活用した競争力のある商品開発を推進し、お客様に喜ばれるヤマザキ独自のコンビニエンスストアチェーンをめざしました。また、松戸・杉並ドミナントプロジェクトによりデイリーホットを中心に収益改善に取り組むとともに、既存店舗の改装を推進し、ヤマザキらしいお店づくりと個店毎の売上・収益の向上に取り組みました。当第2四半期は、チェーン全店売上高は前年同期を上回るとともに、営業総収入は直営店舗数の増加もあり増収となりました。以上の結果、流通事業の売上高は322億円(対前年同期比107.4%)、営業損失は11億65百万円(前年同期は18億4百万円の営業損失)となりました。<その他事業>
その他事業につきましては、売上高は67億30百万円(対前年同期比106.8%)、営業利益は13億21百万円(対前年同期比110.6%)となりました。
(2) 財政状態の状況当第2四半期連結会計期間末の資産合計は7,462億62百万円で、前連結会計年度末に対して117億68百万円減少しました。流動資産は2,729億2百万円で、売掛金の減少等により、前連結会計年度末に対して184億19百万円減少しました。固定資産は4,733億60百万円で、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に対して66億50百万円増加しました。負債合計は3,290億67百万円で、支払手形及び買掛金等の支払債務の減少や借入金の返済により、前連結会計年度末に対して210億66百万円減少しました。純資産は4,171億95百万円で、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に対して92億97百万円増加しました。この結果、自己資本比率は50.0%となりました。
(3)
キャッシュ・フローの状況当第2四半期連結累計期間におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前四半期純利益220億28百万円に加え、減価償却費190億53百万円などにより521億35百万円のプラスとなりました。前年同期に対しては35億16百万円収入が増加しました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより290億23百万円のマイナスとなり、前年同期に対しては77億17百万円支出が増加しました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払などにより151億18百万円のマイナスとなりましたが、前年同期に対しては66億62百万円支出が減少しました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当第2四半期連結会計期間末残高は1,274億12百万円となり、前連結会計年度末残高に対しては78億52百万円の増加となりました。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)
研究開発活動当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は42億4百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 主要な設備①
当第2四半期連結累計期間において、新たに確定した主要な設備の新設の計画はありません。 ②
前連結会計年度末において計画中であった主要な設備の新設について、当第2四半期連結累計期間に完了したものは次のとおりであります。
会社名
事業所名(所在地)
セグメントの名称
設備の内容
金額(百万円)
完了年月
㈱ヤマザキ物流
盛岡営業所(岩手県滝沢市)
その他事業
盛岡営業所新設
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2023年4月