【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、米国経済が個人消費の下支えにより堅調に推移したものの、中国経済が不動産市場の低迷と輸出減少に伴い低調となるなど、国や地域によりばらつきが大きく、全体としては減速傾向にありました。一方、国内経済は外需低迷による輸出不振や物価上昇による消費下押し要因はあったものの、個人及びインバウンド消費の動向が上向くなど緩やかな回復傾向にありました。
このような環境のなか、当社グループにおいては、自動車産業の堅調な推移やインバウンド需要を中心とした化粧品業界の需要増などの好要因があったものの、欧州経済や中国経済の停滞による輸出不振や可塑剤の海外市況下落による価格競争力の低下などの影響が大きく、販売数量が落ち込みました。収益面においても、燃料価格の高止まりによる採算性の悪化や資材価格の高騰による設備保全コストの増加等により、厳しい事業運営を強いられました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、156億6千万円(前年同四半期比7.1%減)となり、損益面では、営業損失1億2千2百万円(前年同四半期は2億1千万円の損失)、経常利益9千5百万円(前年同四半期比55.9%増)、親会社株主に帰属する四半期純損失1億1千4百万円(前年同四半期は4千7百万円の損失)となりました。
当社グループは、中期経営計画(2022年3月期~2026年3月期)に基づき、サステナブル経営の実現に向けた事業構造の改革を推し進めております。
収益構造の見直しについては、不採算事業の整理・立直しを進めるとともに、環境負荷の低減を可能にする製品やバイオマス由来など環境価値の高い製品などの新規事業にリソースを重点配分いたします。
具体的には、販売シェアの回復と徹底したコスト削減に努めるほか、製造拠点の集約や製品ラインアップの見直しなどの合理化に着手しており、今年6月に原料調達難及びコスト競争力の低下を背景としたステアリン酸の生産を停止しており、収益を圧迫する既存事業のスクラップ&ビルドを更に加速させてまいります。一方、新規事業育成の面では、環境課題解決に寄与するバイオマス由来の化粧品原料「リカナチュラ」を開発しました。相溶性と感触に優れた植物由来のエモリエント剤のほか、揮発性シリコンの代替素材として、拡販に注力してまいります。
主要製品の概況は次のとおりであります。
トイレタリー向け界面活性剤においては、化粧品業界のインバウンド需要の回復により堅調に推移しました。一方、主に日用品雑貨などのポリオレフィン樹脂成形物向け樹脂添加剤は、ポリオレフィン需要の低下が影響し数量、売上ともに前年を下回りました。
床材や電線被覆材などの建材向け原料である可塑剤製品は、海外市況の下落による価格競争力の低下により輸出が大幅に落ち込みました。国内需要も低調な推移となったものの、前年度の原料調達難の解消による販売数量の回復もあり、販売数量、売上高ともに前年並みとなりました。
自動車産業向け製品においては、自動車生産台数が順調に回復したことから、数量、売上高ともに前年を上回りました。 電子材料向け製品においては、半導体関連材料のメーカー在庫が底を打ち回復が見られましたが、実需要の回復の遅れに伴い数量、売上高ともに前年を下回りました。
② 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前期末比0.1%減となり、金額で2千8百万円減少の385億2千4百万円となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金や受取手形及び売掛金が増加し、仕掛品や原材料及び貯蔵品が減少したことなどにより、前期末比1.6%減、金額で2億9千6百万円減少の186億9千1百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券の時価が上昇したことなどにより前期末比1.4%増となり、金額で2億6千7百万円増加の198億3千3百万円となりました。
流動負債につきましては、1年内返済予定の長期借入金の減少などにより、前期末比6.7%減、金額で8億4千3百万円減少の116億8千8百万円となりました。固定負債は繰延税金負債の増加などにより、前期末比2.3%増、金額で2億4百万円増加の92億7千万円となりました。
純資産につきましては、その他有価証券評価差額金が増加したことなどにより、前期末比3.6%増、金額で6億1千万円増加の175億6千5百万円となりました。
この結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は42.7%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、4億1千万円増加し、31億8千1百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は5億7千4百万円増加(前年同四半期は15億4千7百万円減少)しました。これは主に、棚卸資産の減少13億9千7百万円及び売上債権の増加8億9千5百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は1億4百万円増加(前年同四半期は9千万円減少)しました。これは主に、投資有価証券の売却による収入4億3千2百万円及び有形固定資産の取得による支出3億9千4百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は2億6千9百万円減少(前年同四半期は10億4千6百万円増加)しました。これは主に、長期借入れによる収入10億円と長期借入金の返済による支出13億7百万円によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は436百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。