【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等(以下「収益認識会計基準」という。)を適用しておりますが、前期との比較・分析については収益認識会計基準適用前の数値で行っております。①経営成績の状況当期におけるわが国の一般経済環境は、期初は新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり厳しい状況となりましたが、3月以降、まん延防止等重点措置が全面解除となり、行動制限が緩和され、景気は持ち直しの動きがみられました。一方で、急速な円安進行やロシア・ウクライナ情勢の影響による原材料価格やエネルギー価格の高騰もあり、力強さを欠くものとなりました。当業界におきましては、物価上昇によりお客様の節約志向が強まり消費が伸び悩む中で、主原料の小麦粉や油脂、包材などの原材料価格の高騰に加え、都市ガス、電気などのエネルギーコストの上昇もあり厳しい経営環境となりました。また、コンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業につきましては、人流の回復に伴い、おにぎりやサンドイッチ、焼き立てパンなどの需要も徐々に回復してまいりましたが、光熱費の上昇により店舗コストが上昇するなど厳しい経営環境となりました。このような情勢下にありまして、当社グループは、緊急事態においてパン、和菓子、洋菓子類を緊急食糧として社会に提供するという創業以来のヤマザキの精神に従い、新型コロナウイルス感染拡大の中で製品の安定供給を確保するため、全従業員に対して検温を実施し、37.2℃以上の発熱がある者は自宅待機とし、また発熱がない場合でも新型コロナウイルス独特の自覚症状がある者も自宅待機とし、この自宅待機者数とPCR検査陽性者数を日々管理しました。また、マスクの着用や手指の消毒など日常の感染防止対策を徹底するとともに、5人以上の会食の原則禁止や感染の恐れの高い遊興施設の利用禁止など、公衆衛生上の遵守事項を徹底しました。さらに、工場・事業所内の感染防止対策として、炭酸ガス濃度測定器によって、常時職場内の換気をしながら炭酸ガス濃度を700ppm以下に保つとともに、従業員向けに新型コロナワクチンの職域接種を推進し、社会的使命の達成に全力を挙げて取り組んでまいりました。このような状況の中で、当社グループは、新型コロナウイルス感染防止対策の上に行う業績向上対策として、「いのちの道」の教えに従う、営業・生産が一体となった部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」を推進し、ルヴァン種等を活用して品質の向上をはかるとともに、女性開発担当者を活用し、変化するお客様のニーズに対応した新製品開発に取り組むなど、各部門毎の業績向上をめざしました。また、当社は、主原料の小麦粉価格の度重なる上昇に対処するため、2022年1月1日並びに7月1日出荷分から、食パン、菓子パンの価格改定を実施するとともに、2極化・3極化戦略によって低価格帯製品や値頃感のある製品の品揃えを強化するなど価格帯毎に隙のない製品対応を推進し、業績の確保につとめました。また、同様の戦略を和菓子、洋菓子にも展開してまいりました。デイリーヤマザキやヴィ・ド・フランスなど小売事業につきましては、小売事業業績改善プロジェクトにより日次管理・週次管理の経営手法を徹底し日々の仕事の精度向上につとめるとともに、小売事業本部内の戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携し、ヤマザキの技術を最大限活用した、競争力のある商品開発を推進するなど業績回復をめざしました。当社は2022年3月30日開催の第74回定時株主総会においてご承認いただき、同日付をもって監査等委員会設置会社に移行しました。これに伴い、常務会を業務執行の中心機関とし、その下部機関としてコーポレートガバナンス(企業統治)小委員会、営業生産合同(現業)小委員会、関係会社小委員会を設置して随時開催し、各部門または関係会社における問題・課題について、その問題・課題の原因追求とあるべき姿を求めて対処・対応し、日次管理・週次管理・月次決算の経営手法により、精度の高い効率的な業務執行を行い、業績の向上を期してまいりました。
また、当社は2022年8月26日開催の取締役会において、㈱神戸屋から包装パンの製造販売事業および同社子会社の営むデリカ食品の製造販売事業を譲り受けることを決議し、同日、㈱神戸屋と株式譲渡契約を締結しました。事業の譲受け方法につきましては、㈱神戸屋が新会社㈱YKベーキングカンパニーを設立し、包装パン事業等を会社分割により承継させたうえで、同社の発行済株式全部を当社が取得することを予定しております。12月15日には、公正取引委員会から「排除措置命令を行わない旨の通知書」を受領し、公正取引委員会から承認を得ることができました。これを受け、当社内にYKベーキングカンパニー準備委員会を設置し、譲受けに向け準備を進めることといたしました。当期の業績につきましては、連結売上高は1兆770億9百万円(対前連結会計年度比106.2%)、連結営業利益は220億32百万円(対前連結会計年度比120.0%)、連結経常利益は261億27百万円(対前連結会計年度比122.2%)、親会社株主に帰属する当期純利益は123億68百万円(対前連結会計年度比119.2%)となり、山崎製パン㈱単体の食パンや菓子パンが好調に推移したことに加え、一部の連結子会社の業績が改善したこともあり、増収増益となりました。
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
比較増減
金額(百万円)
金額(百万円)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
売
上
高
1,052,972
1,077,009
24,036
102.3
営 業 利 益
18,359
22,032
3,673
120.0
経 常 利 益
21,382
26,127
4,745
122.2
親会社株主に帰属する当期純利益
10,378
12,368
1,990
119.2
(注)1
当期首から「収益認識会計基準」を適用しており、前期と同様の基準で算出した売上高の
対前連結会計年度比は106.2%であります。
セグメント別の業績は次のとおりであります。
〔食品事業〕a 食パン部門(売上高1,003億47百万円、対前連結会計年度比106.0%)
食パンは、主力の「ロイヤルブレッド」が伸長し、「モーニングスター」や「スイートブレッド」などルヴァン種を活用し品質を向上させた低価格帯食パンが大きく伸長するとともに、サンドイッチ用食パンの回復や価格改定の寄与もあり、前期の売上を上回りました。b 菓子パン部門(売上高3,802億6百万円、対前連結会計年度比106.3%)
菓子パンは、主力の高級シリーズや「まるごとソーセージ」が好調に推移するとともに、値頃感のあるヤマザキ菓子パンシリーズが大きく伸長し、「ルヴァンバターロール」などの食卓ロールや「ベイクワン」シリーズなどの複数個入り製品が伸長しました。さらに海外子会社の売上が好調に推移したこともあり、前期の売上を上回りました。c 和菓子部門(売上高707億93百万円、対前連結会計年度比104.2%)
和菓子は、主力の串団子やまんじゅうが好調に推移し、複数個入りの大福や蒸しパンが伸長するとともに、「クリームたっぷり生どら焼」などチルド製品が売上に寄与するなど、前期の売上を上回りました。d 洋菓子部門(売上高1,449億94百万円、対前連結会計年度比100.9%)
洋菓子は、値頃感のある製品を充実させた主力の「2個入り生ケーキ」や「大きなツインシュー」などのシュークリームが堅調に推移したことに加え、㈱不二家の洋菓子事業が好調に推移したこともあり、前期の売上を上回りました。e 調理パン・米飯類部門(売上高1,447億20百万円、対前連結会計年度比107.8%)
調理パン・米飯類は、おにぎりやサンドイッチの売上が回復したことに加え、大徳食品㈱において調理麺の販路が拡大したこともあり、前期の売上を上回りました。
f 製菓・米菓・その他商品類部門(売上高1,610億86百万円、対前連結会計年度比111.6%)
製菓・米菓・その他商品類は、㈱不二家の「カントリーマアム チョコまみれ」が大きく伸長し、新製品の「ホームパイ チョコだらけ」が寄与するとともに、㈱東ハトの「ポテコ」や「あみじゃが」が伸長しました。
以上の結果、食品事業の売上高は1兆21億48百万円(対前連結会計年度比106.5%)、営業利益は223億26百万円(対前連結会計年度比111.5%)となりました。
[食品事業 前期比較]
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
金額(百万円)
売
上
高
980,599
1,002,148
21,549
102.2
営 業 利 益
20,027
22,326
2,298
111.5
(注)1
当期首から「収益認識会計基準」を適用しており、前期と同様の基準で算出した売上高の
対前連結会計年度比は106.5%であります。
〔流通事業〕
デイリーヤマザキのコンビニエンスストア事業につきましては、戦略製品・戦略商品開発推進チームと連携して、「ランチパック 大盛り」シリーズや新商品の「空飛ぶドーナツ」などヤマザキの技術を活用した魅力ある商品開発を推進しました。また、松戸ドミナントプロジェクトにおいてデイリーホットの収益改善に取り組み、この取組みを杉並リージョンにも広げるとともに、既存店の改装を行い、デイリーホット商品を中心としたヤマザキらしい売場づくりを推進しました。
この結果、チェーン全店売上高は前期を上回るとともに、営業総収入は直営店舗数の増加により増収となりました。
当期末の店舗数は、「デイリーヤマザキ」1,029店(16店減)、「ニューヤマザキデイリーストア」309店(23店減)、「ヤマザキデイリーストアー」11店(1店減)、総店舗数1,349店(40店減)となりました。
以上の結果、流通事業の売上高は616億57百万円(対前連結会計年度比102.2%)、営業損失は31億1百万円(前連結会計年度は41億93百万円の営業損失)となりました。
[流通事業 前期比較]
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
金額(百万円)
売
上
高
59,494
61,657
2,162
103.6
営 業 利 益
△4,193
△3,101
1,092
―
(注)1
当期首から「収益認識会計基準」を適用しており、前期と同様の基準で算出した売上高の
対前連結会計年度比は102.2%であります。
〔その他事業〕
その他事業につきましては、売上高は132億3百万円(対前連結会計年度比104.6%)、営業利益は24億27百万円(対前連結会計年度比112.7%)となりました。
[その他事業 前期比較]
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
金額(百万円)
売
上
高
12,878
13,203
325
102.5
営 業 利 益
2,154
2,427
273
112.7
(注)1
当期首から「収益認識会計基準」を適用しており、前期と同様の基準で算出した売上高の
対前連結会計年度比は104.6%であります。
②財政状態の状況当連結会計年度末の資産合計は7,580億31百万円で、前連結会計年度末に比べ6億78百万円増加しました。当連結会計年度末の負債合計は3,501億33百万円で、前連結会計年度末に比べ250億1百万円減少しました。当連結会計年度末の純資産合計は4,078億97百万円で、前連結会計年度末に比べ256億80百万円増加しました。
③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は1,195億59百万円となり、前連結会計年度に対しては139億36百万円の減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益232億18百万円に加え、減価償却費394億36百万円などにより527億73百万円のプラスとなりましたが、前連結会計年度に対しては42億98百万円減少しました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出などにより419億84百万円のマイナスとなり、前連結会計年度に対しては41億94百万円支出が増加しました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払などにより266億95百万円のマイナスで、前連結会計年度に対しては新規借入の減少もあり287億66百万円減少しました。
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
増
減
金額(百万円)
金額(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
57,071
52,773
△4,298
投資活動によるキャッシュ・フロー
△37,790
△41,984
△4,194
財務活動によるキャッシュ・フロー
2,070
△26,695
△28,766
現金及び現金同等物に係る換算差額
927
1,970
1,043
現金及び現金同等物の増減額(△は減少)
22,279
△13,936
△36,215
現金及び現金同等物の期首残高
102,842
133,495
30,652
新規連結に伴う現金及び現金同等物の増加額
8,373
―
△8,373
現金及び現金同等物の期末残高
133,495
119,559
△13,936
④生産、受注及び販売の状況
a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
金額(百万円)
食品事業
878,197
913,157
34,960
104.0
その他事業
101
103
1
101.3
合計
878,299
913,261
34,961
104.0
b 商品仕入実績当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
金額(百万円)
金額(百万円)
食品事業
30,152
34,714
4,561
115.1
流通事業
42,709
41,531
△1,178
97.2
合計
72,862
76,245
3,382
104.6
(注) 1
セグメント間取引については、相殺消去しております。
c 受注状況当社グループの食品事業における製品は特に鮮度が重要視されますので、取引先からの日々の注文により生産しておりますが、納入時間の関係上受注締切以前に見込数で生産を開始し、最終的に生産数量の調整を行う受注方式であり、翌日繰越受注残はありません。
d 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
区分
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
比較増減
(参考)収益認識会計基準適用前比較増減
金額(百万円)
金額(百万円)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
前年同期差(百万円)
前年同期比(%)
食品事業
食パン
95,160
100,347
5,186
105.5
5,670
106.0
菓子パン
359,934
380,206
20,272
105.6
22,840
106.3
和菓子
68,379
70,793
2,413
103.5
2,851
104.2
洋菓子
144,861
144,994
133
100.1
1,233
100.9
調理パン・米飯類
143,086
144,720
1,634
101.1
11,221
107.8
製菓・米菓・その他商品類
169,177
161,086
△8,091
95.2
19,679
111.6
食品事業計
980,599
1,002,148
21,549
102.2
63,497
106.5
流通事業
59,494
61,657
2,162
103.6
1,310
102.2
その他事業
12,878
13,203
325
102.5
595
104.6
合計
1,052,972
1,077,009
24,036
102.3
65,404
106.2
(注) 1
セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。a 貸倒引当金
当社グループは、貸倒懸念債権等特定の債権について個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しておりますが、将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合は、引当金の追加計上が必要となる可能性があります。b 投資有価証券の減損処理
当社グループは、投資有価証券を所有しておりますが、その価値が50%以上下落した場合及び2ヶ年以上継続して30%から50%下落している場合は、減損処理を実施しております。将来の市況悪化や投資先の業績不振等によっては、更に減損処理が必要となる可能性があります。c 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産については、将来の課税所得の見込み及び税務計画に基づき、回収可能性を十分に検討し、回収可能な額を計上しております。なお、既に計上した繰延税金資産については、その実現可能性について毎期検討し、内容の見直しを行なっておりますが、将来の課税所得の見込みの変化やその他の要因に基づき繰延税金資産の実現可能性の評価が変更された場合、繰延税金資産の取崩又は追加計上により親会社株主に帰属する当期純利益が変動する可能性があります。d 退職給付費用及び債務
退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、直近の統計数値に基づいて死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は優良社債の利回りに基づき、長期期待運用収益率については年金資産の過去の運用実績等に基づき決定しております。
実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来の期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当期首から「収益認識に関する会計基準(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しておりますので、前期との比較・分析については、収益認識会計基準適用前の数値で行っております。当社グル-プの当連結会計年度の経営成績は、売上高は1兆770億9百万円(前連結会計年度比6.2%増) で、2極化・3極化戦略によって低価格帯製品や値頃感のある製品の品揃えを強化し、隙の無い製品対応を図った食パン・菓子パンが順調に推移するとともに、人流の回復でコンビニエンスストアやフレッシュベーカリーの小売事業が回復傾向になった事もあり、前連結会計年度を上回りました。営業利益は220億32百万円(前連結会計年度比 20.0%増)、経常利益は261億27百万円(前連結会計度比22.2%増) で、増収と人件費率のダウンもあり、営業利益、経常利益ともに増益となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益も、123億68百万円(前連結会計度比19.2%増)で、新型コロナウイルス感染症に係る助成金収入の減少はありましたものの、前連結会計年度を上回りました。当社は、2023年4月期には輸入小麦の政府売渡価格の上昇が見込まれており、また卵や包材などの原材料価格やエネルギーコスト高騰の更なる上昇が見込まれる厳しい経営環境の中にありますが、引き続き新型コロナウイルス感染防止対策の徹底につとめるとともに、いのちの道の教えに従った部門別製品施策・営業戦略、小委員会による「なぜなぜ改善」によって、変化する市場のニ-ズを的確に捉え、各部門毎の新しい価値と新しい需要を創造して業績の向上を目指します。
また、小売事業においては、小売事業業績改善プロジェクトにおいて日次管理・週次管理を徹底し、戦略製品・戦略商品開発チ-ムを中心にいのちの道の教えに従ったヤマザキパンの小売事業のあるべき姿を追求して、グル-プの総力を挙げた戦略製品の開発に取り組む事により、小売事業の業績の向上を目指します。
今後も当社グル-プは、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、財政基盤の安定、収益性の改善、資本効率の向上に取り組み、連結経常利益率3%以上、連結ROE5%以上を達成すべく全力を挙げて取り組みます。
a 売上高売上高を事業の種類別に見ますと、食品事業は品質の向上と2極化・3極化戦略によって、低価格帯製品や値頃感のある製品を強化した事もあり、食パン・菓子パン部門が好調に推移しました。和菓子部門は主力の串団子や複数個入りの大福などが伸長、洋菓子部門はシュークリームや一部の子会社が伸長しました。人流の回復もありフレッシュベーカリーの小売事業やコンビニエンスストア向け製品が主要販路の調理パン・米飯類部門も伸長しました。製菓・米菓・その他商品類部門は一部の子会社で既存製品が伸長した事に加え、新製品の寄与により伸長しました。食品事業全体では1兆21億48百万円(前連結会計年度比6.5%増) で前期を上回りました。流通事業ではデイリ-ヤマザキで、ヤマザキの技術を活用した魅力ある商品の開発推進に加え、直営店舗数の増加があり、616億57百万円(前連結会計年度比2.2%増)と伸長し、その他事業は132億3百万円(前連結会計年度比4.6%増) でした。なお、売上高の詳細については、「第2 事業の状況」「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」(1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況に記載の通りです。b 営業利益
売上総利益率は、原材料費率や光熱費等の増がもあり、34.1%で前連結会計年度を0.8%下回りました。販売費及び一般管理費は3,215億74百万円、売上高に対する比率は32.2%で、人件費率や販売促進費用の減少もあり、前連結会計年度を1.0%下回りました。
以上の結果、営業利益は220億32百万円(前連結会計年度比20.0%増)となりました。セグメント別では、食品事業の営業利益は増収と労務費率の減少により、223億26百万円(前連結会計年度比11.5%増)、流通事業はロイヤリティ収入の増や値入率の改善、ロス率の低減等もあり、営業損失が 31億1百万円(前連結会計年度は41億93百万円の営業損失)と縮小、その他事業の営業利益は増収により24億27百万円(前連結会計年度比12.7%増)でした。c 経常利益
営業外収益面で、外貨建貸付金に係る為替差益の計上もあり、経常利益は261億27百万円(前連結会計年度比22.2%増) となりました。なお、目標とする経営指標の連結売上高経常利益率3%以上に対し、当連結会計年度は2.4%でしたが、前連結会計年度に対しては0.4%上回りました。d 親会社株主に帰属する当期純利益
新型コロナウイルス感染症に係る助成金収入の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益は232億18百万円(前連結会計年度比16.4%増) 、親会社株主に帰属する当期純利益は123億68百万円で、前連結会計年度に比べ19.2%の増益となりました。当連結会計年度の1株当たり当期純利益は59円10銭で、前連結会計年度に比べ10円50銭増加しました。なお、目標とする経営指標の連結ROEの5%以上に対し、当連結会計年度は3.5%でしたが前連結会計年度に対しては0.4%増加しました。
③財政状態の分析当連結会計年度末の資産合計は7,580億31百万円で、前連結会計年度末に対し6億78百万円増加しました。
主な要因は、流動資産が2,913億21百万円で、受取手形及び売掛金が91億17百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に対し13億36百万円増加したことと、固定資産が4,667億9百万円で、有形固定資産が38億58百万円増加しましたが、投資その他の資産が56億23百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に対し6億57百万円減少したことによるものです。
負債は3,501億33百万円で、借入金の返済や退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末に対し250億1百万円減少しました。
純資産は4,078億97百万円で、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金が77億35百万円、退職給付に係る調整累計額が148億11百万円それぞれ増加したこと等により、前連結会計年度末に対し256億80百万円増加しました。なお、自己資本比率は48.0%で前連結会計年度に比べ2.8%の増、1株当たり純資産は1,743円42銭で前連結会計年度に比べ133円85銭の増となりました。
前連結会計年度(自
2021年1月1日至
2021年12月31日)
当連結会計年度(自
2022年1月1日至
2022年12月31日)
前期差
金額(百万円)
金額(百万円)
流 動 資 産
289,984
291,321
1,336
固 定 資 産
467,367
466,709
△657
資 産 合 計
757,352
758,031
678
負 債 合 計
375,135
350,133
△25,001
純 資 産 合 計
382,217
407,897
25,680
負 債 純 資 産 合 計
757,352
758,031
678
④資本の財源及び資金の流動性について当連結会計年度末の借入金残高は785億75百万円でありますが、営業活動によるキャッシュ・フローや現金及び現金同等物の残高を考慮すると、当社グループは将来必要とされる成長資金及び有利子負債の返済に対し、当面充分な流動性を確保しております。
また、当社グループは、第1に、手元流動性を極力最小限に抑える。第2に営業活動によるキャッシュ・フローは会社の維持発展に必要な設備投資に充当する。なお、今後の重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況
3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりであります。第3に余剰資金は金利負担の軽減をはかるため適宜借入金の返済に充当する。以上の3項目を目標にしてキャッシュ・フローの有効活用に努めます。株主還元につきましては、株主の皆様への安定配当を継続することを基本方針とし、連結配当性向30%を目標にしております。なお、当期の連結配当性向は37.2%であります。
⑤当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因は、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
