【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当企業グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(単位:百万円)
売上高
営業利益
経常利益
親会社株主に帰属する当期純利益
2022年12月期
315,927
6,865
7,906
9,308
伸長率(%)
9.7
△47.2
△48.8
△1.9
2021年12月期
287,989
13,005
15,442
9,492
当連結会計年度における世界経済は、ウィズコロナの新たな段階への移行が進み、緩やかな持ち直しの動きも見られましたが、ウクライナ情勢の長期化や中国における経済活動の抑制等を受けた原材料やエネルギー価格の高止まり、供給面での制約がありましたほか、世界的な金融引締めにより景気の下振れや急激な為替の変動もありました。また、主要市場の一つであるディスプレイ業界では在庫調整の動きが急速に進むなど、当企業グループの活動にとって大変厳しい影響がありました。このような環境のなか、当企業グループは次の3つを経営方針として掲げ、経営活動を行ってまいりました。第一の方針である「事業の収益力の強化」については、ディスプレイ市場におけるコロナ特需の反動や半導体不足による自動車市場の低迷、中国でのコロナ政策による混乱などによって全体的に需要減速の影響を受けましたが、中国市場では販売網強化により液晶ディスプレイ用カラーフィルター材料の顧客開拓を図りましたほか、設備増強を進めたインドやアメリカでは粘着剤の事業拡大が進みました。また、欧州では需要拡大が見込まれるデジタル印刷用インクジェットインキの現地生産を開始しました。一方、国内では収益構造の改革に取り組み、色材・機能材関連事業の生産効率向上のため茂原工場の機能を富士製造所へ移管したほか、印刷・情報関連事業の販売体制を東洋インキ株式会社に統合するなど合理化を進めました。また、原材料やエネルギー価格、物流コストの高騰への対応には遅れがあったものの、継続した価格改定やコストダウンを推進しました。第二の方針である「重点開発領域の創出と拡大」については3つの注力領域での活動を継続しました。「サステナビリティ・サイエンス」領域では、車載用リチウムイオン電池材料の4大市場(欧州・米国・中国・日本)での取組みを継続し、欧米で生産が本格化したほか、中国や日本では新たな顧客の開拓が進みました。環境調和型製品ではパッケージの紙化に寄与する機能性コーティング材の拡販や、リサイクルに貢献する着色剤製品の開発に注力しました。「コミュニケーション・サイエンス」領域では、中国(深圳市)に技術センターを開設し、エレクトロニクスや5G用途などの新規ポリマー材料の開発を迅速化する体制を整備しました。「ライフ・サイエンス」領域では、伸長するバイオ医薬品分野への将来的な事業展開を視野に、ノーベルファーマ株式会社と製造・開発及び海外展開に関わる業務提携について基本合意したほか、貼付型医薬品拡大のため新工場の建設も進めました。また、これらの重点開発領域に関連する先端研究のため、東京工業大学内に「東洋インキグループ協働研究拠点」も設置いたしました。第三の方針である「持続的成長に向けた経営資源の価値向上」については、事業基盤のDX(デジタルトランスフォーメーション)化を推進し、M.I.(マテリアルズ・インフォマティクス)の製品開発への活用、スマートファクトリー化へ向けたデータの可視化などの具体的施策を進めました。ESGの観点では、サステナビリティビジョン「TSV2050/2030」を推進し、TCFD提言に基づく気候変動情報の開示を行いました。また、「LGBTの理解を深めサポートするためのガイドライン」の制定など、ダイバーシティを推進する環境整備を進めたほか、ガバナンス面では監査等委員会設置会社へ移行し取締役会の監督機能の強化を図りました。さらに、政策保有株式の低減にも積極的に取組み資本効率の改善も進めました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は3,159億27百万円(前期比9.7%増)と増収になりましたが、原材料高騰の影響もあり、営業利益は68億65百万円(前期比47.2%減)、経常利益は79億6百万円(前期比48.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は93億8百万円(前期比1.9%減)と、それぞれ減益になりました。なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、従来の方法に比べて、売上高は4億25百万円減少し、営業利益は41百万円、経常利益は1百万円それぞれ減少しております。
セグメントごとの経営成績につきましては、次のとおりです。
売上高
営業利益
セグメントの名称
前連結会計年度(百万円)
当連結会計年度(百万円)
増減率(%)
前連結会計年度(百万円)
当連結会計年度(百万円)
増減率(%)
色材・機能材関連事業
74,995
79,380
5.8
5,391
1,846
△65.7
ポリマー・塗加工関連事業
70,736
76,240
7.8
3,570
2,504
△29.8
パッケージ関連事業
73,645
83,464
13.3
1,813
963
△46.9
印刷・情報関連事業
66,695
75,180
12.7
1,730
654
△62.2
その他
5,746
4,948
△13.9
531
890
67.6
計
291,820
319,214
9.4
13,036
6,860
△47.4
調整額
△3,831
△3,287
-
△30
5
-
連結
287,989
315,927
9.7
13,005
6,865
△47.2
a. 色材・機能材関連事業液晶ディスプレイカラーフィルター用材料は、大型テレビやスマートフォン向けの液晶パネル需要が減少したことで大型から中小型まで急激な減産の動きが進み、後半は出荷が非常に低調となりました。プラスチック用着色剤は、容器用が食品容器向けを中心に堅調でしたが、半導体等の部材不足や中国でのロックダウンに伴う影響により自動車用や事務機器用が伸び悩みました。インクジェットインキは、商業印刷用やサイン用が堅調に推移しました。また、車載用リチウムイオン電池材料は、米国や欧州の拠点整備が進み、需要の増加とともに販売を拡大しました。これらの結果、当事業全体の売上高は793億80百万円(前期比5.8%増)と増収になりましたが、原材料の価格高騰やエネルギーコスト上昇の影響もあり、営業利益は18億46百万円(前期比65.7%減)と減益になりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は3億89百万円減少し、営業利益は2百万円減少しております。
b. ポリマー・塗加工関連事業塗工材料は、後半に入り導電性接着シートや電磁波シールドフィルムがスマートフォンの市況低迷の影響を受けたほか、液晶パネルや自動車向けの耐熱微粘着フィルムも市場での急激な生産調整のため低調となりました。接着剤は、国内ではスナックやペットフード向けなど包装用が堅調でしたが、粘着剤は、ラベル用やディスプレイ用が需要低迷の影響を受けました。海外では、米国やインドでの設備増設により粘着剤の拡販が進んだほか、接着剤も食品や薬品包装向けの販売が堅調でした。缶用塗料は、国内では機能性を付与した新製品の拡販が進みましたが、海外では漁獲量の低迷により食缶用が低調に推移するなど、全体では伸び悩みました。これらの結果、当事業全体の売上高は762億40百万円(前期比7.8%増)と増収になりましたが、原材料やエネルギーの価格高騰に、販売価格の改定やコスト削減が及ばず、営業利益は25億4百万円(前期比29.8%減)と減益になりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は6百万円減少し、営業利益は10百万円減少しております。
c. パッケージ関連事業リキッドインキは、国内では、冷食や飲料ラベル、麺類等の食品向けの需要が底堅く、各種資材の調達難や価格上昇を見据えた顧客での在庫積み増しの動きもあり、主力の包装用が堅調でした。海外では、中国でロックダウンによる影響で出荷が落ち込みましたが、他の地域では経済活動が回復したことや拡販も進んだことにより、堅調に推移しました。グラビアのシリンダー製版事業は、包装用で新版需要が少なかったことに加え、エレクトロニクス関連の精密製版も伸び悩みました。これらの結果、当事業全体の売上高は834億64百万円(前期比13.3%増)と増収になりましたが、世界的な原材料の調達難や価格高騰に加えてエネルギー価格の上昇も重なり、営業利益は9億63百万円(前期比46.9%減)と減益になりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は23百万円減少し、営業利益は20百万円減少しております。
d. 印刷・情報関連事業情報系印刷市場の構造的な縮小により、国内では、チラシや広告、出版向けが低調でしたが、紙器用や飲料缶向けの金属印刷用は堅調に推移しました。また、構造改革や同業他社との協業によるコストダウンを進めましたが、原材料の調達難や価格高騰、エネルギーコストの高止まり等により利益が大きく圧迫されました。海外では、欧州や中国等でウクライナ情勢や新型コロナウイルス感染症の影響により市況が低迷しましたが、他の地域では経済活動の回復や拡販が進んだことにより堅調に推移しました。これらの結果、当事業全体の売上高は751億80百万円(前期比12.7%増)と増収になりましたが、営業利益は6億54百万円(前期比62.2%減)と減益になりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は6百万円減少し、営業利益は8百万円減少しております。
e. その他上記のセグメントに含まれない事業や、東洋インキSCホールディングスなどによる役務提供などを対象にしています。売上高は49億48百万円(前期比13.9%減)と減収になりましたが、退職給付費用の減少などにより、営業利益は8億90百万円(前期比67.6%増)と増益になりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、売上高は0百万円減少し、営業利益は0百万円減少しております。
財政状態につきましては、次のとおりです。
前連結会計年度(百万円)
当連結会計年度(百万円)
増減(百万円)
総資産
406,896
411,177
4,281
負債
179,948
183,300
3,351
純資産
226,947
227,877
929
当連結会計年度末における総資産は4,111億77百万円で、前連結会計年度末より42億81百万円増加しました。負債は1,833億円で、前連結会計年度末より33億51百万円増加しました。純資産は2,278億77百万円で、前連結会計年度末より9億29百万円増加しました。当連結会計年度末日の為替レートが前連結会計年度末日の為替レートに比べ円安外貨高に振れたため、海外子会社で保有する資産及び負債、為替換算調整勘定がそれぞれ増加しました。また、原材料の確保や価格高騰などの影響により棚卸資産が増加しました。さらに、海外での設備増強や、重点開発領域への積極的な設備投資などにより有形固定資産が増加しました。一方、配当金の支払いや自己株式の取得などにより現金及び預金が減少しました。また、保有株式の一部売却に伴い投資有価証券、繰延税金負債、その他有価証券評価差額金がそれぞれ減少しました。なお、借入金の返済資金に充当するため、第1回無担保普通社債を発行しております。
② キャッシュ・フローの状況
前連結会計年度(百万円)
当連結会計年度(百万円)
増減(百万円)
営業活動によるキャッシュ・フロー
15,760
4,262
△11,498
投資活動によるキャッシュ・フロー
△17,576
△5,645
11,930
財務活動によるキャッシュ・フロー
△11,988
△8,102
3,885
現金及び現金同等物の期末残高
60,949
53,385
△7,564
当連結会計年度の現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の期末残高は、前期末残高より75億64百万円減少し、533億85百万円となりました。営業活動により得られた資金は42億62百万円(前連結会計年度比114億98百万円減)となりました。税金等調整前当期純利益計上による資金の増加や、売上債権の増加、棚卸資産の増加、法人税等の支払いによる資金の減少などがありました。投資活動により使用した資金は56億45百万円(前連結会計年度比119億30百万円減)となりました。有形固定資産の取得などに伴う支出や有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入などがありました。財務活動により使用した資金は81億2百万円(前連結会計年度比38億85百万円減)となりました。長期借入金の返済、自己株式の取得、配当金の支払いによる資金の減少や、短期借入金の純増、社債発行による資金の増加などがありました。
③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
生産高(百万円)
前期比(%)
色材・機能材関連事業
82,329
△0.2
ポリマー・塗加工関連事業
57,859
3.5
パッケージ関連事業
67,986
18.1
印刷・情報関連事業
52,862
12.4
報告セグメント計
261,039
7.4
その他
124
2.1
合計
261,163
7.4
(注) 生産金額は製造原価によっております。
b. 受注実績
当企業グループにおける受注生産は極めて少なく、大部分が計画生産のため、記載を省略しております。
c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称
販売高(百万円)
前期比(%)
色材・機能材関連事業
78,086
6.7
ポリマー・塗加工関連事業
75,832
7.6
パッケージ関連事業
82,587
13.4
印刷・情報関連事業
75,175
12.7
報告セグメント計
311,682
10.1
その他
4,244
△11.1
合計
315,927
9.7
(注)
1
上記の金額は、連結会社間の内部売上高を除いております。2
主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合につきましては、販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先が存在しないため、記載を省略しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当企業グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り当企業グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていますが、その作成には経営者による会計方針の選択・適用と、資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りにあたっては過去の実績等を勘案し合理的な判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性がありますため、これらの見積りと異なる場合があります。当企業グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績の分析当連結会計年度の売上高は、前期比279億38百万円(9.7%)増の3,159億27百万円(期初計画 2,950億円、2022年11月11日公表修正計画 3,150億円)となりました。その内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しており、為替変動に伴う海外子会社の円換算額の増加や価格改定効果もあり、海外を中心に伸長し、増収となりました。この結果、海外売上高比率は、過去最高の52.8%となっております。営業利益は、前期比61億39百万円(47.2%)減の68億65百万円(期初計画 145億円、修正計画 70億円)となりました。原材料価格の急激な高騰に加え、液晶パネルやエレクトロニクスにおける市況の急速な低迷の影響を受け、価格改定やコストダウンの施策を実施するも減益となりました。経常利益は、前期比75億35百万円(48.8%)減の79億6百万円(期初計画 150億円、修正計画 85億円)となりました。為替差益が大きく発生しましたものの、営業利益の減少に加え、「正味貨幣持高に係る損失」の発生や「支払利息」の増加により減益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比1億84百万円(1.9%)減の93億8百万円(期初計画 100億円、修正計画 90億円)となりました。経常利益が減少したものの、政策保有株式の売却益もあり、前期並みを確保しました。なお、セグメント別の経営成績については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりです。
b. 財政状態の分析財政状態の分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり、セグメント別の財政状態は、以下となりました。色材・機能材関連事業の資産1,140億98百万円(前期末より8億30百万円減少)。ポリマー・塗加工関連事業の資産1,019億59百万円(前期末より9億97百万円増加)。パッケージ関連事業の資産904億43百万円(前期末より2億50百万円減少)。印刷・情報関連事業の資産962億16百万円(前期末より47億13百万円増加)。その他の事業の資産84億59百万円(前期末より3億48百万円減少)。
c. キャッシュ・フローの分析キャッシュ・フローの分析については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであり、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、成長を推進する設備投資の実施や、機動的な資本政策の遂行を可能とする自己株式の取得などにより、533億85百万円と前期末と比べ減少しております。今後とも、手元資金を確保しつつも将来の成長に向けた資金運用に努めてまいります。
③ 経営成績に重要な影響を与える要因について当企業グループが提供する製品の市場は多岐に渡っておりますが、一般的な消費動向や、石油化学系原料の仕入価格、為替レートなどは、当企業グループの経営成績に大きく影響を与える要因になっております。当連結会計年度では、ウクライナ情勢の長期化や中国における経済活動の抑制等を受け、エネルギー価格が高騰し、原材料調達の不安定化に加え、ナフサ価格の高騰や、世界的環境規制の強化が継続しており、原材料価格は高止まりしております。また、為替レートの円安外貨高による輸入原材料の高騰や、液晶パネル及びエレクトロニクス市況の急速な低迷による影響も受けております。この厳しい事業環境のなか、製品の供給責任を優先したうえで、グループ会社間のグローバル規模での生産協力、生産や物流の効率化、原材料の代替対応などのコストダウンや適正価格への改定といった対策を講じてまいりました。その他、海外活動や災害への対応など、当企業グループの経営成績及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のあるリスクについては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりですが、これらの発生を抑制する活動を、サステナビリティ委員会傘下のリスクマネジメント部会を中心に、引き続き積極的に推進していきます。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当企業グループの主な運転資金需要は、製品製造のための原材料費や労務費及び製造経費をはじめ、販売費及び一般管理費、新製品創出や事業領域拡大のための研究開発活動費などにあります。また、設備投資では、成長領域や事業拡大に合わせた生産設備投資によるグローバル供給体制の強化や、統合システム整備による事業や業績のグローバル一体管理を進めています。さらには、事業拡大を目的とした各種アライアンスや、人材・技術・事業などの戦略投資についても機動的に実施してまいります。なお、これらの資金需要につきましては、主に手元資金や営業活動によるキャッシュ・フローから創出するとともに、必要に応じて、金融機関からの借入なども実施してまいります。当連結会計年度の有利子負債残高は、新型コロナウイルス感染症の長期化に備えた長期借入金や第1回無担保普通社債発行の影響もあり、864億48百万円となっております。また、国内では、キャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、当企業グループの余剰資金を効率的に運用しております。
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