【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、中国のゼロコロナ政策の継続に加え、ロシアのウクライナ侵攻に端を発したエネルギー価格の高騰などにより景気減速懸念が強まり、先行き不透明な状況で推移しました。わが国経済においては、新型コロナウイルス感染症の第7波により感染者数が過去最高となった一方、行動制限や入国制限が徐々に緩和されるなど、ウィズコロナでの景気回復に向けた動きもみられました。しかしながら、欧米における金利上昇を背景にした急激な円安の進行やエネルギー価格をはじめとする物価の上昇が景気回復のペースを鈍化させる状況にありました。
当社グループを取り巻く環境においては、原油・油脂相場は下落基調にあったものの、サプライチェーンの混乱による原料調達先の変更、円安の進行による原料価格の上昇などに見舞われたことから、厳しい事業運営を強いられました。
このような環境のなか、当社グループにおきましては、2021年度よりスタートした中期経営計画に掲げる目標「環境・社会・人(命)に関わる課題に果敢にチャレンジし、価値創造企業を目指す」の達成に向けて取組みを進めております。事業活動における環境負荷を低減させるため、再生可能エネルギーの調達を開始したほか、環境課題へアプローチする分野に開発資源を集中するなど、研究開発プロセスの改革を進めております。2022年6月に上市しました新たな結晶核剤「RiKACRYSTA」は、ポリオレフィン樹脂の成形加工においてサイクルタイム短縮に貢献し省エネルギー効果を得られるものとして、成形加工メーカーでの良好な評価結果を得ております。しかしながら、業績面におきましては、原料価格高騰に対応すべく製品価格の見直しを進めるなど採算性向上に努めましたが、需給バランスの悪化などによる販売数量の伸び悩みも重なり、収益面で計画を下回る結果となりました。
この結果、当第2四半期連結累計期間における当社グループの売上高は、168億6千1百万円(前年同四半期比10.8%増)となり、損益面では、営業損失2億1千万円(前年同四半期は営業利益3億9千1百万円)、経常利益6千1百万円(前年同四半期比87.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失4千7百万円(前年同四半期は親会社株主に帰属する四半期純利益2億9千9百万円)となりました。
主要製品の概況は次のとおりであります。
生活産業関連向け製品においては、トイレタリー・繊維油剤原料向けアルコール及び脂肪酸の原料調達に苦戦し、販売数量が低迷しました。食品・医薬品向け添加剤及び日用品向けの結晶核剤についても需要が低迷し、数量は前年を下回る結果となりました。しかしながら、原料価格高騰に伴う製品価格の見直しなどの対応を行った結果、売上高は前年を上回りました。
床材や電線被覆材などの建材向け原料である可塑剤製品についても、原料の調達難により販売数量減となりましたが、高騰する原料価格に対応すべく製品価格の改定を行った結果、売上高は前年を上回りました。
自動車産業向け製品においては、完成車メーカーにおける減産の影響を受け、売上高は前年を下回りました。
電子材料向け製品においては、中国のゼロコロナ政策継続による景気停滞の影響が大きく、同国への輸出が低迷したため、売上高、数量ともに減少しました。
② 財政状態
当第2四半期連結会計期間末の総資産は前期末比1.0%増となり、金額で4億6百万円増加の404億9千2百万円となりました。
流動資産につきましては、現金及び預金や受取手形及び売掛金が減少したものの商品及び製品が増加したことにより、前期末比0.3%増、金額で5千9百万円増加の213億8千8百万円となりました。固定資産につきましては、投資有価証券の時価が上昇したことにより前期末比1.8%増となり、金額で3億4千6百万円増加の191億3百万円となりました。
流動負債につきましては、短期借入金の増加などにより、前期末比3.6%増、金額4億8千6百万円増加での140億3千5百万円となりました。固定負債は長期借入金を返済したことなどにより、前期末比1.6%減、金額で1億5千5百万円減少の93億8千1百万円となりました。
純資産につきましては、為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前期末比0.4%増、金額で7千5百万円増加の170億7千4百万円となりました。
この結果、当第2四半期連結会計期間末の自己資本比率は39.6%となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ、5億9千1百万円減少し、27億3千7百万円となりました。
当第2四半期連結累計期間に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、資金は15億4千7百万円減少(前年同四半期は2億1百万円増加)しました。これは主に、棚卸資産の増加13億6千5百万円及び仕入債務の減少12億3千5百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、資金は9千万円減少(前年同四半期は13億3千万円減少)しました。これは主に、有形固定資産の取得による支出1億1千2百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、資金は10億4千6百万円増加(前年同四半期は24億6千3百万円増加)しました。これは主に、短期借入金の純増9億4千5百万円及び長期借入金の純増3億8百万円、配当金の支払額1億8千4百万円によるものであります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は462百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。